
実習は看護学生にとって学びの集大成であり、将来の看護師としての基礎を築く重要な機会です。
しかし、多くの学生が実習への不安を抱えており、効果的な事前準備の方法がわからないという声も少なくありません。
本記事では、実習評価の向上につながる具体的な準備方法と、先輩たちの成功体験をもとにした実践的なアドバイスをお伝えします。
実習を充実した学びの場とするための効果的な事前学習方法を、ステップバイステップでご紹介していきます。
この記事で分かること
- 実習評価を向上させる具体的な事前学習方法と準備のポイント
- 基礎知識の確認から実践的な技術練習までの体系的な学習プロセス
- 実習記録の効率的な記載方法とコミュニケーションスキルの向上法
- トラブル対応事例と具体的な解決策
この記事を読んでほしい人
- はじめての実習を控えた看護学生
- 実習評価を向上させたい学生
- 効率的な準備方法を知りたい方
- 実習への不安を解消したい方
- 実習記録の書き方に悩んでいる方
看護実習の事前学習:成功への5つのステップ

実習で高い評価を得るためには、体系的な準備と効率的な学習方法が不可欠です。
このセクションでは、実習を成功に導くための5つの重要なステップについて、具体的な方法とポイントをご紹介します。
1. 基礎知識の体系的確認
実習での深い学びを実現するためには、解剖生理や疾患に関する確実な知識が不可欠です。
このセクションでは、効率的な知識の確認方法と、実践で活用できる学習方法について解説します。
解剖生理の重点復習
実習病棟で多く見られる疾患に関連する系統を中心に、基礎的な解剖生理の理解を深めることが重要です。
循環器系であれば心臓の構造と機能、呼吸器系であれば呼吸のメカニズムなど、系統的な学習を進めます。
疾患理解のポイント
実習で関わる可能性の高い疾患について、病態生理、症状、検査、治療、看護の視点から理解を深めます。
教科書的な知識だけでなく、実際の患者さんに見られる症状や生活への影響についても考察を深めることが大切です。
フィジカルアセスメントの基礎
バイタルサインの正常値や測定方法、フィジカルイグザミネーションの手順と評価ポイントを確認します。
特に、異常の早期発見につながる観察ポイントを理解しておくことが重要です。
疾患別の重要ポイント理解
主要な疾患について、病態生理から看護介入までの一連の流れを理解することが重要です。
例えば、心不全の場合、心機能の低下が呼吸困難や浮腫といった症状をもたらすメカニズムを理解し、それに対する看護介入の根拠を説明できるようにします。
循環器系疾患のポイント
心不全、心筋梗塞、不整脈などの基本的な病態と、それぞれの特徴的な症状について理解を深めます。
また、心電図の基本的な読み方や、循環動態の評価方法についても確認しておくことが大切です。
呼吸器系疾患のポイント
慢性閉塞性肺疾患や肺炎などの病態生理と、呼吸困難の評価方法や酸素療法の基礎知識を確認します。
呼吸音の聴取方法や呼吸パターンの観察ポイントについても、実践的な理解を深めます。
検査データの解釈
基準値から外れた検査データの臨床的意義と、それに基づく看護介入について理解を深めます。
血液検査、生化学検査、動脈血ガス分析など、主要な検査項目の意味と異常値の解釈方法を確認します。
薬剤に関する基礎知識
実習で頻繁に使用される薬剤について、作用機序、副作用、投与方法、観察ポイントを整理します。
特に、注射薬や点滴の管理方法、副作用の早期発見と対応について、十分な知識を身につけておくことが重要です。
栄養管理の基礎
疾患別の食事療法や栄養管理について理解を深めます。
経口摂取が困難な患者さんへの対応や、経管栄養、静脈栄養の基礎知識も確認しておきましょう。
感染予防の基本
標準予防策の具体的な実践方法と、感染経路別予防策の適用について理解を深めます。
手指衛生のタイミングや防護具の適切な使用方法など、基本的な感染予防技術を確実に身につけます。
記録用語の確認
看護記録で使用される専門用語や略語について、正しい使用方法を確認します。
特に、症状や観察結果を正確に表現するための用語を整理しておくことが重要です。
学習の進め方のポイント
効率的な学習のために、実習病棟の特徴を踏まえた学習計画を立てることが大切です。
実習指導者から事前に提示された課題や、実習要項に記載された目標を確認し、重点的に学習する内容を明確にしていきます。
2. 看護技術の実践練習

看護技術の確実な習得は、実習成功の重要な要素です。
このセクションでは、基本的な技術から応用まで、段階的な練習方法と習得のポイントについて解説します。
バイタルサイン測定の精度向上
