結論:控除が下がる時期は3つとも違う。最長で1年以上ずれる
「夜勤はやめたいけれど、手取りが減るのは困る」——この両立は、工夫しだいで十分に可能です。大切なのは、求人票の「額面」ではなく手取りで職場を比べること。手取りは税・社会保険・手当で変わるため、額面が同じでも手取りは違ってきます。
手取りを基準に職場を選び直すために、次を確認します。
- 額面と手取りは何が違うのか(控除の中身)
- 夜勤を外すと手取りはどれくらい変わるのか
- 手取りを左右する手当・時間外単価などの要素
- 夜勤なしで手取りを保ちやすい職場と、手取りを増やす実務的な方法
夜勤を外せば、現在受け取っている夜勤手当は下がります(二交代・月4回を調査平均単価で計算すると年55万560円)。ただし控除が変わるタイミングは、控除の種類ごとに違います。 所得税と雇用保険料は当月の支給額を使うため当月から変わり得ますが、健康保険料と厚生年金保険料は据え置きのまま何か月も続くことがあり、住民税は前年所得を基に計算されます。この時間差を知らずに転職すると、初年度の家計を読み違えます。
この記事の保険料率は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の令和8年度平均保険料率、日本年金機構の厚生年金保険料率、厚生労働省が公表した令和8年度の雇用保険料率によります。夜勤手当額は日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」の実数です。
1. 額面と手取りの違い
「年収◯◯万円」は額面(総支給)であり、実際に受け取る手取りはそこから控除を引いた額です。主な控除は次の通りです。
控除は「なんとなく15%くらい」ではなく、率が公表されています。令和8年度(2026年4月〜)の本人負担分を積み上げると次のとおりです。
| 控除項目 | 料率(全体) | 本人負担分 |
|---|
| 健康保険(協会けんぽ全国平均) | 9.9% | 4.95% |
| 厚生年金 | 18.3% | 9.15% |
| 雇用保険(一般の事業) | 1.35% | 0.5%(労働者負担分) |
| 子ども・子育て支援金(令和8年4月分から新設) | 0.23% | 0.115% |
| 介護保険(40歳以上65歳未満のみ) | 1.62% | 0.81% |
本人が負担する分を足すと、40歳未満で約14.7%、40〜64歳で約15.5%です。 65歳以降は介護保険の第1号被保険者となり、給与天引きではなく市区町村が徴収します(受給する年金額が年18万円以上などの条件を満たす場合は年金からの特別徴収になります)。
令和8年4月分(5月の給与天引き)から、子ども・子育て支援金が加わりました。 標準報酬月額に0.23%を掛けた額の半分が本人負担です。金額としては小さいものの、給与明細に見慣れない項目が増えるので、覚えておくと戸惑いません。
健康保険料率は協会けんぽなら都道府県ごとに違い、健康保険組合に加入している病院なら組合ごとの料率です。厚生年金と雇用保険は全国一律です。
ここに所得税と住民税が乗ります。ざっくり手取りは額面の75〜80%程度とよく言われますが、これは扶養の人数、賞与の比率、住んでいる自治体、年齢で大きく動きます。自分の割合は、給与明細の「差引支給額 ÷ 総支給額」で毎月出せます。 一般論より、自分の数字を持っておくほうが役に立ちます。
そして、この先が本題です。
2. 夜勤を外すと手取りはどう変わる?
