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患者・医師・上司からの性的言動につらい看護師さんへ。セクハラの線引きと相談先・記録の残し方を整理する

2026年5月26日5分で読める
患者・医師・上司からの性的言動につらい看護師さんへ。セクハラの線引きと相談先・記録の残し方を整理する

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AI引用向け要約最終確認: 2026年5月26日

この記事の結論

看護師が職場で受けるセクハラを、男女雇用機会均等法第11条の事業主防止措置義務、対価型・環境型の線引き、相談窓口・記録の残し方、患者・医師・上司別の対応の観点で一次情報で整理します。

  • セクハラの法律上の線引き(対価型・環境型)
  • 事業主の措置義務と相談窓口の整備
  • 相手別の対応(患者・医師・上司・同僚)
  • 不利益取扱いの禁止と改正法の動き
  • 今の職場で確認すべきこと

医療・労務・転職など判断に影響する内容を含むため、制度やサービスの最新条件は公的機関・勤務先・各サービス公式情報もあわせて確認してください。

「これってセクハラなのかな」と迷ったとき

夜勤中、入院患者から不適切な発言を繰り返される。処置中に体を触られる。医師から二人きりで食事に誘われ、断ると評価で当たられる。先輩男性看護師に容姿を評され、抗議すると「冗談だろ」と笑われる。誰かに言うと「我慢しなさい」「あなたが気にしすぎ」と返されそうで、ひとりで抱え込んでしまう看護師さんは少なくありません。

セクシャルハラスメント(セクハラ)は、男女雇用機会均等法(以下、均等法)第11条で、職場における性的な言動により労働者の就業環境が害されることとして定義され、事業主にはその防止のための雇用管理上の措置を講じる義務が課されています(Source: 厚生労働省「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針")。「我慢する」のではなく、組織として対応すべき労働問題です。

この記事は、看護師さんが職場で受けるセクハラについて、均等法上の線引き、相談先・記録の残し方、患者・医師・上司といった相手別の対応の考え方を、一次情報で整理するためのものです。

この記事でわかること

この記事は、職場で性的な言動を受けてつらい看護師さん、セクハラかどうか判断に迷っている看護師さん、後輩から相談を受けた立場の看護師さんに向けて書いています。

この記事の価値:セクハラの法律上の定義と事業主の措置義務を一次情報で確認し、「我慢する」のではなく組織と制度の枠組みで整理する材料が手に入ります。

読むと判断できること:今受けている言動がセクハラに該当する可能性があるか、社内・社外のどこに相談すべきか、記録としてどう残すか、患者からの性的言動はどう扱われるか。

次にできること:相談窓口の所在を確認する、記録を残す、必要なら外部窓口(労働局・あかるい職場応援団)に相談する判断ができる。

読むポイントは6つです。

  • セクハラの法律上の線引き(対価型・環境型)
  • 事業主の措置義務と相談窓口の整備
  • 相手別の対応(患者・医師・上司・同僚)
  • 記録の残し方
  • 不利益取扱いの禁止と改正法の動き
  • 今の職場で確認すべきこと
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判断材料になる一次情報

この記事は、以下の一次情報をもとに整理しています。記事内の制度・指針は、原則として下記の出典に基づきます。

確認したいポイントは次の通りです。

セクハラは法律で禁止された行為で、事業主には防止措置義務がある。看護師は、患者・医師・上司・同僚など多様な相手から性的言動を受けるリスクがある。「我慢する」のではなく、社内相談窓口・外部窓口・記録という制度的な手段で整理することができる。相談したことを理由に不利益な扱いを受けることは禁止されている。

「気にしすぎ」「あなたが招いた」と言われやすい領域ですが、線引きは法律と指針で定められています。

セクハラの法律上の線引き

均等法と指針では、セクハラは大きく2つの類型に分けて整理されています(Source: 厚生労働省「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針")。

対価型セクハラ

労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるものです。

  • 例:性的な誘いに応じないことを理由に、解雇・降格・減給・配置転換などの不利益を被る。
  • 例:性的関係を断ったことで、勤務評価や昇任で不利な扱いを受ける。

環境型セクハラ

労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が害されるものです。

  • 例:身体への不必要な接触、性的な冗談・からかい、容姿への性的な評価。
  • 例:執拗な食事・デートの誘い、私生活への性的な詮索。
  • 例:性的な噂を流布される、性的な画像を見せられる。