正確なバイタルサイン測定は、患者さんの状態把握の基本となります。
体温、脈拍、血圧、呼吸の測定について、実践的な練習方法を身につけていきましょう。
体温測定のコツ
電子体温計の特性を理解し、正確な測定方法を習得します。
特に、測定部位による特徴や、測定値に影響を与える要因について理解を深めることが重要です。
腋窩温測定では、腋窩の確実な密閉と適切な測定時間の確保が、正確な値を得るためのポイントとなります。
血圧測定の技術向上
カフの正しい巻き方から、加圧・減圧の速度調整、コロトコフ音の聴取まで、一連の動作を確実に習得します。
特に、聴診器の当て方と圧の調整は、繰り返しの練習が必要です。
自身の血圧を測定する際も、必ず両腕で測定し、左右差の確認も行いましょう。
呼吸・脈拍測定の注意点
呼吸数の測定では、患者さんに意識させないよう工夫しながら、確実にカウントする技術を身につけます。
脈拍測定では、リズム、緊張度、血管の触れ方なども含めて評価できるよう練習を重ねます。
清潔ケアの実践
全身清拭、陰部洗浄、洗髪など、患者さんの清潔を保つための技術を確実に習得します。
全身清拭の手順確認
湯温の管理、タオルの絞り方、拭き方の順序など、基本動作を確実に身につけます。
特に、患者さんの羞恥心への配慮と安全性の確保を意識した方法を習得することが重要です。
洗髪技術の向上
ベッド上での洗髪方法について、水の温度管理、シャンプーの泡立て方、すすぎの確実性など、細かな技術を習得します。
特に、水が漏れない洗髪車の準備と後片付けの手順を確実に身につけましょう。
移乗・移動介助の技術
安全で確実な移乗・移動介助の技術を習得します。
特に、ボディメカニクスを意識した介助方法を身につけることが重要です。
ベッド上での体位変換
患者さんの負担を最小限に抑えながら、安全に体位変換を行う技術を習得します。
特に、褥瘡予防の視点を含めた適切な体位の保持方法について、理解を深めます。
車椅子への移乗介助
安全な移乗介助のために、患者さんの残存機能を活かした介助方法を習得します。
車椅子のブレーキ確認、フットレストの操作など、基本的な安全確認も確実に行えるようにします。
与薬の技術
内服薬の与薬、皮下注射、筋肉内注射など、基本的な与薬技術を習得します。
内服薬の与薬手順
内服薬の確認から与薬後の観察まで、一連の流れを確実に身につけます。
特に、6Rの確認を習慣化し、安全な与薬を実践できるようにします。
3. 看護過程の展開準備
看護過程の展開は実習評価の重要な要素です。
このセクションでは、効率的な情報収集から看護計画の立案まで、体系的な準備方法を解説します。
情報収集の効率化
実習では限られた時間内で必要な情報を収集する必要があります。
電子カルテからの情報収集、患者さんとの会話、観察によって得られる情報など、それぞれの特徴を理解し、効率的な情報収集方法を身につけます。
アセスメントの視点強化
収集した情報を適切にアセスメントし、看護問題を明確化する能力を養います。
ゴードンの機能的健康パターンに沿って情報を整理し、各パターンにおける強みと問題点を明確にしていきます。
看護診断の展開方法
NANDA-I看護診断を用いて、患者さんの状態を適切に表現する方法を学びます。
診断指標と関連因子の関係性を理解し、優先順位を考慮した看護診断の選択ができるようになることが重要です。
看護目標の設定
具体的で測定可能な目標設定の方法を学びます。
長期目標と短期目標の関係性、目標達成のための期間設定など、実践的な目標設定の視点を養います。
看護計画の立案
個別性を考慮した具体的な看護計画の立案方法を学びます。
特に、患者さんの生活背景や価値観を反映させた計画立案ができるよう、事例を用いた演習を行います。
評価の視点
計画の実施結果を適切に評価し、必要に応じて修正する方法を学びます。
特に、目標の達成度を客観的に評価する視点を養い、計画の見直しにつなげる方法を理解します。
4. 実習記録の書き方完全ガイド
実習記録は学びの軌跡であり、評価の重要な要素となります。
このセクションでは、効率的で質の高い記録の書き方について、具体的な例を交えながら解説します。
SOAP記録の基本構造
看護記録の基本となるSOAP形式について、各要素の特徴と記載方法を学びます。
主観的データ(S)、客観的データ(O)、アセスメント(A)、計画(P)それぞれの要素を適切に記載することで、論理的な記録を作成することができます。
主観的データの記載
患者さんから直接聞き取った情報や訴えを、できるだけ患者さんの言葉のまま記載します。
面接時の表情や態度など、非言語的なコミュニケーションから得られた情報も含めることが重要です。