「額面が下がれば控除も下がる」——これは正しいのですが、下がるタイミングが控除ごとに違います。 ここが手取りの落とし穴です。
所得税は、減った月から変わり得ます
毎月の源泉徴収額は、その月の社会保険料等控除後の給与と扶養親族等の数などを税額表へ当てはめます。夜勤手当が減れば当月から再計算されますが、同じ税額区分に収まる場合など、必ず減額になるとは限りません。
社会保険料は、しばらく下がりません
健康保険料と厚生年金保険料は、実際の給与額ではなく標準報酬月額という区切りに当てはめて決まります。この標準報酬月額が決まる場面は3つです。
| 決まる場面 | いつの報酬で決まるか | いつから適用されるか |
|---|
| 定時決定 | 4月・5月・6月に支払われた報酬の平均 | その年の9月分から翌年8月分まで |
| 随時改定 | 固定的賃金が変わった月からの3か月平均 | 変動月から4か月目から |
| 資格取得時決定 | 入社時に見込まれる報酬 | 入社時から |
カギは随時改定の要件です。 対象になるのは「固定的賃金が変わった場合」——基本給の改定、手当の新設・廃止、時給や日給の単価変更などです。そのうえで、変動月からの3か月平均が現在の標準報酬月額と2等級以上ずれる必要があります。
夜勤の回数が減っただけでは、固定的賃金は変わっていません。 夜勤手当は回数に応じて増減する非固定的賃金だからです。この場合は随時改定の対象にならず、次の定時決定を待つことになります。
そして、ここが最も見落とされる点です。定時決定は4月・5月・6月の報酬で決まります。 つまり「いつ夜勤を減らしたか」で、反映される時期が1年近くずれます。
| 夜勤を減らした時期 | 4〜6月の報酬に反映されるか | 保険料が下がるのは |
|---|
| 1月〜3月 | 4〜6月がまるごと減った状態 | その年の9月分から |
| 4月〜6月 | 一部の月だけ反映 | その年9月分から一部反映 |
| 7月〜12月 | 反映されない(4〜6月は減らす前) | 翌年の9月分から |
7月に夜勤をやめると、保険料が下がるのは翌年9月分。1年2か月かかります。
しかも、下がるとは限りません。標準報酬月額は等級制なので、報酬の減り方が小さくて同じ等級に留まれば、保険料は変わりません。
一方、契約そのものが変わる場合は別です。 日勤のみの勤務区分に変更されて手当体系が変わる、所定労働時間が短くなる——こうしたケースは固定的賃金の変動にあたります。この場合は、変動した月からの3か月平均が現在の標準報酬月額と2等級以上ずれ、かつ3か月とも支払基礎日数が17日以上であれば、変動月から4か月目に改定されます(随時改定)。
転職なら資格取得時決定なので、入社時点から新しい報酬に基づいた保険料になります。
つまり、「夜勤の回数だけ減らして同じ職場に残る」場合が、最も保険料が下がりにくいということです。
住民税は、去年の収入にかかっています
住民税はその年の収入ではなく、前年1〜12月の所得をもとに計算され、6月から翌年5月にかけて給与から天引きされます。夜勤を減らした年の6月から引かれる住民税は、夜勤をたくさんしていた前年の所得に対するものです。
社会保険料の据え置きと、前年所得ベースの住民税。この2つが重なるのが、夜勤を減らした直後の時期です。
ここは正確に理解しておいてください。健康保険料と厚生年金保険料が据え置きなら、その分について手取りの減少額は額面の減少額と同じです。 一方で所得税は当月の課税支給額から再計算され、雇用保険料も当月の賃金に連動するので、この2つは減った月から軽くなります(ただし所得税は税額表の同じ区間に収まれば変わらないこともあります)。いずれにせよ「額面より手取りのほうが大きく減る」ことはありません。
それでも手取りの「率」は一時的に悪く見えます。 額面が下がっているのに社会保険料と住民税は前の水準のままなので、総支給に対する控除の割合が上がるからです。「思ったより手取りが減った」と感じる原因の多くはここにあります。
そしてこの状態は永続しません。 社会保険料は次の定時決定(9月分)から、住民税は翌年6月から、それぞれ新しい水準に切り替わります。減らした直後の数か月だけを見て「やっぱり夜勤に戻ろう」と判断するのは早すぎる、ということです。
減る額そのものの計算
夜勤手当の全国平均は二交代で1回11,470円(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)。月4回なら年55万560円が額面から消えます。このうち所得税と雇用保険料は減った月から軽くなり、健康保険料と厚生年金保険料は上の表の時期から、住民税は翌年6月からと考えてください。夜勤回数と年収の関係そのものは夜勤を減らすと年収はいくら下がる?で詳しく計算しています。
