「BCG」と聞いて、予防接種を思い浮かべる人は少なくありません。今回の安全情報は、結核予防の経皮接種ではなく、膀胱がん治療に使う乾燥BCG膀胱内用の話です。
PMDAは2026年8月24日、乾燥BCG膀胱内用(日本株、販売名イムノブラダー)の電子添文改訂を公表しました。これまで禁忌とされていた抗癌療法との併用から、デュルバルマブ(遺伝子組換え)が除外されました。あわせて、併用する際の用法・用量はデュルバルマブの電子添文を参照する旨と、播種性BCG感染のリスクを十分に説明する旨が追記されています。
安全情報というと制限が増える話を想像しますが、今回は逆方向です。禁止が解除された改訂をどう扱うかは、禁止が追加された改訂とは注意点が異なります。
この記事は治療スケジュールを作るものではありません。膀胱内注入と点滴治療の情報が分かれる現場で、看護師が確認をつなぐための記事です。
いちばん大きな変更は「禁忌からの除外」です
改訂の中心は、用法・用量の追記ではありません。これまで禁忌だった組み合わせが、条件付きで実施できるようになったことです。
PMDAの新旧対照表では、次のように変わりました。
| 項 | 改訂前 | 改訂後 |
|---|
| 2. 禁忌 | 抗癌療法(例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射)中の患者 | 抗癌療法(例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射。ただし、デュルバルマブ(遺伝子組換え)を除く)中の患者 |
| 10.1 併用禁忌 | 抗癌療法(例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射) | 抗癌療法(同上。ただし、デュルバルマブ(遺伝子組換え)を除く) |
| 7. 用法及び用量に関連する注意 | 膀胱内注入にのみ用いる旨(1項のみ) | 7.1として上記を維持し、7.2を新設。デュルバルマブと併用する際の用法及び用量は、デュルバルマブの電子添文を参照する |
改訂の理由は、高リスク筋層非浸潤性膀胱癌患者を対象に、デュルバルマブと乾燥BCG膀胱内用を併用投与した臨床試験成績より、併用投与の臨床的有用性が認められたことと記載されています。安全性上の問題が起きたことによる規制強化ではなく、有用性が確認されたことによる限定的な解除です。
看護の実務では、この方向の違いが効きます。制限が増える改訂であれば「やらない」で安全側に倒せますが、解除の改訂は「これまで止めていた組み合わせが今日から通る」という意味です。以前の知識のまま「BCG中に抗癌薬は禁忌だったはず」と止めてしまう誤りと、「解除されたのだから何でも併用できる」と広げてしまう誤りの、両方が起こり得ます。
なお、7.2には播種性BCG感染のリスクを患者に十分説明した上で、有益性がリスクを上回ると判断される場合に投与することが併せて記載されています。除外されたのは禁忌の記載であって、リスクが消えたわけではありません。
除外されたのはデュルバルマブだけです
新旧対照表を読むと、除外の範囲がはっきりします。10.1 併用禁忌の表には、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等)、免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤、抗癌療法が引き続き並んでいます。改訂で括弧書きが付いたのは抗癌療法の項だけで、そこから外れたのはデュルバルマブ(遺伝子組換え)のみです。
免疫抑制剤や免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤は、改訂前と同じく併用禁忌のままです(禁忌となるのは免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤であり、副腎皮質ステロイド剤全般ではありません)。「BCGと免疫チェックポイント阻害薬が併用できるようになった」と一般化しないでください。名指しで除外された1成分だけの話です。
製剤と適応の名称を押さえる
| 項目 | 記載内容 |
|---|
| 一般名 | 乾燥BCG膀胱内用(日本株) |
| 販売名 | イムノブラダー膀注用80mg、同膀注用40mg |
| 承認取得者 | 日本ビーシージー製造株式会社 |
| 効能・効果 | 表在性膀胱癌、膀胱上皮内癌 |
| 今回の併用の対象 | 高リスク筋層非浸潤性膀胱癌 |
最後の2行は、言い換えではありません。BCG単剤の効能・効果と、デュルバルマブ併用の対象範囲は一致しません。
