看護師の有給休暇が取れない?法的権利と確実に取得するための対処法を解説【2026年版】

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はたらく看護師さん 編集部
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結論から言うと、看護師であっても有給休暇は法律で保障された権利であり、「取れない」状態は違法の可能性があります。労働基準法第39条では、6ヶ月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者には年次有給休暇を与えなければならないと定められています。しかし現実には「有給を申請しにくい」「申請しても却下される」という声が看護師から後を絶ちません。この記事では、有給休暇に関する正しい法律知識と、確実に有給を取得するための具体的な対処法を解説します。

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この記事でわかること

  • 看護師の有給休暇の法的権利と「取れない」が違法になるケース
  • 有給休暇を確実に取得するための申請のコツと交渉術
  • 有給を拒否された場合の労働基準監督署への相談方法と手順

看護師の有給休暇に関する法的権利

まず、有給休暇に関する基本的な法律知識を整理しましょう。看護師だからといって特別な制限はなく、一般の労働者と同じ権利が保障されています。

年次有給休暇の付与日数

フルタイム勤務の看護師の場合、以下の日数が付与されます。

  • 勤続6ヶ月:10日
  • 勤続1年6ヶ月:11日
  • 勤続2年6ヶ月:12日
  • 勤続3年6ヶ月:14日
  • 勤続4年6ヶ月:16日
  • 勤続5年6ヶ月:18日
  • 勤続6年6ヶ月以上:20日(上限)

これは労働基準法で定められた最低基準であり、就業規則でこれより多い日数を設定している病院もあります。パートやアルバイトの看護師にも、勤務日数に応じた有給休暇が付与されます。

年5日の取得義務化(2019年施行)

2019年4月から、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年5日の有給休暇を取得させることが使用者に義務付けられました。これに違反した場合、使用者(病院)には労働者1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります。つまり「有給を1日も取れない」という状況は、明確に法律違反です。

有給休暇の時季指定権と時季変更権

有給休暇をいつ取るかを決める権利(時季指定権)は労働者にあります。一方、使用者には「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、有給の時季を変更させる権利(時季変更権)があります。ここで重要なのは「変更」であって「拒否」ではないという点です。使用者は有給の取得自体を拒否することはできず、別の日に変更するよう求めることしかできません。

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「有給が取れない」が違法になる5つのケース

以下のようなケースは、労働基準法違反に該当する可能性が高いです。

  1. 有給の申請を受け付けない:「うちの病棟では有給は取れません」と門前払いされるケース。これは明確な違法行為です
  2. 代替日の提案なく一方的に拒否する:時季変更権の行使は「別の日に変更」が前提。代替日を示さない拒否は権利の濫用です
  3. 年5日の有給が取得できない:年10日以上付与されている看護師が年5日の有給を取得できていない場合、病院側の義務違反です
  4. 有給取得を理由に不利益な扱いを受ける:有給を取ったことで評価を下げられる、嫌がらせを受けるなどは労働基準法第136条で禁止されています
  5. 退職時の有給消化を拒否される:退職が決まった後の有給消化に対して、使用者は時季変更権を行使できません。退職日以降に変更するという選択肢がないためです

有給を確実に取得するための申請のコツ

法律上の権利を理解した上で、実務的に有給を取得しやすくするためのコツを紹介します。

1. 早めに申請する

有給を取りたい日が決まったら、できるだけ早く申請しましょう。1ヶ月前に申請すれば、シフト調整の余裕があるため承認されやすくなります。直前の申請は「事業の正常な運営を妨げる」と判断される可能性が高まります。

2. 繁忙期を避ける

インフルエンザの流行期や年末年始など、病棟が特に忙しい時期を避けて申請するのが現実的です。権利としてはいつでも取得できますが、円滑な人間関係を維持するためにも、可能な範囲で配慮するとよいでしょう。

