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看護師が休職する場合、傷病手当金として給与の約3分の2(標準報酬日額の3分の2)が最長18ヶ月間支給されます。たとえば月給30万円の看護師なら、休職中に月額約20万円を受け取れる計算です。しかし、手続きの流れや申請のタイミングを知らずに休職に入ると、支給開始が遅れたり、そもそも受給できなかったりするケースがあります。
この記事では、休職を検討するタイミング、主治医の診断書取得から職場への申し出、傷病手当金の申請手順、そして復帰までの流れをフローチャート形式で解説します。今つらい状況にある方が、次に何をすべきかを迷わず進められるように構成しています。
休職を考えるべきタイミング
看護師が休職を検討するきっかけは大きく3つに分類されます。以下の状態が2週間以上続いている場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
メンタルヘルスの不調
- 朝、起き上がれない、出勤前に涙が出る
- 業務中に集中力が保てず、ミスが増えた
- 休日も仕事のことが頭から離れず、休んだ気がしない
- 食欲の低下・過食、不眠・過眠が続いている
- 「消えたい」「もう無理」という気持ちが繰り返し浮かぶ
身体の不調
- 腰痛や頸椎症で業務に支障が出ている
- 手術や入院が必要な疾患が見つかった
- 妊娠中の切迫早産で安静が必要になった
- 持病の悪化で通常勤務が困難になった
バーンアウト(燃え尽き症候群)
- 患者に対して感情的に無関心になっている
- 以前は感じていた看護へのやりがいが完全に消えた
- 慢性的な疲労感が休息では回復しない
- 同僚や患者に対してイライラや怒りが抑えられない
「まだ頑張れる」と我慢し続けると、回復に時間がかかります。看護師は自分の体調変化に対して後回しにしがちですが、早めの対処が結果的に復帰を早めます。
【フローチャート】休職の手続き全体の流れ
休職の手続きは以下の順番で進みます。各ステップの詳細は次のセクションで解説します。
Step 1:医療機関を受診し、診断書を取得する
↓
Step 2:上司(師長)に休職の意思を伝える
↓
Step 3:病院の人事部門で休職手続きを行う
↓
Step 4:傷病手当金の申請書類を準備・提出する
↓
Step 5:休職期間中の過ごし方
↓
Step 6:復帰に向けた準備と面談
↓
Step 7:職場復帰 or 退職・転職の判断
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Step 1:医療機関を受診し、診断書を取得する
休職には主治医の診断書が必要です。メンタルヘルスの不調であれば心療内科または精神科、身体の不調であればそれぞれの専門科を受診しましょう。
受診時に伝えるべきこと
- 症状の経過:いつから、どのような症状が出ているか
- 業務への影響:集中力の低下、ミスの増加、出勤困難など
- 職場環境:夜勤の回数、残業時間、人間関係の問題
- 休職の希望:「休職したい」とはっきり伝える。医師は患者の希望を踏まえて判断する
診断書について
- 費用:1通あたり3,000〜5,000円程度(医療機関により異なる)
- 記載内容:病名、休養が必要な旨、休職の推奨期間
- 発行までの期間:初診当日に発行してもらえる場合もあれば、2〜3回の通院後に発行する医師もいる
- 注意点:職場への提出用と自分の控えの2通を依頼しておくと安心
Step 2〜3:職場への申し出と休職手続き
上司(師長)への伝え方
診断書を取得したら、直属の上司(看護師長)に休職の意思を伝えます。伝えにくい場合は、以下のポイントを参考にしてください。
- 対面が難しければ、まず電話やメールで「体調不良で相談したい」と伝える
- 診断書を提示しながら、「医師から休養を勧められた」と伝える
- 「いつから休みたいか」「現時点での見通し(○ヶ月程度)」を伝えられるとスムーズ
- 引き継ぎについては、可能な範囲で対応する姿勢を見せる(無理はしない)
人事部門での手続き
- 就業規則の確認:休職期間の上限(3ヶ月〜2年など病院により異なる)を確認
- 提出書類:休職届、診断書(原本)
- 休職中の待遇:基本給・賞与の扱い、社会保険料の負担方法を確認
- 連絡方法:休職中の連絡頻度と手段(月1回のメールなど)を決めておく
Step 4:傷病手当金の申請手順
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休んだ際に健康保険から支給される給付金です。看護師が休職する場合、多くの方が対象になります。
支給される条件(4つすべてを満たす必要あり)
- 条件1:業務外の事由による病気・ケガであること(労災は別制度)
- 条件2:仕事に就くことができない状態であること
- 条件3:連続して3日間休んだ後(待期期間)、4日目以降であること
- 条件4:休職期間中に給与の支払いがないこと(有給休暇との併用は不可)
支給金額の計算方法
1日あたりの支給額は以下の計算式で算出されます。
支給日額 = 支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
| 月給(額面) | 月額支給見込み(概算) | 最長受給総額(18ヶ月) |
|---|---|---|
| 25万円 | 約16.7万円 | 約300万円 |
