2025年最新版【看護実習でのバイタルサイン完全マスターガイド】基本から実践までの測定と記録表

この記事を書いた人
はたらく看護師さん 編集部
「はたらく看護師さん」編集部
「はたらく看護師さん」は看護師の働き方や専門知識を発信するメディアです。現役看護師や医療現場経験者による編集体制で、臨床現場の実態に基づいた信頼性の高い情報をお届けしています。看護師のキャリア支援と医療知識の普及を通じて、看護師さんの「はたらく」をサポートします。

バイタルサイン測定と記録は、看護実践の基本であり、患者さんの状態を正確に把握するための重要なスキルです。

この記事では、看護学生の皆さんが実習で直面する課題や不安に焦点を当て、測定から記録、評価まで徹底的に解説していきます。

この記事で分かること

  • バイタルサイン測定の正確な手順と各測定値の意味
  • 実習記録の具体的な書き方とよくあるミスの対処法
  • 年齢や疾患による測定時の注意点と対応策
  • 異常値の判断基準と適切な報告方法
  • 最新のデジタル機器を活用した測定テクニック

この記事を読んでほしい人

  • 看護実習を控えている看護学生
  • バイタルサイン測定の基本を確認したい方
  • 記録の書き方に不安を感じている方
  • より正確な測定と評価を目指したい方

バイタルサイン測定の基本手順

バイタルサイン測定は看護師の基本的な技術であり、患者さんの状態を正確に把握するための重要な手段です。

ここではまず、正確な測定のための準備から、各バイタルサインの具体的な測定方法まで、実践的な手順を解説していきます。

測定前の準備

測定の信頼性と正確性を確保するためには、適切な準備が不可欠です。準備段階での確認事項と環境整備について詳しく説明していきます。

測定機器の準備と点検

測定前には必ず使用する機器の動作確認と消毒を行う必要があります。

体温計、血圧計、パルスオキシメーターなどの測定機器は、使用前に必ず正常に作動することを確認しましょう。特に電池式の機器は、電池残量が十分であることを確認することが重要です。

また、体温計のアルコール消毒や血圧計のカフの清潔確認なども忘れずに行います。

測定環境の整備

患者さんが安楽に過ごせる環境を整えることは、正確な測定値を得るために重要です。室温は20〜25度、湿度は45〜60%が適切とされています。

また、直射日光や空調の風が直接当たらないよう配慮が必要です。

患者さんへの説明と同意

測定の目的と手順を分かりやすく説明し、同意を得ることが重要です。

特に初回測定時は丁寧な説明を心がけ、患者さんの不安や疑問に答えられるよう準備しておきましょう。

正確な測定のためのポイント

各バイタルサインの測定には、それぞれ特有の注意点があります。

ここでは、体温、脈拍、血圧、呼吸、SpO2について詳しく解説していきます。

体温測定の実際

体温測定には腋窩温と直腸温があり、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

腋窩温測定では、必ず腋窩を十分に乾燥させ、体温計の位置が適切であることを確認します。測定時間は電子体温計でも10分程度かけることで、より正確な値を得ることができます。

脈拍測定のテクニック

脈拍測定では、リズム、緊張、深さの3要素を評価します。

橈骨動脈での測定が一般的ですが、頸動脈や足背動脈など、状況に応じて適切な部位を選択します。1分間測定を基本とし、不整脈が疑われる場合は特に注意深く観察を行います。

血圧測定の重要ポイント

血圧測定ではカフの巻き方が測定値に大きく影響します。

上腕周囲の40%以上を覆うように巻き、心臓の高さで測定することが基本です。また、カフを巻く前に1号指が入る程度の緩みを持たせることで、正確な値を得ることができます。