デュルバルマブの最適使用推進ガイドラインは、併用の対象となる高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)を、①T1、②high grade若しくは組織学的異型度がGrade 3、③上皮内癌、又は④多発かつ再発かつ最大腫瘍径が3cm以上、のいずれかに該当するNMIBCと定義しています。
つまり、BCGの効能・効果である「表在性膀胱癌」「膀胱上皮内癌」のほうが広く、併用の対象はその中のより限定された集団です。「表在性膀胱癌ならデュルバルマブを併用できる」と読み替えないでください。誰が併用の対象になるかは、主治医が病理と病期を見て判断します。
なお、電子添文の効能又は効果に関連する注意には、本剤は癌の予防薬ではないこと、浸潤性の膀胱癌(組織学的深達度T2以上)は適応外であるため投与前に必ず生検等を実施して浸潤性ではないことを確認してから投与を開始することが示されています。
また、規格が80mgと40mgの2種類あります。膀注用という剤形名も含めて、払い出しや投与経路の確認時に照合してください。
この記事で線を引いておくこと
- 対象は乾燥BCGの膀胱内注入製剤で、予防接種ではない
- 禁忌から外れたのはデュルバルマブのみで、他の抗癌療法・免疫抑制剤・免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤の記載は残る
- 有益性と危険性を判断するのは医師で、看護師が独自に可否を決めない
- 投与スケジュールは両剤の最新電子添文と治療計画で確認する
- 禁忌が外れても、播種性BCG感染のリスクと説明義務は残る
なぜ二つの安全確認が必要なのか
乾燥BCG膀胱内用には、投与部位の症状だけでなく、播種性BCG感染を含む重大なリスクがあります。デュルバルマブにも、最新の電子添文・適正使用ガイドに沿った観察と管理が必要です。
併用時に問題になるのは、「泌尿器科処置の日」と「点滴治療の日」を別々に管理し、患者の症状・予定・説明がつながらないことです。どちらか一方のチェックリストだけで終わらせません。
看護師が確認する6項目
1. 製剤、投与経路、対象疾患
乾燥BCG膀胱内用、日本株、イムノブラダーという名称を照合し、膀胱内注入であることを確認します。BCGワクチンの手順や説明資料を流用しません。
2. 併用薬と治療計画
デュルバルマブの投与予定、他の抗癌療法、免疫抑制剤、免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤に加えて、抗菌性物質製剤を含む処方全体を確認します。抗菌薬は併用注意で、他疾患の治療が終わるまで投与を延期すべきとされている項目です。併用可否や延期の要否を記事から決めず、医師・薬剤師と両剤の最新電子添文を照合します。
3. 説明と同意の範囲
患者が、局所症状だけでなく播種性BCG感染のリスク、症状時の連絡方法、時間外の連絡先を理解できているかを確認します。「説明書を渡した」で終えず、患者の言葉で連絡条件を言えるかを確かめます。
4. 投与前の状態
発熱、尿路感染症、肉眼的血尿は禁忌に該当する状態です。全身状態、排尿症状、治療後から続く症状とあわせて確認し、所見はそのまま医師へ共有します。
あわせて、TURBT・生検・カテーテル挿入による外傷の有無とその実施日を確認します。警告では、外傷を生じた直後には投与すべきではなく、治癒の状態を観察しながら7日から14日間間隔をあけることとされています。投与を実施できるかは、所見と日程を共有したうえで医師が判断します。
5. 投与後の症状と時間軸
症状名だけでなく、いつ投与し、いつ始まり、どの程度続き、悪化しているかを記録します。播種性BCG感染を示唆する所見は前述のとおりで、時間の長さと発熱の高さが判断材料に入るため、経過を書かない記録では読み取れません。
「発熱あり」ではなく「一昨日の注入後、昨夜から38.9℃、解熱剤で一時的に下がるが再上昇」と書けるかどうかが分かれ目です。
6. 連絡・記録・曝露時の手順
日中と時間外の連絡先、救急受診時に伝える治療名、注入日と点滴日の記録場所をそろえます。薬剤調製、注入、排泄物、こぼれ・曝露の対応は、施設の感染対策・職業曝露手順に従います。
残っている禁忌と警告を確認する
デュルバルマブが禁忌から外れても、乾燥BCG膀胱内用そのものの禁忌と警告はすべて残っています。改訂で変わったのは2.8の括弧書きだけです。2026年8月改訂(第4版)の電子添文には、次が禁忌として並んでいます。
| 項 | 禁忌(次の患者には投与しないこと) |
