【転職失敗を防ぐ完全ガイド】5つの失敗事例と7つの成功戦略!現役看護師の体験談から学ぶ

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看護師として働く中で、「もっと良い環境で働きたい」「キャリアアップしたい」と転職を考えたことはありませんか?しかし、「転職して失敗したら…」という不安から踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

実は、日本医療労働組合連合会の調査によると、約8割の看護師が「今の職場を辞めたい」と思っているにもかかわらず、実際に転職する人は少ないのが現状です。その背景には、転職失敗への恐れがあるのかもしれません。

本記事では、看護師の転職失敗事例を詳しく分析し、どうすれば後悔しない転職ができるのかを徹底的に解説します。現役看護師の生の声を交えながら、転職成功への道筋を明確に示していきます。

転職を考えているあなたに、この記事が自信を持って一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。失敗を恐れずに、よりよいキャリアを築くための具体的な方法を、一緒に探っていきましょう。

看護師が転職したくても二の足を踏む理由とは?

 

日本医療労働組合連合会が、毎年看護師を対象に行っている「看護職員の労働実態調査」というアンケートがあります。

 

2023年5月に発表された最新の調査で、今の職場を辞めたいと思っている看護師は、「いつも思う」が24%、「ときどき思う」55.2%となっており、実に約8割の看護師が辞めたいと思っているという調査結果になっています。

 

参考元:日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査

 

しかし、日本看護協会が行っている「病院における看護職員需給状況調査」によると、最新の調査で看護師の離職率は11.6%となっています。

 

参考元:日本看護協会「2022年日本看護協会調査研究報告

 

つまり、今の職場を辞めたいと思っている看護師のうち、約7割が辞めれずにいるということが分かります。これは、「転職しても失敗しそう」「今の職場を辞めたら後悔しそう」といった感情があるからではないでしょうか。

 

看護師の転職に関しては、実際に後悔してしまう方も多いようです。このようなイメージが、看護師が転職したくても二の足を踏む理由になっているのかもしれません。まずは、そのようなイメージを払拭するために、看護師が転職して後悔する理由について見ていきましょう。

 

看護師が転職して後悔する理由

 

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看護師は、過酷な労働や人間関係など、様々な理由から転職をしたいと考えています。そのような環境を変えたいと転職をするわけですが、実際は後悔してしまうことも多いようです。ここでは、転職して後悔する理由についてご紹介していきます。

 

人間関係が悪くなった

 

新しい職場では、同僚や上司との人間関係が円滑でなかったり、コミュニケーションが取りにくかったりすることがあります。仕事のストレスだけでなく、職場の雰囲気や人間関係がうまくいかない状況では、日々の業務に対するモチベーションが低下し、転職を後悔する要因となることがあります。

 

転職あるあるですが、給与面や勤務体制にばかり目が行きがちになってしまい、職場の環境を見落としがちになってしまいます。どのような職場でも、人間関係に悩みがちな方は多いですが、結局我慢して働き続けるという方も多いです。

 

情報収集が足りていなかった

 

転職を決意する際、新しい職場や職場環境に関する情報収集が不足している場合、実際の業務内容や労働環境が予想と異なることがあります。特に現職を続けながらの転職活動によくあるケースで、忙しいスケジュールの中で転職先を決めるとなると、情報収集をしっかり行わないまま、転職先を決めてしまいがちになってしまいます。

 

例えば、家庭との両立を考えて転職を決めた、自分のキャリアアップのための転職などの理由で転職した結果、実際の労働環境にギャップがあったという声も多くあります。

 

そのため、時間はかかりますが転職先のホームページや口コミ、評判のチェック、もし時間があれば実際の職場の見学に行くのもいいかもしれません。また、希望通りの職場かどうか、面接でしっかり確認しておくことも必要になります。

 

給料が下がった

 

これもよくある後悔の一つです。給料面の改善を求めて転職する看護師も多いですが、その際に求人の基本給のみで転職先を決めてしまう方がいます。

 

確かに基本給は上がったけどボーナスが少なく、結局年収が下がってしまった、夜勤がないので手当がつかず、基本給はいいけど手取りは夜勤のあった前の職場の方がよかったなど、給料にまつわる後悔は多々あります。

 