白衣高血圧を考慮し、必要に応じて複数回の測定を行うことも重要です。

呼吸の観察方法

呼吸の観察は患者さんに意識させないように行うことがポイントです。

胸腹部の動きを観察しながら、呼吸数、リズム、深さを評価します。座位での測定が基本ですが、臥床患者の場合は体位に応じた観察方法を選択します。

SpO2測定の注意点

パルスオキシメーターによるSpO2測定では、末梢循環や体動、マニキュアの有無などが測定値に影響を与えます。

センサーの装着部位は、爪の生え際から1cm程度の位置が適切です。低体温や末梢循環不全がある場合は、測定値の信頼性が低下することに注意が必要です。

特殊な状況での測定方法

患者さんの状態や環境によって、標準的な測定方法を変更する必要がある場合があります。

意識障害のある患者さんの場合

意識障害のある患者さんでは、協力が得られにくいため、より慎重な測定が必要です。

体動が激しい場合は、複数のスタッフで対応し、安全確保を優先します。

感染症患者の測定

感染症患者のバイタルサイン測定では、標準予防策に加えて、必要な感染経路別予防策を実施します。

使用する機器は専用のものを用意し、測定後の消毒を徹底します。

小児患者への対応

小児患者では年齢や発達段階に応じたコミュニケーションと測定方法の選択が重要です。

遊び感覚を取り入れるなど、患児の協力を得やすい工夫をすることで、スムーズな測定が可能になります。

測定値の確認と記録

測定直後の値の確認と記録は特に重要です。異常値を示した場合は、まず測定条件や方法が適切だったかを振り返り、必要に応じて再測定を行います。

再測定の判断基準

前回の測定値と著しく異なる値が出た場合や、患者さんの状態から予測される値と大きく異なる場合は、再測定を検討します。

再測定時は、より丁寧な手順で行い、値の信頼性を高めます。

緊急性の判断

測定値に基づいて緊急性を判断する際は、基準値からの逸脱度に加えて、患者さんの普段の値(ベースライン)との比較も重要です。

緊急性が高いと判断した場合は、速やかに報告する必要があります。

これらの基本手順を確実に実施することで、信頼性の高い測定結果を得ることができます。次のセクションでは、これらの測定結果をどのように記録していくかについて解説していきます。

効果的な記録方法

バイタルサインの記録は、患者さんの経過観察や治療方針の決定に重要な役割を果たします。

ここでは、正確で分かりやすい記録の方法について、具体的に解説していきます。

基本的な記録様式

記録の基本原則

記録では客観的事実を簡潔かつ正確に記載することが重要です。

測定値だけでなく、測定時の状況や患者さんの様子なども含めて記録します。SOAP形式を用いることで、系統的な記録が可能になります。測定時刻、体位、使用した機器なども必ず記載しましょう。

記録時の表現方法

医療者間で共通理解できる専門用語を適切に使用しつつ、誰が読んでも理解できる明確な表現を心がけます。

形容詞や副詞は具体的な数値や状態で表現し、あいまいな表現は避けます。例えば「少し熱がある」ではなく「37.8℃」と記載します。

時系列での記載方法

経時的な変化が分かりやすいように、時系列に沿って記録します。急激な変化があった場合は、その前後の状況も含めて詳細に記録することが重要です。

グラフ化することで、変化の傾向を視覚的に把握しやすくなります。

デジタル記録のポイント

電子カルテの活用法

電子カルテでは、テンプレート機能や入力支援機能を効果的に活用します。入力ミスを防ぐため、入力後は必ず内容を確認します。

また、システムの特性を理解し、データの自動連携や警告機能なども把握しておく必要があります。

データの管理と共有

電子記録では、セキュリティに十分注意を払います。個人情報保護の観点から、パスワード管理や画面ロックなどの基本的な対策を徹底します。

また、多職種間でのデータ共有においては、アクセス権限の設定にも注意が必要です。

バックアップの重要性

システムトラブルに備えて、定期的なバックアップを行います。

特に重要な情報は紙媒体でも保管するなど、複数の記録方法を併用することが推奨されます。

記録演習と具体例

基本的な記録例

一般的な状況での記録例を示します。

「2025年1月17日10:15、臥床安静時、右上腕で血圧測定実施。収縮期血圧118mmHg、拡張期血圧72mmHg。脈拍68回/分、整。体温36.8℃(腋窩温)。SpO2 98%(室内気)。呼吸数16回/分。測定時の自覚症状なし。」

特殊な状況での記録例

異常値や特殊な状況での記録例も確認しておきましょう。

「2025年1月17日15:30、歩行後の血圧測定。収縮期血圧165mmHg、拡張期血圧95mmHg。患者より軽度の頭痛の訴えあり。5分間の安静後に再測定を実施。収縮期血圧142mmHg、拡張期血圧85mmHgまで低下。頭痛症状も軽減。」

