
グループホームにおける感染症対策は、入居者様の命と健康を守るために欠かせない重要な取り組みです。
しかし、現場では「具体的な予防対策の方法が分からない」「効果的な職員教育の進め方に悩んでいる」「マニュアルはあるが活用できていない」といった課題を抱えている施設も少なくありません。
本記事では、グループホームの感染管理担当者として15年の経験を持つ感染管理認定看護師が、現場ですぐに活用できる具体的な対策方法をご紹介します。
予防対策の基本から、実践的なマニュアルの作成方法、効果的な職員教育の進め方まで、エビデンスに基づいた最新の情報を分かりやすく解説しています。
この記事で分かること
- 感染症予防対策の具体的な実施手順と効果的な運用方法
- 現場で活用できる実践的なマニュアルの作成方法とポイント
- 職員教育の具体的なプログラムと成功事例の解説
- 効果的な環境整備の実施方法と具体的な評価指標
- 感染症発生時の対応フローと再発防止策
- ICTチームの構築・運営方法とコスト管理の実践例
この記事を読んでほしい人
- グループホームの管理者および施設長の方
- 感染対策担当者として任命されている方
- 介護現場でリーダーを務めている方
- 感染対策の見直しや強化を検討している方
- 職員教育のプログラムを企画している方
効果的な予防対策の整備

感染症対策の基盤となる予防策の整備について、具体的な実施方法と運用のポイントをご説明します。実践的な対策を確実に実施することで、感染症リスクを大幅に低減することが可能です。
標準予防策の実践
標準予防策は感染症対策の基本となるものです。すべての血液、体液、分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜は感染の可能性があるものとして取り扱う必要があります。
手指衛生の確実な実施
手指衛生は感染予防の基本中の基本です。適切なタイミングと正しい方法で実施することが重要です。手洗いは流水と石鹸を使用し、15秒以上かけて丁寧に行います。手指消毒剤を使用する場合は、十分な量を手に取り、乾燥するまでしっかりと擦り込みます。
特に食事介助の前後、排泄介助の前後、創傷処置の前後には必ず実施する必要があります。手洗い設備の近くには手順を示したポスターを掲示し、正しい方法を常に意識できるようにすることが推奨されます。
個人防護具(PPE)の適切な使用
個人防護具は感染経路別の予防策において重要な役割を果たします。手袋、マスク、エプロン、ゴーグルなどの防護具は、使用する場面に応じて適切に選択します。着用時は確実な防護効果が得られるよう、正しい装着順序と方法を守ることが大切です。
また、外す際の手順も感染予防において重要なポイントとなります。
感染経路別対策の実施
感染経路には接触感染、飛沫感染、空気感染があり、それぞれの特性に応じた対策が必要です。
接触感染対策
接触感染は最も一般的な感染経路です。直接的な接触による感染と、環境表面を介した間接的な接触による感染があります。介護の現場では特に注意が必要な感染経路となります。手指衛生の徹底に加えて、環境の清掃・消毒が重要です。
また、入居者様の個人物品の共用は可能な限り避けることが推奨されます。
飛沫感染対策
咳やくしゃみによる飛沫を介した感染を防ぐため、適切なマスクの着用が重要です。感染の可能性がある方の介護時には、サージカルマスクの着用を徹底します。また、適切な換気を行い、飛沫が周囲に拡散するのを防ぐ必要があります。
空気感染対策
結核菌などによる空気感染に対しては、換気の徹底と必要に応じたN95マスクの使用が重要です。定期的な換気を行い、空気の流れを適切に管理することで、感染リスクを低減できます。
日常的な健康管理の実施
感染症の早期発見と対応のために、入居者様と職員の健康管理が重要です。
入居者様の健康モニタリング
毎日の健康チェックでは、体温測定だけでなく、食欲、活動量、排泄状況などの変化にも注意を払います。特に高齢者は症状が非定型的であることが多いため、普段との違いを細かく観察することが大切です。
職員の健康管理
職員自身の健康管理も感染対策において重要な要素です。毎日の検温と体調チェックを実施し、体調不良時には適切な対応を取ることが必要です。また、定期的な健康診断やワクチン接種も計画的に実施します。