また、離職してからの就職活動でよくあるのが、適当に勤務先を決めてしまったという後悔です。貯蓄の少ない看護師の場合、転職活動がうまくいかず経済的に追い詰められてしまい、とりあえず働く場所を決めたということもよくあります。そのため、大幅に給与が下がる職場で就職してしまったということもあるようです。

 

自己分析ができていなかった

 

転職の際に自分自身のスキルや価値観、キャリア目標を正しく理解せずに転職を決断すると、新しい職場に馴染むことが難しくなる可能性があります。自己分析を怠ると、転職後に自身の適性と職場のミスマッチを感じ、後悔することがあります。

 

そのため転職前には、「自分はどんな仕事をしたいのか」「逆に何ができないのか、またはやりたくないのか」「どんな職場を望むのか」「そもそもなぜ転職したいのか」など、自分をしっかり見つめ直すようにしてください。

 

そうすることで、理想の転職先を見つけることができるでしょう。

 

応募条件と違っていた

 

転職先の求人情報と、実際の職場環境や業務内容が違ったということもあるようです。働き始めて、しばらくして人員が足りない部署に回されたり、プレッシャーのかからない職場を希望していたのに、実際は即戦力として期待されたなどあるようです。

 

対処するのは難しいかもしれませんが、希望転職先にはそのようなことがないかどうかをできるだけ情報収集をすることが必要かもしれません。

 

業務内容が自分と合わなかった

 

新しい職場の業務内容や責任が、自分のスキルや興味と合わない場合、業務に対する達成感や満足感が得られないことがあります。これにより、やりがいを感じられずに転職後に後悔することがあります。

 

これは特にキャリアアップを目指すために転職する看護師に多く、「自分は仕事ができるほう」と思って心機一転転職しても、「新しい職場で自分のスキルでは通用しなかった」「自分よりも凄い看護師がいて自分の居場所がない」など、転職しなければよかったと後悔する人もいます。

 

転職を後悔した実例紹介

 

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ここからは、看護師の転職で実際に合った事例をご紹介していきます。

 

希望とは違う配属先だった 30代女性

 

「前職の病院での忙しい日々から抜け出すため、新しい職場への転職を決意しました。心臓疾患の仕事に専念したかったため、心臓内科への配属を希望していました。しかし、実際は外科医療部門に配属されてしまいました。希望とは全く異なる部門での業務に戸惑っており、今は退職しようか考えているところです」

 

一般的には、求人通りの配属先になりますが、病院の都合で配属先が変わってしまったということがあります。求人の内容と相違がないかどうか、面接時にしっかりと確認するようにしましょう。

 

現場の雰囲気が悪い 20代女性

 

「人間関係の悪さに嫌気がさし、チームワークを大切にする職場に転職したかったのですが、新しい職場での現場の雰囲気は思っていた以上に悪く、同僚間のコミュニケーションがほぼありません。転職後も人間関係の問題は解決せず、むしろ悪化している感じで、転職したことというよりもしっかり転職先をリサーチしなかったことに後悔しています」

 

転職する際は、転職先のリサーチをすることは大事です。もしチームワークやコミュニケーションのしっかりした、雰囲気の良い職場を見つけたい場合は、実際に職場見学してみるのが一番かもしれませんね。

 

教育体制がしっかりしていない 30代女性

 

「新しい職場でスキルアップと専門知識の向上を目指し、今まで勤めていた外科病棟から呼吸・心臓専門の病院に転職しました。「専門未経験OK」ということでしたが、実際は人手不足で業務に対する適切な指導がありませんでした。今は独自で学習しており、常に業務に対する不安やストレスを抱えています」

 

「未経験OK」「復職OK」という募集はとても魅力的な一方、この女性のように、現場の人手不足だったり教育制度が整っていないため、しっかりとした教育を受けられないということがあります。

 

もしキャリアアップを目指した転職の場合、「研修体制」が整っているかどうか、または先輩看護師がマンツーマンで指導してくれる「プリセプター制度」があるかどうかなどを、事前に確認するのがいいでしょう。

 

悩みが解消しない 20代女性

 

「仕事が重労働で、身体を壊しがちになってしまったので、ワークライフバランスを重視するために転職しました。しかし、新しい職場でも同じような長時間労働が求められ、結局前の職場と変わらないと感じています」

