「この働き方を続けられる気がしない」と感じている方へ
夜勤の負担、人手不足、休みの取りづらさ、人間関係。日々こなしてはいるけれど、「このまま看護師を続けられるのだろうか」とふと不安になる――。そう感じているのは、あなただけではありません。
日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」では、今後も看護職として働き続けたいという意向は62.9%でした。これは前回2021年調査の67.6%より4.7ポイント低下した数字です(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。「続けられるか不安」という気持ちは、いま多くの看護師さんが共有しているものなのです。
この記事は、看護師を続けるか迷っている看護師さんに向けて、「続けたい気持ちと現実のギャップ」を整理し、職場選びの軸をどう持てばよいかを考えるためのものです。
この記事でわかること
この記事の価値:「続けたい」が下がっている背景と、働き続けるために何が重視されているかが、調査データで分かります。
読むと判断できること:自分が「続けられない」と感じる理由が、職場を変えれば解決することなのか、看護師という仕事そのものの話なのかを、切り分けて考えられます。
今の職場で確認すること:続けるために、いまの職場で見直せること・確認できることが分かります。
次にできること:もし環境を変えるなら、何を基準に職場を選べばよいかが整理できます。
読むポイントは次のとおりです。
- 「続けたい」が下がっているという事実
- 働き続けるために重視されること
- 「続けられない理由」を切り分ける
- 今の職場で確認・見直せること
- 環境を変えるなら、何を基準にするか
判断材料になる一次情報
この記事は、以下の一次情報をもとに整理しています。
この記事で確認したいポイントは、次のとおりです。
「続けたい」が下がっているのは、看護師の根性が足りないからではない。賃金・休み・人間関係という、職場で変わりうる条件が、続けられるかどうかを左右している。
「続けたい」が下がっているという事実
日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」によると、今後も看護職として働き続けたいという意向は、「とてもそう思う」(18.5%)と「ややそう思う」(44.4%)を合わせて62.9%でした。前回2021年調査の67.6%から、4.7ポイント低下しています(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。
注目したいのは、意向の低さに偏りがあることです。同調査では、就業継続意向は20~30代で他の年代より低く、勤務先別では病院勤務者で他の勤務先より低い傾向がみられました。つまり、若手で病院勤務という、まさに現場の中心を担う層ほど、「続けられるか」に不安を抱えているということです。
「自分が弱いから続けられないのかも」と感じる必要はありません。データは、これが個人の問題ではなく、働く環境の問題であることを示しています。
働き続けるために重視されること
同じ調査では、看護職として働き続けるために重要視すること(3つまで回答)も尋ねられています。結果は次のとおりです(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。
| 順位 | 重視すること | 割合 |
|---|
| 1位 | 業務や役割、責任に見合った賃金額である | 53.6% |
| 2位 | 休みがとりやすい | 49.6% |
| 3位 | 職場の人間関係が良い | 48.5% |
| 4位 | 希望する働き方ができる | 38.9% |
最も多かったのは「業務や役割、責任に見合った賃金額である」(53.6%)でした。次いで「休みがとりやすい」「職場の人間関係が良い」が続きます。いずれも、精神論ではなく、職場の条件によって変わりうるものです。
さらに同調査では、20~30代の正規雇用(フルタイム)職員のうち、「超過勤務時間が短い者」や「有給休暇取得率が高い者」のほうが、就業継続意向が高い傾向もみられました(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。残業の少なさや休みの取りやすさが、続けられるかどうかに直結しているということです。
「続けられない理由」を切り分ける
「続けられない」と感じる理由を、職場を変えれば解決することと、看護師という仕事そのものの話に分けてみましょう。
場所を変えると解決しやすいこと
- 責任に見合わない賃金(職場によって差が大きい)
- 休みの取りづらさ・有給が使えない雰囲気
- 特定の職場の人間関係の悪さ
- 慢性的な超過勤務
場所を変えても解決しにくいこと
- 対人援助・命に関わる、という仕事の本質的な責任
- 看護師全体の人手不足という構造そのもの
- 体調やライフステージの変化(働き方の調整で和らげることは可能)
調査で重視されている「賃金」「休み」「人間関係」は、いずれも左側――職場を変えることで改善しうるものです。「看護師に向いていない」と結論づける前に、いまの不満が職場固有のものなのかを切り分けてみることが大切です。
今の職場で確認・見直せること
環境を変える前に、いまの職場で確認・見直せることもあります。
- 有給休暇の取得率と、休みを申請しやすい雰囲気があるか
- 超過勤務がどれくらいで、記録・申告が適切にされているか
- 賃金が、業務や夜勤の負担に見合っているか(賃金規程を確認)
