医療区分は、療養病棟に入院している患者の医学的必要性を 3 段階で評価する仕組みです。医療区分 × ADL 区分の 9 マトリクスで入院料が決まり、医療区分 3 は区分 1 の約 2 倍の点数が算定できます。2025 年改定で評価項目の一部が見直され、スコアリングの精度が上がりました。本記事では区分 1 / 2 / 3 の違いを表で整理し、現場で迷いやすいポイントを解説します。
医療区分の評価軸
| 医療区分 | 定義 | 主な対象 |
| 区分 3 | 常時医学的管理が必要 | 人工呼吸器 / 中心静脈栄養 / 褥瘡処置 Ⅲ-Ⅳ 度 / 感染症隔離 |
| 区分 2 | 定期的医学的管理が必要 | 喀痰吸引 1 日 8 回以上 / 経管栄養 / 酸素療法 / 毎日の点滴 |
| 区分 1 | 区分 2・3 以外 | 慢性安定期の療養 / 軽度の医学的管理 |
ADL 区分との組合せ(3 × 3 マトリクス)
医療区分とは別に ADL 区分 1 / 2 / 3 があり、組合せで入院料が変動します。
- ADL 区分 1:ADL スコア 0 – 10 点(自立)
- ADL 区分 2:ADL スコア 11 – 22 点(部分介助)
- ADL 区分 3:ADL スコア 23 点以上(全介助)
2025 年改定で変わった主なポイント
- 医療区分 2 の 喀痰吸引回数:1 日 6 回 → 8 回以上に引き上げ
- 医療区分 3 の 褥瘡:DESIGN-R 2020 評価への完全移行
- 医療区分判定の 入院時評価期限:7 日以内 → 5 日以内
- ADL スコア評価の 複数職種確認:看護師単独評価不可、PT or OT 確認必須
現場でよくある判定の迷い
- □ 喀痰吸引が 1 日 7 回 → 区分 1(8 回未満は該当せず)
- □ 褥瘡 D2(真皮までの損傷)→ 区分 3 対象外(D3 以上が必要)
- □ 入院時 IVH あり退院前に抜去 → 抜去週から区分 3 → 区分 2 or 1 へ再評価
- □ 感染症隔離 1 日のみ → 隔離継続日数で月単位に判定
判定記録のチェックリスト
- 医療区分判定表の毎週更新
- ADL スコア評価者の職種明記(看護師 + PT/OT)
- 区分変更時の変更理由記載
- 処置実施記録と区分判定の整合性
- 月次の管理者確認サイン
FAQ
Q1: 医療区分を間違って判定した場合の影響は?
A. 過剰算定と判定されれば査定・返戻対象。療養病棟入院料は 1 日あたり 500-1,500 点差があるため、月数十万円規模の減算が発生します。
Q2: 経管栄養のみで区分 2 になりますか?
A. 経管栄養は区分 2 の該当項目ですが、単独ではなく「毎日実施」「記録保持」が必要。間欠的実施では該当しない場合があります。
Q3: 2025 年改定の経過措置は?
A. 改定施行日から 6 ヶ月間は旧基準での算定も認められる経過措置がありますが、新規入院は原則新基準です。
まとめ
- 医療区分 1 / 2 / 3 × ADL 区分 1 / 2 / 3 の 9 マトリクスで入院料決定
- 2025 年改定で喀痰吸引回数と褥瘡評価が厳格化
- ADL 評価は複数職種確認必須、看護師単独不可
- 判定記録の整合性ミスが最大の査定リスク


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