時給の「下限」が動くと、看護の職場の何が変わるか
2026年7月28日、中央最低賃金審議会が今年度の地域別最低賃金の目安を答申しました。仮に全都道府県が目安どおりに引き上げた場合、全国加重平均は55円引上げの1,176円、引上げ率は4.9%になるという試算です。そして8月に入ってから、各都道府県の地方最低賃金審議会が順次答申を出しています。
まず、この1,176円はまだ確定した金額ではありません。実際の金額は各都道府県の審議会が審議し、異議申出などの手続きを経て、都道府県労働局長が決定します。報道で見かける「1,176円」は、目安どおりに全国で改定された場合の見込み値だと理解してください。
そのうえで結論をお伝えします。この改定で影響が及びうるのは、看護補助者、パート・非常勤の看護職、そして准看護師の一部です。ただし正確に言えば、引上げが法律上必要になるのは、改定後の最低賃金を下回る時給で働いている場合に限られます。すでに最低賃金を上回っている人の時給が、改定にあわせて自動的に上がるわけではありません。
そのうえで、職場によっては次のような現象が起こりえます。最低賃金に近い水準だった職種の時給が引き上げられる一方で、もともと上回っていた職種の時給が据え置かれると、資格や責任の差に見合った賃金差が縮むというものです。必ずそうなるわけではありませんが、起きたときには職場の納得感に関わる問題になります。
この記事では、何が決まっていて何が未確定なのかを分けたうえで、自分の時給がどう動くのか、動かないなら何を確認すべきかを整理します。
この記事で分かること
- 2026年度の最低賃金がどう決まり、いつ発効するのか
- 8月時点で公的に確認できる答申状況と、確定までの手続き
- 看護補助者・パート看護師の時給に、どんな形で影響するか
- 自分の時給が「上がったことにされる」ケースの見分け方
- 職場の賃金バランスが崩れたときに確認したいこと
2026年度の目安:目安どおりなら全国加重平均1,176円
まず、中央最低賃金審議会が7月28日に示した目安を確認します。ここで示されているのは各都道府県が参考にする引上げ額の目安であり、確定額ではありません。
| ランク | 対象 | 目安額 |
|---|
| Aランク | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県 | 54円 |
| Bランク | 28道府県 | 56円 |
| Cランク | 13県 | 56円 |
この目安どおりに全国で改定された場合、全国加重平均は55円の引上げで1,176円になると試算されています。引上げ率は4.9%で、前年度の66円・6.3%と比べると上げ幅は縮んでいます。繰り返しになりますが、これは「目安どおりなら」という条件つきの数字です。
注目したいのは、BランクとCランクの目安がAランクを上回っている点です。A・B・Cのランクは各都道府県の経済状況等をもとに区分されたもので、都市部と地方をそのまま二分したものではありません。そのうえで、Aランクより他のランクの目安額が大きいという配分は、地域間の差を縮める方向に働きます。ただしこれは目安であり、実際の改定額は各都道府県の地方最低賃金審議会の審議を経て決まります。
8月の答申状況:確定までの手続きを押さえる
目安はあくまで目安であり、実際の金額は各都道府県の地方最低賃金審議会が審議し、都道府県労働局長が決定します。
このうち、公的な発表で確認できるものとして、東京都の答申があります。東京地方最低賃金審議会は8月5日、東京都最低賃金を54円引き上げ、現行の1,226円から1,280円に改正することが適当であるとの答申を行いました。引上げ率は4.4%です。
東京都以外の各県についても、目安を上回る答申を出した県が複数あると報じられています。ただし本記事では、公的機関の発表で直接確認できない金額は掲載しません。各県の答申額は、まとめサイトや報道の集計ではなく、管轄の都道府県労働局が公表する答申・決定の情報で確認してください。厚生労働省は例年、全都道府県の答申状況を一覧で公表しています。
答申はこの後、異議申出などの手続きを経て、都道府県労働局長が正式に決定し、官報公示を経て発効します。つまり答申の段階では、金額が変わる可能性がまだ残っています。そして発効日は都道府県ごとに異なります。
自分の勤務地の金額と発効日は、必ず管轄の都道府県労働局の発表でご確認ください。 これがこの記事で最もお伝えしたい実務上の一点です。
「10月1日から」とは限らない