|---|
| 2.1 | AIDS、白血病、悪性リンパ腫等の併発疾患により免疫抑制状態にある患者、先天性又は後天性免疫不全の患者 |
| 2.2 | HIVキャリアの患者 |
| 2.3 | 活動性の結核症が明白である患者 |
| 2.4 | 熱性疾患、尿路感染症又は肉眼的血尿が存在している患者 |
| 2.5 | 妊婦又は妊娠している可能性のある女性 |
| 2.6 | BCG全身性過敏症反応の既往がある患者 |
| 2.7 | 免疫抑制剤及び免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤を投与中の患者 |
| 2.8 | 抗癌療法(例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射。ただし、デュルバルマブを除く)中の患者 |
看護の観察に直結するのは2.4です。熱性疾患、尿路感染症、肉眼的血尿は「注意して観察する項目」ではなく禁忌です。投与予定日に発熱がある、尿が赤い、尿路感染の治療中——これらは投与の可否そのものに関わります。所見を医師へ伝えるまでが看護師の役割で、実施可否の判断は医師が行います。
警告1.1:外傷を生じた直後は投与しない
電子添文の警告には、次が規定されています。
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)、生検及びカテーテル挿入により外傷を生じた直後には本剤を投与すべきではなく、外傷の治癒の状態を観察しながら、7日から14日間間隔をあけて投与すること
この規定の根拠として、カテーテル挿入等により外傷を生じた後のBCG投与による播種性BCG感染に起因したと考えられる死亡例が臨床試験で認められたこと、米国でも同様の症例が報告されていることが挙げられています。
「最近処置を受けたか」は、聞いておく話ではなく、日程に関わる話です。TURBT、生検、カテーテル挿入の実施日を投与前に確認し、期間が短い場合は必ず医師へ共有してください。何日あけるかの最終判断は医師が行いますが、情報が上がらなければ判断できません。
あわせて警告には、アナフィラキシーに起因したと考えられる死亡例が認められていること、本剤が生菌製剤であり米国において院内感染の報告があるため十分に注意し適切に取り扱うことも記載されています。曝露対策は患者の安全だけでなく、職員と他患者の安全の話でもあります。調製、注入、排泄物の取り扱いは施設の手順に従ってください。
併用注意:抗菌性物質製剤
禁忌ではありませんが、見落としやすい併用注意があります。電子添文10.2は、抗菌性物質製剤について、BCGに対し抗菌作用を示す薬剤との併用で本剤の効果が減弱するおそれがあり、他の疾患のため抗菌性物質製剤療法を行っている場合、その療法が終わるまで本剤の投与は延期すべきとしています。
膀胱内注入の予定がある患者が、別の理由で抗菌薬を処方されることは珍しくありません。歯科、皮膚科、呼吸器感染症など、泌尿器科の外にある処方ほど見えにくくなります。持参薬・他院処方の確認では、抗癌薬や免疫抑制薬だけでなく抗菌薬も対象です。延期の要否は医師・薬剤師が電子添文に沿って判断します。
発熱をどう読むか
電子添文は、播種性BCG感染を示唆する所見として、48時間以上続くインフルエンザ様熱性症状、39℃以上の発熱、反復投与によって激しさを増す全身症状、肝機能検査値異常の持続を挙げています。また副作用の注記には、39℃以上の発熱および2日以上持続する38℃以上の発熱について、播種性BCG感染のおそれがあるため投与を中止し、解熱剤の投与とともに抗結核剤療法を行うことが示されています。
ここで誤読しやすいのが「48時間」です。これは患者が48時間待ってよいという基準ではありません。施設から案内された連絡条件を優先し、状態が悪ければ早く連絡します。記事の数字を待機時間として使わないでください。
併用療法には公式の施設要件があります
デュルバルマブの最適使用推進ガイドラインは、本剤の投与について、定められた要件をすべて満たす施設において使用するべきとしています。主な内容は次のとおりです。
| 区分 | 要件の概要 |
|---|
| 施設 | がん診療連携拠点病院等、特定機能病院、都道府県知事が指定するがん診療連携病院、外来腫瘍化学療法診療料の施設基準の届出を行っている施設、抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準の届出を行っている施設のいずれかに該当すること |
