注射の種類と手技の完全ガイド|皮下・筋肉・静脈注射の手順と違いを看護学生向けに解説

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注射は看護師の業務の中で特に責任が重い手技であり、種類によって穿刺角度・部位・注意点が大きく異なります。皮下注射、筋肉注射、静脈注射にはそれぞれ明確な使い分けがあり、正しい手順を理解していないと患者さんに重大な影響を与える可能性があります。この記事では各注射の手順を体系的に解説し、実習で自信を持って臨めるようにまとめました。

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この記事でわかること

  • 皮下注射・筋肉注射・静脈注射の手順と穿刺角度の違い
  • 各注射の適切な部位の選び方と安全管理のポイント
  • 注射時の6R確認とインシデントを防ぐための注意事項

注射の種類と基本的な違い

看護師が行う注射は主に3種類あり、薬液を到達させる組織の深さが異なります。どの注射を行うかは医師の指示書に明記されており、自己判断で変更することはできません。

  • 皮下注射(SC / Subcutaneous):皮下組織に薬液を注入。穿刺角度10〜30度。インスリンやヘパリンなど
  • 筋肉注射(IM / Intramuscular):筋肉組織に薬液を注入。穿刺角度45〜90度。ワクチンや一部の抗菌薬など
  • 静脈注射(IV / Intravenous):静脈内に薬液を注入。穿刺角度15〜20度。即効性が求められる薬剤など

吸収速度は静脈注射が最も速く(直接血中へ)、次いで筋肉注射(筋肉内の豊富な血流)、皮下注射(皮下組織からの緩やかな吸収)の順です。この吸収速度の違いが、薬剤ごとに投与経路が指定される理由です。

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注射前の6R確認

すべての注射に共通して、6Rの確認は必須です。これを怠ると重大な医療事故につながります。

  1. Right Patient(正しい患者):フルネームと生年月日で照合
  2. Right Drug(正しい薬剤):薬剤名を指示書と照合
  3. Right Dose(正しい用量):単位と量を指示書と照合
  4. Right Route(正しい投与経路):皮下・筋注・静注を確認
  5. Right Time(正しい時間):投与時刻を確認
  6. Right Purpose(正しい目的):なぜこの薬剤を投与するのか理解

6Rの確認は「指示書を受けたとき」「薬剤を準備するとき」「投与する直前」の最低3回行います。実習中はさらに、指導者によるダブルチェックを受けてから実施します。

皮下注射の手順と注意点

皮下注射はインスリン注射や抗凝固薬(ヘパリン)の投与で頻繁に行われます。看護学生が最初に練習する注射の一つです。

穿刺部位

  • 上腕外側:最も一般的な部位。三角筋の下方
  • 腹部:インスリン注射で多用。臍から5cm以上離れた部位
  • 大腿前面外側:自己注射の練習にも適した部位

手順

  1. 6Rを確認し、薬液をシリンジに吸引する
  2. 注射部位をアルコール綿で消毒し、乾燥を待つ
  3. 皮膚をつまんで皮下組織を持ち上げる
  4. 針を10〜30度の角度で素早く穿刺する
  5. 逆血確認(血管内に入っていないことの確認)を行う
  6. ゆっくりと薬液を注入する(急速注入は疼痛の原因)
  7. 注入後、数秒そのままの状態を保持し、素早く抜針する
  8. アルコール綿で穿刺部位を軽く押さえる(揉まない)

皮下注射のポイントは「揉まない」ことです。特にヘパリンやインスリンは揉むと吸収速度が変わり、効果に影響が出ます。また、同じ部位に繰り返し注射すると硬結(しこり)ができるため、ローテーション(部位の回転)が重要です。

筋肉注射の手順と注意点

筋肉注射はワクチン接種や油性製剤の投与で行われます。コロナワクチンの接種で社会的にも注目された手技です。

穿刺部位の選び方

  • 三角筋中央部:最も一般的。肩峰から約3横指下の位置。ワクチン接種の標準部位
  • 中殿筋(クラークの点):大量の薬液を注入する場合に使用。腸骨稜の最も高い点と大転子を結ぶ線の上方1/3の点
  • 外側広筋(大腿外側):自己注射や乳児への筋注で使われる