客観的データの記載方法
バイタルサインの測定値や、観察によって得られた情報を具体的に記載します。
特に、異常所見や変化が見られた場合は、その状況を詳細に記録することが求められます。
フォーカスチャーティング
患者さんの状態変化や重要な出来事に焦点を当てた記録方法について学びます。
特に、DAR(Data:データ、Action:行動、Response:反応)形式での記載方法を理解し、実践的な記録が作成できるようになります。
経時記録の効率的な書き方
時系列に沿った記録の書き方について、具体的な例を用いて解説します。
特に、重要な観察項目や実施したケアの効果について、簡潔かつ正確に記載する方法を学びます。
看護計画の記載方法
個別性のある具体的な看護計画の立案と記載方法について学びます。
目標設定から具体的な援助内容まで、実践可能な形で記載することが重要です。
評価の記載ポイント
計画に基づいて実施したケアの効果を、客観的に評価する方法を学びます。
特に、目標の達成度や患者さんの反応について、具体的な記載ができるようになることを目指します。
プログレスノートの書き方
日々の看護実践を簡潔かつ正確に記録するプログレスノートの書き方を学びます。
特に、患者さんの状態変化や実施したケアの効果について、経時的な変化が分かるように記載することが重要です。
観察項目の記載
バイタルサインや症状の変化、日常生活動作の状況など、重要な観察項目について具体的に記載します。
数値データだけでなく、患者さんの様子や反応についても詳細に記録します。
実施したケアの記録
実施した看護ケアの内容と、それに対する患者さんの反応を具体的に記載します。
特に、新しく開始したケアや変更点については、その理由と共に記録することが大切です。
実習での学びの記載
日々の実習で得られた気づきや学びを、具体的に記録する方法を解説します。
特に、看護理論や既習の知識との関連づけを意識した記載ができるようになることを目指します。
振り返りの記載方法
その日の実習を振り返り、得られた学びや課題を具体的に記載します。
特に、実践場面での気づきや、今後の課題について、具体的な記載ができるようになることが重要です。
記録作成の時間管理
限られた時間内で効率的に記録を作成するためのポイントを解説します。
特に、メモの取り方や情報の整理方法など、実践的なテクニックを身につけることを目指します。
記録の見直しと修正
作成した記録を見直し、必要に応じて修正を加える方法について学びます。
特に、誤字脱字のチェックや、論理的な文章構成の確認など、記録の質を高めるためのポイントを解説します。
これらの要素を意識しながら記録を作成することで、実習での学びを確実に記録し、さらなる成長につなげることができます。
実習記録は単なる義務ではなく、専門職としての成長の証となる重要なツールなのです。
5. 実習指導者とのコミュニケーション術

充実した実習を実現するためには、実習指導者との効果的なコミュニケーションが不可欠です。
このセクションでは、適切な報告・連絡・相談の方法から、信頼関係の構築まで、実践的なコミュニケーション術をご紹介します。
報告・連絡・相談の基本
実習中の適切な報告、連絡、相談は、安全な看護実践の基盤となります。
特に、患者さんの状態変化や実施予定のケアについて、タイミングよく簡潔に報告することが重要です。
報告の具体的手順
状況、背景、評価、提案(SBAR)の形式を用いた報告方法を身につけます。
緊急性の高い状況と定期的な報告を区別し、適切な方法で伝えることができるよう準備します。
質問・相談のタイミング
効果的な学びのために、適切なタイミングでの質問や相談が重要です。
患者さんのケアに支障をきたさない時間帯を選び、自身の考えを整理した上で相談することを心がけましょう。
積極的な学習姿勢の示し方
実習指導者に対して、自身の学習目標や課題を明確に伝え、積極的な学習姿勢を示すことが重要です。
特に、事前学習の内容や疑問点について、具体的に質問できるよう準備しておくことが大切です。
指導を受ける際の心構え
指導を受ける際は、メモを取りながら真摯に耳を傾け、理解したことを確認しながら進めることが重要です。
また、指摘された点については、必ず改善策を考え、次の機会に活かす姿勢を示すことが大切です。
フィードバックの受け方
実習指導者からのフィードバックは、成長のための貴重な機会です。
指摘された点を前向きに受け止め、具体的な改善策を考えることで、より効果的な学びにつなげることができます。
信頼関係の構築方法
実習指導者との良好な関係を築くために、日々の挨拶や態度、言葉遣いなど、基本的なマナーを徹底することが重要です。
