熱中症対策は患者さんだけでなく看護師自身の問題
夏の熱中症対応というと、救急搬送される患者さんや高齢者の在宅環境を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、病棟を走り回る看護師、PPEを着けて処置する看護師、炎天下を移動する訪問看護師自身も、熱中症リスクの中で働いています。
厚生労働省は2026年5月27日、令和7年(2025年)の職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)を公表しました。休業4日以上の死傷者数は1,803人で前年比約43%増となり、統計開始以降最多です。一方、死亡者数は19人で前年から12人減少しました。あわせて、熱中症のおそれがある作業について、報告体制の整備、重篤化防止の手順作成、関係作業者への周知などを重要な対策として示しています(Source: 厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」)。
この記事では、看護師自身を守る職場確認リストに絞って整理します。
判断材料になる一次情報
既存の詳しい解説は看護師が熱中症で倒れないために2026年の職場で確認することでも扱っています。この記事は、今日から確認する要点に絞ります。
夜勤明けの体調不良や働き方の限界も重なる場合は、夜勤明けに体調が悪いときの職場確認や自分に合う働き方の整理もあわせて確認してください。
病棟で確認すること
| 項目 | 確認ポイント |
|---|
| 空調 | 廊下、処置室、ナースステーション、休憩室まで確認 |
| 水分補給 | 勤務中に水分を取れる場所とタイミングがあるか |
| PPE | ガウン・マスク長時間対応時の休憩基準 |
| 休憩 | 休憩が取れない時の申告と代替休憩 |
| 報告体制 | めまい、頭痛、吐き気を誰に報告するか |
| 夜勤明け | 帰宅前の体調不良に対応できるか |
病棟は空調があるから安全とは限りません。PPE、移動量、休憩不足、夜勤明けが重なるとリスクは上がります。
訪問看護で確認すること
- WBGTや暑さ指数を訪問前に確認しているか
- 移動中の水分・冷却用品が事業所支給か
- 訪問順を暑さで調整できるか
- スタッフが体調不良時に訪問を止められるか
- 代替訪問者や電話対応への切り替え基準があるか
- 利用者宅の室温・冷房使用を確認する項目があるか
- 車内に物品を放置しないルールがあるか
訪問看護は一人で動く時間が長いため、「無理なら戻ってきて」ではなく、具体的な中止・相談基準が必要です。
面接・見学で聞く質問
- 夏季の熱中症対策手順は文書化されていますか?
- スタッフが熱中症症状を訴えたとき、誰に報告しますか?
- PPE着用が続く部署で、休憩や交代の基準はありますか?
- 訪問看護では暑さ指数で訪問順を調整できますか?
- 夜勤明けの体調不良時に帰宅前休憩や相談はできますか?
- 衛生委員会や産業医が熱中症対策に関わっていますか?
熱中症対策を説明できる職場は、看護師を労働者として守る意識がある職場です。
危ないサイン
- 「水分を取ってね」で終わっている
- 報告先や初期対応が決まっていない
- PPE着用中の休憩基準がない
- 訪問看護で暑さによる訪問順変更ができない
- 体調不良を言い出しにくい雰囲気がある
- 熱中症対策が患者向けだけで職員向けにない
看護師が倒れれば、患者安全にも影響します。職員の熱中症対策は、医療安全の一部です。
まとめ
厚生労働省は、職場の熱中症対策として報告体制や重篤化防止手順の整備を重視しています。看護師の職場でも、病棟、外来、訪問看護それぞれで具体的な対策が必要です。
確認すべきなのは、空調、水分補給、PPE中の休憩、報告先、訪問中止基準、夜勤明けの体調不良対応です。「気をつける」ではなく、手順として整っているかを見ましょう。
よくある質問
病院内でも熱中症になりますか?
なります。空調が弱い場所、PPE着用、休憩不足、夜勤明け、脱水が重なるとリスクが上がります。
訪問看護で暑さを理由に訪問順を変えてよいですか?
事業所のルール次第ですが、熱中症リスクが高い日は訪問順や移動方法の調整が必要です。判断基準があるかを確認しましょう。
参考資料


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