日程が公告されました。先に締まるのは10月1日です
令和8年8月3日、厚生労働大臣から第116回看護師国家試験の施行が公告されました。保健師助産師看護師法第18条にもとづくもので、試験の期日、試験地、受験資格、出願の方法、合格発表の日時までが示されています。
働きながら受験を考えている方に、まず伝えたいことがあります。注目されるのは11月6日からの出願受付ですが、この記事が扱う国内の養成課程・准看護師ルートでは、いちばん早く締まるのが受験に伴う配慮の申し出の期限である10月1日です。 視覚・聴覚・音声機能・言語機能に障害があり配慮を希望する方は、この日までに申し出る必要があります。
なお、外国の学校・養成所を卒業した方などが受験資格認定を受ける場合は、これより早い期限が別に設定されています。 令和8年度は書類の事前確認が8月12日必着、公証書類が8月20日必着とされています。手順としては、まずメールで書類の事前確認を受け、そのうえで公証書類を提出する流れです。この記事の公開日である8月16日時点で、8月12日の事前確認期限は過ぎており、8月20日の公証書類の期限が残っているのは、原則として事前確認を終えた方です。 事前確認をまだ受けていない場合の取扱いは、厚生労働省の受験資格認定のページを確認したうえで、窓口にお問い合わせください。
この記事を読むと、いつ何をすればよいかを日程順に把握でき、出願で受験が無効になる条件を先に潰せます。 准看護師から受験する場合の受験資格の読み方も整理しました。
いまの職場で確認しておけること(修学のための勤務調整、学費の補助、資格取得後の処遇)も後半にまとめています。進学するかどうか自体に迷っている段階であれば、都道府県のナースセンターがキャリア相談の窓口として使えます。
この記事で分かること
- 第116回看護師国家試験の日程、試験地、受験手数料
- 出願受付期間と、それより前に来る期限
- 准看護師から受験する場合の受験資格が、条文でどう書かれているか
- 受験資格と、養成所の入学要件を混同しないための整理
- 出願手続きで受験が無効になり得る条件
決まった日程を、時系列で並べる
公告の内容を、日付の早い順に並べ直します。
| 日付 | 何が起きるか |
|---|
| 令和8年10月1日(木) | 受験に伴う配慮を希望する場合の申し出期限 |
| 令和8年11月6日(金) | 受験に関する書類の受付開始 |
| 令和8年11月27日(金) | 受付締切(郵送はこの日までの消印) |
| 令和9年1月中旬 | 受験票の発送予定 |
| 令和9年1月29日(金) | この日までに受験票が届かない場合は問い合わせ |
| 令和9年2月14日(日) | 試験当日 |
| 令和9年3月5日(金)14時 | 見込み証明書で出願した場合の、証明書または判定証明書の提出期限 |
| 令和9年3月12日(金)14時 | 3月5日までに修業証明書・卒業証明書を出せなかった場合の追完期限 |
| 令和9年3月24日(水)14時 | 合格発表 |
試験地は、北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の12か所です。試験会場そのものは受験票の送付時に案内され、会場に関する問い合わせには応じられないと明記されています。
受験手数料は5,400円で、額に相当する収入印紙を受験願書に貼って納めます。このとき収入印紙を消印してはいけないとされています。書類を受理された後は、手数料は返還されません。
試験科目は次の11科目です。
| # | 科目 | # | 科目 |
|---|
| 1 | 人体の構造と機能 | 7 | 老年看護学 |
| 2 | 疾病の成り立ちと回復の促進 | 8 | 小児看護学 |
| 3 | 健康支援と社会保障制度 | 9 | 母性看護学 |
| 4 | 基礎看護学 | 10 | 精神看護学 |
| 5 | 地域・在宅看護論 | 11 | 看護の統合と実践 |
| 6 | 成人看護学 | | |
准看護師から受験する場合、条文はどう書かれているか
受験資格は10通り示されていますが、准看護師として働きながら看護師を目指す方に関係するのは4番目です。公告の記載を要点で示すと、次のようになります。
- 免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師、または高等学校もしくは中等教育学校を卒業している准看護師で
- 指定大学、指定学校または指定養成所において2年以上修業したもの
- 令和9年3月12日までに修業または卒業する見込みの者を含む
この一文には、二つの条件が入っています。 一つは准看護師としての経験年数または学歴、もう一つは看護師養成課程での2年以上の修業です。片方だけでは受験資格になりません。
高等学校または中等教育学校を卒業している准看護師の場合は、業務従事年数の条件が付いていない形で書かれています。中学校卒業後に准看護師課程に進んだ場合は、3年以上の業務従事が条件になります。ご自身がどちらに当たるかは、学歴と免許取得後の経歴の両方で決まります。
