肺炎の看護計画ガイド|学生向けアセスメント・呼吸状態の観察・吸引と酸素療法のケア【実習で使える】

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肺炎は高齢者の入院原因として非常に多く、看護実習で受け持つ可能性が高い疾患です。呼吸状態のアセスメント、吸引や酸素療法のケア、誤嚥予防の看護計画など、看護学生が押さえるべきポイントは多岐にわたります。この記事では、肺炎患者の看護過程をアセスメントから看護計画の立案まで、具体例を交えながら一つひとつ解説します。

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この記事でわかること

  • 肺炎患者の呼吸状態アセスメントで確認すべき観察項目と判断基準
  • 吸引・酸素療法のケアで学生が注意すべき実践ポイント
  • 誤嚥性肺炎を含む看護計画(OP/TP/EP)の具体的な記載例

肺炎の分類と病態を看護の視点で整理する

肺炎は原因や発症場所によって分類されます。看護計画の立案にはこの分類を理解しておくことが必要です。

市中肺炎(CAP)

日常生活の中で発症する肺炎です。肺炎球菌やインフルエンザ菌、マイコプラズマなどが原因菌として多く、比較的若い年齢層でも発症します。抗菌薬の選択が重要で、治療への反応を看護の観点から観察する必要があります。

院内肺炎(HAP)

入院48時間以降に発症する肺炎です。MRSA、緑膿菌などの耐性菌が原因となることが多く、重症化しやすい特徴があります。実習で受け持つ患者が入院中に肺炎を合併するケースとして遭遇することがあります。

誤嚥性肺炎

嚥下機能の低下した高齢者に最も多い肺炎であり、実習で受け持つ頻度が非常に高い疾患です。口腔内の細菌が気道に流入することで発症し、繰り返す特徴があります。食事介助、口腔ケア、体位管理が看護の柱となります。

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呼吸状態のアセスメント|観察項目と判断基準

肺炎患者の看護で最も重要なのは呼吸状態の的確なアセスメントです。以下の項目を系統的に観察しましょう。

バイタルサインの評価

  • 呼吸数:正常12〜20回/分。25回/分以上は頻呼吸であり、呼吸不全の可能性を示唆する
  • SpO2:95%以上が正常。90%未満は酸素投与の適応を検討する基準。COPD合併患者では88〜92%を目標とする場合がある
  • 体温:38度以上の発熱は感染の継続を示す。解熱傾向にあるかどうかを経時的に観察する
  • 脈拍:頻脈(100回/分以上)は発熱や呼吸困難に伴う代償反応。不整脈の合併にも注意する
  • 血圧:敗血症に移行した場合、収縮期血圧90mmHg未満の低下が認められることがある

呼吸パターンの観察

呼吸の深さ・リズム・補助呼吸筋の使用の有無を観察します。

  • 浅速呼吸:肺炎による換気障害で浅く速い呼吸になっていないか
  • 努力呼吸の徴候:鎖骨上窩の陥没、肋間陥凹、鼻翼呼吸、起座呼吸の有無
  • 呼吸音の聴取:患側の呼吸音の減弱、水泡音(coarse crackle)、捻髪音(fine crackle)の有無と部位

喀痰の性状評価

喀痰の色・量・粘稠度・臭いを観察し、感染の状態を評価します。

  • 膿性痰(黄色〜緑色):細菌感染を示唆。量が増加している場合は治療への反応が不十分な可能性
  • 血痰:炎症による気道粘膜の損傷を示す。大量の場合は医師に即座に報告する
  • 悪臭のある痰:嫌気性菌感染や肺膿瘍の可能性を示唆する

吸引・酸素療法のケアポイント

肺炎患者のケアでは、吸引と酸素療法が重要な看護技術です。学生が実施する際の注意点を整理します。

吸引のケアポイント

  • 吸引圧:成人の口腔・鼻腔吸引は100〜150mmHg、気管吸引は150mmHg以下を目安とする
  • 吸引時間:1回の吸引は10〜15秒以内。長時間の吸引は低酸素血症を引き起こすリスクがある
  • 吸引前後のSpO2確認:吸引前にSpO2を確認し、吸引後に回復するかをモニタリングする
  • 無菌操作の徹底:気管吸引は無菌操作で行う。手袋の装着、吸引カテーテルの取り扱いに注意する
  • 患者への説明と同意:吸引前に「痰を吸い取りますね」と声をかけ、患者の協力を得る

