施設・訪問看護の給料は「調査にどう載るか」も見ておく
介護施設や訪問看護で働く看護師さんにとって、給料の話は「今月の明細」だけでは終わりません。処遇改善加算、介護報酬改定、事業所の配分ルールによって、数年単位で給与の上がり方が変わるからです。
日本看護協会は2026年6月12日、厚生労働省「令和8年度介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)」への協力依頼を掲載しました。この調査は7月実施予定で、介護従事者の処遇状況や処遇改善加算の影響を評価し、令和9年度介護報酬改定の基礎資料として活用されます。
この記事では、制度の細かい解説ではなく、施設・訪問看護の看護師が「自分の給料がどう扱われるか」「処遇改善が職員に回る職場か」を確認するための視点を整理します。
判断材料になる情報
調査で見られるのは「職員にどう配分されたか」
日看協の案内では、処遇状況等調査について、介護従事者の処遇の状況、処遇改善加算の影響等の評価、次期介護報酬改定の基礎資料として重要だと説明されています。
看護師が注目したいのは、単に「国が調査する」ことではありません。処遇改善の財源が、基本給、手当、賞与、一時金、昇給にどう反映されているかです。
同じ加算を取っていても、職場によって配分の見え方は違います。基本給に乗る職場もあれば、手当や一時金中心の職場もあります。求人票の月給だけでは、長く働いた時の差が見えません。
給与明細で見るポイント
施設・訪問看護で働いている人は、次を確認してください。
| 見る項目 | 確認する理由 |
|---|
| 基本給 | 昇給・賞与・退職金に影響しやすい |
| 処遇改善関連手当 | 加算の配分が職員に見えているか |
| 資格手当 | 看護師資格が評価されているか |
| オンコール手当 | 訪問看護の負担に見合うか |
| 賞与算定基礎 | 手当が賞与に反映されるか |
| 昇給実績 | 制度変更が一時金で終わっていないか |
「処遇改善しています」と説明されても、基本給に入っているのか、手当だけなのか、一時金なのかで意味が変わります。
面接で聞くべき質問
転職前の面接では、次のように聞くと具体的です。
- 処遇改善加算やベースアップ分は、基本給・手当・賞与のどこに反映されていますか?
- 看護職への配分ルールは職員に説明されていますか?
- 昨年度から今年度で、看護職の平均給与はどの程度変わりましたか?
- オンコール手当や訪問件数手当は、賞与算定に含まれますか?
- 昇給は毎年ありますか。それとも制度改定時だけですか?
答えが曖昧な職場は、給与の見せ方も曖昧な可能性があります。
残ってよい人、移る準備をした方がよい人
今の職場に残ってよい人
- 処遇改善の配分ルールが説明されている
- 基本給や昇給に一定程度反映されている
- オンコールや資格の負担が手当で評価されている
- 給与明細の項目を質問しても答えてもらえる
移る準備をした方がよい人
- 処遇改善の説明が「上がっています」だけで終わる
- 基本給が長く変わらず、一時金だけで調整される
- 看護師資格やオンコール負担が評価されていない
- 聞くと「お金の話ばかり」と嫌な顔をされる
給与への違和感は、わがままではありません。まずは給料コンパスで自分の年収と負担を整理し、訪問看護の賃上げ原資については訪問看護ステーションの賃上げ本気度を見抜く記事も確認してください。
まとめ
介護従事者処遇状況調査は、施設・訪問看護で働く看護師にとって、次の改定に向けた重要な材料です。
大切なのは、「制度で上がるらしい」と期待するだけでなく、自分の職場が処遇改善をどう配分し、どう説明しているかを見ることです。
施設や訪問看護へ移るなら、求人票の月給だけでなく、基本給、手当、賞与、昇給、オンコール評価まで確認しましょう。
介護従事者処遇状況調査は看護師にも関係ありますか?
関係があります。介護施設、訪問看護、看多機などで働く看護師は、介護報酬や処遇改善加算の影響を受けることがあります。自分の職場で看護職にどう配分されているかを確認することが大切です。
処遇改善は基本給に入る方がよいですか?
一般的には、基本給に反映される方が賞与や退職金、将来の昇給にもつながりやすいです。ただし職場の制度によって異なるため、手当・一時金・賞与算定の扱いまで確認してください。
面接で給料の配分を聞いてもよいですか?
聞いてよいです。むしろ処遇改善の配分を説明できない職場は、給与制度の透明性に不安があります。「基本給・手当・賞与のどこに反映されていますか」と具体的に聞くと判断しやすくなります。


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