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採血は看護師にとって最も基本的かつ頻繁に行う手技ですが、「血管が見えない」「何度も刺し直してしまう」と悩む看護師は少なくありません。結論から言えば、採血の成功率を上げるカギは「穿刺テクニック」よりも「事前の血管選び」にあります。適切な部位を選び、正しい駆血帯の使い方をマスターすれば、採血の失敗率は劇的に下がります。
この記事では、臨床経験15年の筆者が、採血の基本手順を10ステップで解説するとともに、血管が見えない時の対処法5つ、穿刺角度と固定テクニック、よくある失敗パターンとその原因、真空管採血の正しい順番、患者対応のコツまで、新人看護師でもすぐに実践できるレベルで詳しくお伝えします。採血が苦手な方も、この記事を読めば明日からの採血に自信を持てるようになるはずです。
採血の基本手順10ステップ|準備から片付けまで
採血は単に「針を刺して血を採る」だけの手技ではありません。患者確認から始まり、感染対策、正確な検体採取、そして患者への配慮まで、一連の流れを確実に遂行する必要があります。ここでは採血の基本手順を10ステップに分けて解説します。
ステップ1〜5:準備と穿刺前の確認
ステップ1:患者確認(ダブルチェック)
患者さんにフルネームと生年月日を名乗ってもらい、検査伝票・リストバンドと照合します。似た名前の患者さんは想像以上に多く、この確認を怠ると医療事故に直結します。特に早朝の採血ラウンドでは、寝ぼけている患者さんが「はい」と返事をしてしまうことがあるため、必ず開放型質問(「お名前を教えてください」)で確認しましょう。
ステップ2:必要物品の準備
- 採血針(翼状針21G〜23G、または真空管採血ホルダー+針)
- 真空管スピッツ(検査項目に応じた種類・本数)
- 駆血帯
- アルコール綿(アレルギーの場合はクロルヘキシジン綿)
- 止血用テープ・絆創膏
- 手袋(未滅菌でOK)
- 廃棄用シャープスボックス
- トレイ
ステップ3:患者への説明と同意
採血の目的、所要時間(通常1〜2分)、注意事項を簡潔に説明します。「チクッとしますが、すぐに終わりますね」と一言添えるだけで、患者さんの緊張が和らぎます。過去に採血で気分が悪くなった経験がないか、アルコールアレルギーがないか、抗凝固薬を服用していないかも必ず確認しましょう。
ステップ4:体位の調整
患者さんに楽な姿勢をとってもらい、腕をまっすぐ伸ばした状態で肘枕やタオルの上に置きます。ベッドサイドの場合は、ベッドの高さを自分の腰の位置に合わせると無理なく穿刺できます。外来の採血椅子では、肘置きの高さと角度が重要です。採血する腕が心臓より低い位置にあると、静脈が怒張しやすくなります。
ステップ5:手指衛生と手袋装着
手指消毒を行い、未滅菌手袋を装着します。血液暴露の予防は看護師自身を守るための基本です。手袋に穴が開いていないか触診で確認する習慣をつけましょう。
ステップ6〜10:穿刺から止血まで
ステップ6:駆血帯の装着と血管選択
穿刺部位の7〜10cm上方に駆血帯を巻きます。きつすぎると動脈まで圧迫して血管が怒張しなくなり、緩すぎると十分な駆血効果が得られません。指1本が入る程度のきつさが目安です。駆血帯装着後、1分以内に穿刺するのが理想です。2分以上の駆血は溶血やカリウム値上昇の原因になります。
ステップ7:消毒
穿刺予定部位をアルコール綿で中心から外側に向かって円を描くように消毒します。消毒後は触れないことが原則ですが、どうしても血管の位置を再確認したい場合は、消毒した指で触れるようにしましょう。乾燥する前に穿刺すると、患者さんが痛みを強く感じるため、しっかり乾かしてから穿刺します。
ステップ8:穿刺
利き手で採血針を持ち、反対の手の親指で穿刺部位の下方の皮膚を引っ張り、血管を固定します。針の角度は皮膚に対して15〜20度で穿刺し、逆血(フラッシュバック)を確認したら角度を寝かせて2〜3mm進めます。「針先が血管内にしっかり入っている」感覚を掴むことが重要です。
ステップ9:採血(検体採取)