3. 書面で申請する

口頭での申請は「聞いていない」と言われるリスクがあります。病院所定の有給休暇申請書を使い、日付と署名入りで提出しましょう。コピーを手元に保管しておくことも重要です。メールでの申請が可能な職場であれば、送信記録が残るメールで申請するのも有効です。

4. 同僚と連携する

有給取得が難しい職場では、同僚と協力して「交代で有給を取る」体制を作ることが効果的です。「来月は私が○日、あなたが△日」と事前に調整しておけば、師長も承認しやすくなります。

5. 理由は伝えなくてよい

有給休暇の取得に理由を述べる義務はありません。「私用のため」で十分です。しかし現実には理由を聞かれることが多いため、「家族の用事」「通院」など差し障りのない回答を用意しておくとスムーズです。理由を述べないことを理由に有給を拒否することは違法です。

有給を拒否された場合の段階的な対処法

申請した有給が拒否された場合、段階を追って対処していきましょう。

ステップ1:師長・上司に再度相談する

まずは冷静に「代替日はいつなら可能か」を確認します。時季変更権は「変更」であって「拒否」ではないため、代替日の提案を求めましょう。「法律上、年5日の有給取得は義務付けられていますが、どのように取得すればよいですか」と穏やかに聞くことで、相手も対応せざるを得なくなります。

ステップ2:看護部長・人事部に相談する

師長レベルで解決しない場合は、看護部長や人事部に相談します。「有給の年5日取得義務を守れていない状況について」と伝えれば、病院全体の法令遵守の問題として対応してもらえる可能性が高いです。

ステップ3:労働基準監督署に相談する

院内で解決しない場合、最終的な手段として労働基準監督署に相談できます。相談は無料で匿名でも可能です。

  • 相談方法:最寄りの労働基準監督署に電話または直接訪問。厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」(0120-811-610)でも相談可能
  • 準備する書類:有給休暇の申請書のコピー、勤務表(シフト表)、就業規則の写し、有給残日数がわかる書類
  • 相談後の流れ:労基署は必要に応じて病院への調査・是正勧告を行います。相談したことを理由に不利益な扱いを受けることは法律で禁止されています
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退職時の有給消化を確実に行う方法

退職を決意した場合、残っている有給休暇をすべて消化する権利があります。

退職届提出のタイミングを計算する

有給が20日残っている場合、退職日の1ヶ月前(引き継ぎ期間)+20日前に退職届を出す必要があります。例えば3月31日に退職したい場合、引き継ぎ1ヶ月+有給20日=約50日前、つまり2月上旬には退職届を提出しましょう。

有給消化を拒否された場合

退職時の有給消化を拒否することは法的に困難です。退職日が確定している以上、使用者は時季変更権を行使できません(変更先の日が存在しないため)。拒否された場合は「退職時の有給消化は法律で認められた権利です」と伝え、それでも応じない場合は労基署に相談しましょう。

有給の買い取りという選択肢

原則として有給の買い取りは労働基準法で禁止されていますが、退職時に未消化の有給を買い取ることは例外的に認められています。ただしこれは病院側の義務ではなく、あくまで「合意に基づく措置」です。有給消化が難しい場合の交渉カードとして知っておくとよいでしょう。

有給が取りやすい職場の特徴

今後の転職や職場選びの参考として、有給が取りやすい職場の特徴を挙げます。

  • 有給取得率を公開している:求人票や病院のホームページで有給取得率を公表している施設は、取得を推進している証拠です
  • 計画年休制度がある:年間の有給取得計画をあらかじめ組み込むことで、確実に有給が取れる仕組み
  • 看護師の配置人数に余裕がある:ギリギリの人員配置では1人が休むと回らなくなるため、余裕のある配置が重要
  • 師長・管理職が率先して有給を取っている:上司が有給を取る文化がある職場では、スタッフも取りやすい

有給が取りにくい環境で働き続けることは、心身の健康にも影響します。法的な権利を正しく理解し、それでも改善しない場合は、有給が取りやすい職場への転職も選択肢に入れてみてください。

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