9月14日の議題は「看護職員の勤務環境改善」の一つだけです
厚生労働省は2026年9月4日、「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」の第5回を9月14日(月)10時から12時に開くと案内しました。議題は「看護職員の勤務環境改善について」の一つです。夜勤、残業、人員配置に不満や不安があって、国の会議でその話がどこまで扱われるのかを知りたい方のために書きました。
先に結論を書きます。資料はまだ公開されていないので、当日に何が話され、何が決まるかはこの記事では扱えません。扱えるのは三つです。第一に、会議の見方と傍聴の申込方法です。傍聴の申込締切は9月10日(木)18時、YouTube配信は申込不要です。第二に、同じ9月4日に内示された地域医療介護総合確保基金(医療分)の額と、その一覧の読み方です。第三に、会議を待つ間に自分の職場で数えておくと、当日の議論を自分の話として読める項目です。
職場の困りごとをどこから整理すればよいか迷っている方は、職場悩み診断で悩みの種類を分けてから読むと、この記事のどの節が自分に関係するか見当がつきます。
第5回検討会の開催概要
開催案内に書かれている内容を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 日時 | 2026年(令和8年)9月14日(月)10:00〜12:00 |
| 場所 | 航空会館ビジネスフォーラム 7階大ホール(東京都港区新橋1-18-1) |
| 議題 | 看護職員の勤務環境改善について |
| 傍聴申込 | 傍聴申込書を電子メールに添付し、kango-b1(アットマーク)mhlw.go.jp へ送る。電話・FAXでの申込は不可 |
| 申込締切 | 9月10日(木)18時。18時以降の申込は受け付けない |
| 席 | 応募者多数の場合は受付先着順。傍聴できる人への個別の通知はなく、当日直接会場へ |
| 当日受付 | 会議開始の30分前から。身分証明書の提示を求められる場合がある |
| オンライン配信 | YouTubeで配信予定。閲覧の申込は不要。コメント機能への対応はしない |
| 資料 | ペーパーレス。当日までに厚生労働省ホームページに掲載。会場に利用できる無線LANはない |
案内の冒頭には「公開」「頭撮り可」とあります。カメラ撮りは会議冒頭までとされていて、傍聴者が自由に撮影してよいという意味にはなりません。傍聴の注意事項には、写真撮影やビデオカメラの使用は事務局の指示に従うこと、発言に対する賛否の表明や拍手はできないこと、会議前後に構成員へ要請や陳情をすることは控えること、が挙げられています。
検討会のトップページを見ると、第4回(7月23日)の議事録が8月31日に掲載されています。第5回の欄は、議事録も資料も「-」のままです。議題は決まっていて、中身はまだ出ていない、というのが9月4日時点の状態です。
「勤務環境改善」の下に置かれている四つの論点
第5回の資料は未公開ですが、7月23日の第4回に出た資料2「今後の検討スケジュールについて」に、勤務環境改善の下に置かれた論点が四つ書かれています。
| 資料2に書かれた論点 | 動く主体 | 看護師本人との関係 |
|---|
| 看護管理者の管理能力向上 | 看護管理者 | 自分を管理する側の力量の話 |
| 多様で柔軟な働き方に対応した雇用管理(育児・介護との両立支援、夜勤の在り方含む) | 使用者(病院・施設) | 夜勤はこの項目の括弧の中にある |
| ICT機器の活用による業務効率化の促進 | 病院・施設の設備投資 | 自分の業務が減るかどうかは導入次第 |
| カスタマーハラスメントなど、ハラスメント対策の強化 | 事業者の体制整備 | 起きたときに守られるかどうか |
「動く主体」と「看護師本人との関係」の列は、資料の記述ではなく、この記事が読み解きのために付けたものです。
この資料には「議論の進捗により、スケジュール感に変更はあり得る」「議論が十分でない論点については、回を改めて議論を行う」という注記があります。第5回で四つすべてが扱われるのか、一部が次回以降に回るのかは、当日の資料を見るまで分かりません。
