認定看護師として研修を受けているものの、「この研修は次の更新に使えるのか」「受講メールだけで証明になるのか」と不安な方へ。2028年度の審査から、認定看護師の更新審査・再認定審査は変更後の要件へ完全移行します。
日本看護協会の2026年9月資料では、変更後は看護実践時間2,000時間以上の証明や1回目更新者の実践報告書を求めず、自己研鑽として審査対象期間5年間に60時間の研修受講を基本としています。2025〜2027年度に有効期間を迎える対象者には特例措置があります。
9月更新の重要点は、研修主催者が営利団体か非営利団体かだけでは対象を区別しないと明記されたことです。一方で、自施設・個人主催の研修は対象外で、資格の能力維持・向上に必要な研修か、受講証明を残せるかという確認は必要です。
この記事では、自分の審査年度を確かめ、秋の研修選びと証明書の保管を誤らないための台帳を作ります。個別の申請可否は、申請年度の手引きと日本看護協会の審査窓口を優先してください。
旧要件と2028年度の基本を分ける
| 区分 | 変更前 | 2028年度の完全移行後 |
|---|
| 看護実践 | 2,000時間以上の実践、1回目は実践報告書 | 問わない。証明資料・実践報告書は不要 |
| 自己研鑽 | 審査対象期間に50点以上 | 5年間に60時間の研修受講が基本 |
2025〜2027年度の更新審査では、特例として50点以上の自己研鑽実績を求める整理です。再認定審査は50点以上の自己研鑽実績、または注意事項を満たす24時間の研修受講とされています。
「制度が変わったから今年から全員60時間」と一律に扱わず、自分の資格有効期間、認定・更新・再認定の年度、延長の有無を確認します。
60時間に数える前に確認する条件
資料が示す主な条件は次のとおりです。
- 国、医療・看護系の職能団体、学術団体、教育機関など、FAQに示された主催者による研修
- 営利・非営利、有料・無料だけでは区別しない
- 自施設または個人が主催する研修は対象外
- 認定看護師としての能力維持・向上に必要と自分で判断できる内容
- 大学院で履修した単位・時間数は研修として扱わない
- 60分を1時間とする実時間で申請し、みなし時間は使わない
- 受講証明で主催者名、研修名、受講者氏名、受講日・期間、研修時間数を確認できること
- 自施設外で講師などを務めた講義時間は12時間まで充当可能
「民間事業者だから対象外」「無料だから対象外」と一律に決めるのは、9月版FAQの説明と一致しません。ただし、民間研修ならすべて対象という意味でもありません。主催者、資格との関係、実時間、証明を一件ずつ確認します。
オンライン・e-learningも形式だけで除外されません。学術集会への参加自体は研修受講として扱われませんが、学会内で別途実施され、必要事項を証明できる研修会等は対象となり得ます。名称ではなく実施内容と証明を確認してください。
証明書がない・項目が足りないとき
9月版FAQは、主催者が受講証明書を発行しない場合、領収書、申込・受講・修了メール等を代わりに用い、必要事項を確認できる場合があると説明しています。
証明書に主催者名や研修時間等が足りない場合も、プログラム等の資料を組み合わせて確認できる場合があります。主催者印は必須ではなく、一枚の文書へすべて記載されている必要もありません。
ただし、自分で作った受講証明は認められません。申込み前に発行物を確認し、不足があれば受講窓口へ問い合わせた記録も残します。
60時間と同等とみなす組み合わせもある
日本看護協会資料は、次の実績を60時間の研修受講と同等とみなす場合があるとしています。
- 認定看護師教育課程の専任教員・主任教員を1年以上務めた
- 対象となるA課程認定看護師が、特定行為研修の受講を証明した
- 筆頭での学術集会等の発表または論文掲載を2回行った
- 筆頭発表・筆頭論文1回と30時間の研修受講を組み合わせた
学会の種類や発表方法は問わないとされていますが、自施設内の発表・論文掲載は認められません。同じ演題を発表と論文の両方で申請して複数実績にすることもできません。共同発表者・共同研究者ではなく筆頭であることも確認します。
今日から使える研修台帳
| 項目 | 記録する内容 |
|---|
| 審査情報 | 資格分野、有効期間、申請予定年度、特例対象の有無 |
| 研修情報 | 主催者、研修名、開催日、受講形式、実時間 |
| 証明 | 証明書名、記載項目、保存場所、再発行方法 |
| 実践 | 学んだこと、部署で試したこと、振り返り日 |
| 代替実績 | 筆頭発表・論文、教員歴、特定行為研修の該当確認 |
ファイル名は「受講日_主催者_研修名」のようにそろえ、クラウドと勤務先のどちらへ保存できるか確認します。個人の資格記録を勤務先だけに置くと、異動・退職後に取得できないことがあります。一方、患者情報や院内限定資料を私物へ複製してはいけません。資格証明と臨床情報を分けて保管します。
研修選びで起こりやすい判断ミス
- 営利団体の研修を一律に対象外とする
- 民間の有料研修ならすべて対象になると思い込む
- 有名な講師だから対象になると思い込む
- 配信時間をそのまま受講実時間として申請する
- 大学院の単位を60時間へ換算する
- 自施設内発表を学術集会発表として数える
- 受講証明に氏名や時間がなくても後で何とかなると考える
- 2025〜2027年度特例と2028年度以降を混ぜる
研修の内容が臨床に役立つことと、更新要件として認められることは別の判断です。対象外でも学ぶ価値はありますが、更新計画では区別して記録します。
職場へ相談するなら「費用」だけで終わらせない
看護部・教育担当には、研修費、勤務扱い、受講後の活動時間、証明書の管理、資格を生かす役割を一緒に確認します。更新に必要な研修を自己負担・休日だけで積む運用になっているなら、個人の熱意ではなく育成・配置の仕組みとして話し合う余地があります。病院側の外部研修・受講証明5項目も共有できます。
職場を比べる場合は「資格取得支援あり」の一文だけでなく、更新研修、出張扱い、活動日、役割・手当まで確認してください。NuPSの登録・研修履歴連携も参考になります。相談前に条件を整理するならカンゴさんを利用できます。
更新年から逆算する12か月点検
年末に証明書を集めるのではなく、年に一度、更新年度と審査方式、研修の実時間、証明書の記載項目、発表・執筆等の組み合わせ条件を点検します。不足時間を埋める研修と、実践に必要な研修を分けて選び、勤務扱い、費用、代替要員を上司と早めに相談します。
NuPS等に履歴が表示されても、更新審査で自動的に認められることを意味しません。公式手引きと証明書原本を基準にし、判断が難しい研修は申請直前まで持ち越さず、認定機関へ確認してください。
参考資料
最終確認日:2026年9月11日。申請時は必ず当該年度の審査手引きを確認し、個別の審査可否をこの記事だけで判断しないでください。
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