2025年最新 【訪問看護の利用手続き 完全ガイド】専門家が解説する準備から利用まで

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訪問看護の利用を検討されている方にとって、手続きの流れや準備について知ることは、スムーズな利用開始への第一歩となります。

本記事では、訪問看護の利用開始に向けた具体的な手順から、必要書類、費用、事業所選びのポイントまで、実践的な情報を体系的にまとめました。医療保険と介護保険、それぞれの場合の手続きの違いや、実際の利用事例も交えながら、わかりやすく解説していきます。

現役の訪問看護師による監修のもと、利用者様やご家族の不安や疑問に寄り添いながら、確実な情報をお届けします。

これから訪問看護の利用をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。手続きや準備に関する疑問を解消し、安心して訪問看護サービスをご利用いただくための情報が満載です。

この記事で分かること

  • 訪問看護サービスの利用開始までの具体的な手順と流れ
  • 申請から利用開始までに必要な書類と準備するものの完全リスト
  • 医療保険・介護保険それぞれの場合の費用負担の詳細
  • 信頼できる訪問看護ステーションの探し方と選び方のポイント
  • 初回相談から契約までのステップと確認事項の全て

この記事を読んでほしい人

  • 訪問看護の利用を検討している方とそのご家族の方
  • 在宅療養に向けて準備を始めようとしている方
  • 介護保険サービスの利用について詳しく知りたい方
  • 訪問看護の費用や手続きについて確実な情報を得たい方

訪問看護サービスの概要と利用までの流れ

訪問看護サービスを利用するためには、いくつかのステップと手続きが必要となります。

このセクションでは、サービスの基本的な内容から、利用開始までの具体的な流れまでを詳しく解説していきます。これから訪問看護の利用を検討される方に、確実な道筋をお示しします。

訪問看護サービスの基本

サービス内容と特徴

訪問看護は、看護師が利用者様のご自宅を訪問して、医療的なケアとサポートを提供するサービスです。病状の観察や医療処置、療養上の世話、医療機器の管理、服薬管理など、利用者様の状態に応じて必要なケアを行います。

医師の指示に基づいて提供されるため、医療機関との連携が密接に図られているのが特徴です。

対象となる方

訪問看護を利用できるのは、疾病や障害により居宅での療養が必要な方です。

具体的には、慢性疾患の方、がん患者様、医療機器を使用している方、退院直後で経過観察が必要な方、精神疾患の方など、様々な状況の方が対象となります。年齢による制限はなく、医師が必要と判断した場合には、小児から高齢者まで幅広く利用することができます。

医療保険と介護保険の違い

医療保険による利用

医療保険での訪問看護は、主に急性期の治療や医療処置が必要な方、特定疾患の方が対象となります。医師の指示書(訪問看護指示書)が必要で、訪問回数や内容は医師の指示に基づいて決定されます。

医療保険での利用は、原則として医療費の自己負担割合(1割から3割)が適用されます。

介護保険による利用

介護保険での訪問看護は、要介護認定を受けた65歳以上の方、または特定疾病により介護が必要となった40歳以上65歳未満の方が対象です。ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいてサービスが提供され、介護保険の限度額の範囲内でのサービス利用となります。

利用開始までの具体的な流れ

初期相談と準備

まずは、かかりつけ医への相談や、地域包括支援センターへの相談から始まります。医師による訪問看護の必要性の判断、介護保険の場合は要介護認定の申請が必要となります。この段階で、利用目的や希望する支援内容を整理しておくことが重要です。

事業所選定と契約

訪問看護ステーションの選定では、地域性やサービス内容、対応可能な医療処置などを考慮します。見学や相談を通じて、信頼できる事業所を選びましょう。選定後は、利用契約の締結、初回訪問の日程調整などの手続きを進めていきます。

サービス開始に向けた調整

契約後は、具体的なケア内容や訪問スケジュールの調整を行います。医療保険の場合は主治医との連携、介護保険の場合はケアマネジャーを交えた調整が必要です。利用者様の生活リズムや希望を考慮しながら、無理のない訪問計画を立てていきます。

