看護師の退職金 勤続年数別の相場|3年・5年・10年・20年

編集部
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看護師の退職金は、勤続3年で約30〜50万円、5年で約80〜150万円、10年で約200〜400万円、20年で約500〜1,200万円が相場です。ただしこれは「退職金制度がある病院」の数字であり、退職金制度がない病院も全体の約15%存在します。退職金の金額は病院の設置主体(公立・私立・法人)、退職金制度の種類、基本給の水準、自己都合か会社都合かによって大きく変わります。この記事では勤続年数別・病院タイプ別の退職金データを公開し、あなたが受け取れる退職金の目安と、退職前に確認すべきポイントを解説します。

この記事でわかること

  • 勤続年数別の看護師退職金の相場データ(3年・5年・10年・20年・30年)
  • 公立・私立・クリニック別の退職金格差の実態
  • 退職金の計算方法と、退職前に確認すべきこと
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看護師の退職金 勤続年数別の相場一覧

勤続年数別の退職金目安を、病院タイプごとに一覧化します。数値は各種調査データと転職エージェントのヒアリング結果に基づく推定値です。

公立病院(国立病院機構・県立・市立・JCHO等)

  • 勤続3年(自己都合):約50〜70万円
  • 勤続5年(自己都合):約120〜180万円
  • 勤続10年(自己都合):約350〜500万円
  • 勤続20年(自己都合):約800〜1,200万円
  • 勤続30年(定年退職):約1,500〜2,200万円

公立病院の退職金は「退職手当法」または各自治体の条例に基づいて計算されるため、金額が最も高く透明性もあります。基本的な計算式は「退職日の俸給月額 × 勤続年数に応じた支給率 × 調整率」です。国立病院機構の場合、勤続20年の自己都合退職で支給率は約25〜30(月分)です。

私立病院(大手医療法人・社会福祉法人)

  • 勤続3年(自己都合):約30〜60万円
  • 勤続5年(自己都合):約80〜150万円
  • 勤続10年(自己都合):約200〜400万円
  • 勤続20年(自己都合):約500〜900万円
  • 勤続30年(定年退職):約800〜1,500万円

私立病院の退職金は病院ごとに独自の規程で決まるため、金額のばらつきが大きいです。大手医療法人グループ(徳洲会、IMSグループ、上尾中央医科グループ等)は比較的充実していますが、独立系の単独病院では公立の半額以下ということも珍しくありません。

多くの私立病院は「退職金共済制度」に加入しています。中小企業退職金共済(中退共)の場合、月額掛金5,000〜30,000円を病院が拠出し、退職時にまとめて支給される仕組みです。掛金が低い場合は退職金も少なくなります。

クリニック(有床・無床診療所)

  • 勤続3年(自己都合):約10〜30万円
  • 勤続5年(自己都合):約30〜80万円
  • 勤続10年(自己都合):約80〜200万円
  • 勤続20年(自己都合):約200〜500万円

クリニックの退職金は病院と比べて低い傾向にあります。特に個人経営のクリニックでは退職金制度そのものがないケースも約30%にのぼります。入職前に「退職金制度の有無」と「退職金規程の閲覧」を必ず確認してください。

訪問看護ステーション

  • 勤続3年:約15〜40万円
  • 勤続5年:約40〜100万円
  • 勤続10年:約100〜250万円

訪問看護ステーションは母体法人の規模によって差が大きいです。大手法人が運営するステーションは病院に準じた退職金制度を持つ場合がありますが、小規模ステーション(看護師5名以下)では退職金制度がないケースも多いです。

退職金の計算方法|3つの主要方式

退職金の計算方法は病院によって異なります。主な3方式を理解しておきましょう。

方式1:基本給連動型

最も一般的な方式で、公立病院や大規模病院で採用されています。

計算式:退職時の基本給 × 勤続年数別の支給率 × 退職事由係数

例:基本給28万円 × 支給率15.0(勤続10年・自己都合)× 退職事由係数0.8 = 336万円

この方式では基本給が高いほど退職金も高くなります。そのため「基本給を低く抑えて手当で補填する」タイプの病院は、退職金が低くなりがちです。月収が同じでも、基本給の割合が高い病院のほうが退職金では有利です。

方式2:ポイント制

毎年一定のポイントが付与され、退職時のポイント合計 × ポイント単価で退職金を算出する方式です。

計算式:累積ポイント × ポイント単価(例:1ポイント=10,000円)× 退職事由係数

ポイント制は年功序列的な要素と成果評価の要素をバランスよく反映でき、近年導入する病院が増えています。毎年付与されるポイントが職位や評価に連動するため、昇進が早い人ほど退職金も多くなります。

方式3:退職金共済制度(中退共・社会福祉施設職員退職手当共済等)

中小規模の病院やクリニックで多い方式です。病院が外部の共済団体に毎月掛金を拠出し、退職時に共済団体から直接退職金が支払われます。

中退共の場合、掛金月額5,000〜30,000円で、勤続10年・掛金10,000円の場合の退職金は約130万円です。掛金20,000円なら約260万円。掛金の額によって退職金が決まるため、入職時に「退職金共済の掛金月額」を確認しておくことが重要です。

社会福祉施設職員退職手当共済は、社会福祉法人が加入する制度で、勤続10年で約180万円、20年で約500万円が目安です。

自己都合退職と会社都合退職で退職金はどれくらい違う?