 

仕事がきついと感じる看護師は多くいます。そのために、少しでも楽な環境で仕事をしたいと考える看護師もいるはずです。しかし、面接の段階で働き方に対する病院側との合意を交わさなければこのような状況に陥るので、給与面も含め労働環境については、書面などで病院側と確認し合うのがおすすめです。

 

医療や医師の質が低い 30代女性

 

「最先端医療に興味があり、医療の質の高さを求めて総合病院へ転職をしましたが、新しい職場での医師の専門性や対応があまりにもお粗末だと感じています。患者さんのケアにおいて適切な指導が行われず、院内のあらゆる制度が整っていないためか、専門的な知識不足も感じられました。これなら前の職場にいた方がよかったと後悔しています」

 

このような病院は怖いですね。一般的には総合病院などでは最先端医療制度はしっかりしているものです。事前にしっかりチェックして確かめるようにしましょう。仕事のできない医師がいる医療機関では、医療の質も下がってしまいます。長年培われてきた風土というのは、なかなか変わらないものです。

 

転職に後悔する看護師に多い特徴

 

転職に後悔する看護師に多い特徴には、以下の4つがあげられます。

 

転職に踏み切る勇気がない

 

転職は新たなスタートを意味し、不確定要素も多く含まれています。このため、安定感や現状の状況にとどまりがちな看護師も多くいます。変化に対する不安や、新しい環境への適応が難しいとの恐れから、転職に踏み切ることができずに後悔するケースがあります。

 

確かに、転職は人生において大きなターニングポイントになります。そのため、悩む気持ちも分かりますが、一歩踏み出さなければ、ストレスを持ったまま仕事をすることになり、体調を崩してしまう可能性もあります。

 

よりよい職場で仕事をするためにも、思い切った決断をすることも必要です。

 

転職先に何を求めるかはっきりしない

 

転職を考える際、自分が求める条件や理想的な職場環境がはっきりと定まっていない場合、転職後に期待外れの結果になる可能性が高まります。具体的な希望や目標を持たずに転職すると、後に転職したことを後悔してしまいます。

 

転職したいと思う理由が「給与」なのか「人間関係」なのか、「仕事内容」なのか「働き方」なのか、「自分のスキルを活かせる職場」なのか、それにより転職先でやりがいをもって仕事ができるかどうかが変わってきます。

 

自分が何を重視して転職したいのかを、一度冷静になって考えてみましょう。

 

情報収集が足りていない

 

新しい職場の詳細な情報収集が不足していると、業務内容や労働環境の実際の様子が分からず、適切な判断ができません。現実とのギャップによって転職後に不満やストレスを感じる可能性が高まります。

 

転職は時間をかけて行うのが鉄則、最低でも3ヶ月前から準備を進めるのがおすすめです。転職前には、気になった職場のホームページや口コミ、実際の見学など、十分な情報収集をしたうえで、納得して決めるようにしましょう。

 

給料だけで転職先を決めてしまう

 

給与は転職の際の重要な要因の一つですが、給料だけを重視して転職先を選ぶと、他の要因が見過ごされる可能性があります。

 

そのため給与だけでなく、職場環境や業務内容、今後の自分のキャリアなど、総合的な観点から転職先を選ぶことが重要です。

 

後悔しないための転職準備

 

後悔しない転職を果たすには、事前準備が大事です。後悔してしまう看護師の大半は、「急いで転職先を決めてしまった」といいます。あらかじめ、転職に対して準備をしておくことで、後悔する転職を避けることができます。

 

労働条件をしっかり確認する

 

新しい職場での労働条件は、日々の働き方や生活に大きな影響を及ぼします。勤務時間、休暇制度、残業の有無、福利厚生など、求人募集の具体的な労働条件をよく確認しましょう。自分のライフスタイルに合った条件を選ぶことで、仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなります。

 

条件の優先順位を決める

 

転職に際しては、求める条件や希望を整理し、その中で優先順位を付けることが重要です。特に女性の場合、結婚や出産など生活環境が変わりやすいため、家庭と仕事を両立しやすい職場や、産後復帰のしやすい職場を選ぶのが理想です。

 

もちろん、その他にも様々な条件があるので、どの条件がもっとも重要かを明確にし、その条件に合致するかどうかを求人募集要項と比較して判断しましょう。優先順位を持っていれば、選択肢を狭める際に役立ちます。

