看護師が退職後にもらえる失業保険|受給条件・金額・手続きの流れ

編集部
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看護師が退職後にもらえる失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、年収400万円の場合で月額約15万〜17万円、受給期間は90日〜150日が目安です。「退職後にどれくらいのお金がもらえるのか」は、転職を考える看護師にとって最も気になるポイントの一つでしょう。

この記事では、看護師が退職した場合の失業保険について、受給条件・金額の計算方法・手続きの流れを具体的に解説します。自己都合退職と会社都合退職の違い、受給中のアルバイトのルール、再就職手当の活用法まで、退職前に知っておくべき情報を網羅しています。

失業保険の受給条件

失業保険を受け取るには、以下の3つの条件すべてを満たす必要があります。

条件1:雇用保険に加入していたこと

正社員として病院に勤務していた看護師は、基本的に雇用保険に加入しています。週20時間以上の労働で雇用保険の加入対象となるため、パートやアルバイトでも条件を満たしていれば対象です。

ただし、公務員(公立病院の正規職員)は雇用保険の対象外です。公務員には「退職手当」制度がありますが、失業保険は受け取れません。この点は注意が必要です。

条件2:離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上

退職日からさかのぼって2年間の間に、雇用保険に加入していた期間が通算12ヶ月以上あることが必要です。1つの職場で12ヶ月以上勤務していれば問題なく満たせます。

ただし、会社都合退職や正当な理由のある自己都合退職(いわゆる「特定受給資格者」「特定理由離職者」)の場合は、離職日以前1年間に6ヶ月以上で条件を満たせます。

条件3:就職する意思と能力がある

失業保険は「働く意思があるが、就職先が見つからない」状態の方に支給される手当です。以下のケースは受給対象外となります。

  • すでに次の就職先が決まっている(再就職手当の対象にはなる場合あり)
  • 妊娠・出産・育児・病気で「すぐには働けない」状態 → ただし受給期間の延長申請(最大4年間)が可能
  • 自営業を始めた(開業届を出した場合)
  • 家事に専念するために退職した場合

看護師が出産を理由に退職する場合は、受給期間の延長申請を忘れずに行いましょう。延長しておけば、育児が落ち着いてから失業保険を受給することができます。

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自己都合退職と会社都合退職の違い

失業保険の受給において、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで、受給開始時期と給付日数が大きく異なります

自己都合退職の場合

看護師の退職は大半がこちらに該当します(転職・人間関係・結婚など)。

  • 給付制限期間:ハローワークでの手続き後、7日間の待期期間 + 2ヶ月の給付制限(2020年10月以降、5年間で2回まで。3回目以降は3ヶ月)
  • 給付日数:雇用保険の加入期間に応じて90日〜150日

つまり、自己都合退職の場合は退職後約2ヶ月半は失業保険がもらえないことになります。この期間の生活費は自己資金で賄う必要があるため、退職前に最低でも生活費3ヶ月分の貯金を確保しておくことが重要です。

会社都合退職の場合

病院の閉院、リストラ、労働条件の大幅変更などによる退職です。

  • 給付制限期間:なし。7日間の待期期間のみで受給開始
  • 給付日数:雇用保険の加入期間と年齢に応じて90日〜330日

会社都合退職は給付日数が自己都合の最大2倍以上になることがあり、経済的なメリットは大きいです。

「特定理由離職者」になれるケース

自己都合退職でも、以下に該当する場合は「特定理由離職者」として、会社都合と同等の扱いを受けられる場合があります。

  • 体力の不足、心身の障害(うつ病・適応障害など、医師の診断書がある場合)
  • 妊娠・出産・育児により離職し、受給期間延長をした場合
  • 家族の介護のためにやむを得ず退職した場合
  • 配偶者の転勤に伴う退職
  • 通勤困難(通勤時間が往復4時間以上になった場合など)