退職金は退職理由によって金額が変わります。一般的に、会社都合(病院の閉院、リストラ等)のほうが自己都合よりも高額です。

退職事由による支給率の違い

  • 定年退職:支給率100%(満額支給)
  • 会社都合退職(整理解雇等):支給率100%(満額支給)
  • 勧奨退職(早期退職制度):支給率100〜120%(割増支給の場合あり)
  • 自己都合退職:支給率60〜80%(勤続年数が長いほど100%に近づく)

自己都合退職の場合、勤続3年では満額の60%程度しか支給されないことが多いです。勤続10年を超えると80%、20年を超えると90〜100%に近づきます。つまり「どうせ辞めるなら少しでも長く勤めたほうが退職金は増える」のですが、不満を抱えたまま退職金のためだけに残るのは精神的に辛い選択です。退職金の差額と、転職で得られる年収アップを天秤にかけて判断しましょう。

退職金で損しないために確認すべき5つのポイント

退職前に以下の5点を必ず確認してください。知らないまま退職すると、本来もらえるはずの退職金を取りこぼすリスクがあります。

1. 退職金規程の閲覧

労働基準法第89条では、退職金制度がある場合は就業規則への記載が義務付けられています。人事部や総務部に「退職金規程を見せてください」と言えば閲覧できます。計算方法、支給率テーブル、支給要件を確認し、自分の退職金を概算してください。

2. 退職金の支給対象かどうか

多くの病院では「勤続3年以上」が退職金の支給条件です。勤続2年11ヶ月で退職すると退職金ゼロ、3年0ヶ月で退職すると50万円、というケースもあります。退職のタイミングは退職金の支給条件を確認してから決めましょう。

3. 基本給の確認(基本給連動型の場合)

基本給連動型の退職金制度では、退職時の基本給が計算の基礎になります。「来年4月に昇給してから退職する」のと「今年度中に退職する」のでは、基本給の差がそのまま退職金の差になります。昇給額×支給率の分だけ退職金が増えるため、タイミングの検討が重要です。

4. 退職金にかかる税金

退職金には「退職所得控除」という大きな税制優遇があります。勤続年数に応じた控除額が設定されており、控除後の金額の1/2が課税対象です。

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

例えば勤続10年で退職金350万円の場合:退職所得控除は40万円×10年=400万円。控除額が退職金を上回るため、税金はゼロです。勤続10年以下で退職金400万円以内であれば、ほとんどの場合非課税になります。

5. 退職金の支給時期

退職金の支給時期は病院によって異なります。退職日当日に支給される場合もあれば、退職後1〜3ヶ月後という場合もあります。次の職場が決まるまでの生活費を退職金で賄おうと考えている場合、支給時期を事前に確認してキャッシュフロー計画を立てましょう。

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退職金がない・少ない場合の資産形成戦略

退職金制度がない病院に勤務している場合や、転職が多く退職金が少ない場合は、自分で退職金に相当する資産を形成する必要があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)で自分退職金を作る

iDeCoは月額12,000〜23,000円を積み立て、60歳以降に受け取る制度です。掛金は全額所得控除、運用益は非課税、受取時も退職所得控除が適用されるという三重の税制優遇があります。月20,000円を20年間積み立てた場合、元本だけで480万円。年利3%で運用できれば約660万円になります。退職金制度がない病院の看護師は、iDeCoへの加入を強くおすすめします。

つみたてNISAで流動性のある資産を持つ

iDeCoは60歳まで引き出せないため、それより前に使いたい資金はつみたてNISA(新NISA)で積み立てましょう。年間120万円までの投資枠があり、運用益は非課税。いつでも換金できるため、転職時の生活資金としても使えます。

まとめ|退職金を知って、賢いキャリア判断を

看護師の退職金は勤続年数・病院タイプ・退職理由によって大きく異なります。公立病院の勤続20年で約800〜1,200万円、私立病院で約500〜900万円、クリニックで約200〜500万円が目安です。退職金制度がない病院も約15%存在するため、入職時・転職時には必ず確認しましょう。

退職金は長期的なキャリア判断に大きく影響します。「退職金が高い病院にあと5年いるべきか」「退職金は低いが年収が高い病院に転職すべきか」。この判断は退職金の金額だけでなく、年収差、職場環境、キャリアの成長性を総合的に考慮して行うべきです。

退職金を含めた総合的な年収アップを目指す方は、転職エージェントに相談して「退職金込みの生涯年収」で比較することをおすすめします。目先の月収だけでなく、退職金・福利厚生・昇給カーブを含めたトータルパッケージで職場を評価しましょう。

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