表にして気づくのは、主語が看護師本人ではない項目ばかりだということです。管理能力の向上は管理者の話、雇用管理は使用者の話、ICT機器は病院の設備の話です。ハラスメント対策も、体制を整える主体は事業者です。看護師本人の夜勤は、二つ目の項目の括弧の中に「夜勤の在り方含む」として入っています。残業という語は、四つの論点の文言には出てきません。
これ自体は問題ではありません。勤務環境は個人の努力で変えるものではなく、管理と制度で変えるものだからです。ただし読む側としては、「自分の勤務表がどう変わるか」を直接語る資料は出にくい、と見込んでおくほうが、当日の資料を落ち着いて読めます。
論点表の全体像と、各論点がどの回で扱われる予定かは、カスハラも夜勤の在り方も国の検討課題に入っているで整理しています。第5回を追うなら、先にそちらで一覧を押さえておくと、当日の資料がどの論点に対応するのかを追いやすくなります。
同じ9月4日に、基金の第1回内示が出ました
もう一つの動きが、同じ9月4日に厚生労働省医政局地域医療計画課から公表された「令和8年度地域医療介護総合確保基金(医療分)の第1回内示」です。各都道府県あてに内示された額の一覧が公開されました。
第1回内示分の基金規模は合計1,008.4億円です。内訳として、五つの事業区分の都道府県別の額が別添に載っています。
| 事業区分 | 内容 | 第1回内示分の基金規模 | 国庫負担分 |
|---|
| Ⅰ-1 | 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備 | 193.3億円 | 基金規模の2/3 |
| Ⅰ-2 | 地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更 | 41.8億円 | 基金規模の10/10 |
| Ⅱ | 居宅等における医療の提供 | 58.7億円 | 基金規模の2/3 |
| Ⅳ | 医療従事者の確保 | 526.1億円 | 基金規模の2/3 |
| Ⅵ | 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備 | 188.4億円 | 基金規模の2/3 |
五つの区分の額を足すと1,008.3億円で、合計欄の1,008.4億円と0.1億円ずれます。各県の額が小数第1位で丸められているためと考えられますが、一覧にその説明はありません。
看護師に関係が深いのは、区分Ⅳ(医療従事者の確保に関する事業)です。五つの区分の中で最も大きく、総額の半分を超えます。
この区分Ⅳが何に使われる枠なのかは、内示の一覧には書かれていません。医政局の「令和9年度概算要求の概要」の参考欄に、基金の対象事業の説明があります。区分Ⅳについては次の通りです。
医師等の偏在の解消、医療機関の勤務環境の改善、チーム医療の推進等の事業に助成することにより、医師、看護師等の地域に必要な質の高い医療従事者の確保・養成を推進する。
つまり区分Ⅳは、医師偏在の解消、勤務環境の改善、チーム医療の推進、看護師等の確保・養成がひとまとめになった枠です。526.1億円のうち看護職員向けがいくらかは、公表資料からは切り出せません。「看護師確保に526億円」と読むのは誤りです。この記事でも、その内訳は書きません。
なお同じ概算要求の概要には、令和9年度の要求として「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に関する事業(新区分)」という項目もあります。ICT機器等の導入で業務効率化・職場環境改善に取り組み、生産性向上を図る病院に必要な経費を支援するという内容で、公費5,148百万円の内数と書かれています。これは来年度予算の要求段階の話で、今回の令和8年度の内示表には対応する区分がありません。要求どおりに認められるかどうかも、まだ決まっていません。検討会の論点にある「ICT機器の活用による業務効率化の促進」と方向が重なる項目として、名前だけ覚えておくとよいでしょう。同じ概算要求のうち看護職員の確保に直接あたる項目の中身は、看護職員確保の概算要求が10億円から47億円に増えましたで分けて整理しています。
