まず知っておきたいこと
2026年5月、厚生労働省は中東情勢の影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保対策本部を開催し、医療用手袋の備蓄放出を進めています。厚労省資料「中東情勢を踏まえた医療用手袋の備蓄の放出について」や日本看護協会の案内では、非滅菌手袋5,000万枚の有償配布が示されています。
これは「明日から手袋が使えなくなる」という意味ではありません。ただし、医療物資の供給不安が現場に影響する時、看護師は感染対策と資材管理の両方を意識する必要があります。
この記事でわかること
- 医療用手袋放出で現場が確認したいこと
- 手袋使用を減らすのではなく、適正化する考え方
- 病棟・外来・訪問看護で確認したい在庫と運用
- 看護師が不安を感じた時に管理者へ伝えるポイント
判断材料になる一次情報
参考にした資料は以下です。
手袋不足で一番避けたいこと
一番避けたいのは、現場が不安になり、必要な場面で手袋使用をためらうことです。
手袋は、血液、体液、粘膜、損傷皮膚、汚染物に触れる可能性がある場面で必要になります。必要な場面を削るのではなく、不要な重ね使い、交換タイミングのばらつき、部署ごとの過剰在庫を見直すことが重要です。
現場で確認したいチェックリスト
病棟や外来では、次の点を確認します。
- 非滅菌手袋と滅菌手袋の使い分けが共有されているか
- サイズ別の在庫に偏りがないか
- 1日の使用量を部署単位で把握しているか
- PPE置き場が分散しすぎていないか
- 感染症対応時の優先供給ルールがあるか
- 代替品を使う時の品質・規格確認がされているか
- 「足りないかもしれない」という不安を報告できる窓口があるか
訪問看護では、事業所保管分と訪問バッグ内の在庫を分けて確認する必要があります。利用者宅に置いている物品がある場合は、使用期限や保管状態も見ます。
看護師が管理者へ伝えたいこと
現場の看護師ができることは、単に「手袋が少ない」と伝えるだけではありません。
- どの処置で使用量が多いか
- どのサイズが先に不足するか
- 感染症対応や排泄ケアで必要量が増える曜日・時間帯
- 訪問看護で補充が間に合わない場面
- 手袋以外に不足しそうなガウン、マスク、消毒薬
資材管理は、現場の実感がないと数字だけでは判断できません。
まとめ
医療用手袋の備蓄放出は、現場の感染対策を見直すきっかけになります。必要な手袋使用を削るのではなく、使い分け、在庫、補充、報告ルートを整えることが看護師と患者さんの安全につながります。


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