また、指導を受けた内容について、実践を通じて学びを深める姿勢を示すことで、信頼関係を構築することができます。
カンファレンスでの発言方法
カンファレンスでは、自身の意見や気づきを論理的に伝えることが求められます。
特に、患者さんの状態や看護計画について、根拠を持って説明できるよう準備することが重要です。
効果的な発言の準備
カンファレンスでの発言内容を事前に整理し、必要に応じて資料を準備することで、より充実した討議につなげることができます。
特に、具体的な事例や観察結果を基に、自身の考えを説明できるようにすることが大切です。
実習グループ内での協力
実習グループのメンバーと協力しながら、より良い学びの環境を作ることが重要です。
情報共有や相互支援を通じて、グループ全体の学習効果を高めることができます。
実習最終日の振り返り
実習期間を通じての学びと課題について、具体的に振り返ることが重要です。
特に、実習目標の達成度や今後の課題について、明確に説明できるよう準備することが大切です。
これらのコミュニケーション術を意識的に実践することで、より充実した実習体験を実現することができます。
実習指導者との良好な関係は、看護師としての成長を支える重要な基盤となるのです。
トラブル対応事例集

実習中には様々な予期せぬ状況が発生する可能性があります。
このセクションでは、実際に起こりうるトラブルとその対応方法について、具体的な事例を交えながら解説します。
記録が終わらないケース
深夜まで記録が終わらず、睡眠時間が確保できない状況に陥ったAさんの事例です。
情報の整理方法を見直し、メモの取り方を工夫することで、効率的な記録作成が可能になりました。
具体的な改善策
記録用のテンプレートを作成し、実習中にキーワードをメモする習慣をつけることで、記録時間を大幅に短縮することができました。
特に、観察項目を事前に整理しておくことで、必要な情報を素早く記録できるようになります。
技術実施でのミス
初めての採血実習で緊張のあまり手順を間違えてしまったBさんの事例です。
指導者への報告と振り返りを通じて、安全な技術実施につながる学びを得ることができました。
対応のポイント
ミスが発生した際は、まず落ち着いて状況を確認し、速やかに指導者に報告することが重要です。
その上で、なぜミスが起きたのか、どうすれば防げたのかを丁寧に振り返ることで、次への学びにつなげることができます。
患者さんとの関係構築
コミュニケーションに苦手意識があり、患者さんとの関係構築に悩んでいたCさんの事例です。
基本的な声かけから始め、徐々に信頼関係を築いていく過程を紹介します。
関係改善のプロセス
日々の挨拶や基本的なコミュニケーションから始め、患者さんの興味や関心に合わせた話題を少しずつ広げていくことで、自然な会話が可能になりました。
特に、患者さんの表情や反応を観察しながら、コミュニケーションの時間や内容を調整することが効果的でした。
体調管理の失敗
実習の緊張と疲労で体調を崩してしまったDさんの事例です。
規則正しい生活リズムの確立と、効率的な学習計画の立案により、健康的に実習を継続する方法を見出すことができました。
予防と対策
十分な睡眠時間の確保、バランスの良い食事摂取、適度な運動など、基本的な健康管理の重要性を再確認しました。
また、体調の変化を早期に察知し、必要に応じて休息を取る判断も重要です。
指導者との関係調整
指導者からの厳しい指導に戸惑いを感じていたEさんの事例です。
指導の意図を理解し、建設的な関係を築くためのアプローチ方法を紹介します。
関係改善への取り組み
指導内容をメモに取り、確実に実践することで、学ぶ姿勢を示すことができました。
また、分からないことは率直に質問し、改善点について具体的な助言を求めることで、より効果的な学びにつなげることができました。
グループダイナミクスの課題
実習グループ内での連携がうまくいかず、情報共有や相互支援が不足していた事例です。
グループでの話し合いを通じて、より良い協力体制を構築する過程を解説します。これらの事例から学ぶことで、同様の状況に直面した際の対応力を高めることができます。
トラブルは学びの機会として捉え、より良い実習体験につなげていくことが重要です。
デイリースケジュール例
充実した実習を実現するためには、1日の流れを把握し、計画的に行動することが重要です。
このセクションでは、効率的な時間の使い方と、各時間帯での具体的な行動指針をご紹介します。
実習前の準備時間(6:00-7:00)
朝の時間を有効活用することで、充実した実習の基盤を作ることができます。
