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成人看護学実習は、看護学生にとって最も長期間にわたる実習のひとつです。急性期と慢性期の2つの領域を経験するため、アセスメントの視点や看護計画の立て方もそれぞれ異なります。「何を目標に設定すればいいのかわからない」「記録がうまくまとまらない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、成人看護学実習を確実に乗り越えるための具体的なポイントを、急性期・慢性期の両面から解説します。
この記事でわかること
- 成人看護学実習における急性期・慢性期それぞれの実習目標の立て方
- よくある受け持ち疾患のアセスメントで押さえるべき重要ポイント
- 指導者に評価される看護記録の書き方と具体的な記述例
成人看護学実習の全体像を理解する
成人看護学実習は、成人期(20歳〜64歳)の患者を対象とした看護を学ぶ実習です。多くの看護大学・専門学校では急性期実習と慢性期実習に分かれており、それぞれ2〜3週間の実習期間が設定されています。
急性期実習と慢性期実習の違い
急性期実習では、手術前後の患者や急な発症で入院した患者を受け持つことが多くなります。病状の変化が速いため、バイタルサインの変動や術後合併症の早期発見が求められます。一方、慢性期実習では糖尿病や心不全、COPDなど長期的な疾患管理が必要な患者を受け持ちます。患者自身のセルフケア能力を高める教育的な関わりが中心になります。
実習前に準備しておくべきこと
実習病棟が決まったら、その病棟で多い疾患について事前学習をしておくことが大切です。解剖生理学の復習、代表的な疾患の病態生理、一般的な治療法と看護のポイントを整理したノートを作成しておくと、実習中にすぐに参照できます。また、成人期の発達課題(エリクソンの発達理論における「生殖性 vs 停滞」など)も押さえておきましょう。
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急性期実習の目標設定と実践ポイント
急性期実習では、患者の状態が日々変化するため、それに合わせた目標設定が重要になります。以下に具体的な目標の立て方と実践のコツをまとめます。
周手術期の患者を受け持つ場合の目標例
- 術前:手術に向けた患者の身体的・心理的準備状態をアセスメントし、不安の軽減に関わる
- 術直後:バイタルサインの変動や術後合併症の兆候を観察し、異常の早期発見に努める
- 回復期:離床の促進や疼痛管理を通じて、患者のADL拡大を支援する
急性期で特に注意すべき観察項目
急性期実習では、以下の観察項目を確実に押さえてください。
- バイタルサインの推移:単発の数値ではなく、経時的な変化のトレンドを見ることが重要です
- ドレーン・チューブ類の管理:排液の性状(色・量・性質)を正確に記録します
- 疼痛の評価:NRSやフェイススケールを用いて定量的に評価し、鎮痛薬の効果も確認します
- 術後合併症の兆候:深部静脈血栓症(DVT)、肺塞栓症、縫合不全、イレウスなどの初期症状を知っておきましょう
- IN/OUTバランス:輸液量と尿量、ドレーン排液量のバランスを計算できるようにしましょう
慢性期実習の目標設定と実践ポイント
慢性期実習では、急性期とは異なり、患者が疾患と長く付き合っていくための自己管理能力を高める支援が中心になります。
慢性期の実習目標の立て方
慢性期の実習目標では、以下の視点を取り入れると具体的で評価しやすい目標になります。
- 患者の疾患に対する理解度とセルフケア能力を評価し、個別性のある患者教育を計画・実施する
- 患者の生活背景(家族構成、仕事、経済状況)を踏まえた退院支援を考える
- 多職種(医師、薬剤師、栄養士、理学療法士など)との連携を通じてチーム医療を理解する
よくある受け持ち疾患とアセスメントのコツ
慢性期実習で受け持つことの多い疾患と、それぞれのアセスメントのポイントを紹介します。
糖尿病:血糖コントロールの状況(HbA1c、食前・食後血糖値)に加え、合併症(網膜症・腎症・神経障害)の有無を確認します。患者のインスリン自己注射の手技や食事療法の理解度をアセスメントし、退院後も自己管理を継続できるよう支援しましょう。
心不全:心機能の評価(NYHA分類、BNP値、胸部X線所見)を把握し、体重増加や浮腫、呼吸困難などの悪化徴候を観察します。塩分・水分制限の理解や服薬アドヒアランスも重要なアセスメント項目です。
COPD:呼吸機能検査の結果やSpO2の推移を確認し、日常生活での呼吸困難度を評価します。酸素療法を行っている患者では、酸素流量の管理や在宅酸素療法(HOT)に向けた指導が必要になることもあります。
成人看護学実習で評価される看護記録の書き方
看護記録は実習評価の大きな比重を占めます。指導者が「この学生はしっかり考えている」と感じる記録を書くためのポイントを解説します。