「受験資格」と「学校に入る条件」は、別のものです
ここが混同されやすいところなので、はっきり分けます。
公告に書かれているのは、国家試験を受けるための条件だけです。一方、2年課程の学校や養成所に入学するための条件は、この公告には書かれていません。入学の要件は、養成所の指定に関する法令や各校の募集要項の側で定められています。
つまり、順番はこうなります。
- 学校・養成所の入学要件を満たして入学する
- そこで2年以上修業する
- その結果として、国家試験の受験資格を満たす
「受験資格の3年」を、そのまま「学校に入るのに3年必要」と読み替えないでください。 受験の可否は公告に書かれた要件で決まりますが、入学の可否はそれとは別の枠組みで決まります。
入学資格については、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に共通の基準が定められています。准看護師を教育する2年課程については、免許取得後3年以上業務に従事している准看護師、または高等学校もしくは中等教育学校を卒業している准看護師であることが入学・入所の資格とされています。ただし通信制の課程については、免許を得た後5年以上業務に従事している准看護師であることが入学・入所の資格と定められています。
つまり、通信制を選ぶ場合は法令上5年が必要です。これは全国共通の最低基準であり、各校がこれに加えて独自の要件を設けることもあります。 志望する学校の募集要項で必ずご確認ください。
進学ルートそのものの比較や、通信制を含めた選択肢の整理は准看護師のまま働き続けるか、看護師を目指すかにまとめています。この記事は、進学すると決めた後の手続きの話に絞ります。
出願で、受験が無効になり得るところ
公告には、書類の不備に関する記載がいくつかあります。実務として気をつけたい点を挙げます。
期限までに証明書が出せないと、当該受験は原則として無効になります。 ここは書類の種類と期限の組み合わせが細かいので、公告の記載どおりに分けて示します。
- 令和9年3月5日(金)14時までに提出できるのは、修業証明書もしくは卒業証明書、または修業判定証明書もしくは卒業判定証明書です
- 3月5日14時までに修業証明書または卒業証明書の提出がなされない場合は、令和9年3月12日(金)14時までに修業証明書または卒業証明書を提出することとされています
つまり、3月12日の追完として公告に挙がっているのは修業証明書・卒業証明書であって、判定証明書ではありません。 そして期限までに必要な書類の提出がなされないときは、当該受験は原則として無効になると明記されています。試験を受けた後の話なので、影響は大きいところです。
写真には細かい条件があります。 出願前6か月以内に脱帽して正面から撮影した縦6センチメートル・横4センチメートルのもので、裏面に撮影年月日と氏名を記載し、交付される受験写真用台紙に貼り付けます。さらに、卒業した、または在籍している学校か、試験の運営事務所で、その写真が本人と相違ない旨の確認を受ける必要があります。窓口で確認を受ける際は写真付きの身分証明書の原本が必要で、コピーは認められません。郵送で確認を受ける場合は、個人番号カードは使えないとされています。
返信用封筒の規格も決まっています。 縦23.5センチメートル・横12センチメートルで、590円分(定形郵便110円と一般書留480円)の切手を貼り、書留の表示をします。
准看護師から受験する場合は、免許証の写しに原本照合が必要です。 都道府県の医務主管課または保健所に准看護師免許証を提示して、原本照合を受けたものを提出します。手元でコピーを取って添えるだけでは足りません。この工程には窓口へ行く時間が必要なので、受付開始の直前に動き出すと間に合わない可能性があります。
受理された後は、書類の返還も受験地の変更もできません。 出願時点で、当日どこで受けるかを決めておく必要があります。
12か所しかない、ということの意味
試験地は12か所です。都道府県の数より少ないため、居住地によっては県外への移動が必要になります。 試験日は2月中旬の日曜日で、地域によっては積雪や交通の乱れが起こり得る時期です。
会場は受験票が届くまで分かりません。受験票の発送は1月中旬の予定なので、具体的な会場が分かってから当日までは1か月ほどという計算になります。宿泊が必要な地域では、この時期に空室を探すことになります。
働きながら受験する方は、ここに勤務の調整が重なります。試験当日だけでなく、前日の移動が必要かどうかで必要な休みの日数が変わります。希望休の締切がいつかは職場によって違うので、自分の勤務先の締切を先に確認し、必要ならそこから逆算して相談を始めてください。
書類を持参できる場所は、試験地と一致しません
郵送以外に、書類を直接持参して提出する方法もあります。ただし、持参できる窓口は試験地の数より少なく、受験する県と、書類を持って行く県が一致しないことがあります。