最低賃金は10月1日に上がるものだと思っている方が多いのですが、これは正確ではありません。前年度の例を見ると分かりやすく、令和7年度は令和7年10月1日から令和8年3月31日までの間に順次発効という形になりました。県によっては年明けの発効になったところもあります。
つまり、同じ年度の改定でも、県が違えば新しい時給が適用される月が数か月ずれることがあるということです。隣県の知人と話していて「もう上がった」「まだ上がらない」という食い違いが起きるのは、この仕組みによるものです。
自分の時給がいつから変わるのかを知らないままだと、事業所の適用漏れに気づけません。発効日を手帳やスマートフォンのカレンダーに入れておき、その月の給与明細で確認するところまでを一続きの作業にしておくことをおすすめします。
看護の職場で、最初に影響が出るのはどこか
医療機関や介護施設のなかで、時給が改定後の最低賃金を下回る人がいる職種から、法律上の対応が必要になります。誰の時給がいくらかは職場ごとに違うため、以下はあくまで「そうなりやすい職種」の話です。
看護補助者は対象になる可能性があります。 職種別の時給分布を示したデータがここにあるわけではありませんが、地域によっては現行の時給が改定後の最低賃金を下回ることがあり、その場合は引上げが必要になります。看護補助者の確保は多くの施設で課題になっており、賃金水準は採用にも定着にも関わります。
パート・非常勤の看護職はどうでしょうか。 こちらも、下回っているかどうかは個々の契約次第です。下回っていなければ、改定によって自動的に時給が上がることはありません。ただし補助者の時給が引き上げられて自分の時給が据え置かれれば、結果として差が縮みます。「資格を持って責任を負っているのに、時給の差が数十円しかない」という状態になれば、納得感の問題が生じます。
准看護師や、事務・調理・清掃などの職種も同様です。 対象者がいれば施設全体の人件費が押し上げられるため、賃金表そのものを組み直す施設も出てくると考えられます。ただしどう対応するかは施設の判断であり、一律ではありません。
看護補助者をめぐる制度の動きについては、看護補助者の処遇とタスクシフトの現在地でも整理しています。あわせて読むと、賃金の話と業務分担の話がつながって見えてきます。
金額にすると、どれくらい変わるのか
抽象的な話になりがちなので、実額で見てみます。ここでは「ある人の時給を55円引き上げる必要が生じた場合」という仮定での計算です。実際に何円上げる必要があるかは、その人の現在の時給と、勤務地の改定後の最低賃金との差で決まります。
| 月の勤務時間 | 月額の差 | 年額の差 |
|---|
| 60時間 | 3,300円 | 39,600円 |
| 80時間 | 4,400円 | 52,800円 |
| 120時間 | 6,600円 | 79,200円 |
| 160時間 | 8,800円 | 105,600円 |
フルタイムに近い時間数で働いていれば、年額で10万円を超える差になります。仮に対象となる職員が10人いれば、同じ計算で年間100万円規模のコスト増です。もちろん実際には、対象者が何人いるか、それぞれ何円の引上げが必要かによって金額は変わります。それでも、施設の側が賃金表の見直しに慎重になる理由の一端は、この規模感から見えてきます。
看護補助者の確保は、賃金だけの問題ではない
厚生労働省が2026年7月23日の検討会に提出した資料では、看護補助者について、未経験者の就業希望が一定程度存在する一方で、仕事内容の認知度が低いために求人募集で苦労し、入職後のギャップを理由とした早期離職が見られると指摘されています。
これは、賃金だけが採用と定着を決めているわけではない、という指摘です。ただし、業務内容の説明や入職後のフォローがあれば定着するという因果まで、この資料が検証しているわけではありません。
看護師の側から見ると、補助者が定着しない職場では、本来分担できるはずの業務が看護師に戻ってきます。補助者の賃金と定着は、他人事ではなく自分の業務量に直結する問題です。
「上がったことにされる」パターンに注意
最低賃金が上がったからといって、必ずしも手取りが増えるとは限りません。理屈のうえでは、次のような形もありえます(これらの発生頻度を示すデータがあるわけではなく、確認の観点として挙げるものです)。
| 調整の形 | 何が起きるか |
|---|
| 基本時給を上げる代わりに手当を減らす | 総額が変わらない |
