怖い訪問を「個人の我慢」で終わらせない
訪問看護では、利用者さんの生活の場に一人で入る場面があります。だからこそ、怖い思いをした時に「自分の対応が悪かったのかな」と抱え込まないことが大切です。
GemMedは2026年6月12日、厚生労働省が示した在宅介護従事者の安全確保策を解説しました。背景には、利用者宅で在宅介護従事者が危害を受ける重大事案があります。記事では、個人対応ではなく、事業所単位・地域単位での対策が重要だと整理されています。
訪問看護でも同じです。安全なステーションかどうかは、給与やオンコール手当だけでは分かりません。危険が予見される訪問を、組織としてどう扱うかを見ます。
判断材料になる情報
安全な事業所が用意しているもの
安全対策がある事業所は、「気をつけて行ってきて」で終わらせません。次のような仕組みを持っています。
- 訪問前にリスク情報を共有する
- 危険が予見されるケースは同行訪問にする
- 訪問中の緊急連絡先が決まっている
- 訪問予定と位置情報を事業所が把握している
- 暴言・威圧・性的言動を記録する様式がある
- ケアマネ、主治医、地域包括、警察と連携できる
- 訪問中止や契約見直しの判断基準がある
ここで見るべきなのは、看護師個人が強いかどうかではありません。怖い訪問を組織として止められるかです。
面接・見学で聞く質問
訪問看護に応募する時は、次の質問をそのまま聞いてください。
| 質問 | 見えること |
|---|
| 危険が予見されるケースは同行訪問にできますか? | 一人訪問を当然にしていないか |
| 訪問中に危険を感じた時、誰にどう連絡しますか? | 緊急連絡が個人任せでないか |
| ハラスメントや暴力を受けた時の記録様式はありますか? | 事業所として再発防止できるか |
| 地域包括、主治医、警察へつなぐ判断基準はありますか? | 事業所内で抱え込まないか |
| 訪問を中止する基準はありますか? | 利用者支援と職員安全の両方を見ているか |
答えが曖昧な時は、「実際に同行訪問へ切り替えた例はありますか」と聞くと、運用実態が見えます。
危ない職場のサイン
- 「訪問看護はそういうもの」と言われる
- 怖い経験を報告しても記録に残らない
- 同行訪問は人手不足を理由に断られる
- 家族対応やクレーム対応を新人に任せる
- 危険な利用者宅でも担当変更できない
- 訪問中の連絡先が管理者の個人携帯だけ
この状態で働き続けると、看護そのものより「次の訪問が怖い」という不安が大きくなります。
今の職場で確認すること
すでに訪問看護で働いている人は、まず管理者に次の3点を確認してください。
- 怖い経験を報告する正式なルート
- 同行訪問や担当変更に切り替える基準
- 地域の関係者へ共有する条件
改善を相談しても変わらない場合は、職場の悩みを相談できる掲示板で同じ悩みを持つ人の声を見る、または給料コンパスで今の負担と条件が見合っているか整理してください。
まとめ
訪問先で怖い思いをすることは、看護師の弱さではありません。事業所の安全管理で扱うべき問題です。
訪問看護へ転職するなら、給与やオンコール回数だけでなく、同行訪問、緊急連絡、記録、地域連携、訪問中止の基準を確認してください。
怖い訪問先でも一人で行かなければいけませんか?
危険が予見される場合は、同行訪問、担当変更、訪問条件の見直しを検討すべきです。一人で我慢する前提の職場は、安全管理が弱い可能性があります。
訪問看護の面接で安全対策を聞いてもよいですか?
聞いてよいです。訪問中の安全は働き続けるための重要条件です。具体的な運用を答えられる事業所ほど、現場を守る意識が高いと考えられます。
今の職場で怖い経験を報告しても変わらない時は?
記録を残し、管理者へ改善を相談してください。それでも同行訪問や担当変更ができない場合は、別のステーションを比較する準備を始めてもよい段階です。


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