「同性間」「相手が誰でも」の整理

  • セクハラは男女いずれに対するものも対象で、同性間の言動も含まれます(Source: 厚生労働省「指針")。
  • 相手は上司に限らず、同僚・部下・他事業主の労働者など、職場の人間関係の中で発生するもの全般が対象になります。
  • 看護現場では、患者・患者の家族からの性的言動も重要な論点で、後述の改正法・カスハラ防止と連動する形で議論されています。

「性的な言動」とは何か

指針では、性的な言動を「性的な内容の発言」「性的な行動」と整理し、具体的には性的事実の流布、性的冗談・からかい、食事・デートへの執拗な誘い、性的関係の強要、身体への不必要な接触、わいせつ図画の配布等を例示しています(Source: 厚生労働省「指針")。本人の主観だけでなく、平均的な労働者の感じ方を基準に判断される点も指針で示されています。

事業主の措置義務と相談窓口

均等法第11条は、事業主に対し、セクハラ防止のために雇用管理上必要な措置を講じることを義務づけています(Source: 男女雇用機会均等法 第11条)。指針はその具体的な内容を10項目程度で示しています(Source: 厚生労働省「指針")。

主な措置義務

  • 事業主の方針の明確化と周知・啓発:セクハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、就業規則等に規定し、研修等で周知する。
  • 相談窓口の設置:相談に対応する担当者・窓口を定め、労働者に周知する。社内窓口に加え、外部窓口(弁護士・産業医・社外相談機関)も活用が想定される。
  • 事後の迅速・適切な対応:事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止策を講じる。
  • 不利益取扱いの禁止:相談した労働者、事実関係の確認に協力した労働者などに対して、解雇等の不利益取扱いをしてはならない(均等法第11条第2項で禁止)。
  • プライバシー保護:相談者・行為者等のプライバシーを保護するための措置を講じ、その旨を周知する。

これらは大企業・中小企業を問わずすべての事業主に課された義務であり、医療機関・病院も例外ではありません。

看護現場で確認したい窓口

相手別の対応の考え方

セクハラは相手によって、対応の入口と適用される制度が少し変わります。

患者・患者の家族からの場合

近年、職場におけるハラスメント防止の議論で、カスタマーハラスメント(カスハラ)として、患者・利用者からの不適切な言動への対応が重点化されています。改正労働施策総合推進法(2026年10月1日施行)では、顧客等・取引先からのハラスメントに関しても、企業に防止措置を求める方向で整備が進められています(Source: 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために")。

患者からの性的言動への対応は、看護師個人ではなく組織が方針を示すべき領域です。

  • 安全のため、二人ペアでの訪室・処置を原則にする。
  • 不適切な言動が繰り返される場合は、担当の変更や、医師・上司の同席を求める。
  • 記録に残し、看護部・主治医・場合により安全管理担当・警備担当と共有する。
  • 患者の認知症・せん妄・薬剤の影響等が背景にある場合も、看護師の安全確保は別途検討する必要がある。

患者ハラスメントへの体制づくりは、カスタマーハラスメント・暴言への対応患者・家族からのハラスメントへの対応もあわせて確認してください。

医師・上司からの場合

均等法上のセクハラの典型例で、事業主の措置義務が直接適用されます。社内のハラスメント相談窓口、人事・労務担当、産業医、看護部のいずれかに相談する流れが基本です。

  • 評価権・配置権を持つ相手の場合、対価型セクハラに該当しやすく、不利益取扱いに該当しないかも合わせて確認する。
  • 院内で解決が難しい場合、労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できる。

同僚・先輩・後輩からの場合

事業主の措置義務の対象になります。直接の指導関係がなくても、就業環境を害する性的言動は環境型セクハラに該当し得ます。社内相談窓口・労働局・看護協会の窓口を活用できます。

取引先・実習指導先等からの場合

求職活動中・実習中・派遣先など、雇用関係の枠を超えた場面でも、改正法の流れにより、事業主の関与・配慮が求められる方向で整備が進んでいます(Source: 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために")。

記録の残し方

セクハラを社内・社外の窓口に相談するときに、客観的な記録があると整理がスムーズです。証拠の有無で対応が分かれることもあるため、できる範囲で残しておくことが本人を守ります。