3. 手取りを左右する見落としポイント
手取りは額面だけでなく、次でも変わります。
- 通勤手当:所得税の非課税限度額は通勤の手段によって違います。 電車・バスなど交通機関を使う場合は月15万円までですが、自動車や自転車で通う場合は片道の距離に応じた限度額が決まっており、片道2km未満は全額課税です。そして所得税で非課税でも、社会保険料の算定基礎となる「報酬」には含まれます。 「非課税だから丸ごと得」ではありません。通勤手当は報酬月額に加算されるので、その結果として標準報酬月額の等級が上がれば、健康保険料・厚生年金保険料も上がります(等級制なので、同じ等級に収まれば変わりません)。
- 住宅手当・扶養手当:課税対象で、社会保険の報酬にも含まれます。ただし手取りへの寄与は素直にプラスです。
- 時間外単価:割増賃金の算定基礎になるのは基本給だけではありません。所定労働時間に対して支払われる賃金がまるごと基礎になります。 そこから外せるのは法令が挙げた7項目(家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時の賃金、1か月を超える期間ごとの賃金)だけです。資格手当や役職手当は基礎に含まれます。なお除外できるかどうかは名称ではなく支給条件で決まります。 扶養家族の人数に関係なく一律に支給される「家族手当」は、名前が家族手当でも除外できません。同じ総支給額でも、内訳しだいで残業1時間の単価は変わります。
- 退職金・企業年金:基本給を算定基礎にすることが多く、在職中の手取りではなく将来に効きます。
- 扶養の状況:配偶者・子の扶養で所得税・住民税の負担が変わります。
求人票を比べるときは、総支給額の内訳を「基本給/固定的な手当/変動する手当」の3つに分けてください。 同じ「月給35万円」でも、基本給28万円の職場と基本給22万円+夜勤手当6万円の職場では、残業単価も賞与も退職金も、そして夜勤をやめたときの落ち込み方もまったく違います。
3-2. 手取りから静かに消えている「申請していない残業」
夜勤より先に確認したほうがいい項目があります。実際に働いた時間外労働と、手当が支払われた時間数のズレです。日本看護協会の調査は、この2つを分けて聞いています(2025年1月に支給された時間外手当の算定対象期間)。
| 就業先 | 行った時間外労働 | 申請した時間数 | 支払われた時間数 | 回答者数 |
|---|
| 病院 | 15.5時間 | 9.3時間 | 9.1時間 | 1,680人 |
| 訪問看護ステーション | 15.8時間 | 11.5時間 | 11.4時間 | 419人 |
| 介護系サービス | 11.3時間 | 6.6時間 | 6.5時間 | 88人 |
| 診療所 | 9.7時間 | 6.6時間 | 6.6時間 | 45人 |
| 官公庁 | 12.4時間 | 8.1時間 | 8.1時間 | 39人 |
病院では、行った15.5時間に対して支払われたのは9.1時間。差は6.4時間です。 そして注目すべきは、その差の内訳。申請した時間数が9.3時間しかありません。 つまり差の大半(6.2時間)は申請と実労働のあいだにあり、申請してから支払われるまでの差はわずか0.2時間です。
この差がなぜ生まれているのかは、調査からは分かりません。 本人が申請していないのか、申請しにくい運用があるのか、労働時間の把握そのものに差があるのか——内訳は示されていません。心当たりがあるとすれば、記録の締め、申し送り、委員会、勉強会など、申請してよいのか判断が曖昧な時間でしょう。
この6.2時間を金額に置き換えるのは、自分の数字でやってください。 調査の時間数(日本看護協会の病院回答者平均)と、賃金構造基本統計調査の全国平均単価を掛け合わせても、どちらの母集団の話でもない数字になってしまうからです。
自分の金額を出す式はこれです。
- 割増賃金の算定基礎額を出す(月の所定内賃金から、家族手当・通勤手当・住宅手当など除外できる手当を引く)
- それを月の所定労働時間で割る → 1時間あたりの単価
- 単価 × 1.25(法定時間外の場合)
- 申請していない時間数 × 3の金額
4番の「申請していない時間数」は、勤務記録と申請記録を突き合わせれば出ます。まずは1か月分だけやってみてください。 桁が見えれば、それを毎月続けるかどうかの判断ができます。