真空管採血の場合は、ホルダーにスピッツを押し込んで血液を採取します。シリンジ採血の場合は、ゆっくりとプランジャーを引きます。急いで引くと溶血の原因になるので注意してください。必要量が採れたら駆血帯を外し、その後に針を抜きます。駆血帯を外す前に針を抜くと、血管に余計な圧がかかり出血しやすくなります。
ステップ10:止血と後片付け
アルコール綿で穿刺部位を押さえながら針を抜去し、患者さんに5分間しっかり押さえてもらいます。「揉まずに押さえてくださいね」と必ず伝えましょう。揉むと皮下出血(内出血)の原因になります。抗凝固薬服用中の患者さんは10分以上の止血が必要です。使用済みの針はリキャップせず、直接シャープスボックスに廃棄します。
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血管が見えない時の対処法5つ
採血で最も困るのが「血管が見えない・触れない」ケースです。高齢者、脱水の患者さん、肥満の方、化学療法で血管が脆くなった方など、血管確保が難しい場面は日常的に遭遇します。以下の5つの対処法を覚えておけば、ほとんどの困難症例に対応できます。
対処法1:駆血帯の位置と締め方を工夫する
通常は穿刺部位の7〜10cm上方に巻きますが、血管が見えにくい場合は、やや強めに巻いてみましょう。ただし、動脈拍動が触知できなくなるほどきつく巻いてはいけません。橈骨動脈の拍動を確認しながら、駆血帯のきつさを調整してください。また、二重駆血法といって、上腕と前腕の2か所に駆血帯を巻く方法も有効です。上腕に1本巻いて静脈を怒張させ、前腕にもう1本巻いてさらに血管を浮き上がらせます。
対処法2:温めて血管を拡張させる
温タオルや使い捨てカイロを採血部位に2〜3分当てると、温熱効果で血管が拡張し、怒張しやすくなります。病棟であれば蒸しタオルを準備できますし、外来では市販のホットパックを電子レンジで温めて使う施設もあります。お湯に手を浸けてもらう方法も効果的です。これは特に冬場や冷え性の患者さんに有効なテクニックです。
対処法3:タッピングと手のグーパー運動
駆血帯を巻いた状態で、穿刺予定部位を指先で軽くタッピング(トントンと叩く)すると、血管が刺激されて怒張しやすくなります。また、患者さんにグーパー運動を数回してもらうことで、筋ポンプ作用により静脈還流が促進され、血管が浮き出てきます。ただし、グーパー運動を過度にやると筋肉内のカリウムが血中に放出され、検査値に影響を与えることがあるため、数回程度にとどめましょう。
対処法4:重力を利用する
腕をベッドから垂らしてもらう、または腕を心臓より低い位置にしてもらうことで、重力の作用で静脈血が末梢に溜まり、血管が怒張しやすくなります。ベッドに臥床している患者さんの場合は、腕をベッドの端から下げてもらうだけでも効果があります。1〜2分その状態を保持してから駆血帯を巻くと、より効果的です。
対処法5:エコー(超音波)ガイド下採血
上記の方法でも血管が確保できない場合、近年はポータブルエコーを使用して血管の位置を可視化する方法が普及しています。エコーガイド下では、皮下の血管の走行、深さ、太さがリアルタイムで確認できるため、視診・触診では見つけられない深部の血管も穿刺できます。救急外来やICUではすでに標準的な手法になっていますし、一般病棟でも導入が進んでいます。エコーの使用には練習が必要ですが、シミュレーターを使ったトレーニングを提供している施設も増えています。
穿刺部位の選び方|どこの血管を狙うべきか
採血の成功率は、穿刺テクニック以前に「どの血管を選ぶか」で8割決まると言っても過言ではありません。ここでは、部位ごとの特徴と選択基準を解説します。
第一選択:肘正中皮静脈(ちゅうせいちゅうひじょうみゃく)
採血の第一選択は、肘窩(肘の内側のくぼみ)を走る肘正中皮静脈です。太くて固定しやすく、比較的浅い位置を走行しているため、穿刺が容易です。ほとんどの採血マニュアルでもこの部位が推奨されています。ただし、肘正中皮静脈の走行には個人差があるため、視診と触診で最も怒張が良い血管を選びましょう。
第二選択:橈側皮静脈・尺側皮静脈
