心電図の読み方ガイド|看護学生でもわかるP波・QRS・T波の基本とよく見る不整脈5種類

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心電図は「波形のパターン認識」と「系統的な読み方の手順」を身につければ、看護学生でも確実に読めるようになります。「心電図が苦手」「波形を見ても何もわからない」と感じている方は多いですが、実は臨床で看護師に求められる心電図判読は「致死的不整脈を見逃さないこと」が最重要であり、循環器専門医レベルの読影が求められているわけではありません。この記事では、P波・QRS波・T波の基本から、モニター心電図でよく見る不整脈5種類の特徴と対応まで、看護学生が押さえるべきポイントに絞って解説します。

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この記事でわかること

  • P波・QRS波・T波が何を意味するのか、心臓の動きとの対応関係
  • 心電図を系統的に読む5ステップの手順
  • 臨床でよく見る不整脈5種類の波形の特徴と看護対応

心電図の基本|P波・QRS波・T波を理解する

心電図の波形は、心臓の電気的活動を記録したものです。一つひとつの波が心臓のどの部分の活動を反映しているかを理解することが、心電図読影の第一歩です。

P波:心房の興奮

P波は洞結節から発した電気信号が心房全体に伝わる様子を反映しています。正常なP波は小さく丸い山形で、持続時間は0.06〜0.10秒、振幅は0.25mV以下です。P波が正常に存在するということは、洞結節が正しくリズムを刻んでいること(洞調律)を意味します。P波が見えない場合は、心房細動や洞停止などの異常を疑います。

QRS波:心室の興奮

QRS波は心室全体の興奮(脱分極)を反映しています。正常なQRS幅は0.06〜0.10秒です。QRS幅が0.12秒以上に延長している場合は、脚ブロック(右脚ブロック・左脚ブロック)やWPW症候群などを疑います。QRS波は心電図の中で最も振幅が大きく、心拍数を数える際の基準にもなります。

T波:心室の回復

T波は心室の再分極(興奮からの回復)を反映しています。正常なT波は緩やかな山形で、QRS波と同じ方向を向いています。T波の異常は虚血や電解質異常のサインとなることがあり、注意が必要です。テント状T波(尖った高いT波)は高カリウム血症、ST低下を伴う陰性T波は心筋虚血を疑います。

その他の重要な間隔

  • PQ間隔(PR間隔):P波の始まりからQRS波の始まりまで。正常0.12〜0.20秒。延長は房室ブロックを示唆する
  • ST部分:QRS波の終わりからT波の始まりまで。基線からの上昇(ST上昇)は急性心筋梗塞、低下は心筋虚血を示唆する
  • QT間隔:QRS波の始まりからT波の終わりまで。延長はTorsades de Pointesのリスク因子となる
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心電図を系統的に読む5ステップ

心電図を読む際に最も重要なのは、毎回同じ手順で系統的に確認することです。以下の5ステップを習慣化しましょう。

  1. リズムは整か不整か:RR間隔が一定かどうかを確認する。不整の場合は心房細動などを疑う
  2. 心拍数はいくつか:RR間隔から心拍数を計算する。300÷(RR間隔の大きいマス数)で概算できる。正常は60〜100回/分
  3. P波はあるか:各QRSの前にP波が存在するか、P波の形は一定か、PQ間隔は正常範囲かを確認する
  4. QRS波は正常か:QRS幅が正常範囲か、異常Q波がないか、電気軸は正常かを確認する
  5. ST-T変化はないか:ST部分の上昇・低下、T波の変化(陰性T波、テント状T波)がないかを確認する

この5ステップを毎回必ず順番に確認することで、見落としを防ぐことができます。慣れないうちは紙に書きながら確認する習慣をつけましょう。

よく見る不整脈5種類の特徴と看護対応

臨床で看護師が遭遇する頻度が高い不整脈を5つ厳選し、波形の特徴と看護対応を解説します。

1. 心房細動(AF:Atrial Fibrillation)

波形の特徴:P波が消失し、基線が不規則に揺れる(f波)。RR間隔が完全に不整(irregularly irregular)。

看護対応:脈拍の不整を触知で確認する。心拍数が速い場合(頻脈性心房細動)は血行動態への影響を評価する。抗凝固療法中の出血兆候を観察する。新規発症の場合は医師に報告する。

2. 心室期外収縮(PVC:Premature Ventricular Contraction)