自分の都道府県の額を知っておく
区分Ⅳの都道府県別の額を、第1回内示分の基金規模の合計と並べます。単位は億円です。
| 都道府県 | 区分Ⅳ 医療従事者の確保 | 第1回内示分 合計 |
|---|
| 北海道 | 20.5 | 54.7 |
| 青森県 | 7.9 | 32.2 |
| 岩手県 | 13.7 | 22.9 |
| 宮城県 | 11.9 | 74.1 |
| 秋田県 | 8.1 | 12.4 |
| 山形県 | 6.6 | 7.4 |
| 福島県 | 16.7 | 19.5 |
| 茨城県 | 23.1 | 27.5 |
| 栃木県 | 11.6 | 12.3 |
| 群馬県 | 11.4 | 13.7 |
| 埼玉県 | 22.4 | 28.3 |
| 千葉県 | 20.5 | 32.4 |
| 東京都 | 32.0 | 65.2 |
| 神奈川県 | 21.3 | 74.2 |
| 新潟県 | 25.2 | 33.4 |
| 富山県 | 4.4 | 6.4 |
| 石川県 | 4.0 | 6.5 |
| 福井県 | 6.9 | 11.7 |
| 山梨県 | 9.4 | 11.1 |
| 長野県 | 8.6 | 23.0 |
| 岐阜県 | 9.9 | 15.9 |
| 静岡県 | 18.2 | 36.5 |
| 愛知県 | 9.9 | 22.9 |
| 三重県 | 11.2 | 14.5 |
| 滋賀県 | 8.7 | 11.4 |
| 京都府 | 9.7 | 12.1 |
| 大阪府 | 20.6 | 52.0 |
| 兵庫県 | 10.4 | 37.5 |
| 奈良県 | 5.6 | 9.8 |
| 和歌山県 | 3.7 | 4.5 |
| 鳥取県 | 7.3 | 10.1 |
| 島根県 | 7.5 | 10.7 |
| 岡山県 | 5.6 | 6.7 |
| 広島県 | 11.5 | 15.6 |
| 山口県 | 7.0 | 13.0 |
| 徳島県 | 5.8 | 8.0 |
| 香川県 | 6.8 | 9.7 |
| 愛媛県 | 10.5 | 15.5 |
| 高知県 | 7.9 | 11.2 |
| 福岡県 | 17.1 | 38.6 |
| 佐賀県 | 3.0 | 3.2 |
| 長崎県 | 6.3 | 8.6 |
| 熊本県 | 7.1 | 13.5 |
| 大分県 | 5.2 | 7.9 |
| 宮崎県 | 9.4 | 11.7 |
| 鹿児島県 | 7.3 | 9.3 |
| 沖縄県 | 7.0 | 29.0 |
区分Ⅳの額が最も大きいのは東京都の32.0億円で、新潟県25.2億円、茨城県23.1億円、埼玉県22.4億円、神奈川県21.3億円、大阪府20.6億円、千葉県と北海道の20.5億円が続きます。最も小さいのは佐賀県の3.0億円です。
この並びを見ると、人口の多い県ほど区分Ⅳが大きい、とは言えないことが分かります。新潟県は大阪府より多く、茨城県は神奈川県より多く、愛知県と岐阜県はどちらも9.9億円です。岩手県の13.7億円は兵庫県の10.4億円を上回ります。
もう一つ、合計欄と区分Ⅳの欄を比べてください。宮城県は合計74.1億円で全国でも上位ですが、区分Ⅳは11.9億円です。神奈川県も合計74.2億円に対して区分Ⅳは21.3億円です。逆に佐賀県は合計3.2億円のうち3.0億円が、山形県は7.4億円のうち6.6億円が区分Ⅳです。基金の合計額が大きい県と、医療従事者の確保に回る額が大きい県は、別です。
なぜこうなるのかは、一覧だけからは言い切れません。内示は国から都道府県へ出るもので、どの区分にどれだけ充てるかは都道府県が事業を選んで計画した結果です。額の大小は「その県がどの事業を申請したか」の反映であって、看護師が大切にされている度合いを測る温度計ではありません。額が小さい県で看護師の職場環境が悪い、とも言えません。