実践的なマニュアル作成のポイント

感染対策マニュアルは、現場で実際に活用できる実践的な内容であることが重要です。
ここでは、効果的なマニュアルの作成方法と、現場での運用のポイントについて詳しく解説します。
マニュアルの基本構成
目的と適用範囲の明確化
感染対策マニュアルの目的は、施設における感染症の予防と発生時の適切な対応を定めることです。適用範囲には、日常的な予防対策から、発生時の対応、職員教育までを含める必要があります。施設の特性や入居者様の状況に応じて、具体的な内容を設定していきます。
組織体制の明確化
感染対策における責任者と各職員の役割を明確に定めます。施設長、感染対策担当者、各部門のリーダー、一般職員など、それぞれの立場での役割と責任を具体的に記載します。特に緊急時の指揮系統は、混乱を避けるため、分かりやすく示すことが重要です。
具体的な記載事項
標準予防策の手順
手洗いや手指消毒、個人防護具の使用など、基本的な感染予防対策の手順を詳細に記載します。写真や図を用いて視覚的に示すことで、理解しやすいマニュアルとなります。特に新入職員でも理解できるよう、専門用語には解説を付けることが推奨されます。
感染症発生時の対応手順
感染症が発生した際の初動対応から収束までの手順を時系列で示します。連絡体制、報告ルート、具体的な対応方法など、実践的な内容を盛り込みます。また、感染症の種類別に対応手順を整理することで、より実用的なマニュアルとなります。
マニュアルの運用方法
定期的な見直しと更新
感染対策マニュアルは、最新の知見や指針に基づいて定期的に見直す必要があります。年2回程度の定期的な見直しに加え、新たな感染症の流行や施設の体制変更時にも適宜更新を行います。見直しの際は、現場の意見を積極的に取り入れることが重要です。
職員への周知徹底
作成したマニュアルは、全職員が内容を理解し、実践できるようにする必要があります。定期的な研修会の開催や、日々のミーティングでの確認など、様々な機会を通じて周知を図ります。
特に重要な項目については、ポスターやチェックリストを作成し、日常的に意識できるようにします。
記録と評価の仕組み
実施記録の管理
感染対策の実施状況を適切に記録し、管理することが重要です。日々の清掃・消毒の記録、健康チェックの記録、研修参加の記録など、必要な書式を整備し、確実な記録を行います。これらの記録は、対策の評価や見直しの際の重要な資料となります。
評価と改善
定期的に感染対策の実施状況を評価し、必要に応じて改善を行います。評価の視点には、手順の遵守状況、感染症の発生状況、職員の理解度などが含まれます。評価結果はマニュアルの改訂や職員教育に活用します。
職員教育の充実化

効果的な感染対策を実現するためには、全職員が正しい知識と技術を身につけ、実践できることが不可欠です。
ここでは、具体的な教育プログラムの設計から実施方法、評価方法まで、体系的に解説します。
教育プログラムの設計
基礎知識の習得プログラム
感染症の基礎知識から標準予防策の実施方法まで、段階的に学べるプログラムを設計します。新入職員向けの基礎編から、経験者向けの応用編まで、職員のレベルに応じた内容を準備することが重要です。
感染症の種類や特徴、感染経路、予防方法などの基本的な知識は、全職員が確実に理解する必要があります。
実践的スキルの向上プログラム
知識を実践に活かすため、具体的な場面を想定した技術トレーニングを実施します。手指衛生や個人防護具の着脱、環境整備の方法など、実際の業務で必要となるスキルを重点的に習得できるプログラムを組みます。
特に、新しい職員が安心して業務に取り組めるよう、丁寧な指導を心がけます。
効果的な研修の実施方法
シミュレーション訓練の活用
実際の感染症発生を想定したシミュレーション訓練は、職員の対応力向上に効果的です。感染者発生時の初動対応、個人防護具の着脱、ゾーニングの設定など、具体的な場面を設定して実践的な訓練を行います。
訓練後は必ずふりかえりを行い、気づきや改善点を共有します。
オンライン研修の効果的活用
新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、オンライン研修の重要性が高まっています。eラーニングシステムを活用することで、職員が都合の良い時間に学習を進めることができます。動画教材や確認テストを組み合わせることで、効果的な学習が可能となります。