| 支給されていた手当を基本時給に組み入れる | 名目は上がるが総額は同じ |
| シフトの時間数を減らす | 時給は上がるが月収は下がる |
| 業務範囲を広げる | 単価は上がるが負担も増える |
このうち、最低賃金の計算に算入できる賃金の範囲は法令で定められており、すべての手当を組み入れられるわけではありません。たとえば、通勤手当や家族手当、時間外労働に対する割増賃金などは、最低賃金の対象となる賃金には含まれないとされています。名目の付け替えで基準を満たしているように見えても、実際には満たしていないというケースがあり得ます。
自分の時給が最低賃金を満たしているかを確認するときは、支給総額ではなく、最低賃金の対象になる賃金だけを取り出して、時間当たりに換算する必要があります。判断に迷う場合は、勤務地を管轄する労働基準監督署や、都道府県労働局の相談窓口に確認してください。相談の進め方は労働基準監督署への相談の仕方でも整理しています。
自分の時給を点検する4つのステップ
改定を待つだけでなく、自分から確認できることがあります。
ステップ1:現在の時給と、勤務地の改定後の最低賃金を並べる。 時給制ならそのまま比べられます。
月給制の場合、比較のための換算には決められた方法があります。まず、最低賃金の対象にならない賃金(賞与などの臨時の賃金、通勤手当、家族手当、時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金など)を月給から除きます。そのうえで、除いた後の金額を1箇月平均所定労働時間数で割ります。単純に「その月の所定労働時間」で割るのではない点に注意してください。正確な計算方法は厚生労働省の解説で確認できます。
ステップ2:差額を計算する。 改定後の最低賃金より何円高いかが、自分の時給の「上乗せ幅」です。この上乗せ幅が年々縮んでいるなら、最低賃金の上昇に自分の時給が追いついていないということになります。なお「実質賃金」は物価変動を考慮した別の概念なので、ここでの上乗せ幅とは区別してください。
ステップ3:職場の他職種との差を見る。 看護補助者、事務職、自分の時給を並べてみます。差がどう変化したかは、職場で話をするときの事実として使えます。ただし、差が適正かどうかを判断するには、地域の相場、仕事の内容、経験、賞与や手当を含めた年収など、時給以外の要素も必要です。差の変化だけで結論は出ません。
ステップ4:発効日以降の明細を必ず確認する。 改定は自動的に適用されますが、事業所側の手続き漏れが起きることもあります。発効月の明細で時給が変わっているかを確認してください。
このうち、実際にやってみると効くのがステップ3です。多くの人は自分の時給しか見ていません。しかし賃金への不満は、絶対額よりも「割に合っているか」という比較から生まれます。たとえば(あくまで説明のための仮の数字ですが)看護補助者の時給が1,150円に上がり、自分が資格を持って1,250円だとしたら、その100円の差が何に対する差なのかを説明できる人は職場にどれだけいるでしょうか。
差が縮んでいた場合、それが職場の方針によるものなのか、単に最低賃金の上昇に他の賃金が追いついていないだけなのかは、外からは分かりません。分かるのは「差がこれだけ変化した」という事実までです。その事実を持って職場に確認するかどうかは、他の条件も含めて判断してください。いずれにせよ、調べる前より材料は増えます。
ステップ2の考え方はパート看護師の時給を最低賃金からの距離で測るでも扱っています。勤務地の金額が確定したら、その方法で実際に計算してみてください。
扶養の範囲で働いている場合は、時間数の見直しが必要になる
時給が上がると、同じ時間だけ働いた場合の年収も上がります。扶養の範囲や社会保険の加入条件を意識して勤務時間を調整している方は、時給の改定によって想定していた枠を超えてしまうことがあります。
対応の方向としては、勤務時間を調整する、契約内容を見直す、そのまま働いて社会保険に加入する、といった選択肢が考えられます。ただし、税や社会保険の基準は一つではなく、勤務先の規模、労働時間、配偶者の勤務先の手当の要件などによって影響の出方が変わります。「この金額を超えたら損」という単純な二択にはなりません。
この判断は個別性が非常に高いので、一般論で決めないでください。具体的な金額の影響は、勤務先の担当部署、年金事務所、税務署や税理士などの窓口で、自分の条件を伝えて確認するのが確実です。考え方の整理には扶養内で働く看護師の復職と収入設計やパート看護師と社会保険の関係が参考になります。