公告に示された対応関係は次のとおりです。
| 試験地 | 書類を持参する窓口の所在地 |
|---|
| 北海道 | 札幌市 |
| 青森県・宮城県 | 仙台市 |
| 東京都・新潟県 | 東京都江東区 |
| 愛知県・石川県 | 名古屋市 |
| 大阪府 | 大阪市 |
| 広島県 | 広島市 |
| 香川県 | 高松市 |
| 福岡県 | 福岡市 |
| 沖縄県 | 那覇市 |
青森県で受験する方の持参先は仙台市、新潟県で受験する方は東京都江東区、石川県で受験する方は名古屋市になります。受験地の近くに窓口があるとは限らないということです。
持参する場合の受付時間は、受付期間中の平日(土曜・日曜・行政機関の休日を除く)の午前9時から正午まで、および午後1時から午後5時までとされています。日中の勤務がある方にとっては、この時間帯に窓口へ行くこと自体が調整の対象になります。
現実的な判断としては、遠方の方は最初から郵送を前提に組み立てるほうが安全です。郵送は書留で、11月27日までの消印が必要になります。締切日に窓口が混む郵便局もあるため、数日の余裕を見ておくと安心です。
試験科目の並びから、分かること
公告に列挙された11科目には「地域・在宅看護論」が含まれています。
なお、公告に載っているのは今回の試験の出題科目であって、過去に履修した科目名との一致が受験の条件になるわけではありません。 数年前に学んだ内容で受け直す方は、履修科目名を照合するのではなく、現行の出題科目と出題基準を確認するのが実務的です。
既卒で再受験する方は、この点で学校在籍中の方と条件が違うことがあります。在籍校が出願についてどこまで案内や支援をするかは学校によって異なるため、在学中の方はご自身の学校に確認してください。 既卒の場合は、自分で情報を取りに行く前提で動くほうが安全です。公告上、写真の本人確認は、卒業したもしくは在籍している学校か、試験の運営事務所で受けることとされています。卒業から時間が経っている場合、まず学校に連絡が取れるかを確かめておくと、後の工程が読みやすくなります。
合格発表は「受験地と受験番号」だけです
合格発表は令和9年3月24日午後2時に、厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページで行われます。掲載されるのは合格者の受験地と受験番号です。氏名は掲載されません。
つまり、発表を見るには自分の受験番号を控えておく必要があります。受験票は試験当日に持参し、その後も番号が確認できる状態にしておいてください。
そして、合格したその日に看護師として働けるようになるわけではありません。合格後、看護師籍への登録の申請という手続きが別にあります。申請から免許証が手元に届くまでには時間がかかるため、4月から新しい職場で働く予定がある場合は、就業開始日と申請の時期の関係を勤務先に確認しておく必要があります。合格発表は3月24日なので、4月1日の入職を予定しているなら、その間はごく短いという前提で動くほうが確実です。
働きながら準備する人の、年間の見え方
準備の負担は、勉強そのものだけではありません。手続きと調整に必要な時間を含めて考えると、実際の流れは次のようになります。
- 9月まで:学校・養成所から出願書類の案内が来るタイミングを確認する。配慮の申し出が必要かどうかを判断する
- 10月:配慮の申し出期限。准看護師免許証の原本照合や写真の準備を進める
- 11月上旬から下旬:出願。郵送する場合は書留で、締切日までの消印
- 12月から1月:試験当日の勤務調整。宿泊の必要があれば手配
- 2月:試験
- 3月:見込みで出願した場合の証明書提出、合格発表
このうち、勉強以外の作業が集中するのは10月と11月です。 ここを軽く見積もると、直前になって窓口の営業時間に行けない、という詰まり方をします。
試験そのものへの不安の扱い方については看護師国家試験が不安な看護学生へでも触れています。学生向けに書いた記事ですが、不安との付き合い方の部分は働きながら受ける方にも使えます。
名前の書き方にも、決まりがあります
細かいようですが、氏名の扱いにも記載があります。受験願書は保健師助産師看護師法施行規則の第2号様式によって作成し、願書に記載する氏名は戸籍に記載されている文字を使うこととされています。中長期在留者は在留カードまたは住民票、特別永住者は特別永住者証明書または住民票、短期在留者は旅券その他の身分を証する書類が基準になります。
そのうえで、戸籍に記載されている限りにおいて、氏名の横に括弧書きで旧姓を併記して申請することができると明記されています。
結婚などで姓が変わっている方は、在学中の書類と現在の氏名が一致しない場面が出てきます。卒業証明書は旧姓で発行され、願書は現姓で出す、といったことが起こり得ます。書類の姓が食い違うときは、早めに学校と試験の運営事務所に確認しておくほうが安全です。受付が始まってから調べ始めると、証明書の再発行が間に合わないことがあります。
今の職場で確認できること