継続的な評価とフィードバック
理解度の評価方法
定期的なテストや実技確認を通じて、職員の理解度と技術の習得状況を評価します。評価は単なる点数化ではなく、実践での適切な判断や対応ができているかを重視します。また、日常業務における感染対策の実施状況も、重要な評価対象となります。
効果的なフィードバック
評価結果は個別面談などを通じて、丁寧にフィードバックします。良い点は積極的に評価し、改善が必要な点については具体的な助言を行います。職員一人ひとりの課題に応じた個別指導を行うことで、確実なスキルアップを図ります。
実践事例の検討
事例検討会の実施
実際に発生した感染症事例や、ヒヤリハット事例を題材とした事例検討会を定期的に開催します。職員間で意見交換を行い、対応の振り返りと改善策の検討を行うことで、実践的な学びを深めることができます。
成功事例の共有
効果的な対策が実施できた事例については、その要因を分析し、他の場面でも活用できるようにします。成功事例を共有することで、職員のモチベーション向上にもつながります。また、他施設の優れた取り組みについても積極的に情報収集し、自施設の改善に活かします。
環境整備の推進

感染症対策において、施設内の環境整備は極めて重要な要素です。適切な清掃・消毒・換気を行うことで、施設内での感染リスクを大幅に低減することができます。
ここでは、効果的な環境整備の方法と、その評価方法について解説します。
日常的な環境整備の実施
清掃・消毒の基本方法
施設内の清掃は、場所ごとに適切な方法と頻度で実施する必要があります。共用スペースは1日2回以上の清掃を基本とし、特に手すりやドアノブなどの高頻度接触部位は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を定期的に行います。
清掃用具は場所ごとに専用のものを使用し、使用後は適切に洗浄・消毒して保管します。
換気システムの管理
適切な換気は感染症予防に重要な役割を果たします。各部屋の換気回数を確保するため、定期的な窓開けや換気扇の使用を行います。
特に、共用スペースや多くの人が集まる場所では、二酸化炭素濃度を測定するなどして、換気状況を確認することが推奨されます。空調設備のフィルター清掃や点検も定期的に実施します。
場所別の環境整備
居室の環境整備
入居者様の居室は、プライバシーに配慮しながら適切な環境整備を行います。ベッド周りの清掃、床の清掃、窓の開閉による換気など、基本的なケアを毎日実施します。特に、体調不良の方がいる場合は、清掃・消毒の頻度を増やし、感染拡大防止に努めます。
共用スペースの管理
食堂やリビング、廊下などの共用スペースは、利用頻度が高く感染リスクも高まります。食事の前後での清掃・消毒、定期的な換気、湿度管理など、きめ細かな環境整備が必要です。また、手指消毒剤を適切な場所に設置し、いつでも使用できる状態を保ちます。
衛生用品の管理
在庫管理の重要性
消毒薬、清掃用具、個人防護具などの衛生用品は、適切な在庫管理が不可欠です。使用期限の確認、適切な保管場所の確保、発注のタイミングなど、計画的な管理を行います。特に感染症流行期には使用量が増加することを見込んで、余裕を持った在庫確保が必要です。
使用方法の標準化
清掃用具や消毒薬の使用方法は、全職員が統一した手順で行えるよう標準化します。特に消毒薬は種類によって使用方法や注意点が異なるため、適切な希釈方法や使用上の注意点を明確に示します。また、清掃用具の洗浄・消毒方法についても、手順を定めて徹底します。
環境整備の評価と改善
チェックリストの活用
環境整備の実施状況を確認するため、チェックリストを活用します。清掃・消毒の実施記録、換気の実施状況、衛生用品の在庫確認など、必要な項目を漏れなくチェックできるようにします。チェックリストは定期的に見直し、必要に応じて項目を追加・修正します。
定期的な環境評価
月1回程度、環境整備の総合的な評価を実施します。清掃の質、消毒の効果、換気状況などを確認し、改善が必要な点を明確にします。評価結果は職員間で共有し、より効果的な環境整備の実現に向けて取り組みます。
感染症発生時の対応