実践的な評価方法

バイタルサインの測定値を正しく評価することは、患者さんの状態変化を早期に発見し、適切な対応を行うために不可欠です。

ここでは、評価の具体的な方法と、異常の早期発見のポイントについて解説します。

異常値の判断基準

年齢別の正常値範囲

成人の一般的な正常値は、体温が36.2〜37.2℃、脈拍が60〜100回/分、血圧が収縮期120mmHg未満、拡張期80mmHg未満とされています。

しかし、年齢によって正常値は異なります。小児では脈拍が速く、高齢者では血圧が高めになる傾向があることを理解しておきましょう。

個人差の考慮

バイタルサインは個人差が大きく、その患者さんにとっての「普段の値」を知ることが重要です。

入院時や初回測定時の値を基準値として記録し、その後の変動を評価する際の参考にします。特に慢性疾患のある患者さんでは、疾患の特性を考慮した評価が必要です。

日内変動の理解

体温は夕方にピークを迎え、早朝に最低となる日内変動があります。血圧も同様に変動するため、測定時刻による差を考慮に入れた評価が必要です。

また、食事や活動による影響も把握しておく必要があります。

報告の基準と方法

SBAR方式による報告

医師や先輩看護師への報告は、SBAR方式を用いることで簡潔かつ的確に情報を伝えることができます。Situation(状況)、Background(背景)、Assessment(評価)、Recommendation(提案)の順で報告を組み立てます。

特に緊急性の高い場合は、冒頭でその旨を明確に伝えることが重要です。

緊急度の判断方法

緊急度の判断には、バイタルサインの逸脱度、変化の速さ、患者さんの自覚症状などを総合的に評価します。

例えば、収縮期血圧が180mmHg以上、または90mmHg以下の場合は、直ちに報告が必要です。また、急激な変化がある場合も、その変化の程度に関わらず報告を検討します。

記録と報告の一貫性

報告した内容は必ず記録に残し、報告時刻や報告を受けた医療者名、指示内容なども明確に記載します。

また、報告後の経過観察計画についても記録し、チーム内で情報を共有します。継続的な観察が必要な場合は、次勤務者への申し送りも確実に行います。

データの分析と活用

トレンド分析の方法

経時的なデータを集積し、変化のパターンを分析します。グラフ化することで視覚的に傾向を把握しやすくなります。

特に、治療効果の評価や症状の進行度の判断に役立ちます。

多職種での情報共有

バイタルサインの評価結果は、医師、理学療法士、栄養士など、多職種でのカンファレンスでも重要な情報となります。

それぞれの専門性に応じた視点での評価が可能となるよう、分かりやすくまとめることを心がけます。

実践編

バイタルサイン測定の実践では、患者さんの年齢や状態、環境要因など、様々な条件を考慮する必要があります。

ここでは、具体的な場面に応じた測定のポイントを詳しく解説していきます。

年齢層別の注意点

新生児・乳児の測定

新生児や乳児のバイタルサイン測定では、体格に合わせた機器の選択が重要です。

体温計は腋窩用を使用し、血圧計のカフサイズは上腕周囲の40〜50%を覆うものを選択します。測定中の啼泣や体動による影響を考慮し、落ち着いた状態での測定を心がけます。