肘正中皮静脈が使えない場合は、橈側皮静脈(親指側を走る血管)または尺側皮静脈(小指側を走る血管)を選択します。橈側皮静脈は比較的太い場合が多いですが、血管が動きやすい(ローリングしやすい)のが特徴です。穿刺時にしっかり皮膚を伸展させて固定することが重要です。尺側皮静脈は、近くに尺骨神経が走行しているため、深く刺しすぎないよう注意が必要です。神経損傷のリスクを考慮すると、慣れないうちは尺側皮静脈は避けた方が無難です。
前腕・手背の血管を使う場合
肘窩の血管が使えない場合は、前腕の中間部や手背の血管も選択肢に入ります。前腕の血管は細い場合が多いため、翼状針(23G)を使用するとよいでしょう。手背の静脈は視認しやすい反面、痛みが強い部位でもあります。また、手背の血管は脆い場合があり、穿刺で血管が破綻しやすいので、高齢者や血管の脆弱な患者さんには慎重に対応してください。下肢の血管からの採血は、深部静脈血栓症(DVT)のリスクがあるため、原則として避けます。医師の指示がある場合のみ実施してください。
穿刺角度と針の固定テクニック
血管の選択が完了したら、次は穿刺のテクニックです。穿刺角度、針の進め方、固定方法のポイントを押さえることで、採血の成功率が格段に上がります。
穿刺角度は15〜20度が基本
採血の穿刺角度は、皮膚面に対して15〜20度が基本です。角度が浅すぎると(10度以下)、針先が皮膚の表層を這うだけで血管に届きにくくなります。逆に角度が急すぎると(30度以上)、血管を貫通してしまうリスクが高まります。血管の深さに応じて角度を微調整することがポイントで、浅い血管にはやや浅めの角度(10〜15度)、深い血管にはやや急な角度(20〜25度)で穿刺します。
穿刺時は「スッと一気に刺す」ことが大切です。ゆっくり刺すと患者さんの痛みが増し、針先で血管を押して逃がしてしまう原因にもなります。「素早く、でも乱暴にならず」が理想です。逆血(フラッシュバック)を確認したら、角度を5度程度寝かせて2〜3mm進めます。これは針先の斜面(ベベル)全体を血管内に入れるためです。
血管のローリングを防ぐ固定法
採血で失敗する原因の多くは「血管が逃げる(ローリングする)」ことです。特に高齢者や痩せ型の患者さんでは、血管が皮下組織の中で動きやすく、穿刺時に針先で血管を押してしまいます。これを防ぐための固定法を紹介します。
まず、穿刺する手の反対の手(非利き手)の親指を使い、穿刺予定部位の2〜3cm下方の皮膚を手前に引っ張ります。これにより皮膚がピンと張り、血管が動きにくくなります。この「皮膚の伸展」は最も基本的かつ効果的な固定法です。さらに、人差し指と中指で穿刺部位の上方の皮膚を押さえ、血管を「挟み込む」ようにすると、ローリングをほぼ完全に防ぐことができます。
翼状針とホルダー針の使い分け
翼状針は、細い血管や動きやすい血管に適しています。翼の部分を指でつまんで穿刺するため、角度の微調整がしやすく、血管が細い患者さんや手背からの採血時に重宝します。一方、真空管採血ホルダーに直接針を装着するタイプは、太い血管に対して安定した穿刺ができ、複数本のスピッツを効率よく採取できます。一般的には、外来の採血室ではホルダー針、病棟ではシチュエーションに応じて翼状針を使い分ける施設が多いです。
よくある失敗パターンと原因・対策
採血にはさまざまな失敗パターンがあります。失敗を繰り返さないためには、原因を理解し、対策を講じることが重要です。ここでは代表的な失敗パターンとその対処法を解説します。
失敗1:血管貫通(突き抜け)
最も多い失敗のひとつが、血管を突き抜けてしまうことです。原因は穿刺角度が急すぎる、針を進めすぎる、血管が細い・脆いことなどが挙げられます。逆血を確認した後に針を進めすぎると、針先が血管の裏側を突き破ってしまいます。
対策:逆血を確認したら、そこから進める距離は2〜3mmまで。「入った!」と思った瞬間に手を止める意識を持ちましょう。また、真空管を押し込んだ際の陰圧で血管が潰れて貫通することもあるため、細い血管では翼状針+シリンジ採血で陰圧をコントロールする方法が有効です。
失敗2:溶血してしまう