感染症の発生時には、迅速かつ適切な対応が求められます。初期対応の遅れは感染拡大につながる可能性があるため、事前に対応手順を確認し、全職員が適切に行動できるよう準備しておくことが重要です。
ここでは、発生時の具体的な対応手順と注意点について解説します。
初動対応の実際
感染症発生の判断
感染症の発生を疑う症状や状況が確認された場合、速やかに施設長および感染対策担当者に報告します。発熱や咳、下痢などの症状がある場合は、医療機関との連携を図りながら、感染症の可能性を評価します。
同様の症状を呈する入居者様や職員がいないかどうかの確認も並行して行います。
初期対応の開始
感染症の発生が疑われた時点で、標準予防策を強化した対応を開始します。罹患が疑われる方の居室での対応方法、個人防護具の使用、他の入居者様との接触制限など、具体的な対応を速やかに実施します。また、使用した物品の消毒や環境整備も徹底して行います。
組織的な対応体制
対策本部の設置
施設長を本部長とする対策本部を設置し、情報の一元管理と指示系統の明確化を図ります。対策本部では、感染状況の把握、対応方針の決定、外部機関との連携など、総合的なマネジメントを行います。必要に応じて、保健所や協力医療機関との連携も強化します。
職員体制の確保
感染症発生時は、通常以上の人員が必要となることを想定し、シフトの調整や応援体制の確保を行います。感染症対応に当たる職員の健康管理を徹底し、適切な休憩時間の確保や心理的サポートにも配慮します。
具体的な感染対策
ゾーニングの実施
感染拡大防止のため、施設内のゾーニングを適切に行います。感染者や疑い者のエリア、一般の入居者様のエリアを明確に区分し、それぞれの区域に応じた対策を実施します。職員の動線も考慮し、交差感染のリスクを最小限に抑えます。
消毒・清掃の強化
感染者や疑い者が使用した区域は、特に入念な消毒・清掃を行います。使用する消毒薬の種類や濃度、清掃の頻度など、感染症の種類に応じた適切な方法を選択します。清掃時は必要な個人防護具を着用し、職員の安全確保にも留意します。
情報共有と記録
関係者への情報提供
入居者様のご家族、職員、関係機関など、必要な関係者への情報提供を適切に行います。特にご家族への説明は、不安を軽減できるよう、丁寧な説明を心がけます。また、面会制限など必要な協力を依頼する際も、十分な説明と理解を得ることが重要です。
経過記録の作成
感染症発生から収束までの経過を詳細に記録します。感染者数の推移、実施した対策、その効果など、後の振り返りや改善に活用できる情報を漏れなく記録します。これらの記録は、今後の対策立案や職員教育にも活用できる貴重な資料となります。
ICT(感染対策チーム)の設置と運営
効果的な感染対策を組織的に推進するためには、専門的な知識を持つメンバーで構成される感染対策チーム(ICT)の設置が重要です。
ここでは、ICTの具体的な構成方法と効果的な運営方法について解説します。
チーム構成と役割分担
基本的なチーム構成
ICTは施設長を責任者とし、看護職員、介護職員、事務職員など、多職種で構成します。
それぞれの職種の視点を活かしながら、総合的な感染対策を推進することが重要です。各メンバーは感染対策に関する基本的な知識を持ち、必要に応じて外部研修などで専門性を高めていきます。
役割分担の明確化
チーム内での役割分担を明確にし、それぞれの責任範囲を定めます。感染対策の企画立案、マニュアルの作成、職員教育の実施、環境整備の確認など、具体的な業務を割り当てます。特に看護職員は専門的な立場から、技術的な指導や助言を行う重要な役割を担います。
定期的な活動の展開
ミーティングの実施
月1回程度の定期ミーティングを開催し、感染対策の実施状況や課題について協議します。季節性の感染症対策や、新たな対策の導入検討など、計画的な活動を進めます。ミーティングの内容は議事録として記録し、全職員で共有できるようにします。
現場巡回と指導
ICTメンバーによる定期的な現場巡回を実施し、感染対策の実施状況を確認します。手指衛生の遵守状況、個人防護具の適切な使用、環境整備の状況など、具体的な確認項目を設定して評価を行います。気づいた点は、その場で指導・助言を行い、改善につなげます。
評価と改善活動
定期的な評価の実施