施設の側から見ると、何が起きているのか
働く側の視点だけでなく、雇う側で何が起きているかを知っておくと、交渉の現実味が変わります。
最低賃金の引上げは、対象となる職員がいる医療機関にとっては人件費の増加になります。しかも保険診療の部分は診療報酬という公定価格で単価が決まっているため、コストが上がったからといって施設の判断で値上げすることができません。この価格転嫁の制約が、医療機関の経営を圧迫する要因として指摘されています。なお、介護保険サービスの単価も介護報酬の算定基準で決まるため、同様に施設の判断では動かせません。
つまり、「最低賃金が上がったのだから、うちの時給ももっと上げてほしい」という要望は、施設側にとっては簡単な話ではありません。だからといって我慢すべきだという意味ではありません。話を持ちかけるときの整理の仕方として、単純な増額の要望ではなく、職種間の賃金バランスがどうなっているかという形で示す方法があります。どちらが通りやすいかを比べたデータはありませんが、相手が検討しやすい形で情報を渡すという点では意味があります。
医療機関の経営状況が実際にどうなっているかは、医療機関の倒産が過去最多ペースという事実の読み方でも扱っています。自分の勤務先の財務状況を知っておくことは、賃金の話をするうえでの前提になります。
話を持ちかけるときは、印象ではなく数字を添えると、相手が確認しやすくなります。「最低賃金が○円になったので、当施設の補助者の時給は下限からいくらの位置になります」「看護職の時給との差は現在いくらで、昨年より縮んでいます」という形であれば、事実として共有できます。要望だけを伝えるより、確認できる情報を渡すほうが議論の前提が揃う、という程度の話です。
B・Cランクの上げ幅が大きいことは、何を意味するか
今年の目安配分で、BランクとCランクの56円がAランクの54円を上回ったことは、これらのランクに属する地域で働く看護職にとって二つの意味を持ちます。なお、A・B・Cは各都道府県の経済状況等にもとづく区分であり、都市部と地方を地理的に二分したものではありません。
一つは、B・Cランクの地域で時給の下限そのものが引き上げられる方向にあるということです。最低賃金は法律上の下限額なので、これが上がれば、下限を下回っている人の時給は引き上げられます。目安どおりに改定されれば、Aランク以外の地域のほうが下限の上昇幅は大きくなります。もっとも、実際の改定額は各都道府県の審議を経て決まるため目安と一致するとは限りませんし、下限を上回っている人の時給がどうなるかは施設の判断です。下限の上昇が、そのまま全員の時給上昇につながるわけではありません。
もう一つは、目安の配分だけを見ればAランク以外の引上げ額のほうが大きい、ということです。ただし、それが施設の負担の重さに直結するかどうかは、この目安からは分かりません。実際の負担は、確定した引上げ額、その地域の現在の賃金水準、対象となる職員が何人いるか、施設の収益構造によって決まります。目安の2円差だけで、B・Cランクの施設のほうが厳しいと結論づけることはできません。
施設がどう対応するかも分かれます。賃金表全体を見直すところもあれば、対象者だけを引き上げるところもあるでしょう。
働く側としては、時給が上がることを歓迎しつつ、勤務時間が削られていないかを同時に見ておくのが現実的です。時給×時間数が月収である以上、片方だけを見ていると総額を見誤ります。
転職を考えるときの、時給の見方
求人票の時給を比べるときは、金額そのものだけでなく「その地域の最低賃金からどれだけ離れているか」を並べて見ると、地域をまたいだ比較がしやすくなります。
同じ1,300円でも、最低賃金が1,280円の地域と1,090円の地域では、下限からの距離がまったく違います。前者は下限すれすれ、後者は200円以上の上乗せです。求人サイトの金額だけを横並びで比べると、この差が見えません。
ただし、この距離から分かるのは「下限からどれだけ離れているか」だけです。地域の賃金相場、仕事の内容、経験、賞与、手当を分離できないため、これだけで職場を評価することはできません。比較のときに一緒に見る数字の一つ、という位置づけです。
あわせて確認したいのは、賞与の有無、昇給の仕組み、交通費の扱いです。時給が高くても賞与がなければ年収は下回ることがあります。求人票の条件をどう読むかについては、求人票と内定条件の確認手順で具体的な項目を整理しています。
よくある質問
