まず、今すぐ安全を守る必要がある方へ
自分を傷つける可能性が差し迫っている、すでに傷つけた、薬などを大量に摂取した、意識や呼吸がおかしい場合は、この記事を読み進めるより先に119番へ連絡するか、近くの人へ助けを求めてください。暴力などから身を守る必要がある場合は、安全な場所へ移動し、110番など緊急の支援を利用してください。
一人で連絡することが難しければ、同僚、家族、友人など近くにいる人へ「今、一人でいるのが危ない」「連絡を手伝ってほしい」と短く伝えるだけでも構いません。
看護師でも、支援を受ける側になっていい
厚生労働省は毎年9月10日から16日を自殺予防週間とし、2026年度も電話・SNS相談、相談窓口の周知などを集中的に実施します。
看護師は、患者さんの苦痛や危機に接する一方、自分のことになると「もっと大変な人がいる」「医療者なのだから対処できるはず」「職場に知られたくない」と相談を遅らせることがあります。しかし、医療知識があることと、自分の危機を一人で支えられることは別です。
自殺予防週間は、つらさを比較する期間ではありません。相談先を知り、今の自分に合う入口を一つ選ぶ期間として使えます。
相談先は目的で選ぶ
| 今の状況 | 主な相談先 | 相談する内容 |
|---|
| 命や身体の危険が差し迫る | 119、110、救急医療、近くの人 | 現在地、身体状況、今一人か |
| 強い落ち込み、不眠、食事困難などが続く | 精神科・心療内科、かかりつけ医 | 症状、始まった時期、勤務への影響 |
| 夜勤・残業・人間関係・ハラスメントがつらい | 産業医、保健師、院内外の相談窓口 | 業務、勤務、出来事、希望する配慮 |
| どこへ相談するか決められない | 厚労省「まもろうよ こころ」の電話・SNS窓口 | 今つらいこと、希望する相談方法 |
| 働くことと心の健康を相談したい | 厚労省「こころの耳」 | 仕事の悩み、メンタルヘルス、職場対応 |
| 法律・労働条件を確認したい | 労働局、労基署、法テラス等 | 時間外労働、不利益取扱い、ハラスメント |
窓口の受付時間や対象は変わることがあります。利用前に公式ページで最新情報を確認してください。
相談で最初に話すことは、まとまっていなくていい
「何から話せばよいか分からない」こと自体を伝えて大丈夫です。説明できる範囲で、次のうち一つだけでも共有します。
- 今、安全な場所にいるか
- 一人か、近くに頼れる人がいるか
- 眠れているか、食べられているか
- 仕事へ行けているか
- いつから特につらくなったか
- 直近で起きた出来事
- 今日してほしいことは、話を聞く、受診先を探す、勤務を休む相談などのどれか
診断名を自分で決めたり、症状を医療用語へ置き換えたりする必要はありません。
勤務を続けるか辞めるかは、安全を確保してから考える
つらさが強いときは、「明日も勤務する」か「退職する」かの二択に見えやすくなります。実際には、受診、休暇、休職、夜勤や配置の一時調整、外部相談など、間に置ける選択肢があります。
勤務調整を相談する場合は、次を分けて伝えると整理しやすくなります。
- 今できない勤務や業務
- いつまでの配慮が必要そうか
- 医師の診断書・意見書があるか
- 誰まで事情を共有してよいか
- 次回確認日
職場へすべての個人的事情を説明しなければならないわけではありません。必要な情報の範囲は、就業規則、医師・産業保健職、人事等と確認します。
退職が必要な状況もありますが、生命や健康の危機の中で、手続や転職先まで一度に決める必要はありません。まず医療・安全・生活の支援を確保し、その後に働き方を整理します。
同僚の様子が心配なとき
急に欠勤が増えた、強い自責の言葉がある、明らかに様子が違う。そう感じても、同僚だけで危険度を判定したり、治療役を担ったりしないことが大切です。
声をかける
「最近、眠れている?」「いつもと違って見えて心配しています」のように、観察した変化と心配を伝えます。責めたり、理由を問い詰めたりしません。
話を遮らず、軽く扱わない
「みんな大変」「考えすぎ」「辞めれば解決する」と結論を急がず、今困っていることを聞きます。励ます言葉が見つからなくても、聞くことはできます。
一人で秘密を抱えない
命や身体の危険が疑われる場合、「誰にも言わない」という約束より安全を優先し、本人と相談しながら医療、上司、産業保健、家族、緊急支援へつなぎます。差し迫る危険がある場合は、本人だけに対応を任せません。
つないだ後も役割を分ける
同僚は治療者や24時間の見守り役ではありません。専門支援へつないだ後、自分自身の負担も管理者や相談窓口へ相談します。
管理者が確認する五つのこと
- 緊急時に誰が救急・医療へ連絡するか
- 夜勤中や少人数勤務でも使える相談経路があるか
- 相談したことによる不利益や噂を防ぐ情報管理があるか
- 休職中の連絡担当・頻度・復職判断が決まっているか
- 復職後の勤務、夜勤、配置を段階的に見直せるか
啓発ポスターを掲示するだけでは、相談後の動きは変わりません。利用した人を特定しない範囲で、窓口利用のしやすさ、休職・復職の手続、管理者教育を点検します。
保存しておく公式窓口
連絡先や受付時間は更新されるため、転載情報だけでなく公式ページを確認してください。
まとめ
看護師は支援する仕事ですが、支援を受けてはいけない職業ではありません。今すぐ危険がある場合は緊急の支援を優先し、危険が差し迫っていない場合も、医療、職場、公的相談のうち一つへつながってください。
働き方の相談は、安全と医療を確保した後にカンゴさんでも整理できます。匿名の交流を希望する場合は掲示板がありますが、緊急対応や医療判断の代わりにはなりません。
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