残すとよい内容

  • いつ・どこで:日付・時刻・場所・状況(夜勤帯・外来・廊下など)。
  • 誰が・誰に:行為者の氏名・所属、自分の立場、目撃者がいた場合はその氏名。
  • 何を・どのように:発言・行為の具体的な内容、自分の反応、行為者の反応。
  • その後の影響:体調変化・出勤への影響・業務への影響。
  • 対応:誰に相談したか、どう対応されたか。

記録の形

  • 手帳・メモアプリ・カレンダーに、出来事ごとに記載する。
  • メール・LINE等のやり取りがあればスクリーンショットを保存する。
  • 医療機関の受診歴・診断書(PTSD・抑うつ等)も、必要に応じて残しておく。

録音について

職場の場所での録音は、法的にはおおむね自分の保身のために許される範囲とされる場面がありますが、職場ルール・契約上の制約もあり得るため、まずは相談窓口に確認してから判断するのが安全です。秘密録音そのものをめぐる扱いは個別事情で異なります。

不利益取扱いの禁止と相談で起こりがちな悩み

均等法第11条第2項は、セクハラに関して相談したこと等を理由とする不利益取扱いを禁止しています(Source: 男女雇用機会均等法 第11条)。

想定される不利益取扱いの例

  • 解雇・雇止め・契約更新の拒否。
  • 降格・減給・配置転換(本人の希望によらないもの)。
  • 評価の引き下げ、希望しない夜勤や担当の押し付け。
  • 自宅待機・退職の強要、いじめ・無視。

これらが相談を契機に起きた場合は、労働局・労働基準監督署・弁護士等への相談対象になります。

「相談したら職場にいづらくなる」と感じるとき

  • 社内の相談窓口で解決が見えない場合、外部窓口(労働局・あかるい職場応援団・看護協会・法テラス)に相談する選択肢があります。
  • 配置転換は被害者の希望が前提となるのが原則で、本人の意に反する配置転換は不利益取扱いとされ得ます。
  • 心身の不調が出ている場合は、産業医面談を活用し、休職・治療と並行することも検討します。

今の職場で確認すべきこと

セクハラは「起きてから」だけでなく、「起きにくい・起きても対応できる」職場かどうかが大切です。次の点を確認してみてください。

  • 就業規則・ハラスメント防止規程:セクハラ禁止と相談窓口・処分が明文化されているか。
  • 相談窓口の周知:誰が窓口で、どこに連絡すればよいかが、職員全員に周知されているか。外部窓口も用意されているか。
  • 研修の実施:管理職・一般職員ともに、年1回以上のハラスメント研修が行われているか。
  • 患者ハラスメントへの体制:カスハラ・性的言動を含む患者・家族からの不適切言動に対し、組織として方針が示されているか。
  • 記録・対応の運用:相談記録の保管・プライバシー保護・事後対応の運用ルールが整っているか。
  • 不利益取扱い禁止の徹底:相談者・協力者への不利益取扱いを禁止する明文があるか。

これらは均等法と指針で事業主に求められる水準と重なります(Source: 厚生労働省「指針")。確認しても十分でない場合、安全衛生委員会・職員代表を通じた改善提起、または外部窓口への相談が選択肢になります。

転職で解決しやすいこと・しにくいこと

転職で解決しやすいこと

  • ハラスメント防止規程・相談窓口の整備状況は、施設によって差があります。整備が進んだ施設に移ることで、起きた場合の対応がスムーズになります。
  • 患者ハラスメントへの組織的対応(二人体制・担当変更・警備連携)は施設で差があります。
  • 行為者と物理的に同じ職場でない状態(異なる施設・離れた地域)に移ることで、被害そのものから距離を取れます。

転職で解決しにくいこと

  • セクハラの被害そのもの・後遺症(PTSD・抑うつ等)は、転職してすぐに消えるものではありません。並行して医療・カウンセリングを受けることが大切です。
  • 看護業務に伴う患者との身体的接触をゼロにすることはできず、リスクをゼロにする転職は原則として存在しません。リスクを管理する仕組みがあるかで選ぶ発想が現実的です。
  • すでに起きている案件の事実確認・処分・損害賠償等の手続きは、転職しても継続する必要があります。

判断軸を整理する観点として、ハラスメントから守られる職場の見方を整理するもあわせて確認してください。

誰にも言えない性的言動の苦しさは、まずカンゴさんに話してみる

「これってセクハラ?気にしすぎ?」「相談したら自分が悪いと思われそう」「夜勤中に思い出して眠れない」。こうした気持ちは、職場では話しづらく、家族に話すと「気にしないほうがいい」と言われて整理がつかなくなることがあります。