感染対策の実施状況や効果について、定期的な評価を行います。手指衛生の遵守率、感染症の発生状況、職員の理解度など、具体的な指標を設定して評価します。評価結果は分析し、改善策の検討に活用します。
継続的な改善活動
PDCAサイクルに基づき、継続的な改善活動を展開します。評価で明らかになった課題に対して具体的な改善策を立案し、実行します。改善策の効果は次回の評価で確認し、必要に応じて更なる改善を図ります。
コスト管理と備品整備
感染対策を効果的に実施するためには、適切な備品の整備とコスト管理が不可欠です。必要な物品を必要な時に使用できる体制を整えながら、コストの適正化を図ることが重要です。ここでは、具体的な管理方法と実践的なポイントについて解説します。
効率的な備品管理
必要備品の選定
感染対策に必要な備品は、用途と効果を考慮して適切に選定します。手指消毒剤、マスク、手袋、エプロンなどの個人防護具、環境整備用の清掃用具や消毒薬など、必要な物品を具体的にリストアップします。
特に感染症発生時に使用量が増加する物品については、十分な在庫の確保が必要です。
在庫管理の実際
定期的な在庫確認と適切な発注により、必要な備品を常に使用可能な状態に保ちます。使用期限の管理、保管場所の環境整備、在庫量の適正化など、具体的な管理方法を定めて実施します。
特に使用頻度の高い物品については、適切な在庫量を設定し、不足が生じないよう注意します。
適切なコスト管理
予算管理の方法
年間の使用量を予測し、適切な予算を確保します。季節性の感染症流行期や、感染症発生時の増加分も考慮に入れた計画を立てることが重要です。また、より効果的な製品への切り替えや、まとめ買いによるコスト削減など、効率的な予算執行を心がけます。
コスト効率の向上
適切な使用方法の徹底により、無駄な使用を防ぎ、コスト効率を高めます。手指消毒剤の適量使用、個人防護具の適切な選択、消毒薬の正しい希釈など、具体的な使用方法を職員に周知し、実践することが重要です。定期的な使用量の確認と分析を行い、必要に応じて改善策を検討します。
実践的Q&A「現場の疑問にお答えします」
日々の感染対策において、現場でよく寄せられる疑問や課題について、具体的な対応方法をQ&A形式でご紹介します。それぞれの質問に対して、実践的で分かりやすい回答を心がけました。
日常的な感染対策について
Q1: 手指消毒のタイミング
Q:手指消毒は具体的にどのようなタイミングで行えばよいですか。
A:WHOの推奨する5つのタイミングを基本とします。入居者様のケアの前後、清潔操作の前、体液に触れた可能性のある処置の後、入居者様の周辺環境に触れた後に必ず実施します。特に食事介助の前後、排泄介助の前後は確実に行うことが重要です。
Q2: 感染対策における優先順位
Q:限られた時間の中で、特に重視すべき感染対策は何ですか。
A:最も重要なのは手指衛生の徹底です。次いで環境の清潔保持、適切な換気の実施が優先順位として高くなります。これらの基本的な対策を確実に実施することで、多くの感染リスクを低減することができます。
具体的な場面での対応
Q3: 面会対応について
Q:感染症流行期の面会対応はどのように行うべきですか。
A:感染症の流行状況に応じて、面会の方法を検討します。オンライン面会の活用、時間制限付きの対面面会、付き添い者の制限など、状況に応じた対応を行います。面会時は検温や体調確認を確実に実施し、面会場所の換気と消毒も徹底します。
Q4: 緊急時の対応
Q:夜間に感染症を疑う症状が出た場合、どう対応すべきですか。
A:あらかじめ定められた緊急時のマニュアルに従って対応します。まず当直の管理者に報告し、必要に応じて協力医療機関への連絡を行います。症状のある方の隔離対応を開始し、他の入居者様との接触を最小限に抑える対策を講じます。
まとめ
グループホームにおける感染対策は、入居者様と職員の安全を守るための重要な取り組みです。
本記事では、標準予防策の実施から職員教育、環境整備まで、実践的な対策方法をご紹介しました。基本的な対策を確実に実施しながら、施設の状況に応じて適切な対策を選択することが大切です。
さらに詳しい感染対策の情報や、現場で活用できる具体的なノウハウについては、【ナースの森】看護師のためのサイト・キャリア支援サイトをご活用ください。
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