| 責任医師 | 膀胱癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師が、当該診療科の治療の責任者として配置されていること |
| 医薬品情報管理 | 医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、情報の管理・提供、有害事象報告が速やかに行われる体制があること |
| 副作用対応 | 間質性肺疾患等の重篤な副作用発生時に、24時間診療体制の下でCT等の必要な検査結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制があること |
つまり、この併用療法はどこでもできる治療ではありません。自施設で実施しているということは、これらの体制があるという前提です。逆に、24時間の検査体制や情報管理の担当が実際には機能していないと感じるなら、それはガイドラインの前提が崩れているという話になります。
「解除の改訂」で起きやすい3つの誤り
禁止が追加される改訂は、知らなければ止められません。禁止が解除される改訂は、知らないと止めてしまうという逆の失敗が起きます。今回の改訂で想定しておきたい誤りは3つです。
誤り1:古い知識で止めてしまう
「BCG膀胱内注入中に抗癌療法は禁忌」という覚え方をしていると、デュルバルマブの指示を見た時点で疑義照会をかけたくなります。照会そのものは悪いことではありませんが、改訂を知らないまま「禁忌のはずです」と断定すると、正当な治療計画を止め、患者の投与日をずらすことになります。断定ではなく「改訂内容を確認したい」という聞き方をしてください。
誤り2:解除の範囲を広げてしまう
反対に、「BCGと免疫チェックポイント阻害薬は併用できるようになった」と一般化するのも誤りです。新旧対照表で括弧書きが付いたのはデュルバルマブ1成分だけで、免疫抑制剤、免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤、その他の抗癌療法は併用禁忌のまま残っています。成分名まで確認しないと、解除されたかどうかは判定できません。
誤り3:リスクまで解除されたと読む
7.2には、播種性BCG感染のリスクを患者に十分説明した上で、有益性がリスクを上回ると判断される場合に投与すること、と記載されています。禁忌の記載が外れたのは、リスクがなくなったからではなく、臨床的有用性が認められたからです。観察と説明の負荷はむしろ上がると考えるのが安全です。
院内資料が改訂に追いつくまでの時間差
電子添文が変わっても、現場で使う資料が同時に変わるわけではありません。今回のように禁忌が解除された場合、次の資料に古い記載が残っていると、実施を止める方向の食い違いが起きます。
| 確認する資料 | 古い記載が残っていると起こること |
|---|
| 院内の医薬品集・採用薬情報 | 併用禁忌のまま表示され、疑義照会が繰り返される |
| レジメン登録・オーダー時の警告 | システムが併用を弾き、指示が通らない |
| 病棟の手順書・観察項目 | 説明すべき播種性BCG感染のリスクが抜ける |
| 患者説明文書 | 併用治療であることが説明文に反映されない |
| 救急外来向けの治療歴一覧 | 時間外受診時に併用中と分からない |
看護師が資料を改訂する立場ではありませんが、「システムが弾くのに指示が出ている」という状態を見つけたら報告することはできます。これは疑義ではなく、マスター更新の依頼として薬剤部・情報システム部門へ伝える内容です。
2つの診療の予定を1本の時間軸で見る
併用治療では、膀胱内注入と点滴が別々の予定表で管理されがちです。患者に症状が出たとき、どちらの治療の何日後かが分からないと、報告の解像度が落ちます。
記録するときは、次の順で並べてください。
- 直近の膀胱内注入日と、その後の症状の有無
- 直近のデュルバルマブ投与日と、その後の症状の有無
- 現在の症状が始まった日時
- 症状の推移(改善しているか、悪化しているか、変わらないか)
- 発熱がある場合は最高体温と経過時間
- すでに実施した対応と、その反応
「発熱があります」だけでは、医師は原因を絞れません。「一昨日にBCG注入、昨日デュルバルマブ、今朝から38.8℃で解熱薬に反応が乏しい」まで揃えば、判断の入口が変わります。
患者へ渡す一枚に入れたい情報
患者説明が複数部門に分かれる場合は、少なくとも次を一枚で見られるようにします。
| 欄 | 記載内容 |
|---|
| 治療名 | 乾燥BCG膀胱内注入、デュルバルマブ |
| 実施日 | 直近と次回の予定 |
| 連絡する症状 | 施設が定めた具体的な条件 |