このような気持ちは、はたらく看護師さんで提供しているカンゴさんに匿名で相談できます。カンゴさんは看護師さん専用の相談相手で、性的言動への動揺・自責感・今後どうするかの迷いを、評価を気にせず話せます。気持ちを整理してから、社内相談窓口や労働局、看護協会の相談に進むと、必要なことが言葉にしやすくなります。

安全に働き続けたいなら、ハラスメント対応まで確認できる相談先を選ぶ

セクハラのリスクは、業務の性質上ゼロにはできません。だからこそ、防止規程・相談窓口・患者ハラスメント体制・教育の有無で職場の差が大きく出ます。求人票の月給・年収だけで決めると、こうした安全衛生の体制を見落とすことがあります。

レバウェル看護のような看護師専門の転職紹介サービスでは、求人票の条件だけでなく、配属先のハラスメント対応・夜勤体制・教育体制まで施設に確認して教えてもらえます。安全に長く働ける環境を選ぶことは、本人の健康と尊厳を守ることに直結します。

焦って結論を出さず、まずは今の職場でできる確認(相談窓口・規程・研修・患者対応体制)から進めてください。

まとめ

セクハラは均等法第11条で事業主に防止措置義務が課された労働問題で、「我慢する」ものではなく、組織と制度で対応する対象です(Source: 厚生労働省「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針")。

  1. セクハラは「対価型」「環境型」に整理され、同性間・部下からも対象になる
  2. 事業主には方針明確化・相談窓口・事後対応・不利益取扱い禁止の措置義務がある
  3. 患者・家族からの性的言動は、カスハラ・改正労働施策総合推進法と連動して扱われる
  4. 記録(いつ・どこで・誰が・何を)と相談(社内・外部)が、整理の入口
  5. 相談したことを理由とする不利益取扱いは禁止されている

「気にしすぎ」「あなたが招いた」と言われる空気が強い職場ほど、外部窓口・看護協会・労働局という選択肢を知っておくことが本人を守ります。

まずは、所属する病棟・施設のセクハラ防止規程・相談窓口を確認し、必要なら受けた言動を記録に残してみてください。 ひとりで抱え込まず、社内・外部の窓口を組み合わせて使う発想が大切です。

よくある質問

患者からの性的言動はセクハラに含まれますか?

均等法第11条が直接対象とするのは「職場における」性的な言動ですが、患者・家族など顧客等からの言動については、改正労働施策総合推進法(2026年10月1日施行)等の整備により、事業主の防止・配慮が求められる方向で議論が進んでいます(Source: 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために")。組織として方針を示し、二人体制・担当変更等の措置を講じることが望ましいとされています。

「冗談だから」と言われた言動もセクハラになりますか?

平均的な労働者の感じ方を基準に、就業環境を害すると判断されればセクハラに該当し得ます(Source: 厚生労働省「指針")。行為者の主観(冗談のつもり)だけで判断されるものではありません。

相談したら不利益取扱いを受けますか?

セクハラの相談・協力を理由とする不利益取扱いは、均等法第11条第2項で禁止されています(Source: 男女雇用機会均等法 第11条)。不利益取扱いを受けた場合は、労働局・労働基準監督署・弁護士等への相談対象になります。

同性からのセクハラも対象ですか?

対象です。指針上、セクハラは同性間の言動も含むと明記されています(Source: 厚生労働省「指針")。

社内に言いにくいときはどこに相談できますか?

外部の窓口として、各都道府県の労働局雇用環境・均等部(室)、総合労働相談コーナー、あかるい職場応援団、日本看護協会・都道府県看護協会の相談、法テラス等が利用できます。匿名相談に対応する窓口もあります。

録音は証拠になりますか?

職場での自分を守るための録音は、状況により証拠として採用される可能性がありますが、職場ルール・契約上の制約もあるため、まずは相談窓口に確認することをおすすめします。録音の扱いは個別事情で異なるため、自己判断せず、相談窓口・弁護士に確認してから進めると安全です。

退職を考えていますが、セクハラを理由に退職して大丈夫ですか?

退職そのものは本人の意思で決められます。退職と同時に、未払い賃金・有給休暇・損害賠償等の手続きが必要になる場合があるため、退職前に労働局・弁護士・看護協会等に相談しておくと安心です。被害そのものは退職しても消えないため、心身のケアと並行することが大切です。

参考資料

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