酸素療法のケアポイント

  • 酸素投与デバイスの選択:鼻カニューレ(1〜6L/分、FiO2 24〜44%)、簡易酸素マスク(5〜8L/分、FiO2 40〜60%)、リザーバーマスク(6〜15L/分、FiO2 60〜90%)を医師の指示に従い使用する
  • 加湿の管理:3L/分以上の酸素投与では加湿器の使用が推奨される。鼻腔・口腔の乾燥を予防する
  • 皮膚トラブルの予防:鼻カニューレやマスクのストラップによる耳介・鼻翼の圧迫を観察し、必要に応じてガーゼで保護する
  • 火気厳禁の環境管理:酸素使用中は火気厳禁であることを患者・家族に説明する

肺炎の看護計画(OP・TP・EP)具体例

看護診断「非効果的気道浄化」に対する看護計画の具体例を示します。

OP(観察計画)

  1. 呼吸状態(呼吸数、SpO2、呼吸音、呼吸パターン)を経時的に観察する
  2. 喀痰の性状(色、量、粘稠度、臭い)を観察し記録する
  3. バイタルサイン(体温、脈拍、血圧)を定期的に測定する
  4. CRP、WBC、胸部X線の検査データを確認する
  5. 咳嗽の頻度・強さ、喀痰喀出能力を観察する
  6. 水分摂取量と尿量のバランスを確認する
  7. 食事摂取量と嚥下状態を観察する(誤嚥性肺炎の場合)
  8. 意識レベル(JCS、GCS)の変動を観察する

TP(援助計画)

  1. 体位ドレナージ(患側を上にした側臥位)で排痰を促す
  2. 医師の指示に基づき、必要時吸引を実施する
  3. 十分な水分摂取を促し、痰の粘稠度を下げる(心不全合併時は水分制限に注意)
  4. 口腔ケアを1日3回以上実施し、口腔内の細菌量を減少させる
  5. 安楽な体位(セミファーラー位30〜45度)を保持する
  6. 室内の加湿(湿度50〜60%)と換気を行い、呼吸しやすい環境を整える
  7. 食事介助時は座位を保持し、嚥下を確認してから次の一口を促す(誤嚥性肺炎の場合)
  8. 抗菌薬の確実な投与と副作用の観察を行う

EP(教育計画)

  1. 効果的な咳嗽方法(ハフィングテクニック)を指導する
  2. 水分摂取の重要性を説明し、飲水を促す
  3. 口腔ケアの必要性と方法を患者および家族に指導する
  4. 誤嚥予防の姿勢(食事時の座位保持、食後30分の座位維持)を説明する
  5. 退院後の感染予防(手洗い、うがい、肺炎球菌ワクチン接種)について情報提供する
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誤嚥性肺炎の看護で特に注意すべきポイント

誤嚥性肺炎は繰り返しやすく、予防的な看護介入が不可欠です。以下のポイントを重点的に観察・介入しましょう。

嚥下機能の評価

水飲みテスト(30mlの水を嚥下してもらい、むせや湿性嗄声の有無を確認)や反復唾液嚥下テスト(30秒間に唾液を何回嚥下できるかを測定、3回未満は嚥下障害の可能性)を実施し、嚥下機能を評価します。言語聴覚士との連携も重要です。

食事形態の調整

嚥下機能に応じて食事形態(普通食→軟食→刻み食→ペースト食→ゼリー食)を調整します。飲み物にはとろみ剤を使用し、誤嚥リスクを低減します。一口量を少なくし、嚥下を確認してから次の一口を勧めることも重要です。

口腔ケアの徹底

口腔内の細菌量を減らすことが誤嚥性肺炎の予防に直結します。歯磨き、舌の清掃、義歯の洗浄を1日3回以上実施し、特に夜間の口腔内細菌の増殖を抑えるため就寝前の口腔ケアを徹底します。

まとめ|呼吸状態の観察力が肺炎看護の基盤

肺炎の看護計画で求められるのは、呼吸状態を系統的に観察し、異常を早期に発見して適切に対応する力です。SpO2や呼吸数などの数値だけでなく、呼吸パターンの変化、患者の表情や言動から呼吸困難を読み取る観察力を実習で磨いていきましょう。

誤嚥性肺炎では、口腔ケア・体位管理・食事介助が看護の三本柱です。繰り返しの予防こそが最大の看護介入であり、多職種と連携しながら包括的にアプローチすることが重要です。

他の疾患の看護計画も学びたい方は「心不全の看護計画ガイド」や「骨折の看護計画ガイド」もあわせてご覧ください。

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