海外ニュースは「自分の次の職場」を考える材料になる
国際看護師協会(ICN)は2026年6月、病院と地域・在宅・プライマリケアの間で看護師配置に偏りがあることへ対応を求める発信をしています。これは海外の制度の話ですが、日本で働く看護師にとっても他人事ではありません。
病院で働き続けるのか、訪問看護や地域包括、在宅ケアへ移るのか。夜勤を減らしたい、患者さんの生活に近い場所で働きたい、でも給料や教育が不安。そんな人にとって、世界的な地域・在宅シフトは職場選びのヒントになります。
この記事では、ICNのニュースを「日本の看護師が職場選びでどう見るか」に絞って整理します。
判断材料
海外の看護政策をそのまま日本の給与や制度に当てはめることはできません。ただし、地域・在宅ケアの需要が増え、看護師の働く場所が病院だけではなくなる流れは、日本の職場選びにも関係します。
病院と地域・在宅の違い
| 比較項目 | 病院 | 地域・在宅 |
|---|
| 患者像 | 急性期、入院治療、術後管理 | 慢性疾患、生活支援、終末期、家族支援 |
| 働き方 | 夜勤、シフト、チーム分担 | 日勤中心、オンコール、単独訪問 |
| 強み | 教育、急変対応、専門性 | 生活に近い看護、裁量、継続支援 |
| 不安 | 夜勤負担、人間関係、業務量 | 一人判断、移動、オンコール |
| 給与 | 夜勤手当で上がりやすい | 事業所差、オンコール手当差 |
どちらが良いかではありません。自分が何を重視するかで見方が変わります。
地域・在宅へ移る前に見ること
訪問看護や地域ケアに興味がある人は、やりがいだけで決めないでください。見学や面接では、次の項目を確認します。
- オンコール回数と手当
- 1日の訪問件数
- 移動時間と記録時間
- 急変時の相談体制
- 同行訪問の期間
- 入職後研修
- 土日祝対応
- 車・自転車・公共交通の扱い
- 利用者宅でのハラスメント対応
地域・在宅は、患者さんの生活に近い分、病院とは違う難しさがあります。一人で抱えない体制があるかが重要です。
給与は夜勤抜きで比較する
病院から訪問看護へ移る時、年収だけを見ると判断を誤ります。病院の年収には夜勤手当が含まれていることが多く、訪問看護ではオンコール手当や訪問件数で変わります。
比較する時は、次のように分けてください。
| 分ける項目 | 見る理由 |
|---|
| 夜勤込み年収 | 現在の総収入 |
| 夜勤抜き年収 | 日勤だけの基礎収入 |
| オンコール込み年収 | 訪問看護の実収入 |
| 移動・記録込み労働時間 | 実質時給を見るため |
| 休みの取りやすさ | 長く続けられるか |
年収が少し下がっても、夜勤がなくなり、体調が安定するなら納得できる場合があります。逆に、日勤中心でもオンコールや記録が重く、実質的には負担が強い場合もあります。
面接で聞く質問
- 入職後、何週間または何か月の同行訪問がありますか?
- オンコールは月何回で、出動頻度はどのくらいですか?
- 困った時に誰へ電話できますか?
- 訪問件数が多い日の記録時間はどう扱いますか?
- 暑さ、悪天候、感染症流行時に訪問順を変えられますか?
- 利用者家族からのクレームやハラスメント対応は誰が入りますか?
- 病院経験しかない看護師への教育はありますか?
地域・在宅の職場選びでは、給与額よりも「一人にしない仕組み」を見てください。
病院に残る選択もあり
地域・在宅が注目されても、病院を離れるべきとは限りません。急性期が好き、チームで働きたい、教育体制を重視したい、専門性を深めたい人には病院が合う場合があります。
病院に残るなら、夜勤回数、休憩、教育、配置、委員会負担、残業代を確認しましょう。病院か在宅かではなく、自分の体力、生活、キャリア、給与が合っているかです。
働き方と給料のバランスを整理したい場合は、給料コンパスの無料診断で、夜勤・残業・手当を分けて確認できます。
まとめ
ICNの看護師偏在ニュースは、海外だけの話ではありません。病院、地域、在宅のどこで働くかを考えるきっかけになります。
訪問看護や地域ケアに興味がある人は、オンコール、訪問件数、教育、相談体制、給与を必ず確認してください。病院に残る人も、夜勤や残業が負担に見合っているかを見直しましょう。
よくある質問
病院から訪問看護へ移ると年収は下がりますか?
職場差があります。夜勤手当がなくなる分下がることもありますが、オンコール手当や管理者候補で上がる場合もあります。夜勤抜きで比較してください。
訪問看護は一人判断が不安です。
不安が自然です。同行訪問、相談先、緊急時マニュアル、主治医・管理者との連携を確認しましょう。
地域・在宅へ移るなら何年目がよいですか?
一律の正解はありません。経験年数より、観察力、報告力、相談できる体制がある職場かが重要です。
参考資料


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