ここから先が、自分でできる確認です。都道府県は、この基金を使う事業の計画を作っています。自分の県のホームページでその計画を探し、区分Ⅳにどんな事業名が並んでいるかを見てください。医師向けの事業と、看護職員向けの事業と、多職種にまたがる事業が混ざっているはずです。そのうち看護職員向けの事業名を自分で数えてみると、「526.1億円」という全国の数字が、自分の県の何本かの事業に分解されます。事業名の中に、自分の職場が使えそうなもの、たとえば研修や復職支援や設備の補助にあたるものがあるかを見るのが目的です。
一つ注意があります。今回は第1回の内示です。年度内に追加の内示が出る可能性はありますが、出るかどうか、いつ出るかは今回の公表資料には書かれていません。表の額を今年度の確定額と受け取らないでください。
このニュースを看護師の働き方で見ると
同じ日に、国の会議の開催案内と、都道府県への基金の内示が並びました。この二つは別々の部署から出たもので、関連づけて公表されたわけではありません。それでも並べて見ると、国の議論と自分の勤務表の間にある段の数が見えてきます。
検討会で議論される。取りまとめや制度、予算に反映される。基金として都道府県に配られる。都道府県が事業を選ぶ。病院が事業に手を挙げる。そこでようやく、病棟の勤務表や設備が変わります。9月14日の会議は最初の段で、9月4日の内示は三つ目の段です。自分の職場に届くまでには、まだいくつも段があります。
だから待っていても仕方がない、という話ではありません。国の議論を読むときに、自分の職場の数字を持っていると、読み方が変わります。国の資料は平均や全国の数で語ります。自分の数字があれば、平均との距離が分かります。「忙しい」は伝わりにくいですが、「今月は夜勤が何回で、そのうち休憩が取れなかった日が何日」は伝わります。
勤務環境改善という議題に合わせて、看護師本人が先に数えておくとよい項目を六つ挙げます。これは検討会の資料に書かれた項目ではなく、四つの論点を自分の職場に引き寄せて読むための、この記事の整理です。
| 数えておく項目 | 何を数えるか | 四つの論点との対応 |
|---|
| 夜勤の回数と時間 | 月の夜勤回数、1回の拘束時間、月の合計時間 | 雇用管理(夜勤の在り方) |
| 勤務と勤務の間隔 | 夜勤明けから次の勤務までの時間。最短だった例 | 雇用管理 |
| 始業前の業務 | 情報収集などで始業何分前に来ているか。それが勤務として記録されているか | 雇用管理、管理者の管理 |
| 休憩の実態 | 夜勤で休憩を何分取れたか。取れなかった日数 | 雇用管理、管理者の管理 |
| 補助者への分担 | 看護補助者に任せられている業務、自分が行っている周辺業務 | ICT・業務効率化 |
| 相談窓口の有無 | ハラスメントや勤務の相談窓口が院内にあるか。使ったことがあるか | ハラスメント対策 |
数えるのは、我慢するためではありません。第5回の資料が公開されたら、そこに出てくる数字の隣に自分の数字を置いてみてください。資料が全国の平均値で語っていたとしても、自分の数字がそれより上か下かが分かれば、「自分の職場は議論のどこにいるのか」が読めます。数字は、職場に相談するときにも、外の窓口に相談するときにも、そのまま使えます。
今の職場で確認すること
上の六つを、実際に確認する手順に落とします。
- 直近3か月の勤務表を手元に置き、夜勤の回数と1回の時間を月ごとに書き出す。二交代か三交代か、1回の拘束時間が何時間かも添える
- 夜勤明けの翌勤務までの時間を、最短だった日について書き出す
- 始業前に病棟に来ている時間を1週間だけ記録し、それが時間外として申請できる扱いになっているかを就業規則か上司に確認する
- 夜勤の休憩について、取れた時間と取れなかった日を1か月分書き出す。仮眠の場所があるかどうかも記す
- 自分が日常的に行っている業務のうち、看護補助者や事務職に分担できそうなものを書き出す。分担の仕組みが職場にあるかを確認する
- 院内の相談窓口の名称と場所、外部の窓口として都道府県労働局の総合労働相談コーナーがあることを確認する
- 数えた結果は自分の手元に保管する。職場に提出する前に、誰に何を聞くかを決める
夜勤に関して職場のどこを見るかは、夜勤を続けられる職場かを見分けたい看護師さんへで、手当、仮眠、明け休みの観点から整理しています。時間外労働が長く続いているときに使える面接指導の仕組みと、申し出の言い方は、残業が続いているとき、誰に相談できるのかを参照してください。