看護師に多いのは「心身の障害」(バーンアウト・うつ)を理由とするケース。医師の診断書があれば、給付制限なし・給付日数も優遇される可能性があります。該当する方はハローワークで相談してみてください。

失業保険の受給額シミュレーション|看護師の年収別

失業保険の1日あたりの受給額(基本手当日額)は、退職前6ヶ月間の賃金総額をもとに計算されます。

基本手当日額の計算方法

計算式は以下の通りです。

  • 賃金日額 = 退職前6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180日
  • 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50%〜80%。賃金日額が低いほど給付率が高い)

「退職前6ヶ月間の賃金」には、基本給・夜勤手当・残業代・通勤手当が含まれますが、ボーナスは含まれません。夜勤手当が多い看護師は、賃金日額が高くなるため、受給額も多くなります。

年収別の受給額シミュレーション

以下は、29歳以下の看護師が自己都合退職した場合の概算です(2026年度の上限額を適用)。

年収350万円(月額29万円)の場合

  • 賃金日額:約9,700円
  • 基本手当日額:約5,800円(給付率約60%)
  • 月額受給額:約17.4万円(30日計算)
  • 給付日数90日の場合の総額:約52.2万円

年収400万円(月額33万円)の場合

  • 賃金日額:約11,000円
  • 基本手当日額:約6,100円(給付率約55%)
  • 月額受給額:約18.3万円(30日計算)
  • 給付日数90日の場合の総額:約54.9万円

年収500万円(月額35万円・夜勤手当込み)の場合

  • 賃金日額:約11,700円
  • 基本手当日額:約6,400円(給付率約55%)
  • 月額受給額:約19.2万円(30日計算)
  • 給付日数120日の場合の総額:約76.8万円

注意点として、基本手当日額には上限があります。2026年度の30歳未満の上限は約6,945円/日、30〜44歳は約7,715円/日です。年収が高くても、受給額はこの上限に達すると頭打ちになります。

ハローワークでの手続き手順

失業保険を受け取るには、退職後にハローワーク(公共職業安定所)で手続きを行う必要があります。具体的な流れを時系列で解説します。

退職前の準備

  • 離職票を受け取る:退職後10日以内に前の職場から届きます。届かない場合は催促を
  • 必要書類を準備:離職票(1・2)、マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)、印鑑、通帳(振込先口座)、証明写真2枚(縦3cm×横2.4cm)

手続きの流れ

Day 1(ハローワーク初回訪問)

  • 居住地管轄のハローワークに行き、求職の申し込みと失業保険の受給手続きを行う
  • 雇用保険受給資格者証が交付される
  • 「雇用保険受給者初回説明会」の日程が案内される(約1〜2週間後)

Day 1〜7(待期期間)

  • 7日間の待期期間。この間は失業状態である必要がある(アルバイト不可)

Day 7以降(自己都合退職の場合:給付制限2ヶ月)

  • 自己都合退職の場合、待期期間終了後さらに2ヶ月の給付制限がある
  • この期間中もハローワークへの定期的な来所(認定日)は必要
  • 給付制限期間中もアルバイトは可能(ただし条件あり)

受給開始後(4週間ごとの認定日)

  • 4週間に1回、ハローワークに来所して「失業認定」を受ける
  • 認定期間中に2回以上の求職活動実績が必要(求人検索、面接、セミナー参加など)
  • 認定後、約1週間で指定口座に基本手当が振り込まれる

受給中のアルバイトのルール

失業保険を受給しながらアルバイトをすることは可能ですが、いくつかのルールを守る必要があります

アルバイトの条件

  • 1日4時間以上のアルバイト:その日は「就労した」とみなされ、基本手当は支給されない。ただし不支給日数分の給付は後にスライドされる(もらえなくなるわけではない)
  • 1日4時間未満のアルバイト:収入額に応じて基本手当が減額される(内職・手伝い扱い)
  • 週20時間以上の継続的な就労:「就職した」とみなされ、失業保険の受給は終了