| 時間外連絡先 | 夜間・休日を含む窓口 |
| 受診時に伝えること | 両方の治療を受けていること、最終投与日 |
| 自己判断しない事項 | 服薬・治療の中止、再開、受診延期 |
一枚にまとめる目的は、治療を簡略化することではなく、患者が連絡先を探す時間を減らすことです。
「発熱=免疫関連」「発熱=BCG感染」と決めつけない
併用治療中の発熱や全身症状を、症状だけでどちらかに決めることはできません。感染症、治療関連有害事象、他の原因を含め、医師が評価します。
看護師は、投与歴、時間経過、随伴症状、バイタル、検査値、服薬をそろえて共有します。原因を断定してから報告するのではなく、両方の治療を受けている事実を最初に伝えることが重要です。
時間外に受診した患者が説明できること
膀胱内注入と点滴治療を受けている患者が、夜間や休日に別の医療機関を受診する場面を想定してください。受け入れ側は、治療歴を患者本人か家族の説明から把握することになります。
そこで伝わるかどうかは、平時にどう説明してきたかで決まります。次の3つを、患者が自分の言葉で言えるかを確認してください。
- 膀胱がんの治療で、膀胱に薬を入れる治療と点滴の治療の両方を受けていること
- それぞれの直近の実施日
- 発熱したときに最初に連絡する先
「BCGをやっています」だけでは、受け入れ側が予防接種と取り違える可能性があります。膀胱に入れる治療であるという言い方まで含めて練習しておくと、伝達の事故が減ります。お薬手帳や治療カードに治療名と実施日が書かれていれば、さらに確実です。
安全体制を職場の判断軸にする
泌尿器科外来、化学療法室、病棟、救急外来で記録が分かれ、時間外に治療内容が見つからない職場では、患者説明も観察も個人依存になります。
点検するのは3点です。両剤の治療予定を同じ画面で見られるか。症状が出たときの一次連絡先が一本化されているか。時間外の救急外来から治療歴に到達できるか。この3つが揃っていない職場では、経験の長い人が当直の日だけ安全、という状態になります。
そうした構造上の不安は、自分の落ち度として抱えるものではありません。施設名や患者が分かる記載を避けたうえで、併用治療の不安を匿名で書き出す使い方ができます。実際の治療判断と体制の見直しは、担当医、薬剤師、感染管理部門、医療安全部門へつないでください。
よくある質問
BCGワクチンと同じものですか?
この記事の対象は、膀胱がん治療に使う乾燥BCG膀胱内用製剤です。予防接種の手順とは分けてください。
デュルバルマブ以外の抗癌薬とも併用できますか?
乾燥BCG膀胱内用の改訂では、デュルバルマブ以外の抗癌療法について併用禁忌の記載が残っています。個別の可否は最新電子添文と医師・薬剤師へ確認します。
併用禁忌が解除されたのに、なぜ注意が増えるのですか?
禁忌の記載が外れた理由は、臨床試験成績から併用投与の臨床的有用性が認められたことであり、播種性BCG感染のリスクが消えたためではありません。改訂後の記載にも、リスクを患者へ十分説明した上で有益性がリスクを上回ると判断される場合に投与する旨が残っています。
他の免疫チェックポイント阻害薬でも併用できますか?
今回の改訂で禁忌から除外されたのは、デュルバルマブ(遺伝子組換え)だけです。他の成分については記載が変わっていません。成分名を確認し、個別の可否は医師・薬剤師と最新の電子添文で確認してください。
電子カルテが併用を弾きます。入力の誤りでしょうか?
院内マスターが改訂前の情報のままである可能性があります。入力を工夫して通そうとせず、指示医と薬剤部へ状況を伝え、マスター更新の要否を確認してください。警告を解除した場合は、その理由が記録に残る運用かどうかも確認します。
発熱したら48時間待ってよいですか?
いいえ。48時間はPMDA安全情報にある示唆所見の一つで、待機を指示する基準ではありません。患者へ案内された連絡条件と状態に応じ、早めに医療機関へ連絡します。
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この記事の確認範囲
- 確認日:2026年8月31日
- 確認主体:はたらく看護師さん編集部
- 医療監修:泌尿器科医・薬剤師による個別監修は実施していません
本稿が扱うのは、2026年8月24日付の改訂指示と新旧対照表、2026年8月改訂(第4版)の電子添文、デュルバルマブの最適使用推進ガイドライン(膀胱癌)から読み取れる範囲です。併用療法には公式の施設要件があり、対象患者も限定されています。治療適応、用量、休薬、検査、受診基準の個別判断には用いないでください。
参考資料