SOAPの基本と成人看護学実習での活用
SOAP記録は成人看護学実習で最もよく使われる記録形式です。
- S(主観的情報):患者の言葉をそのまま記録します。「お腹が痛い」「昨日よりよく眠れた」など、患者本人の訴えを「」つきで記載しましょう
- O(客観的情報):バイタルサイン、検査データ、観察した身体所見を事実として記録します。数値で表せるものは必ず数値で書きます
- A(アセスメント):SとOの情報を統合して、患者の状態を分析・判断します。ここが最も重要で、「なぜそう判断したのか」の根拠を明確に書くことがポイントです
- P(計画):アセスメントに基づいた看護計画を記載します。具体的な行動レベルで書くことが大切です
アセスメントの質を高めるコツ
多くの学生がアセスメント(A)の部分で苦戦します。質の高いアセスメントを書くためのポイントは以下の3つです。
- 正常値と比較する:「体温37.8℃」と書くだけでなく、「平熱36.5℃と比較して1.3℃上昇しており、術後の炎症反応が考えられる」と分析まで書きます
- 経時的変化を捉える:「昨日のWBC 12,000→本日9,500と減少傾向にあり、感染兆候は改善に向かっていると考える」
- 複数の情報を関連づける:「SpO2 94%、呼吸数24回/分、患者は『息が苦しい』と訴えている。これらから呼吸状態の悪化が疑われ、医師への報告が必要と判断した」
カンファレンスを有意義にするための準備
成人看護学実習では、毎日または隔日でカンファレンスが行われます。カンファレンスは単なる発表の場ではなく、グループメンバーの視点から自分の看護を振り返る貴重な機会です。
発表のテーマ選びと構成
カンファレンスのテーマは、「自分が悩んでいること」や「判断に迷ったこと」を選ぶと議論が活性化します。以下の構成で発表すると、メンバーからの意見も得やすくなります。
- 患者の概要:疾患名、年齢、入院経過を簡潔に(個人情報に注意)
- テーマ設定の理由:なぜこのテーマを選んだか
- 自分の看護とその結果:何をして、どうなったか
- 悩んでいる点・意見を聞きたい点:具体的な質問形式で投げかける
他のメンバーの発表を聞く際のポイント
自分の発表だけでなく、他のメンバーの発表にも積極的に参加しましょう。質問やコメントを準備するためには、発表内容から「自分の受け持ち患者に応用できることはないか」「同じ状況なら自分はどうするか」と考えながら聞くと、自然と意見が出てきます。指導者は、積極的にカンファレンスに参加する学生を高く評価する傾向があります。
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実習で困ったときの対処法
成人看護学実習中に直面しやすい困りごとと、その対処法をまとめます。
患者とのコミュニケーションが難しいとき
成人期の患者は社会的役割を持ち、プライドのある方も多いです。学生が来ることに対して快く思わない患者もいます。そのようなときは無理にコミュニケーションを取ろうとせず、日々のケア(清拭、バイタルサイン測定など)を丁寧に行うことで信頼関係を築いていきましょう。また、患者の趣味や関心事について事前に情報収集し、話のきっかけを準備しておくのも有効です。
記録が終わらないとき
成人看護学実習の記録は量が多くなりがちです。記録の効率を上げるために、実習中にメモを詳細に取る習慣をつけましょう。帰宅後にメモを見ながら記録を書くと、思い出す時間が大幅に短縮されます。また、アセスメントの枠組み(ゴードンの11パターンやヘンダーソンの14項目)をテンプレートとして準備しておくと、記録のスピードが上がります。
指導者への報告・相談のタイミング
「いつ報告すればいいかわからない」という悩みは多くの学生が抱えています。基本的なルールとして、以下の場面では必ず報告しましょう。
- バイタルサインに異常値が出たとき
- 患者から新たな訴えがあったとき
- ケアの実施前(必ず計画を報告してから実施する)
- 判断に迷ったとき(迷ったまま行動しない)
報告はSBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)の形式を意識すると、簡潔かつ正確に伝えられます。
まとめ:成人看護学実習を成功させるために
成人看護学実習は期間が長く、カバーする領域も広いため大変に感じることも多いでしょう。しかし、急性期と慢性期の両方を経験できることは、将来どの分野に進んでも活きる貴重な学びです。
実習を乗り越えるために大切なことは、事前学習をしっかり行い、毎日の目標を具体的に設定し、わからないことは早めに指導者に相談することです。記録は「事実」と「自分の考え」を明確に区別して書くことを意識してください。
成人看護学実習での学びは、あなたの看護師としての基盤を作ります。一日一日の経験を大切に、着実に成長していきましょう。
他の領域別実習ガイドもぜひ参考にしてください。