看護師の場合、単発の健診バイトや1日限りのイベントナースなどは、ハローワークに正直に申告すれば問題なく行えます。重要なのは「必ず認定日にアルバイトの実績を正直に申告する」こと。無申告は「不正受給」として3倍の返還を求められることがあります。

再就職手当の活用法

失業保険の受給期間中に早期に再就職が決まった場合、「再就職手当」としてまとまった金額を一括で受け取ることができます。看護師は求人が豊富なため、再就職手当を活用しやすい立場にあります。

再就職手当の金額

  • 給付残日数が3分の2以上残っている場合:基本手当日額 × 残日数 × 70%
  • 給付残日数が3分の1以上残っている場合:基本手当日額 × 残日数 × 60%

具体例を計算してみましょう。基本手当日額6,000円、給付日数90日の看護師が、受給開始後30日で再就職した場合:

  • 残日数:90日 − 30日 = 60日(3分の2以上)
  • 再就職手当:6,000円 × 60日 × 70% = 252,000円

約25万円を一括で受け取れるのは大きいです。「失業保険を満額もらうまで再就職しない」よりも、「早く再就職して再就職手当を受け取る」方が、トータルでは有利になることも多いです。

再就職手当の受給条件

  • 待期期間(7日間)の経過後に就職したこと
  • 給付残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年以上の雇用が見込まれること
  • 前の職場に再就職していないこと
  • 自己都合退職の給付制限期間中の最初の1ヶ月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であること
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失業保険と転職活動の両立

失業保険を受け取りながら転職活動を行うのは、まったく問題ありません。むしろハローワークでは積極的な求職活動を求められるため、転職活動は失業保険受給の必須条件とも言えます。

看護師の転職活動は有利

看護師は有効求人倍率2倍以上の売り手市場が続いているため、転職活動を始めれば1〜2ヶ月で内定が出るケースがほとんどです。転職エージェントを利用すれば、求人の紹介から面接対策、条件交渉まで無料でサポートしてもらえます。

転職エージェントへの登録・相談はハローワークの求職活動実績にカウントされます。エージェントとの面談1回で1回分の実績になるため、失業保険の認定もスムーズに進みます。

退職前に転職活動を始めるべき理由

失業保険を当てにして退職してから転職活動を始める方もいますが、可能であれば在職中に転職活動を開始する方が有利です。理由は以下の通りです。

  • 経済的な余裕:在職中なら収入がある状態で活動できるため、焦って条件の悪い職場に決めてしまうリスクが低い
  • ブランクなし:退職から再就職までの空白期間がないため、履歴書の印象が良い
  • 交渉力:「今の職場もあるので」と条件交渉がしやすい

看護師専門の転職エージェントは在職中の相談も歓迎しています。「まだ退職は決めていないけど、情報収集だけしたい」という段階から活用できます。自分の市場価値を知っておけば、退職するかどうかの判断材料にもなります。

まとめ:退職後のお金の不安を解消して、前に進もう

看護師の失業保険のポイントを整理します。

  • 受給額の目安:年収400万円で月約15万〜17万円。90日〜150日間受給可能
  • 自己都合退職は2ヶ月の給付制限あり。退職前に生活費3ヶ月分の貯金を
  • 特定理由離職者に該当すれば、自己都合でも給付制限なし・給付日数増
  • 再就職手当を活用すれば、早期再就職でまとまった金額が受け取れる
  • 受給中のアルバイトは可能だが、必ず正直に申告する
  • 在職中に転職活動を始めるのが最も有利

退職後のお金の不安は、正確な情報を持っていれば大幅に軽減できます。失業保険の制度をしっかり理解した上で、自分にとってベストなタイミングで次のキャリアに踏み出しましょう。転職を考えている方は、まず自分の市場価値や条件に合った求人があるかどうか、看護師専門の転職サービスで情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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