必要な書類と準備物一覧

訪問看護サービスを利用開始するにあたって、様々な書類や準備物が必要となります。

このセクションでは、申請から利用開始までに必要となる全ての書類と準備物について、漏れがないように詳しく解説していきます。

医師の指示書に関する準備

訪問看護指示書の取得方法

訪問看護サービスを利用するためには、まず主治医からの訪問看護指示書が必要不可欠です。指示書の取得には、かかりつけ医への相談が必要となります。

医師に訪問看護の必要性を相談し、ご自身の状態や生活状況について詳しく説明することで、適切な指示内容を記載していただくことができます。

指示書の記載内容と有効期限

訪問看護指示書には、病名、療養上の留意点、具体的な指示内容などが記載されます。指示書の有効期限は通常6ヶ月間となっており、継続して利用する場合は定期的な更新が必要です。医療保険での利用の場合は特に、正確な病名や処置内容の記載が重要となります。

保険証関連の準備

必要な保険証の種類

医療保険証または介護保険証(場合によっては両方)が必要となります。加えて、高額療養費の申請に必要な限度額適用認定証なども準備しておくと安心です。各種保険証は有効期限や記載内容を確認し、コピーを取っておくことをお勧めします。

自己負担割合の確認

保険証に記載されている自己負担割合の確認も重要です。医療保険の場合は1割から3割、介護保険の場合は原則1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)となります。自己負担割合証明書などの提示を求められる場合もありますので、準備しておきましょう。

介護保険関連書類

要介護認定に関する書類

介護保険でのサービス利用を希望する場合は、要介護認定の申請が必要です。申請書類には、介護保険被保険者証、認定調査の結果、主治医意見書などが含まれます。これらの書類は市区町村の窓口で手続きを行います。

ケアプラン関連書類

要介護認定を受けた後は、ケアマネジャーによるケアプラン(居宅サービス計画書)の作成が必要です。サービス担当者会議の記録や、利用者負担説明書なども含めて保管しておきましょう。

契約時に必要な書類

基本契約書類

訪問看護ステーションとの契約時には、利用申込書、重要事項説明書、契約書などの書類が必要となります。これらの書類には利用者様の基本情報や、緊急連絡先、かかりつけ医の情報などを記入します。

同意書と確認書

医療処置や特定のケアに関する同意書、個人情報の取り扱いに関する同意書なども必要です。また、緊急時の対応方針や、鍵の取り扱いに関する確認書なども準備が必要となる場合があります。

申請書類の記入例と注意点

正確な記入のポイント

各種申請書類の記入には正確さが求められます。特に、氏名、生年月日、住所、連絡先などの基本情報は間違いのないよう丁寧に記入します。また、押印が必要な書類については、認印を準備しておきましょう。

記入時の確認事項

記入漏れや記入ミスがないよう、提出前に必ず確認が必要です。特に、同意事項や利用条件などの重要な箇所は、内容をよく理解した上で記入することが大切です。不明な点がある場合は、事業所の担当者に確認しましょう。

費用負担と保険適用について

訪問看護サービスの利用にあたっては、医療保険と介護保険でそれぞれ異なる費用体系が設定されています。

このセクションでは、具体的な費用計算例や負担軽減の方法まで、わかりやすく解説していきます。

医療保険での費用計算

基本利用料の仕組み

医療保険での訪問看護利用には、訪問看護基本療養費が設定されています。1回の訪問につき、平日の場合は5,550円(2025年現在)が基本料金となります。これに加えて、実施した医療処置や管理の内容に応じて、管理療養費や専門的な管理加算が算定されます。

実際の自己負担額

医療保険での自己負担は、かかった費用の1割から3割となります。例えば、基本療養費5,550円の訪問の場合、1割負担の方であれば555円、3割負担の方であれば1,665円が自己負担額となります。これに各種加算分が加わることになります。