- 配属や勤務形態の変更を相談できる窓口があるか
- 人間関係の悩みを相談できる先(上司・相談窓口)があるか
「続けられない」と感じても、休みの取り方や勤務形態の調整で和らぐこともあります。まずは何が一番の負担かを特定し、職場で相談できることから確認してみてください。
まずは、カンゴさんに気持ちを整理してみる
「続けたいのか、辞めたいのかも、自分でわからない」「みんな続けているのに、自分だけ弱いのかも」「何を変えれば続けられるのか、整理できない」。こうした気持ちは、職場では話しづらいものです。
はたらく看護師さんのカンゴさんには、匿名で気持ちを話せます。「続けられるか不安」という気持ちは、いま6割の看護師さんが分けあっているものです。何が一番つらくて、何があれば続けられそうかを、一緒に言葉にしてみてください。
「続けられる条件がそろう職場か」を知る材料に
調査が示すように、続けられるかどうかは、賃金・休みやすさ・人間関係・希望する働き方という、職場の条件で大きく変わります。いまの職場でこれらが満たされないなら、同じ職種でも条件の整った職場を知っておくことには意味があります。
いますぐ転職を決めなくても、ほかの職場の条件を知っておくと、判断の材料になります。レバウェル看護のような看護師専門の転職紹介サービスでは、求人票だけでは分からない次のような点を、職場に確認して教えてもらえます。
- 有給休暇の取得率と、休みの取りやすさの実際
- 超過勤務の実態と、残業の申告・管理のされ方
- 賃金が、夜勤や役割の負担に見合っているか
- 職場の人間関係や、離職理由に多いポイント
「いまが嫌だから」ではなく、「続けられる条件がそろう場所はどこか」を考える材料として、選択肢を知っておくのがおすすめです。重視するポイント別に、看護師の給料を網羅した記事、休み・休暇を整理した記事、職場の人間関係をまとめた記事もあわせて読むと、自分にとっての優先順位が見えてきます。賃金が一番の不安なら、賃金が思うように上がらない構造を整理した記事も参考になります。
まとめ
日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」では、看護職を続けたいという意向が62.9%まで低下しました(前回67.6%)(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。働き続けるために重視されるのは、賃金(53.6%)、休みやすさ(49.6%)、人間関係(48.5%)。いずれも、職場の条件で変わりうるものです。
整理の3ステップは次のとおりです。
- 「続けられない」と感じる理由を、職場固有のものと仕事の本質に切り分ける
- いまの職場で、休み・残業・配属の見直しを相談できないか確認する
- 環境を変えるなら、賃金・休み・人間関係という重視軸で職場を比べる
「続けたい」が下がるのは、あなたが弱いからではありません。続けられる条件がそろう場所を探すことは、看護師を続けるための前向きな選択です。
よくある質問
看護師の「続けたい」という意向は、本当に下がっているのですか?
下がっています。日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」では、今後も看護職として働き続けたいという意向は62.9%で、前回2021年調査の67.6%より4.7ポイント低下しました(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。特に20~30代や病院勤務者で意向が低い傾向があり、現場の中心を担う層ほど不安を抱えていることが示されています。
働き続けるために、何が重視されているのですか?
同調査では、「業務や役割、責任に見合った賃金額である」が53.6%で最も多く、次いで「休みがとりやすい」(49.6%)、「職場の人間関係が良い」(48.5%)、「希望する働き方ができる」(38.9%)の順でした(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。いずれも精神論ではなく、職場の条件で変わりうるものです。
「続けられない」と感じるのは、看護師に向いていないからですか?
そうとは限りません。続けたいという意向が下がっている背景には、賃金・休み・人間関係といった職場の条件があります。これらは職場を変えることで改善しうるものです。「向いていない」と結論づける前に、いまの不満が職場固有のものなのか、看護師という仕事そのものの話なのかを切り分けて考えることをおすすめします。
残業や有給は、続けられるかどうかに関係しますか?
関係します。同調査では、20~30代の正規雇用(フルタイム)職員のうち、超過勤務時間が短い人や有給休暇取得率が高い人のほうが、就業継続意向が高い傾向がみられました(Source: 公益社団法人日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。残業の少なさや休みの取りやすさは、続けられるかどうかに直結しています。職場選びでも確認したいポイントです。
続けるか迷ったとき、まず何をすればよいですか?
何が一番の負担かを特定することから始めるのがおすすめです。賃金なのか、休みの取りづらさなのか、人間関係なのか。それが職場を変えれば解決することなら、いまの職場で相談できることを確認し、難しければ条件の整った職場を知っておく、という順番で考えると整理しやすくなります。一人で抱え込まず、相談窓口を使うことも大切です。
参考資料


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