まず知っておきたいこと
2026年5月28日時点で、熱中症は「真夏だけの話」ではありません。総務省消防庁は5月から熱中症による救急搬送状況を公表しており、5月4日から10日までの全国搬送人員は454人でした。
報道では、5月18日から24日の週も熱中症搬送が1,000人を超え、2週連続で高い水準になったとされています。さらに5月28日には、沖縄県八重山地方を対象に熱中症警戒アラートが発表されました。
現場で注意したいのは、気温だけで判断しないことです。梅雨入り前後は、湿度が高く、汗が蒸発しにくく、本人も脱水に気づきにくいことがあります。
この記事でわかること
この記事は、病棟、外来、施設、訪問看護で働く看護師さん向けです。
- 5月後半から熱中症を疑うべき理由
- 梅雨型熱中症で見逃しやすい観察ポイント
- 患者さん・利用者さん・家族に確認したい生活環境
- 自分自身の夜勤明け・通勤時のリスク
判断材料になる一次情報
参考にした資料は以下です。
数字を見る時は、「搬送された人だけが熱中症ではない」と考えることが大切です。外来受診に至らない軽い脱水、食欲低下、倦怠感、転倒、せん妄の背景にも暑熱環境が隠れることがあります。
梅雨型熱中症で見逃しやすいサイン
梅雨型熱中症では、強い日差しや屋外作業がなくても不調が出ることがあります。
- いつもより反応が遅い
- 食事量や水分量が落ちている
- 尿量が少ない、色が濃い
- 立ち上がりでふらつく
- 微熱、倦怠感、頭痛、吐き気がある
- 室温は高くないが湿度が高い
- エアコンをつけず、窓も閉め切っている
高齢者、利尿薬を使っている人、心不全や腎疾患がある人、認知症がある人は、本人の訴えだけでは判断しにくい場合があります。
病棟・外来・訪問看護で確認したいこと
患者さんの状態を見る時は、バイタルだけでなく生活環境を一緒に確認します。
- 室温と湿度
- エアコンの使用状況
- 水分制限の有無
- 食事量、尿量、便秘
- 服薬内容、とくに利尿薬や降圧薬
- 最近の発熱、下痢、嘔吐
- 一人暮らしで室温管理を誰が見るか
訪問看護では、冷房を「もったいない」「体に悪い」と感じて使わない利用者さんもいます。説明は「暑いからつけましょう」だけでなく、「湿度が高いと汗が乾きにくく、体温が下がりにくくなる」と伝えると納得されやすくなります。
職場で確認すべきこと
熱中症対応は患者さんだけでなく、看護師自身の労働環境にも関係します。
- 休憩室の温湿度は適切か
- 夜勤明けの帰宅時に水分補給できているか
- PPE着用中の暑熱負荷を共有しているか
- 外回りや訪問看護でクーリング用品を使えるか
- 熱中症疑い時の院内フローが確認されているか
忙しい日は水分摂取が後回しになりがちです。自分の体調を崩すと、患者対応の安全にも影響します。
まとめ
5月後半からの熱中症は、真夏の屋外作業だけではありません。湿度、脱水、服薬、生活環境、夜勤明けの疲労が重なると、病棟や在宅でもリスクは上がります。
「まだ5月だから大丈夫」と見ないこと。看護師が早めに生活環境と体調変化を拾うことで、重症化を防ぎやすくなります。


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