波形の特徴:予定より早いタイミングで幅広いQRS波(0.12秒以上)が出現する。先行するP波がない。代償性休止を伴うことが多い。

看護対応:単発で無症状であれば経過観察。頻発(6回/分以上)、連発(2連発以上)、R on T型(T波の上にPVCが重なる)、多源性の場合は心室頻拍への移行リスクがあるため医師に報告する。自覚症状(動悸、胸部不快感)の有無を確認する。

3. 心室頻拍(VT:Ventricular Tachycardia)

波形の特徴:幅広いQRS波が3連発以上続く。心拍数は通常100〜250回/分。P波は確認できないことが多い。

看護対応:緊急性の高い不整脈。意識レベル、血圧、脈拍を即座に確認する。無脈性VTの場合はCPR(心肺蘇生法)とAEDの準備が必要。有脈性VTでもバイタルサインの変動に注意し、医師に即座に報告する。除細動器・救急カートの位置を常に確認しておく。

4. 心室細動(VF:Ventricular Fibrillation)

波形の特徴:不規則で無秩序な波形。識別可能なP波、QRS波、T波がない。心臓が有効な収縮を行えていない状態。

看護対応:心停止状態であり、最も緊急性が高い。即座にナースコールで応援を要請し、CPRを開始する。AED(除細動器)を準備し、医師の到着を待たずに除細動を実施する。アドレナリンの準備と投与ルートの確保を行う。

5. 房室ブロック(AVB:Atrioventricular Block)

房室ブロックはI度、II度(Wenckebach型・Mobitz II型)、III度(完全房室ブロック)に分類されます。

  • I度房室ブロック:PQ間隔が0.20秒以上に延長するが、全てのP波にQRSが続く。無症状であることが多く、経過観察
  • II度Wenckebach型:PQ間隔が徐々に延長し、最終的にQRSが脱落する。周期的に繰り返す
  • II度Mobitz II型:PQ間隔が一定のまま突然QRSが脱落する。完全房室ブロックに移行するリスクがあり要注意
  • III度(完全房室ブロック):P波とQRS波が完全に独立して出現する(房室解離)。徐脈となり血行動態が不安定になる。ペースメーカーの適応

看護対応:I度は経過観察。II度Mobitz II型と III度は心拍数とバイタルサインを密にモニタリングし、めまい・失神・血圧低下があれば即座に報告する。一時的ペーシングの準備が必要になることがある。

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モニター心電図の見方と異常発見時の対応

実習でモニター心電図を見る機会は多いため、基本的な見方と異常発見時の対応を確認しておきましょう。

モニター心電図で確認すべきポイント

  • 心拍数の表示:数値が正常範囲(60〜100回/分)にあるかを確認する。50回/分以下の徐脈、120回/分以上の頻脈は注意
  • リズムの規則性:モニター画面の波形がリズミカルに刻まれているか。不規則な場合は心房細動などを疑う
  • アラーム設定:心拍数の上限・下限アラームが適切に設定されているか確認する。アラーム音を消さない
  • 電極の装着状態:電極がずれるとノイズが入りアーチファクトが出現する。基線の乱れがあれば電極を確認する

異常発見時の対応手順

  1. まず患者を見る:モニターの異常を見たら、まず患者のもとに行く。電極外れやアーチファクトの可能性を確認する
  2. 意識と脈拍を確認する:反応があるか、橈骨動脈で脈が触れるかを確認する
  3. バイタルサインを測定する:血圧、SpO2、呼吸数を速やかに測定する
  4. 報告する:指導者または看護師にSBAR形式で報告する。「Sモニターで○○の波形を確認しました。B○○歳、○○で入院中の患者です。A脈拍○回/分、血圧○/○mmHg、SpO2○%です。R指示をお願いします」

まとめ|心電図は「パターン認識」で読める

心電図の読影は、難しい理論を全て理解する必要はありません。看護師として最も重要なのは「正常と異常の区別ができること」「致死的不整脈(VT・VF)を即座に認識して行動できること」の2点です。5ステップの系統的読影法を毎回実践し、よく見る不整脈5種類の波形パターンを繰り返し見て記憶に定着させましょう。

実習中にモニター心電図を見る機会があれば、指導者に「この波形について教えてください」と積極的に質問することをお勧めします。教科書の波形と実際の波形は見え方が異なることが多く、実物に触れる経験が最大の学習になります。

薬の計算が苦手な方は「看護の薬・滴下速度計算ガイド」もあわせてご覧ください。

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