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経鼻栄養チューブの誤挿入を『気泡音確認済み』で終わらせない|開始前の停止条件

気泡音を複数人で聴取しても誤挿入が判明した報告があります。確認方法を足し算するだけでなく、誰が投与を許可し、何で止めるかを決めます。

医療事故情報収集等事業の医療安全情報No.121には、経鼻栄養チューブ挿入後に気泡音を聴取して胃内と判断したものの、気管・気管支への誤挿入が判明した事例が掲載されています。

重要なのは「確認回数を増やす」だけではありません。挿入、位置確認、投与許可、投与開始、異常時対応を別の役割として設計することです。

5段階の確認表

段階決めること
挿入前適応、患者状態、困難予測、説明、必要物品
挿入実施者、補助者、抵抗・咳嗽・呼吸変化時の停止
位置確認採用する確認方法、判定者、曖昧時の再確認
投与許可誰が、どの記録を見て開始可とするか
開始後呼吸・意識・疼痛等の観察、即時停止・報告条件

具体的な確認方法は患者状態、チューブ、目的、自施設の手順に従います。この記事だけで挿入・確認方法を決めないでください。

違和感を止める権限に変える

報告事例には、画像や位置に違和感が示されながら投与へ進んだものがあります。看護師、放射線技師、医師など誰かが疑問を示した場合、投与を保留し、再評価する条件を手順へ書きます。

「上級者が大丈夫と言った」「複数人で聴いた」ことを、客観的確認の代わりにしません。疑義を上げた職員が説明責任を一人で負わない連絡経路も必要です。

監査するのは投与開始までの一連の記録

  • 挿入目的と実施時刻
  • 挿入時の患者反応
  • 位置確認の方法・結果・判定者
  • 投与開始を許可した人と時刻
  • 開始後の観察と異常の有無
  • 保留・再挿入・再確認の経緯

独自の判断軸は、チェック欄の充足率ではなく位置に疑義が出てから投与を保留できた割合です。実例は個人責任の教材ではなく、権限と情報伝達を直す材料にします。

医療事故報告と安全文化もあわせて確認できます。投与前確認と役割分担を整理する場合は医療安全・業務フロー相談を利用できます。

参考資料

最終確認日:2026年9月12日。個別患者への挿入・位置確認・投与判断は、医師の指示、製品情報、自施設の最新手順を優先してください。