溶血とは、赤血球が壊れて細胞内成分(カリウム、LDHなど)が血清に漏出する現象です。溶血が起こると検査値が正確に出ず、再採血が必要になります。原因としては、細い針(25G以下)での採血、シリンジで強く引きすぎる、真空管への分注時に勢いよく注入する、駆血帯を2分以上巻いたまま放置する、アルコール消毒が乾いていない状態で穿刺する、などが挙げられます。
対策:採血には21G〜23Gの針を使用し、シリンジの引きはゆっくりと。分注時は真空管のゴム栓に針を刺し、陰圧で自然に吸わせるようにします。手動で押し込むと溶血の原因になります。駆血帯は1分以内に外すことを意識しましょう。
失敗3:血腫(内出血)の形成
採血後に穿刺部位が紫色に腫れる血腫は、患者さんにとっても看護師にとっても精神的なダメージが大きいものです。原因は、穿刺時の血管貫通、止血不十分、抗凝固薬服用中の患者への配慮不足などです。
対策:採血後は「揉まずに5分間しっかり押さえる」を患者さんに徹底伝達しましょう。特にワルファリンやDOACを内服中の患者さん、血小板減少症の患者さんは10分以上の圧迫止血が必要です。また、穿刺に失敗した場合も同様にしっかり止血してから次の穿刺に移りましょう。
真空管スピッツの正しい採取順番
真空管採血では、スピッツの種類によって採取する順番が決まっています。順番を間違えると、抗凝固剤が他のスピッツに混入し、検査結果に影響を与える可能性があります。
標準的な採取順番
施設によって若干の違いはありますが、一般的に推奨される順番は以下の通りです。
| 順番 | スピッツの色(代表例) | 検査項目 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1番目 | 水色(クエン酸ナトリウム) | 凝固系(PT、APTT) | 組織液の混入を最小限にするため最初に採取 |
| 2番目 | 赤・黄(血清分離) | 生化学(肝機能、腎機能等) | 添加物なし。他の抗凝固剤の影響を避ける |
| 3番目 | 緑(ヘパリン) | 緊急生化学 | ヘパリンが他のスピッツに混入すると凝固系に影響 |
| 4番目 | 紫(EDTA) | 血算(CBC) | EDTAが凝固系やカルシウムに影響するため後半 |
| 5番目 | 灰色(フッ化ナトリウム) | 血糖 | 解糖阻止剤が他の検査に影響するため最後 |
ただし、凝固系の検査がない場合は、血清スピッツを最初に採取しても問題ありません。重要なのは、凝固系スピッツ(水色)は必ず最初に採取するという原則です。シリンジ採血の場合は分注順が逆になることがある(抗凝固剤入りスピッツを先に分注)点にも注意しましょう。施設独自のルールがある場合もあるため、必ず所属施設のマニュアルを確認してください。
スピッツの転倒混和の重要性
抗凝固剤入りのスピッツ(水色・紫・灰色など)は、採血後にすぐに転倒混和(スピッツを上下に5〜10回程度静かに反転させる)を行います。振ったり叩いたりすると溶血するため、あくまで「静かに反転」です。混和が不十分だと血液が凝固し、検査ができなくなります。特に凝固系スピッツと血算スピッツは混和不十分による再採血が多いので、丁寧に行いましょう。
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患者対応のコツ|緊張を和らげる声かけ
採血の技術がどれだけ上手くても、患者さんが恐怖や不安で体を強張らせていると、血管が収縮して穿刺が難しくなります。患者対応もまた、採血成功に欠かせない「技術」の一つです。
採血が怖い患者さんへの対応
「注射が苦手」という患者さんは想像以上に多く、成人男性でも採血で失神する方がいます。まず大切なのは、患者さんの不安を否定しないことです。「大丈夫ですよ」と軽く流すのではなく、「注射が苦手なんですね。なるべく痛くないように頑張りますね」と共感を示しましょう。
具体的な声かけのポイントとしては、穿刺のタイミングで「少しチクッとしますよ」と予告すること、「深呼吸してくださいね」と呼吸に意識を向けさせること、穿刺後は「もう刺し終わりましたよ。あとは血液を採るだけです」と安心させること、などが効果的です。世間話をして気を紛らわせる方法も有効ですが、患者さんによっては「集中して確実に採ってほしい」という方もいるので、相手に合わせましょう。