数えた数字を上司や看護部にどう伝えるか、言い方に迷うときはカンゴさんで、聞きたいことと自分の気持ちを分けて整理してから話すと、要望が個人の不満ではなく確認事項として伝わります。
傍聴・視聴のしかたと、資料が出たら読む順番
会場で傍聴する場合の手順は、開催案内に沿うと次の通りです。
- 開催案内のページから傍聴申込書の様式をダウンロードし、必要事項を記入する
- 電子メールに添付して、kango-b1(アットマーク)mhlw.go.jp へ送る。「(アットマーク)」は@に置き換える。電話やFAXでは申し込めない
- 締切は9月10日(木)18時。それ以降は受け付けない
- 傍聴できるかどうかの通知は来ない。席には限りがあり、応募者が多い場合は受付先着順で、傍聴できない場合もある
- 当日は会議開始の30分前から受付が始まる。身分証明書を持参する
- 資料は紙で配られない。当日までにホームページに掲載される資料を、自分のタブレットや携帯端末に保存して持参する。会場に無線LANはないので、当日閲覧するなら自分の通信環境が要る
夜勤明けや休みを使って会場まで行くのは、多くの人には現実的ではないと思います。案内には、YouTubeで会議の状況を配信する予定であること、閲覧に申込は不要であることが書かれています。配信後にあとから視聴できるかどうかについては、案内に記載がありません。当日見られない場合は、資料と、後日掲載される議事録を読む形になります。
資料が公開されたら、次の順で読むと全体をつかみやすいです。
| 順番 | 読むもの | 分かること |
|---|
| 1 | 議事次第 | その日に扱う資料の番号と流れ |
| 2 | 「これまでの御意見のまとめ」にあたる資料 | 委員がこれまでに何を懸念してきたか |
| 3 | 事務局の論点資料 | 四つの論点のうち、どれが今回の中心か |
| 4 | 資料の中の数値の出典 | 何年の、どの調査の数字か |
| 5 | 議事録(後日) | 誰がどの立場から何を言ったか |
読むときに見る場所を三つ挙げます。一つ目は、「夜勤」「休憩」「勤務間」という語が資料のどこに、どの程度の分量で出てくるかです。二つ目は、数字の出典が何年の調査かです。三つ目は、語尾です。「望ましい」「検討する」「例示」と書かれたものは、決定ではありません。資料の文言より強く受け取らないことが、国の資料を読むときのいちばんの注意点です。
議事録は公開までに時間がかかります。第4回は7月23日の開催で、議事録の掲載は8月31日でした。5週間以上かかっています。第5回の議事録も同じくらいかかると見込んでおくと、待ちくたびれずに済みます。
転職で解決しやすいこと、しにくいこと
勤務環境の問題は、職場を変えれば解決するものと、そうでないものが混ざっています。検討会の議題と重ねて、分けておきます。
職場を変えれば変わりやすいのは、施設ごとに決めているものです。夜勤回数の上限、二交代か三交代か、仮眠室や休憩の設備、看護補助者の人数、相談窓口の整い方は、施設ごとに違います。違いがあるということは、施設を変えれば変わり得るということです。ただし求人票には書かれにくいので、見学や面接で、上の六つの項目をそのまま質問することになります。
転職で解決しにくいのは、制度や地域に根ざしたものです。人員配置の基準や夜勤手当の財源のように国の制度で決まる部分、地域全体で人手が足りない状況、患者や家族からのハラスメントが起きること自体は、施設を変えても残ります。変わるのは、起きたときに守る体制があるかどうかです。
検討会が扱おうとしているのは、主にこの「しにくい」側です。国の議論を待つべきか、「しやすい」側を今すぐ動かすべきかは、自分の困りごとがどちらに多く属するかで決まります。数えた六つの項目を、上の二つに振り分けてみてください。「しやすい」側に多く集まるなら、職場の中での相談か、職場を変える検討が近道です。「しにくい」側に集まるなら、今の職場で守られる体制を確かめつつ、検討会の動きを追う価値があります。
よくある質問
第5回の検討会で、夜勤の回数に上限が決まりますか?