ここで訪問看護ステーションの行が効いてきます。行った時間外は15.8時間と病院より多く、申請は11.5時間。病院より2.2時間多く申請されています。実際に支給された時間外手当の平均も月31,772円で、病院の27,457円を上回ります(2025年1月)。理由はやはり調査からは分かりません(手当額と時間数は別々の回答群でもあります)。ただ、訪問看護は「基本給が病院より低い」という点ばかり語られる一方で、時間外手当の支給額では上回っている——この事実は知っておいてよいでしょう。
夜勤を外す前に、まず自分が申請していない時間を数えてください。 これは転職せずに、今の職場で動かせる部分です。
4. 夜勤なしで手取りを保ちやすい職場
- 基本給の水準が高い職場:条件を勤続10年・31〜32歳・非管理職にそろえた比較で、基本給月額は社会保険関係団体が303,146円、公立が288,641円。これに対し医療法人は238,558円です。基本給が高い傾向がある職場では、夜勤を外したときに残る土台も厚くなります。ただしこの調査は夜勤手当への依存度そのものを測っていないので、自分の給与明細で「総支給に占める夜勤手当の割合」を出して確認してください。
- 病床規模の大きい病院:同じモデル賃金で500床以上の税込給与総額377,957円に対し、99床以下は325,951円。
- 地域水準の高いエリア:47都道府県の年収換算を並べると、最上位の滋賀(585万3,400円)と最下位の高知(434万8,300円)で150万5,100円ひらきます。ただし住居費も同時に動くため、家賃と住宅手当をセットで見てください。
- 固定的な手当が厚い職場:住宅手当・地域手当・資格手当など、毎月同額で出るものは夜勤の有無に左右されません。
働き方の選択肢は日勤のみで働くキャリアの選択肢、夜勤ゼロの代表例は美容看護師に転職するには、日勤中心の訪問看護も参照してください。夜勤を外した場合の目安を並べたいときは給料コンパスの適正年収診断を、根拠として持ち出せる実数は看護師の適正年収・相場 完全ガイドをお使いください。
5. 手取りを増やす実務的な方法
- 基本給の高い職場を選ぶ:賞与と退職金の算定基礎に使われることが多い項目です。ただし算定式は勤務先の給与規程・賞与規程・退職金規程で決まります。 「基本給連動が多い」は傾向であって、必ずそうなるわけではありません。
- 4〜6月の報酬が、その年9月分からの保険料を決めることを知っておく:定時決定は4月・5月・6月に支払われた報酬の平均で決まり、その年の9月分から翌年8月分まで適用されます。この3か月にたまたま夜勤や残業が集中すると、その後1年の保険料が高止まりします(ただし将来の年金額はその分増えます)。なお転職の場合は資格取得時決定になるため、入社時期をずらしても保険料を避けることはできません。
- 年末調整・確定申告で控除を取りこぼさない:生命保険料控除、医療費控除など、申告漏れは毎月の源泉徴収額や翌年の住民税に直接効きます。
- (別枠)iDeCoは「手取りを増やす」方法ではありません:掛金は全額が所得控除になり所得税・住民税は軽くなりますが、掛金そのものは原則60歳まで引き出せません。 当面使えるお金はむしろ減ります。老後資産形成と節税の手段であって、今月の手取りを増やす方法ではない、と区別してください。
- 扶養の状況を正しく申告する:申告漏れは毎月の源泉徴収額に直接効きます。
「夜勤なし=手取りが大きく減る」と決めつける前に、基本給の水準と、保険料が切り替わる時期の2つを確認してください。
6. 今の職場で確認すること・転職で解決しやすいこと
今の職場で確認すること
- 夜勤なし・日勤常勤にした場合の手取りシミュレーション
- 受け取り損ねている手当・控除がないか
- 日勤中心の部署への異動可否
転職で解決しやすいこと
- 夜勤の有無、手当の手厚さ、地域水準の変更
- 基本給の高い職場への移行
転職で解決しにくいこと
- 「夜勤なし」かつ「今と同じ手取り」の完全な両立(トレードオフは残る)
- 入職初年度の賞与満額(按分になりがち)
よくある質問
夜勤なしにすると手取りはどのくらい減りますか?
額面では、二交代・月4回をやめると夜勤手当だけで年55万560円が減ります(1回あたり平均11,470円で計算)。控除が減るタイミングは種類ごとに違います。 所得税と雇用保険料はその月から軽くなります。健康保険料と厚生年金保険料は標準報酬月額で決まり、夜勤回数が減っただけでは随時改定の対象にならないため、次の定時決定を待ちます。定時決定は4〜6月の報酬で決まるので、7月以降に減らした場合は翌年9月分からです。住民税は前年の所得にかかるので翌年6月まで動きません。
夜勤なしで手取りが高い職場はどこですか?