前日の記録の見直しや、その日の行動計画の確認など、実習に向けた心の準備を整えることが重要です。
実習開始前(7:00-8:00)
病棟に到着後、まずは環境を整えることから始めます。
ユニフォームを整え、必要物品を確認し、実習記録やメモ用紙を準備します。
早めに行動することで、余裕を持って1日を始めることができます。
朝の情報収集(8:00-8:30)
夜勤帯での患者さんの状態変化や、その日の予定を確認します。
特に、バイタルサインの変化や、予定されている検査・治療について、詳しく情報を収集することが重要です。
午前中の看護ケア(8:30-12:00)
モーニングケアからバイタルサイン測定、清潔ケアなど、基本的な看護ケアを実施します。
患者さんの状態に合わせて、優先順位を考慮しながら計画的にケアを進めることが大切です。
昼休憩時の活用(12:00-13:00)
休憩時間を効果的に使うことで、午後の実習をより充実させることができます。
記録の整理や、午後の予定確認など、必要な準備を行いながら、適切な休息も取ることが重要です。
午後の看護ケア(13:00-16:00)
検温や与薬、各種看護ケアを実施します。
また、カンファレンスや報告会の準備も、この時間帯で進めていきます。
特に、実施したケアの評価と、新たな問題点の抽出に注意を払います。
カンファレンス(16:00-17:00)
1日の実習を振り返り、学びや気づきを共有します。
グループメンバーとの意見交換を通じて、新たな視点を得ることができます。
また、翌日の実習に向けた準備や計画についても確認します。
実習記録の作成(17:00-19:00)
その日の実習内容を整理し、記録を作成します。
特に、観察した内容や実施したケア、それに対する患者さんの反応について、具体的に記載することが重要です。
翌日の準備(19:00-20:00)
翌日の実習に必要な事前学習や資料の準備を行います。
特に、予定されているケアや処置について、手順の確認や必要物品の準備を行っておくことが大切です。
自己学習の時間(20:00-22:00)
その日の学びを深めるための自己学習を行います。分からなかった点や、さらに理解を深めたい内容について、教科書や参考書で確認します。
このような時間配分で1日を過ごすことで、効率的な学習と十分な休息時間の確保が可能になります。
また、計画的な時間の使い方を身につけることで、看護師としての基本的な実践力を養うことができます。
必要物品チェックリスト

実習を円滑に進めるためには、必要な物品を漏れなく準備することが重要です。
このセクションでは、基本的な持ち物から各専門領域で特に必要となる物品まで、詳しく解説します。
基本的な実習物品
毎日の実習に欠かせない基本物品について説明します。
実習指導要項、実習記録用紙、筆記用具、電卓、メモ帳、時計、ペンライト、はさみ、必要な教科書などが含まれます。
これらの物品は実習バッグにまとめて収納し、毎日の持ち運びに便利なように整理することが効率的です。
身だしなみを整えるための物品
清潔な印象を与えるための身だしなみ用品について解説します。
予備のユニフォーム、ナースシューズ、名札、白いソックス、ヘアゴム、爪切りなどが必要です。
特に、感染予防の観点から、清潔な身なりを保つことが重要です。
実習記録作成用品
効率的な記録作成のために必要な物品を紹介します。
ルーズリーフやファイル、付箋、定規、消しゴム、修正テープなどを準備します。
デジタル機器の使用が許可されている場合は、タブレットやノートパソコンも活用できます。
感染予防用品
感染予防のために必要な個人防護具について説明します。
マスク、ゴーグル、使い捨て手袋、エプロン、手指消毒用アルコールなどを準備します。
特に、予備のマスクは複数枚持参することが推奨されます。
専門領域別の追加物品
各専門領域の実習で特に必要となる物品について解説します。
例えば、小児看護学実習ではおもちゃや絵本、母性看護学実習では母子健康手帳の見本などが必要になる場合があります。
事前に実習要項を確認し、必要な物品を準備することが重要です。
これらの物品を事前に準備し、整理することで、実習中の不便を防ぎ、学習に集中することができます。
また、定期的に物品の補充や点検を行うことで、常に万全の状態を保つことができます。
Q&A「おしえてカンゴさん!」よくある質問
実習に関する皆さんからの疑問や不安について、経験豊富な看護師が分かりやすく回答します。
このセクションでは、実習前の準備から実習中の対応まで、具体的なアドバイスをお届けします。
実習準備に関する質問
Q1:実習の事前学習はいつから始めるべきですか?
