職場で少数派に感じる。相談相手が少ない。自分の属性や背景を理由に働きにくさを感じる。海外で働きたいが制度が分からない。看護師の属性・少数派の悩みは、本人の努力だけで解決するものではなく、職場環境、制度理解、相談体制が大きく関わります。
この記事では、男性看護師、外国人看護師、LGBTQと職場、海外で働きたいという4つの入口から整理します。属性を理由に一括りにせず、制度と職場条件を確認しながら、自分の尊厳を守って働くためのガイドです。
要点まとめ
- 男性看護師は増加傾向にあるが、就業看護師に占める割合はおおむね1割弱で、職場によっては少数派になりやすい。
- 外国人看護師として日本で働くには、日本の看護師免許、在留資格、受入れ制度の確認が必要になる。
- 性的指向・性自認に関する侮辱的言動やアウティングは、職場のハラスメントとして問題になりうる。
- 海外で看護師として働く場合、日本の免許だけで働けるとは限らず、各国の資格審査、登録、ビザ、語学要件の確認が必要。
- 在留資格、海外就労、自治体制度は変わりうるため、出入国在留管理庁、各国当局、日本看護協会などで最新情報を確認する。
- 差別、ハラスメント、労働条件の問題は、総合労働相談コーナーなど職場外の相談先も使う。
4つの入口から整理する
同じ「少数派の悩み」でも、職場内の人間関係、制度、採用、資格、在留、海外登録では確認先が違います。まず、何に困っているのかを分けます。
男性看護師の悩み
厚生労働省の衛生行政報告例では、男性看護師は増加傾向にあります。ただし、就業看護師に占める男性の割合はおおむね1割弱で、職場や部署によっては少数派です。
男性看護師の悩みは、力仕事を当然のように頼まれる、同性の相談相手が少ない、更衣室や休憩環境が整っていない、患者対応で配慮が必要になる、キャリアのロールモデルが見えにくいなどに分かれます。どれも「男性だから我慢する」話ではありません。
確認したいのは次です。
- 男性看護師が複数いるか
- 更衣室、休憩、仮眠などの環境が整っているか
- 配属や役割が性別で偏っていないか
- 相談できる上司や先輩がいるか
- 患者対応で困った時のフォロー体制があるか
キャリアに迷う場合は、若手・中堅キャリア完全ガイドや職場選び・求人票完全ガイドも参考になります。
外国人看護師として日本で働く
外国人看護師が日本で看護師として働くには、日本の看護師国家試験に合格し、日本の看護師免許を取得することが前提になります。EPA看護師候補者として来日し、受入れ施設で就労・研修しながら国家試験合格を目指すルートがあります。
JICWELSは、インドネシア、フィリピン、ベトナムからのEPA看護師・介護福祉士候補者の受入れに関する唯一のあっせん機関です。EPA候補者は原則として最長3年間の滞在中に国家試験合格を目指し、条件によって延長の扱いがある場合があります。
国家試験に合格してEPA看護師となった場合、出入国在留管理庁の案内では、在留資格「特定活動(EPA看護師)」への変更、在留期間更新、受入れ施設変更、家族帯同に関する枠組みがあります。ただし、制度や手続きは変わる可能性があるため、出入国在留管理庁、厚生労働省、JICWELSで最新情報を確認してください。
職場で確認したいのは、研修体制、日本語学習支援、同等報酬、宿舎、国家試験受験への配慮、相談担当者です。
LGBTQと職場
性的指向・性自認に関する侮辱的な言動や、本人の了解なく性的指向・性自認を他の労働者に暴露するアウティングは、厚生労働省のパワハラ防止指針で問題となる例として示されています。職場には、方針の明確化、相談体制、迅速な対応、不利益取扱いの禁止などの措置が求められます。
職場で確認したいのは次です。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|
| 相談体制 | ハラスメント相談窓口、人事、産業保健 |
| 情報管理 | 本人の同意なく情報共有されないか |
| 採用・異動 | 適性・能力に関係ない事項で扱われていないか |
| 福利厚生 | パートナーシップ制度や家族扱いの運用 |
| 現場対応 | 更衣、呼称、患者対応で相談できるか |
自治体のパートナーシップ制度は広がっていますが、内容は自治体ごとに異なり、法的婚姻と同じではありません。福利厚生でどう扱われるかは、勤務先の規程を確認します。
海外で看護師として働きたい
日本看護協会は、海外で働く場合、資格審査の方法は各国により随時変更される可能性があるため、各機関に直接問い合わせ、資格やビザ取得等について最新情報を確認するよう案内しています。日本の看護師免許だけでそのまま海外で看護師として働けるとは限りません。
多くの国では、現地の看護師登録、資格審査、試験、語学証明、ビザが関係します。米国、英国、豪州などでも、州や国ごとの登録機関や要件が異なります。合格基準、費用、必要書類は変わりうるため、各国の看護当局、移民当局、日本看護協会で最新情報を確認してください。
準備では次を分けます。
- どの国で働きたいか
- 看護師として働くのか、留学・研修・医療通訳など別ルートか
- 現地登録に必要な学歴・実務経験
- 語学試験の種類と目標
- ビザ、費用、生活設計
差別やハラスメントを受けた時
属性を理由にした侮辱、排除、アウティング、採用・配置上の不合理な扱い、労働条件の不利益がある場合は、記録を残し、職場の相談窓口、人事、労働組合、外部窓口へ相談します。
厚生労働省の総合労働相談コーナーは、解雇、労働条件、ハラスメントなどの労働問題について相談できる窓口です。心身の不調がある場合は「こころの耳電話相談」0120-565-455も利用できます。
悩みが退職や転職につながっている場合は、人間関係完全ガイド、ハラスメント・暴言完全ガイド、労務・法律トラブル完全ガイドもあわせて確認してください。


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