| 30万円 | 約20万円 | 約360万円 |
| 35万円 | 約23.3万円 | 約420万円 |
| 40万円 | 約26.7万円 | 約480万円 |
申請に必要な書類
- 傷病手当金支給申請書(加入している健康保険の所定様式)
- 被保険者記入用(本人が記入)
- 事業主記入用(病院の人事・経理が記入)
- 療養担当者記入用(主治医が記入)
- 提出先:加入している健康保険組合または協会けんぽ
- 提出タイミング:1ヶ月ごとに申請するのが一般的(まとめて申請も可能だが、入金が遅れる)
申請時の注意点
- 有給休暇を使い切ってから傷病手当金に切り替えるのが一般的。有給期間中は傷病手当金は支給されない
- 退職後も、退職日まで1年以上被保険者期間があり、退職日に出勤していなければ継続受給が可能
- 社会保険料(健康保険・厚生年金・住民税)は休職中も支払いが発生する。支払い方法を人事に確認すること
Step 5:休職期間中の過ごし方
休職中は「休むこと」が最優先です。特に最初の1〜2ヶ月は、回復に専念してください。
休職初期(1〜2ヶ月目):とにかく休む
- 睡眠と食事のリズムを整えることに集中する
- 「何もしていない自分」を責めない。休むことも治療の一環
- SNSや仕事関連の情報からは距離を置く
- 定期的に主治医の診察を受ける(2〜4週間に1回が目安)
休職中期(3〜4ヶ月目):少しずつ活動量を増やす
- 散歩や軽い運動から始める
- 図書館やカフェなど、自宅以外の場所に出かけてみる
- 趣味や興味のあることに時間を使う
- 復帰のことはまだ考えなくてよい。焦らない
休職後期(5〜6ヶ月目〜):復帰準備を始める
- 通勤と同じ時間に起きて、外出する練習をする
- 看護の勉強や資格取得の学習を少しずつ再開する
- 主治医と復帰時期について相談する
- 職場の人事担当者と連絡を取り、復帰条件を確認する
Step 6〜7:職場復帰と復帰先の判断
復帰までの具体的な流れ
- 主治医の復帰許可:「就労可能」の診断書を発行してもらう
- 産業医面談:病院に産業医がいる場合、復帰前に面談が行われる
- 師長・人事との面談:復帰後の配属先、勤務形態(時短・日勤のみなど)を相談
- 試し出勤:いきなりフル勤務ではなく、段階的に勤務時間を増やしていく制度がある病院も
元の職場に復帰するか、転職するかの判断基準
休職の原因が解消されていない場合、同じ職場に復帰しても再発するリスクがあります。以下の観点で判断してください。
| 判断軸 | 元の職場に復帰 | 転職を検討 |
|---|---|---|
| 休職の原因 | 一時的な過労・体調不良で、環境は悪くない | パワハラ・人間関係が原因で、環境が変わる見込みがない |
| 配属先の変更 | 部署異動で環境が変わる可能性がある | 異動の余地がない、小規模な病院 |
| 復帰プログラム | 段階的な復帰制度(時短勤務等)が整っている | 制度がなく、フル勤務をすぐに求められる |
| 経済面 | 退職金・勤続年数のメリットがある | 転職で給与・条件が改善する見込みがある |
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よくある質問(FAQ)
Q. 休職すると、キャリアに傷がつきますか?
A. 転職の際に休職歴を申告する義務はありません。履歴書に「休職」と書く欄もないため、在籍期間として記載するのが一般的です。面接で空白期間を聞かれた場合は「体調管理のため」と簡潔に答えれば問題ありません。
Q. 休職中にアルバイトはできますか?
A. 傷病手当金の受給条件は「仕事に就くことができない状態」であるため、アルバイトをすると受給資格を失う可能性が高いです。休職中の副業は避けてください。
Q. 休職中に退職した場合、傷病手当金はもらえますか?
A. 退職日までに1年以上の被保険者期間があり、退職日に傷病手当金を受給中(または受給要件を満たしている)であれば、退職後も残りの期間の支給を受けられます。ただし、退職日に出勤すると受給資格を失うため、退職日は出勤しないでください。
Q. 精神科を受診することに抵抗があります。
A. 最初は「心療内科」を受診するとハードルが下がるかもしれません。心療内科は身体症状を伴うストレス関連疾患を専門としており、「胃が痛い」「眠れない」という身体の不調を入り口に相談できます。内科のような雰囲気のクリニックも多くあります。
Q. 休職の期間はどのくらいが一般的ですか?
A. メンタルヘルスの不調の場合、3〜6ヶ月が一般的です。ただし、個人差が大きく、1ヶ月で回復する方もいれば1年以上かかる方もいます。焦って復帰すると再発するリスクがあるため、主治医と相談しながら決めてください。
まとめ:休職は「逃げ」ではなく、回復のための手段
休職に対して「キャリアが途切れる」「周囲に迷惑をかける」と罪悪感を持つ方は少なくありません。しかし、心身の限界を超えて働き続けることの方が、長期的にはキャリアにも健康にもダメージを与えます。傷病手当金という制度を活用し、まずはしっかり回復することが最優先です。
休職後に元の職場に復帰するか、新しい環境を探すかは、回復してから判断すれば十分です。もし復帰先を変えたいと感じたら、休職後の復帰先探しもアドバイザーがサポートしてくれます。「休職経験がある」ということを理解してくれる職場を、一緒に探してもらえるので安心です。まずは今の自分を大切にしてください。