介護保険での費用計算

介護保険での基本料金

介護保険での訪問看護は、20分未満から90分以上まで、時間区分に応じた単位数が設定されています。例えば、標準的な30分以上60分未満の訪問では、821単位(1単位10円として計算)が基本となります。この基本料金に地域加算や各種加算が加わります。

月々の費用試算

要介護度に応じた支給限度額の範囲内で、ケアプランに基づいてサービスを利用します。例えば、週2回の訪問(30分以上60分未満)を利用する場合、月額の基本料金は約65,680円となり、1割負担の方の場合、自己負担額は月額約6,568円となります。

加算について詳しく

主な加算の種類

訪問看護では様々な加算が設定されています。例えば、緊急時訪問看護加算(574単位/月)、特別管理加算(250単位または500単位/月)、ターミナルケア加算などがあります。これらは利用者様の状態や必要なケアの内容に応じて算定されます。

加算が適用される条件

各加算には、それぞれ算定要件が定められています。例えば、緊急時訪問看護加算は24時間対応体制を整備していることが条件となり、特別管理加算は特定の医療処置や管理が必要な方が対象となります。

費用軽減の仕組み

高額療養費制度の活用

医療保険での利用の場合、高額療養費制度を利用することで、月々の医療費の自己負担額が一定の限度額を超えた分が払い戻されます。事前に限度額適用認定証を取得しておくと、窓口での支払いが軽減されます。

その他の負担軽減制度

市区町村によっては、独自の医療費助成制度や訪問看護利用料の助成制度を設けている場合があります。また、高齢者や障害者向けの医療費助成制度なども活用できる可能性があります。

料金試算の実例

医療保険利用の場合

週3回の訪問(平日のみ)で、特別管理加算Ⅱを算定する場合の月額試算例をご紹介します。基本療養費(5,550円×12回)に特別管理加算(2,500円)を加えた69,100円が総額となり、1割負担の場合は月額6,910円が自己負担となります。

介護保険利用の場合

要介護3の方が、週2回の訪問(30分以上60分未満)と緊急時訪問看護加算を利用する場合、基本料金(821単位×8回)と加算(574単位)で月額7,142単位となります。1単位10円として計算すると、1割負担の場合の自己負担額は月額約7,142円となります。

訪問看護ステーションの選び方

信頼できる訪問看護ステーションを選ぶことは、安心して在宅療養生活を送るための重要なポイントとなります。

このセクションでは、ステーション選びの具体的な基準やチェックポイントについて詳しく解説していきます。

基本[的な選定基準

立地条件と対応エリア

訪問看護ステーションの所在地と対応エリアの確認が最初のステップとなります。緊急時の対応を考慮すると、おおむね30分以内で訪問可能な距離にあることが望ましいとされています。

また、事業所までの交通アクセスも、見学や相談に行く際の重要な判断材料となります。

営業日と営業時間

定期的な訪問に加えて、緊急時の対応も考慮する必要があります。24時間対応が可能か、休日対応の体制はどうなっているか、など具体的な営業体制を確認することが大切です。

特に、医療依存度が高い方の場合は、夜間や休日の対応体制が整っているかどうかが重要な選定基準となります。

詳細なチェックポイント

スタッフ体制の確認

看護師の人数や経験年数、専門性などのスタッフ体制は重要な確認項目です。特に、自身の病状や必要な医療処置に対応できる経験を持つスタッフが在籍しているかどうかを確認しましょう。

また、認定看護師や専門看護師の在籍は、より専門的なケアを受けられる可能性を示す指標となります。

対応可能な医療処置

気管切開の管理、人工呼吸器の管理、中心静脈栄養の管理など、必要な医療処置に対応可能かどうかの確認が必要です。また、使用している医療機器のメーカーや型式への対応経験があるかどうかも確認しておくと安心です。