夜勤なしの人の手取りを経営母体別に比較できる公表値はありません。 参考になるのは、勤続10年・31〜32歳・非管理職のモデル賃金です。基本給月額で社会保険関係団体303,146円、公立288,641円、医療法人238,558円と、上下で6万4,588円の差があります(ただしこのモデル賃金の税込給与総額には、二交代4回の夜勤手当が含まれた想定です)。夜勤なしの提示額がこの水準になるという意味ではありません。 最終的には応募先の提示額で比べてください。
手取りを増やすには額面と何を見ればいいですか?
総支給額の内訳を「基本給/固定的な手当/変動する手当」の3つに分けて見てください。夜勤手当や残業代は変動する手当で、減らせば消えます。基本給は割増賃金の単価・賞与・退職金の算定基礎になるため、同じ総支給額なら基本給の比率が高いほうが有利です。なお通勤手当は所得税では月15万円まで非課税ですが、社会保険料の算定基礎には含まれます。
看護師の手取りは額面の何割くらいですか?
一般に額面の75〜80%程度と言われますが、扶養・賞与比率・自治体・年齢で大きく動くので、自分の給与明細の「差引支給額 ÷ 総支給額」で出すのが確実です。内訳のうち社会保険料は率が公表されていて、令和8年度の本人負担分は健康保険4.95%(協会けんぽ全国平均9.9%の折半)+厚生年金9.15%+雇用保険0.5%+子ども・子育て支援金0.115%で約14.7%、40〜64歳はこれに介護保険0.81%が加わり約15.5%です。残りが所得税・住民税です。
夜勤なしの常勤と、夜勤ありの非常勤、手取りはどちらが多いですか?
働く時間・時給・手当で変わるため一概には言えません。常勤は社会保険・賞与・退職金の面で有利なことが多く、手取りだけでなく将来の保障も含めて比べるのがおすすめです。
まとめ
- 控除が下がるタイミングはばらばら。所得税と雇用保険料はその月から/健康保険料と厚生年金保険料は次の定時決定(7月以降に減らしたなら翌年9月分)から/住民税は翌年6月から。 据え置きの期間は手取りの「率」が悪く見える。
- 社会保険料の本人負担は令和8年度で40歳未満約14.7%・40〜64歳約15.5%(令和8年4月分から子ども・子育て支援金0.115%が加わりました)。
- 手取りを守る鍵は基本給の水準。時間外単価・賞与・退職金の算定基礎がまとめて動く。
- 在職中なら4〜6月の報酬がその年9月分からの保険料を決める。7月以降に夜勤を減らすと、反映は翌年9月分まで待つことになる。転職の場合は資格取得時決定なので、入社時期をずらして保険料を避けることはできない。
- 夜勤なしにした場合の額面は適正年収診断で、比較の物差しになる実数は適正年収ガイドで確かめられます。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」結果の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第1表」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001011429
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第14表・第17表」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?cycle=0&tclass=000001229512
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
- 公益社団法人日本看護協会「2024年度『看護職員の賃金に関する実態調査』結果」(2025年6月24日 News Release、図表5・23) https://www.nurse.or.jp/home/assets/20250624_nl02.pdf
- 公益社団法人日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」報告書(調査研究報告No.102、2026年3月31日公表) https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/102.pdf
- 全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/lp/2026hokenryou/
- 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/001692566.pdf
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html
- 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html
- 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html
- 厚生労働省「割増賃金の基礎となる賃金とは?」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_24.html
- 国税庁「通勤手当の非課税限度額」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度」 https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido
夜勤手当額は日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」の実数です。社会保険料率は令和8年度の公表値です。健康保険料率は協会けんぽの都道府県ごと、また健康保険組合ごとに異なるため、全国平均9.9%を用いています。子ども・子育て支援金は令和8年4月分(5月の給与天引き)から徴収が始まり、被用者保険では0.23%を労使折半します。標準報酬月額の定時決定・随時改定・資格取得時決定の取り扱いは日本年金機構の説明によります。時間外手当の試算は、行った時間外がすべて法定時間外にあたると仮定した場合の上限に近い金額です。手取り額は扶養の有無や自治体でも差が出るため、実額は給与明細と自治体の住民税額決定通知書でご確認ください。