進学と受験を考えるとき、職場に確認できることがあります。
- 修学のための休みや時間の調整に、制度があるか
- 学費の補助や貸付の制度があるか。ある場合、勤務継続の条件が付いているか
- 進学中の勤務形態を変えられるか(夜勤の免除、時間の短縮など)
- 資格取得後の処遇が、どう変わるか
4番目を先に確認しておくことをおすすめします。 看護師の資格を取っても、同じ職場での給与や役割がどう変わるかは施設によって差があります。取得後の扱いが分からないまま進学すると、卒業時に「取ったのに変わらない」という状況が起こり得ます。
学費や支援制度の探し方は看護師を目指すときの学費と奨学金の制度に整理しています。
転職で解決しやすいこと、しにくいこと
進学しながら働く場所を変えることを考える方もいると思います。
変えやすいのは、時間の作りやすさです。 夜勤の回数、勤務時間、通学への理解は職場によって大きく違います。学校に通う前提で職場を選び直せば、通学と両立できる可能性は上がります。
変えにくいのは、学費の負担そのものです。 就学支援の制度がある職場に移れば負担は下がる可能性がありますが、勤務継続の条件や返還の要否は制度ごとに異なります。 借りる前に、契約書や要綱で条件を必ず確認してください。条件の中身によっては、卒業後の選択肢が狭まることもあります。
そして、進学の可否そのものは職場を変えても解決しません。 入学の要件には、指定規則が定める法令上の最低基準(通信制なら免許取得後5年以上の業務従事など)があり、そのうえで各学校が選考の方法や提出書類を定めます。どちらも勤務先ではなく、法令と学校の側で決まる話です。
よくある質問
Q. 出願はいつからいつまでですか。 A. 令和8年11月6日(金)から11月27日(金)までです。郵送の場合は11月27日までの消印があるものに限り受け付けられます。郵送は書留で送る必要があります。
Q. 試験日と合格発表はいつですか。 A. 試験は令和9年2月14日(日)、合格発表は令和9年3月24日(水)午後2時です。合格者の受験地と受験番号が厚生労働省のホームページに掲載されます。
Q. 受験手数料はいくらですか。 A. 5,400円です。相当額の収入印紙を受験願書に貼って納付します。収入印紙は消印しないこととされています。
Q. 受験に伴う配慮を希望する場合、いつまでに申し出ますか。 A. 令和8年10月1日(木)までに、所定の申請書を用いて看護師国家試験運営本部事務所へ申し出ることとされています。
Q. 准看護師ですが、必要な書類は他の受験者と違いますか。 A. 受験資格の4番目に該当する場合、修業証明書等に加えて、准看護師免許証の写しの提出が求められます。この写しは、都道府県の医務主管課または保健所で原本照合を受けたものである必要があります。
Q. 卒業見込みで出願できますか。 A. 令和9年3月12日までに修業または卒業する見込みの方も受験資格に含まれます。見込証明書で出願した場合、令和9年3月5日14時までに修業証明書・卒業証明書または修業判定証明書・卒業判定証明書を提出します。3月5日までに修業証明書・卒業証明書が出せなかった場合は、3月12日14時までにそれらを提出することとされています。提出がない場合、当該受験は原則として無効とされています。
Q. 出願後に受験地を変えられますか。 A. 書類を受理された後は、書類の返還も受験地の変更も認められないと記載されています。
参考資料
- 厚生労働省「看護師国家試験の施行」(第116回・令和8年8月3日公告) https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/
- 厚生労働省「資格・試験情報」 https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/
- 厚生労働省「看護師国家試験の受験資格認定について」(外国の学校・養成所卒業者等) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37753.html
- e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203
- e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000100034
- e-Gov法令検索「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」(入学資格等の基準) https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000180001
記載は令和8年8月3日付の公告に沿っていますが、様式・提出先・添付書類の細部は、厚生労働省の公告そのものと、在籍する学校・養成所からの案内で必ず突き合わせてください。手続きの可否を左右する部分なので、この記事だけを根拠に判断しないようにお願いします。