良いステーションの特徴

コミュニケーション体制

利用者様やご家族との意思疎通が丁寧で、質問や相談にしっかりと耳を傾けてくれる姿勢があることは、良いステーションの特徴の一つです。また、主治医やケアマネジャーとの連携が密に取れているかどうかも重要なポイントとなります。

情報提供と説明の明確さ

サービス内容や料金体系について、分かりやすい説明がなされることも大切です。また、訪問記録の共有方法や、緊急時の連絡体制など、具体的な情報提供が明確になされているかどうかも確認しましょう。

相性確認のポイント

初回相談での確認事項

初回相談時には、実際に担当となる可能性のある看護師と面談し、コミュニケーションの取りやすさを確認することをお勧めします。また、利用者様の生活習慣や希望するケアについて、どの程度柔軟に対応してもらえるかも確認しておくと良いでしょう。

事業所の雰囲気

事業所の全体的な雰囲気や、スタッフの対応の様子も重要な判断材料となります。特に、電話での問い合わせ時の対応や、見学時のスタッフの様子などから、事業所の姿勢や雰囲気を感じ取ることができます。

最終確認事項

契約前の確認ポイント

実際の契約前には、料金体系の詳細や、キャンセル時の対応、緊急時の連絡方法など、具体的な運用面での確認が必要です。また、利用開始後の担当者の変更可能性についても、事前に確認しておくことをお勧めします。

体験利用の検討

可能であれば、本契約前に体験利用や見学を行うことをお勧めします。実際のサービスを体験することで、より具体的な判断材料を得ることができます。

初回相談から契約までの具体的手順

訪問看護の利用を決めたら、次は実際の利用開始に向けた具体的な手続きが始まります。

このセクションでは、初回相談から契約締結まで、それぞれの段階で必要な準備と確認事項について詳しく解説していきます。

初回相談の準備

必要な情報の整理

初回相談の前には、現在の病状や医療処置の内容、生活状況などの情報を整理しておく必要があります。具体的には、病名、服用している薬の内容、医療機器の使用状況、介護保険の認定状況などをまとめておきましょう。

医療機関からの診療情報提供書がある場合は、それも準備しておくと良いでしょう。

相談時の質問リスト

事前に確認したい事項をリストアップしておくことで、より効率的な相談が可能となります。利用可能な曜日や時間帯、具体的なサービス内容、費用面での不安など、気になる点を整理しておきましょう。

面談での確認事項

サービス内容の詳細確認

面談では、提供可能なサービスの具体的な内容について確認します。医療処置の対応可能範囲、訪問可能な時間帯、緊急時の対応体制など、細かい部分まで確認することが重要です。また、担当となる看護師の経験や専門性についても確認しておきましょう。

利用条件の確認

訪問時の具体的な手順や、必要な環境整備について説明を受けます。例えば、医療材料の準備方法、清潔な処置スペースの確保方法、緊急時の連絡体制などについて、詳しく確認していきます。

契約時の重要事項

重要事項説明

契約時には、サービス内容や利用料金、個人情報の取り扱い、緊急時の対応方法など、重要事項の説明を受けます。説明を受けた内容は、必ず書面で確認し、不明な点があればその場で質問することが大切です。

契約書の確認

契約書には、サービス内容、利用料金、キャンセル規定、解約条件など、重要な事項が記載されています。署名・押印の前に、内容をしっかりと確認することが重要です。特に、利用料金や支払方法については、具体的な金額と支払時期を明確に確認しておきましょう。

利用計画の作成

訪問スケジュールの調整

利用者様の生活リズムや希望を考慮しながら、具体的な訪問スケジュールを決めていきます。定期的な訪問に加えて、臨時の対応が必要となる可能性がある場合は、その対応方法についても確認しておくことが重要です。

ケア内容の具体化

実施する医療処置やケアの内容について、具体的な手順や方法を確認します。医師の指示内容に基づいて、必要なケアが適切に提供されるよう、詳細な計画を立てていきます。

利用開始に向けた最終確認

環境整備の確認

医療処置に必要な物品の準備や、清潔な環境の整備など、利用開始までに整えておくべき事項を確認します。必要に応じて、家具の配置変更や、医療機器の設置場所の確保なども行います。