 

情報収集を怠らない

 

転職先の情報収集は、後悔しないために欠かせません。求人情報や職場のウェブサイトだけでなく、社員の声や口コミ、業界の動向なども確認しましょう。面接時には具体的な質問を用意し、自分の疑問や不安を解消するための情報を収集することが大切です。

 

もし自分だけで解決できないと感じるのであれば、転職エージェントを利用するのも一つの手段です。自分に合った職場を見つけてくれるだけでなく、様々な情報を後悔してくれるので、時間がない方にはおすすめです。

 

看護師が転職を成功させるためコツ

 

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転職に対して悩みを抱える看護師は多いですが、転職に踏み切って成功するのであれば、ぜひ一歩を踏み出してみたいと考える看護師も多くいます。そこで、最後に転職を成功させるためのコツについてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

口コミや評判をチェックする

 

看護師仲間や先輩の経験談、インターネット上の口コミや評判を調べることで、特定の職場の実態や雰囲気を知ることができます。他の人の経験から学び、良い評判が多い職場を選ぶことが重要です。

 

情報収集を徹底的に行う

 

こちらは何度もご紹介してきましたが、転職先の詳細な情報を収集することは、後悔しない転職をするためにはとても重要です。求人情報だけでなく、職場のウェブサイトや社員の声、業界のトレンドなどを確認することで、より良い判断を下すことができます。

 

面接対策を行う

 

面接は自分をアピールする重要な場面です。自己紹介や志望動機、過去の経験などを準備し、自分の強みや意欲を伝える準備を行いましょう。また、自分からの質問も用意し、職場の詳細を把握するためのチャンスとして活用しましょう。

 

基本的なコミュニケーションや最低限のマナーなど、社会人としての当たり前の行動をとるように意識してください。

 

職場見学をする

 

求人情報だけでは伝わらない実際の職場の雰囲気や環境を知るために、職場見学を行うことが有効です。一般的には面接後に職場見学が行われますが、午前は忙しいため午後に設定されることが多いです。職場内を見学し、スタッフの様子や設備を確認して、自分に合った職場かどうかを判断しましょう。

 

もし午前中の忙しさを見てみたいという方は、患者として午前中に病院に行き、どのような感じなのかを確認してみるのもいいでしょう。

 

複数の求人を比較する

 

一つの求人だけでなく、複数の求人を比較検討することで、それぞれの職場の特徴や条件を把握しやすくなります。複数の選択肢を検討し、自分に最適な転職先を見つけましょう。

 

自己分析を徹底的に行う

 

自分のスキルや強み、キャリア目標を明確にし、それを踏まえて求人選びや面接でのアピールを行うことが重要です。自己分析を通じて、自分に合った職場はどのような職場なのかを見つけることができるはずです。

 

今の職場の環境改善をする

 

転職を検討する前に、現在の職場で改善すべき点があるかを見極めることも、働きやすい環境にするための一つの手段です。確かに、転職をすることで解決することもありますが、新しい職場で新たな悩みが出る可能性もあります。

 

働きなれた職場の環境が改善されればストレスなく仕事もできます。一度、上司や責任者などに相談し、環境改善の提案をしてみてもいいかもしれませんね。転職を選ぶ前に問題点を解決することで、転職が必要なのかどうかを客観的に判断できます。

 

もし改善されないのであれば、転職するのがベストな選択です。

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職して後悔したことを中心に、転職を成功させるためのコツについても解説してきました。

 

冒頭にご紹介したように、看護師の多くは「辞めたい」「転職したい」と考えています。その一方で、実際に退職している看護師の割合は低いです。これには、転職することで後悔してしまうというデメリット面を考えてしまうためです。

 

後悔しない転職ができるのであれば、もっと多くの看護師が転職に踏み切るでしょう。ストレスを抱えたままの勤務は、肉体的にも精神的にも病みがちになってしまいます。そのような環境を改善するためにも、思い切って決断するのも必要かもしれませんね。

 

転職を考えている看護師の方は、今回の記事を参考に、看護師を志したきっかけや目標を果たすために、今よりも働きやすい環境で、看護師としての素晴らしいキャリアを築いてください。

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