迷走神経反射(VVR)への備え
採血中や採血直後に、患者さんが顔面蒼白・冷汗・吐き気・意識消失を起こすことがあります。これは迷走神経反射(VVR:Vasovagal Reaction)と呼ばれ、痛みや恐怖、緊張が引き金となって副交感神経が過剰に亢進する現象です。
VVRが疑われたら、すぐに採血を中止し、患者さんを仰臥位にして下肢を挙上させます。外来の採血椅子ではリクライニング機能を使い、頭を低くしましょう。過去にVVRの既往がある患者さんには、最初からベッドに臥床した状態で採血することが予防策として有効です。
失敗した時の誠実な対応
どんなにベテランの看護師でも、採血が一回で成功しないことはあります。大切なのは、失敗した時の対応です。「すみません、もう一度やり直させてください」と正直に謝り、患者さんに選択肢を提示しましょう。「もう一度私が試みてもよろしいですか? それとも、他のスタッフに代わりましょうか?」と聞くことで、患者さんの信頼を損なわずに済みます。
同じ看護師が3回以上穿刺を試みることは、患者さんの身体的・精神的負担を考慮して避けるべきです。2回失敗したら潔く交代しましょう。これは「能力がない」のではなく、「患者さんのための判断ができる」証拠です。
採血スキルを上達させる練習方法
採血は経験がものを言う技術ですが、ただ数をこなすだけでは上達しません。効果的な練習方法と上達のコツを紹介します。
シミュレーターを活用した練習
近年は、リアルな触感を再現した採血シミュレーターが多くの施設に導入されています。シミュレーターを使えば、穿刺角度や針の進め方を繰り返し練習できます。練習の際には、ただ漫然と刺すのではなく、「今回は角度を15度に意識する」「駆血帯の位置を変えてみる」など、毎回テーマを決めて練習すると上達が早まります。
先輩ナースの手技を「見て学ぶ」
採血が上手い先輩の手技を見学させてもらうことも、非常に有効な学習方法です。その際、注目すべきポイントは以下の通りです。
- 駆血帯を巻いてから穿刺までの時間はどのくらいか
- 血管を選ぶ際に、視診と触診をどのように使い分けているか
- 針をどの角度で、どのくらいの速さで刺しているか
- 非利き手で皮膚をどう固定しているか
- 患者さんへの声かけのタイミングと内容
見学後に「あの患者さんの血管、なぜあの部位を選んだんですか?」と質問すると、先輩の思考プロセスを学ぶことができます。表面的な手技だけでなく、「なぜその判断をしたか」を理解することが真の上達につながります。
自分の採血を振り返る習慣
採血の上達に最も効果的なのは、毎回の採血を振り返る習慣をつけることです。「今回うまくいった理由は何か」「失敗した原因は何か」「次に同じ患者さんを担当するならどう改善するか」をノートに書き留めておくと、自分の弱点と成長が可視化できます。
特に新人のうちは、「血管が見えたのに穿刺で失敗した」のか「そもそも血管が見つからなかった」のかを区別することが重要です。前者ならテクニックの問題、後者なら血管選択の問題です。問題の原因を特定できれば、対策も明確になります。
採血は回数を重ねるほど自信がつく手技です。最初は誰でも緊張しますし、失敗もします。でも、正しい知識を持ち、丁寧に振り返りを続ければ、必ず上達します。この記事で紹介したテクニックを一つずつ実践しながら、採血名人を目指してください。
採血のようなスキルアップに真剣に取り組むあなたは、看護師としてのキャリアを大切にしている証拠です。もし今の職場でスキルを十分に磨ける環境が整っていない、あるいは教育体制が充実した職場で働きたいと感じているなら、転職という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。教育制度が充実した病院や、採血件数が多く経験を積める環境は数多くあります。まずは情報収集から始めてみると、新たな可能性が見えてくるかもしれません。