連絡体制の確立

緊急時の連絡方法や、日常的な連絡手段について、具体的な確認を行います。連絡先リストの作成や、緊急時の対応手順の確認など、安心して利用を開始できる体制を整えていきます。

ケーススタディ:実際の利用開始までの例

訪問看護の利用開始までの流れは、利用者様の状況によって様々です。

このセクションでは、実際のケースに基づいて、利用開始までの具体的な流れや、直面した課題とその解決方法について紹介していきます。

ケース1:退院直後の利用開始

患者様の状況

Aさん(75歳、女性)は、脳梗塞による右片麻痺のため3ヶ月間入院し、在宅療養することになりました。嚥下機能の低下があり、誤嚥性肺炎の予防が必要な状態でした。入院中から退院後の生活に不安を感じており、医療的なサポートを希望されていました。

準備から利用開始まで

退院の2週間前から準備を開始し、病院の退院支援看護師と連携しながら手続きを進めました。まず、担当ケアマネジャーを決定し、要介護認定の申請を行いました。

その後、自宅近くの訪問看護ステーションを選定し、退院前カンファレンスで具体的なケア内容を検討しました。退院時には訪問看護指示書を受け取り、スムーズに在宅療養をスタートすることができました。

ケース2:医療処置が必要なケース

患者様の状況

Bさん(68歳、男性)は、がんの終末期で在宅療養中です。中心静脈ポートを使用した疼痛管理が必要で、状態の変化も予測される状況でした。ご家族の介護負担も大きく、専門的なサポートが必要な状態でした。

対応のポイント

医療依存度が高いケースのため、24時間対応可能な訪問看護ステーションを選定することが重要でした。緊急時の対応手順を明確にし、主治医との連携体制も整えました。ご家族への技術指導も含めた支援計画を立て、段階的にケアを開始していきました。

ケース3:介護保険での利用開始

患者様の状況

Cさん(82歳、女性)は、独居で軽度の認知症があり、服薬管理や体調管理に不安がある状態でした。転倒予防と服薬管理を主な目的として、訪問看護の利用を検討することになりました。

手続きの流れ

地域包括支援センターに相談することから始まり、要介護認定の申請を行いました。認定結果が出るまでの間に、ケアマネジャーと相談しながら利用する訪問看護ステーションを選定しました。

かかりつけ医から訪問看護指示書を取得し、週2回の訪問看護を開始することができました。

各ケースから学ぶポイント

早期の準備開始

いずれのケースでも、早めの準備開始が円滑な利用開始につながっています。特に、必要書類の準備や認定申請など、時間のかかる手続きは早めに着手することが重要です。

関係者との連携

医師、ケアマネジャー、訪問看護ステーション、ご家族など、関係者間での密な情報共有と連携が、スムーズな利用開始の鍵となっています。特に医療依存度の高いケースでは、主治医との緊密な連携が重要です。

よくある質問と回答

訪問看護の利用開始に向けて、多くの方が様々な疑問や不安を抱えていらっしゃいます。

このセクションでは、実際によく寄せられる質問とその回答をわかりやすく解説していきます。

利用開始前の疑問

Q1:訪問看護を利用するための条件はありますか?

利用条件の基本は、在宅で療養している方で、主治医が訪問看護の必要性を認めた場合となります。年齢制限はなく、医療保険または介護保険で利用することができます。医師の指示書が必要となりますので、まずはかかりつけ医にご相談ください。

Q2:利用開始までにどのくらいの期間がかかりますか?

医療保険での利用の場合、医師の指示書取得後、概ね1週間から10日程度で開始できます。介護保険での利用の場合は、要介護認定の結果が出るまでに通常1ヶ月程度かかりますが、暫定ケアプランでの利用開始も可能です。

費用に関する質問

Q3:訪問看護の費用はどのくらいかかりますか?