注意:上殿部(ホッホシュテッターの部位)は坐骨神経損傷のリスクがあるため、現在はあまり推奨されていません。三角筋または中殿筋が第一選択です。

手順

  1. 6Rを確認し、薬液をシリンジに吸引する
  2. 注射部位を選定し、アルコール綿で消毒する
  3. 皮膚を伸展させて固定する(皮下注射と異なり「つまむ」のではなく「伸ばす」)
  4. 針を45〜90度の角度で素早く刺入する(筋肉まで到達させる)
  5. 逆血確認を行う(血液が吸引されたら血管に入っている。抜針して部位を変更する)
  6. ゆっくりと薬液を注入する
  7. 素早く抜針し、アルコール綿で穿刺部位を押さえる
  8. 注入した薬剤によって揉むか揉まないかを判断する(油性製剤は軽く揉んで拡散させる。ワクチンは揉まない)

静脈注射の手順と注意点

静脈注射は薬液を直接静脈内に投与するため、最も効果の発現が早い反面、最もリスクが高い注射です。看護学生は見学が中心で、実施は臨床に出てからが一般的ですが、手順の理解は必要です。

穿刺部位

採血と同じく、肘窩の静脈(正中皮静脈、橈側皮静脈)が第一選択です。点滴ルートとしては前腕の静脈も使われます。

手順

  1. 6Rを確認し、薬液を準備する。気泡を完全に抜く
  2. 駆血帯を巻き、血管を選択する
  3. 穿刺部位をアルコール綿で消毒する
  4. 針を15〜20度の角度で穿刺し、逆血を確認する
  5. 逆血を確認したら駆血帯を外す
  6. ゆっくりと薬液を注入する(急速注入は血管痛やショックの原因)
  7. 注入中は薬液の漏れ(血管外漏出)がないか穿刺部位を観察する
  8. 注入後、抜針して止血する

静脈注射で最も注意すべきは血管外漏出です。薬液が血管外の組織に漏れると、薬剤の種類によっては組織壊死を引き起こす可能性があります。注入中に穿刺部位の腫脹、疼痛、発赤が見られたら直ちに注入を中止し、報告します。

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安全管理と針刺し事故防止

注射に関する安全管理で最も重要なのが針刺し事故(ニードルスティック)の防止です。

  • リキャップ禁止:使用後の針にキャップを戻す行為は厳禁。針刺し事故の最大の原因
  • 即時廃棄:使用後の針は直ちにシャープスコンテナに廃棄する
  • 安全機構付き針の使用:使用後に針先をカバーする機構がついた針を積極的に使う
  • 手袋の着用:万が一の針刺しでも暴露量を減らす効果がある
  • 声かけ:「針を使います」「針を捨てます」と周囲に声をかける習慣

万が一、針刺し事故が発生した場合は、直ちに流水で傷口を洗い流し、指導者に報告します。感染対策部門での評価とフォローアップが必要になるため、小さな傷でも必ず報告することが義務づけられています。

まとめ:安全第一で注射スキルを磨く

注射は「正しい患者に、正しい薬剤を、正しい方法で、安全に投与する」ことが何よりも重要です。皮下・筋肉・静脈の3つの注射法はそれぞれ穿刺角度、部位、注意点が異なります。6Rの確認を習慣化し、手順を体に覚えさせ、安全管理を最優先する姿勢を身につけましょう。

実習では見学の機会も多いですが、見学中も「自分が実施するなら」という視点で手順を追うことが上達への近道です。手順書を何度も読み返し、シミュレーション練習を繰り返すことで、いざ実施する場面で確実な手技が行えるようになります。

関連記事:採血の手順8ステップとコツも合わせて確認し、穿刺系の看護技術を体系的にマスターしましょう。

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