災害時のオンライン資格確認|緊急時医療情報の閲覧・説明・ログ運用
災害時モードが使えることと、院内で安全に使えることは別です。患者がカードを持たない場面の本人確認、閲覧範囲、職員権限、代替手順を点検します。
8月24日で終わる機能を、平時の運用と混同しない
厚生労働省は、令和8年熊本地震に伴う「緊急時医療情報・資格確認機能」をアクティブ化しています。2026年8月23日時点で、案内上のアクティブ化期間は2026年8月24日までです。
災害時医療情報閲覧機能では、オンライン資格確認等システムを導入した被災地域の医療機関・薬局において、患者が被災してマイナンバーカードを持参していない場合でも、氏名、生年月日、性別、住所等から、薬剤情報、診療情報、特定健診情報や資格情報の一部を確認できます。
これは全国すべての施設で、期間外も同じ手順が使えるという意味ではありません。対象施設・期間は厚生労働省の最新案内で確認してください。
院内で決める八項目
| 項目 | 決めること | 確認者 |
|---|---|---|
| 対象 | アクティブ化された施設・期間・端末 | 医事・情報部門 |
| 本人確認 | 入力情報、確認できない場合、例外 | 受付・診療部門 |
| 閲覧範囲 | 診療上必要な情報と目的 | 医師・看護・薬剤 |
| 権限 | 誰が、どの端末で閲覧できるか | 情報管理責任者 |
| 患者説明 | 目的、閲覧内容、質問・拒否時対応 | 現場責任者 |
| 記録・ログ | 閲覧者、日時、患者、目的、事後監査 | 情報・医療安全 |
| 障害時 | ネット・端末・システム停止時の代替 | BCP責任者 |
| 終了後 | 期間終了確認、権限・手順の復帰、記録保存 | 事務長・情報部門 |
本人確認を現場の記憶に任せない
厚生労働省は、カードを持参していない被災者について、氏名、生年月日、性別、住所等で情報を確認できると案内しています。院内では、どの情報を患者・家族から聞き、照合できない場合にどう扱うかを決めます。
患者が意識障害、認知機能低下、言語上の困難、身元不明等で説明・確認が難しい場合は、通常場面とは異なる対応が必要です。個々の職員がその場で推測せず、責任者へのエスカレーションと診療上の緊急性を踏まえた手順を用意します。
「見られる情報」ではなく「必要な情報」を見る
薬剤、診療、特定健診等の情報が閲覧できても、診療上必要な範囲を超えて見る理由にはなりません。職種・場面ごとに閲覧目的を決め、興味や将来利用のために広く閲覧しない運用にします。
災害時は人員交代や応援職員の参加も増えます。常勤職員だけでなく、応援、派遣、委託の権限付与・終了方法まで決めてください。
ログと事後監査
システム側のログ有無だけで終えず、院内で次を追えるようにします。
- 閲覧した職員と所属
- 閲覧日時・端末
- 対象患者と利用目的
- 説明・本人確認の方法
- 確認した情報を診療・看護へどう使ったか
- 例外、誤操作、問い合わせ、苦情
事後監査では、必要性、権限、時間帯、重複閲覧、期間外利用の有無を確認します。
システムが使えない場合の代替
厚生労働省は、災害時モードが使えない場合でも、カードを持つ本人・家族がスマートフォンのマイナポータルで服薬履歴等を確認できると案内しています。しかし、端末、通信、電源、本人操作が必要です。
BCPには次の代替を並べます。
- 患者・家族からの聞き取りと持参薬確認
- お薬手帳、処方・診療書類、マイナポータル
- かかりつけ医・薬局・前医への照会
- 情報不明を前提にした診療上の安全確認
- 後から情報を得た場合の記録更新と共有
8月24日終了時のチェック
- 厚生労働省が期間を延長・変更していないか確認する
- 災害時手順から通常手順へ戻す責任者を決める
- 一時付与した職員・端末権限を見直す
- 閲覧ログ、例外、問い合わせを保存する
- 情報不足や手戻りをBCP改訂へ反映する
次の一手
災害時医療DX・BCPの運用整理を相談するでは、現行の資格確認、情報閲覧、障害時代替、ログ監査を一枚に整理します。看護経営トレンド10項目も危機対応とDX投資の確認にご活用ください。
本記事は、厚生労働省の2026年8月23日時点の案内を基にしています。対象施設、期間、画面操作、同意・本人確認の具体手順は、厚生労働省・医療機関等向け総合ポータルの最新資料と自院規程を優先してください。