医療保険の場合、1回の訪問で基本利用料が5,550円(2025年現在)となり、これに各種加算が加わります。自己負担は1割から3割です。介護保険の場合は、要介護度に応じた支給限度額の範囲内で利用でき、自己負担は原則1割となります。

Q4:医療保険と介護保険は併用できますか?

原則として、どちらか一方の保険制度を利用することになります。ただし、特定の医療処置が必要な場合など、状況によっては併用が認められることもあります。詳しくは訪問看護ステーションにご相談ください。

サービス内容について

Q5:どのような処置やケアが受けられますか?

病状の観察、医療処置、床ずれの予防や処置、服薬管理、リハビリテーション、療養生活の相談など、利用者様の状態に応じた様々なケアを受けることができます。具体的な内容は、医師の指示に基づいて決定されます。

緊急時の対応

Q6:夜間や休日の急変時はどうすればよいですか?

多くの訪問看護ステーションでは、24時間対応体制を整えています。緊急時の連絡方法や対応手順については、契約時に詳しく説明を受けることができます。必要に応じて、電話での相談や臨時の訪問も可能です。

利用中の変更について

Q7:訪問日時や回数の変更は可能ですか?

利用者様の状態や生活状況に応じて、訪問日時や回数の調整は可能です。ただし、変更の際は事前にご連絡いただく必要があります。また、介護保険での利用の場合は、ケアプランの範囲内での調整となります。

まとめ:スムーズな利用開始のためのチェックリスト

訪問看護の利用開始に向けて、これまで解説してきた内容の重要ポイントを整理します。

このセクションでは、準備から利用開始までの流れを、時系列に沿ってまとめていきます。併せて、円滑な利用開始のためのアドバイスもご紹介します。

準備段階での確認事項

医療機関への相談

まずは主治医への相談から始まります。訪問看護の必要性について相談し、どのような医療処置やケアが必要かを具体的に確認します。医師からの指示内容は、訪問看護サービスの内容を決定する重要な要素となります。

保険制度の確認

医療保険と介護保険、どちらの制度を利用するかを確認します。介護保険の場合は要介護認定の申請が必要となりますので、お住まいの市区町村の窓口に相談してください。

事業所選定時の注意点

複数の事業所の比較

訪問看護ステーションの選定では、立地条件や対応可能な医療処置、スタッフ体制などを総合的に比較検討することが重要です。可能であれば複数の事業所の見学を行い、実際の雰囲気も確認しましょう。

サービス内容の具体的確認

選定した事業所では、具体的なサービス内容や利用条件について詳しく確認します。特に、緊急時の対応体制や、利用可能な曜日・時間帯については、しっかりと確認しておくことが大切です。

利用開始直前の準備

環境整備

訪問看護を受けるための環境を整えます。医療処置に必要なスペースの確保や、医療材料の保管場所の準備など、具体的な準備を進めていきます。また、緊急時の連絡先リストも作成しておきましょう。

家族間での情報共有

ご家族の間でも、訪問看護の利用について情報を共有し、協力体制を整えることが重要です。特に、緊急時の対応方法については、ご家族全員が把握しておく必要があります。

今後の展望

定期的な評価と調整

利用開始後は、定期的にサービス内容の評価と見直しを行います。利用者様の状態変化や新たなニーズに応じて、柔軟にサービス内容を調整していくことが可能です。

継続的な支援体制の構築

訪問看護は、利用者様やご家族を継続的に支援するサービスです。医療機関や他のサービス事業者との連携を図りながら、安心して在宅療養生活を送ることができる体制を築いていきます。

訪問看護の利用開始に向けては、事前の十分な準備と正しい手続きの理解が重要です。本記事では、基本的な流れから具体的な手続き、必要書類、費用、事業所選びのポイントまで詳しく解説してきました。

これらの情報を参考に、ご自身の状況に合わせた準備を進めていただければと思います。不安な点があれば、かかりつけ医や地域包括支援センター、訪問看護ステーションに相談することをお勧めします。

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