小児の対応方法

小児では、年齢に応じたコミュニケーション方法を工夫します。測定の説明には絵や人形を使用し、理解を促します。

また、測定時の体動を最小限に抑えるため、保護者の協力を得ることも有効です。遊び感覚を取り入れることで、スムーズな測定が可能になります。

高齢者への配慮

高齢者では、皮膚の脆弱性や認知機能の低下に注意が必要です。血圧測定時のカフ圧による皮膚損傷を防ぐため、保護材の使用を検討します。

また、測定値に影響を与える可能性のある服薬情報も確認しておきます。

疾患別の留意点

循環器疾患患者の測定

循環器疾患患者では、血圧の左右差確認や、不整脈の有無に特に注意を払います。心不全患者では、体位変換による血圧変動にも注意が必要です。

また、抗凝固薬服用中の患者では、カフ圧による皮下出血のリスクにも配慮します。

呼吸器疾患患者の観察

呼吸器疾患患者では、SpO2値と呼吸状態の詳細な観察が重要です。呼吸数だけでなく、呼吸パターンや補助呼吸筋の使用状況も確認します。

酸素療法中の患者では、酸素流量や投与方法も必ず記録します。

感染症患者への対応

感染症患者の測定では、適切な感染対策を講じます。使用する機器は可能な限り専用のものを用意し、測定後の消毒を徹底します。

また、患者の移動を最小限に抑えるため、測定順序や方法を工夫することも重要です。

季節・環境の影響

夏季の測定ポイント

夏季は室温や湿度が測定値に影響を与えやすいため、環境調整が重要です。特に体温測定では、発汗による影響を考慮し、腋窩を十分に乾燥させてから測定を行います。

また、熱中症のリスク評価も併せて行います。

冬季の注意事項

冬季は末梢循環の低下に注意が必要です。特にSpO2測定では、末梢の冷えによる影響を考慮し、必要に応じて末梢を温めてから測定を行います。

また、室温による血圧への影響も考慮に入れます。

トラブルシューティング

バイタルサイン測定において、様々なトラブルや困難な状況に遭遇することがあります。

ここでは、よくある問題とその対処法について、具体的に解説していきます。

機器別トラブル対応

電子体温計の問題

電子体温計でよく発生する「測定エラー」には、主に電池切れや測定部位の接触不良が関係します。電池残量の定期的な確認と、測定時の腋窩の確実な密着が重要です。

また、防水機能の劣化による故障も多いため、消毒液への長時間の浸漬は避けましょう。

血圧計のトラブル

自動血圧計でエラーが表示される主な原因は、カフの巻き方や体動です。カフは心臓の高さで、適度な強さで巻くことを心がけます。

また、不整脈のある患者さんでは、機器による測定が困難な場合があるため、水銀血圧計やアネロイド血圧計による測定も考慮します。

パルスオキシメーターの不具合

末梢循環不全や体動、マニキュアによる影響で、正確な値が得られないことがあります。

そのような場合は、測定部位を変更したり、末梢を温めたりするなどの工夫が必要です。

コミュニケーション課題

認知症患者への対応

認知症の患者さんでは、測定の必要性を理解していただくことが難しい場合があります。短く簡潔な言葉で説明し、必要に応じて家族の協力を得ることも有効です。

また、測定のタイミングは、患者さんの気分や状態の良い時間帯を選びます。

言語障害のある患者さん

失語症や構音障害のある患者さんとは、非言語的コミュニケーションを活用します。ジェスチャーや筆談、絵カードなどを用いて説明を行い、測定の同意を得ます。

また、測定中の苦痛の有無も、表情やしぐさから読み取るよう注意を払います。

緊急時対応

急変時の測定方法

意識レベルの低下や急激な状態変化が見られる場合は、バイタルサイン測定の優先順位を考慮します。

呼吸・循環の確認を最優先とし、必要に応じて蘇生対応も視野に入れた準備を行います。

災害時の対応

停電時や医療機器が使用できない状況では、用手法による測定が必要となります。

脈拍や呼吸の触診・視診による計測、用手血圧計の使用法など、基本的な技術の習得が重要です。

ケーススタディ

実際の臨床現場で遭遇する様々な状況について、具体的な事例を通して学んでいきましょう。

ここでは4つの代表的なケースについて、測定から評価、対応までの流れを解説します。

Case A:発熱患者の経過観察

患者情報

68歳の男性、肺炎で入院中です。昨日から37.8℃の発熱が継続しており、解熱剤の使用後の経過観察が必要な状況です。

測定値の推移

午前6時の検温で38.2℃を示し、解熱剤を投与。その後2時間ごとの検温を実施し、体温は徐々に低下。午後2時には36.8℃まで解熱しました。

SpO2値は93-95%で推移し、呼吸数18-22回/分を維持しています。