その可能性は低いと考えておくのが妥当です。9月4日時点で第5回の資料は公開されておらず、議題は「看護職員の勤務環境改善について」としか示されていません。第4回の資料2でも、夜勤は「多様で柔軟な働き方に対応した雇用管理(育児・介護との両立支援、夜勤の在り方含む)」という論点の括弧内にある扱いです。検討会は議論をして取りまとめる場で、そこで直ちに勤務条件が決まる仕組みではありません。
傍聴の申込をしていなくても、当日会場に行けば入れますか?
開催案内では、傍聴を希望する人は傍聴申込書を電子メールで送ることになっていて、締切は9月10日(木)18時です。それ以降の申込は受け付けないと明記されています。申込をした人にも個別の通知はなく、応募者が多い場合は受付先着順で傍聴できないこともあります。会場に行けない場合は、申込不要のYouTube配信があります。
自分の県の基金の額が多いと、看護師の職場環境は良くなりますか?
額の多さと職場環境の良さを結びつける根拠は、今回の公表資料にはありません。内示額は都道府県が計画した事業の積み上げで、区分Ⅳには医師偏在対策やチーム医療の推進も含まれます。額が自分の職場に届くかどうかは、県がどの事業を選び、病院がその事業を使うかで決まります。県の計画で区分Ⅳの事業名を見て、看護職員向けの事業がどれかを確かめるところまでが、自分でできる確認です。
区分Ⅳの526.1億円は、看護師のために使われるお金ですか?
一部はそうですが、全部ではありません。概算要求の概要では、区分Ⅳは医師等の偏在の解消、医療機関の勤務環境の改善、チーム医療の推進等の事業に助成し、医師、看護師等の確保・養成を推進する枠と説明されています。看護職員向けの額は公表資料から切り出せないため、この記事では内訳を書いていません。
第5回の資料はいつ、どこで見られますか?
開催案内には、検討会資料は当日までに厚生労働省のホームページに掲載すると書かれています。検討会のトップページには回ごとに「資料」「議事録」「開催案内」の欄があり、9月4日時点で第5回は開催案内だけが載っています。資料が出たら同じページから見られます。
まとめ
第5回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」は9月14日(月)10時から12時、議題は看護職員の勤務環境改善です。傍聴の申込は9月10日(木)18時まで、YouTube配信は申込不要です。資料は当日までにホームページに掲載され、9月4日時点では未公開です。
同じ日に出た地域医療介護総合確保基金(医療分)の第1回内示は合計1,008.4億円で、医療従事者の確保にあたる区分Ⅳは526.1億円です。看護職員向けの内訳は切り出せません。自分の県の額を知り、県の計画で区分Ⅳの事業名を見るところまでが、自分でできる確認です。
会議を待つ間に、夜勤の回数と時間、勤務の間隔、始業前の業務、休憩の実態、補助者への分担、相談窓口の有無の六つを数えておいてください。資料が出たら、その数字の隣に自分の数字を置いて読むと、国の議論が自分の職場の話になります。
この記事は9月4日の開催案内と内示にもとづいています。9月14日の開催後、資料と議論の内容を確認したうえで、本サイトで追記する予定です。
参考資料