A1:実習開始の2-4週間前から開始することをお勧めします。
特に、実習病棟で多く見られる疾患について、病態生理や看護ケアを中心に学習を進めることが効果的です。
早すぎると忘れてしまい、遅すぎると十分な準備ができないため、この期間が最適です。
Q2:効果的な技術練習の方法を教えてください。
A2:基本手順の動画撮影による自己チェックが効果的です。
スマートフォンで自分の技術を撮影し、手順書と照らし合わせながら確認することで、客観的に改善点を見つけることができます。
また、実習グループのメンバーと相互に確認し合うことで、より確実な技術習得につながります。
Q3:患者さんとのコミュニケーションが不安なんですが、どうすれば良いですか?
A3:まずは日常的な挨拶や天候の話題から始めることをお勧めします。
患者さんの表情や反応を観察しながら、徐々に会話を広げていくことで、自然なコミュニケーションを築くことができます。
また、実習前に友人や家族と模擬面接を行うことで、基本的なコミュニケーションスキルを身につけることができます。
Q4:実習記録が思うように進まず、悩んでいます。効率的な記録の方法はありますか?
A4:実習中のメモ取りが重要です。
患者さんとの会話や観察した内容を、その場でキーワードとして記録しておくことで、後から詳細な記録を作成する際の助けとなります。
また、記録用のテンプレートを準備しておくことで、効率的に記録を進めることができます。
Q5:指導者からの指摘に落ち込んでしまいます。どのように受け止めれば良いでしょうか?
A5:指導者からの指摘は、より良い看護師になるためのアドバイスとして捉えることが大切です。
指摘された内容をメモに取り、改善策を考えて実践することで、確実な成長につなげることができます。
また、分からない点があれば、その場で質問して理解を深めることをお勧めします。
Q6:実習中の体調管理について教えてください。
A6:十分な睡眠時間の確保が最も重要です。
実習前日は特に早めに就寝し、朝は余裕を持って起床することをお勧めします。
また、栄養バランスの良い食事を心がけ、こまめな水分補給を行うことで、体調を整えることができます。
Q7:カンファレンスでの発言が苦手です。どのように準備すれば良いでしょうか?
A7:事前に発言内容を整理しておくことが効果的です。
その日の実習で気づいたことや学んだことを簡潔にまとめ、具体的な場面を例に挙げながら説明できるよう準備します。
また、他のメンバーの意見に対して、自分の考えを付け加えるような形で発言することで、より活発な意見交換につなげることができます。
メモを取りながら他のメンバーの発言をよく聞き、関連する自身の経験や考えを共有することで、充実したカンファレンスとなります。
Q8:予習・復習の効果的な方法を教えてください。
A8:実習で担当する患者さんの疾患について、教科書や参考書を用いて病態生理から看護まで体系的に学習することをお勧めします。
特に、実習病棟で頻繁に行われる看護ケアについては、手順を確認しながら練習することで、実践的な準備ができます。
これらの質問と回答を参考に、実習に向けた準備を進めていただければと思います。
分からないことがあれば、遠慮なく指導者や教員に質問してください。
実習は貴重な学びの機会です。積極的に取り組むことで、確実な成長につなげることができます。
まとめ
充実した看護実習を実現するためには、計画的な準備と効率的な学習方法が不可欠です。
基礎知識の確認から実践的な技術練習まで、段階的に準備を進めることで、実習での学びを最大限に高めることができます。
本記事で紹介した方法を参考に、自身の目標や課題に合わせた準備を進めていきましょう。
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