評価と対応

解熱後も慎重な観察を継続し、バイタルサインの安定を確認。肺炎の症状である呼吸状態にも注意を払い、担当医に経過を報告しました。

Case B:循環器疾患患者

患者情報

75歳の女性、慢性心不全で入院中です。利尿剤の投与後、血圧低下が懸念される状況です。

測定のポイント

体位変換時の血圧変動に注意しながら、臥位・座位での測定を実施。

また、心不全の増悪を示唆する呼吸状態の変化も観察します。末梢の浮腫も含めた全身状態の観察が重要です。

観察結果と対応

利尿剤投与後、収縮期血圧が20mmHg低下。めまい等の自覚症状の確認と、頻回な観察を実施。医師に報告し、投与量の調整が行われました。

Case C:呼吸器疾患患者

患者情報

52歳の男性、気管支喘息の急性増悪で来院。呼吸困難を訴えており、SpO2値の低下が見られます。

観察内容

呼吸数、呼吸パターン、補助呼吸筋の使用状況を詳細に観察。聴診所見や喘鳴の有無も確認しました。

SpO2値は体動や会話で変動するため、安静時の値を基準としています。

緊急度判断

SpO2値が89%まで低下し、呼吸困難感も増強。直ちに医師に報告し、酸素投与と気管支拡張薬の使用が開始されました。

Case D:術後患者

患者情報

45歳の女性、腹腔鏡下胆嚢摘出術後1日目。創部痛の訴えがあり、疼痛管理が必要な状況です。

観察ポイント

バイタルサインに加え、疼痛スケールを用いた痛みの評価を実施。創部の状態や出血の有無も併せて確認しています。

術後の回復過程に応じた観察項目の追加も行いました。

実習での活用

バイタルサイン測定の技術を実習で効果的に習得するためには、計画的な準備と実践が重要です。

ここでは、実習を成功させるための具体的な方法を解説していきます。

準備チェックリスト

実習前の確認事項

実習に必要な物品や知識の準備状況を確認します。体温計、血圧計、パルスオキシメーターなどの基本的な測定機器の使用方法を事前に十分練習しておきましょう。

また、各測定値の基準値や、年齢による違いなども復習しておくことが重要です。

記録用具の準備

実習記録用のノートやペン、メモ帳など、必要な文具は複数用意します。電子カルテを使用する施設では、操作方法の確認も必要です。

また、実習指導者から指定された記録様式がある場合は、事前に確認しておきましょう。

時間管理術

1日のスケジュール管理

朝の検温や、定時の測定など、時間が決められている業務を優先的に組み込みます。

患者さんの生活リズムや治療スケジュールを考慮し、効率的な測定計画を立てることが重要です。予測できない状況にも対応できるよう、余裕を持った時間配分を心がけます。

優先順位の付け方

重症度や緊急度に応じて測定の優先順位を決定します。

また、患者さんの状態や治療内容によって、測定頻度や項目が異なることを理解し、適切な時間配分を行います。

振り返り方法

日々の記録方法

その日の測定結果や気づきを、具体的に記録します。

特に困難を感じた場面や、うまくいかなかった測定については、その原因と改善策を詳しく記録しておきましょう。実習指導者からのアドバイスも、必ず記録に残します。

技術向上のポイント

測定値の傾向や、患者さんの反応から、自身の技術の課題を見出します。

特に、コミュニケーションスキルや、測定時の手順について、改善点を明確にしていきます。

記録改善ポイント

効果的な記録方法

測定値だけでなく、患者さんの状態や反応も含めた総合的な記録を心がけます。

SOAP形式を活用し、観察した事実と自己の判断を明確に区別して記載します。時系列での記録を意識し、変化が分かりやすいように工夫することも重要です。

記録の見直し

定期的に記録を見直し、不足している情報や、より詳しく記載すべき点がないか確認します。

実習指導者からのフィードバックを受けた際は、その内容を今後の記録に反映させていきましょう。

最新トレンド

医療技術の進歩に伴い、バイタルサイン測定の方法も日々進化しています。

ここでは、最新の測定機器やシステムについて解説し、今後の展望についても触れていきます。

デジタル機器の特徴

ウェアラブルデバイスの活用

最新のウェアラブルデバイスは、継続的なバイタルサイン測定を可能にします。

腕時計型のデバイスでは、心拍数や血圧、体温などを24時間モニタリングできます。これにより、日内変動の詳細な把握や、異常の早期発見が可能となっています。

スマート測定器の進化

Bluetooth機能を搭載した血圧計や体温計により、測定値を自動的に電子カルテに送信することができます。これにより、転記ミスを防ぎ、より正確な記録が可能となります。