Q. 答申が出たら、すぐに時給が上がりますか。 A. 答申の後、異議申出などの手続きを経て都道府県労働局長が決定し、官報公示を経て発効します。発効日は都道府県ごとに異なるため、勤務地の労働局の発表を確認してください。
Q. 常勤の看護師にも関係がありますか。 A. 月給制であっても、最低賃金の対象となる賃金を1箇月平均所定労働時間数で割った額が最低賃金額を下回っていないか、確認する必要があります。金額の水準によっては下回らないことが多いと考えられますが、確認せずに「関係ない」と判断はできません。また、職場の他職種の賃金が上がることで、賃金表全体の見直しにつながる場合もあります。
Q. 手当を含めれば最低賃金を上回っている、と言われました。 A. 最低賃金の計算に算入できる賃金の範囲は法令で定められており、通勤手当や時間外労働の割増賃金などは含まれないとされています。判断に迷う場合は労働基準監督署に確認してください。
Q. 目安と実際の金額が違うのはなぜですか。 A. 目安は中央最低賃金審議会が示す参考値で、実際の金額は各都道府県の審議会が地域の実情を踏まえて審議します。そのため、目安と一致しないこともあります。
Q. 1,176円になると報道されていますが、確定ではないのですか。 A. 1,176円は、全都道府県が目安どおりに引き上げた場合の全国加重平均の試算値です。実際の金額は都道府県ごとに決まるため、この数字がそのまま自分の勤務地に適用されるわけではありません。
Q. 引上げ率が前年より下がったのは、賃上げが止まったということですか。 A. 今年度の目安は4.9%で、前年度の6.3%より低い水準です。ただし引上げ額そのものは55円で、過去の水準から見れば小さくありません。率だけで判断せず、自分の勤務地の実額で確認してください。
Q. 発効日はいつも10月1日ですか。 A. いいえ。前年度は10月1日から翌年3月31日までの間に順次発効という形になり、県によって時期が分かれました。勤務地の労働局の発表で確認してください。
Q. 看護補助者の時給が上がって、自分との差がほとんどなくなりました。おかしくないですか。 A. 法令上、資格の有無に応じた賃金差を設けることが義務づけられているわけではないため、直ちに違法という話にはなりません。ただし、資格と責任に見合った賃金設計になっているかは、職場に確認してよい事柄です。差が縮んだ具体的な金額を示して相談してみてください。
Q. 時給が上がった分、シフトを減らされました。これは問題ないのでしょうか。 A. シフトの決め方は労働契約の内容によります。契約上の所定労働時間が定められているのに一方的に減らされている場合は、勤務先との確認が必要です。判断に迷うときは、各都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに相談できます。窓口の場所と電話番号は都道府県ごとに異なるため、厚生労働省の総合労働相談コーナー案内ページ https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/index.html でお住まいの地域の窓口をご確認ください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html
- 厚生労働省「中央最低賃金審議会」 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127939.html
- 厚生労働省「月給制の場合の最低賃金の確認方法」 https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/chingin/q10.html
- 東京労働局「東京都最低賃金の54円引上げを答申」 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/houdou/20260805chinginka_0001.html
- 厚生労働省「看護職員の確保策について」第4回2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会 資料3(令和8年7月23日) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001719356.pdf
最低賃金の適用や個別の賃金の計算については、勤務地を管轄する都道府県労働局・労働基準監督署にご確認ください。