また、測定値の傾向分析も容易になっています。

AI活用の現状

AIによる分析支援

測定データをAIが分析することで、異常値の早期検出や、将来的な変化の予測が可能となっています。

特に、複数のバイタルサインを総合的に評価し、潜在的なリスクを示唆することができます。

遠隔モニタリング

在宅患者のバイタルサインを遠隔でモニタリングし、AIが異常を検知した場合に医療者に通知するシステムも実用化されています。

これにより、早期介入が必要な状況を見逃すことなく対応できるようになっています。

今後の展望

新技術の可能性

非接触型の測定機器や、より小型化された連続測定デバイスの開発が進んでいます。

また、一台で複数のバイタルサインを同時に測定できる統合型機器も登場しつつあります。

これらの技術により、患者さんの負担軽減と、より詳細なデータ収集が期待されています。

看護業務への影響

新しい測定技術の導入により、看護師の業務効率が向上し、より質の高いケアの提供が可能となります。

ただし、機器への過度な依存を避け、従来の観察力と測定技術も維持していく必要があります。

おしえてカンゴさん!

実習で遭遇する疑問や不安について、経験豊富な看護師が答えていきます。

実践的なアドバイスで、あなたの実習をサポートします。

Q1:バイタルサイン測定の順番は決まっていますか?

A1:基本的な順序は「体温→脈拍→血圧→呼吸→SpO2」です。これは患者さんの負担を最小限にし、より正確な値を得るための順序です。

ただし、患者さんの状態によって順序を変更することもあります。

Q2:学生時代に特に気をつけるべきポイントは何ですか?

A2:まずは基本的な手技の習得を確実に行うことです。特に血圧測定は、カフの巻き方や加圧の程度など、繰り返し練習が必要です。

また、測定値の意味を理解し、異常値を見逃さない判断力を養うことも重要です。

Q3:実習中に緊急性の判断に迷った場合はどうすればよいですか?

A3:「いつもと違う」と感じた場合は、必ず指導者に報告してください。経験不足による判断の誤りを防ぐため、些細な変化でも相談することが推奨されます。

この経験が、将来の判断力向上につながります。

Q4:電子カルテの記録で注意することはありますか?

A4:入力ミスを防ぐため、必ず入力後に内容を確認します。特に数値の桁間違いや、単位の誤りには注意が必要です。

また、テンプレート機能を使用する場合も、個別の状況に応じた修正を忘れないようにしましょう。

Q5:測定値に影響を与える要因にはどのようなものがありますか?

A5:食事、運動、精神的緊張、室温、服薬などが影響します。これらの要因を考慮しながら測定を行い、必要に応じて測定時の状況も記録に残すことが重要です。

まとめ

バイタルサイン測定と記録は、看護実践の基本であり、患者さんの状態を把握する上で最も重要なスキルです。

正確な測定技術と適切な記録方法を身につけることは、質の高い看護ケアの提供につながります。

特に実習中は、基本に忠実に、そして患者さんの安全と安楽を常に考慮しながら実践することが大切です。

不安な点があれば、必ず指導者に相談し、着実にスキルを向上させていきましょう。

より詳しい情報や、現役看護師の体験談、奨学金情報など、看護師を目指す方々へのキャリアサポート情報は【ナースの森】でご覧いただけます。

経験豊富な先輩看護師たちがあなたの悩みにお答えします。

就職情報や最新の医療トレンド、継続的な学習サポートなど、看護師としてのキャリアをトータルでサポートいたします。

会員登録いただくと、以下のような特典もご利用いただけます。

  • 看護学生向けの学習支援コンテンツ
  • 現役看護師によるキャリア相談
  • 奨学金情報の優先案内
  • 実習お役立ち情報
  • 就職活動サポート

▼【ナースの森】看護師のためのキャリア支援サイトはこちら

はたらく看護師さんの最新コラムはこちら

コメントを残す

*