
看護現場での報告は、患者さんの安全と適切なケアの提供に直結する重要なスキルです。特に看護学生や新人看護師の皆さんにとって、確実な情報伝達は大きな課題となっています。
本記事では、医療現場で標準的に用いられているSBARフレームワークの活用方法から、情報の整理技術、効果的な伝達方法まで、実践的なテクニックをご紹介します。
先輩看護師の経験に基づく具体例も交えながら、現場ですぐに活用できる報告スキルを身につけていただけます。
これから実習や就職を控えている方はもちろん、さらなるスキルアップを目指す現役看護師の方にも役立つ内容となっています。
この記事で分かること
- 看護報告の基本的な手順とポイント
- SBARフレームワークの具体的な活用方法
- 情報の優先順位付けと整理技術
- 報告時の確認プロセス
- よくある課題と改善方法
この記事を読んでほしい人
- 看護学生の方
- 臨地実習を控えている学生さん
- 報告の基本を身につけたい方
- 情報伝達の精度を上げたい方
看護報告の基本:SBARフレームワークの実践

医療現場における報告は、患者さんの命に直結する重要なコミュニケーションです。ここでは、効果的な報告の基礎となるSBARフレームワークについて詳しく解説していきます。
SBARの基本概念
医療現場でのコミュニケーションエラーは、医療事故の主要な原因の一つとされています。SBARは、このようなリスクを軽減するために開発された標準化されたコミュニケーションツールです。
Situation(状況)、Background(背景)、Assessment(評価)、Recommendation(提案)の順序で情報を整理し伝達することで、重要な情報の抜け落ちを防ぎ、受け手の理解を促進します。
Situation(状況)の伝え方
まず、現在の状況を簡潔に伝えることから始めます。「〇〇病棟の看護学生の△△です。担当患者のAさんについて報告させていただきます。現在、38.5度の発熱が持続しています」というように、自己紹介、報告対象、現在の問題点を明確に示します。
Background(背景)の要点
次に、現在の状況に関連する背景情報を共有します。「Aさんは肺炎で入院中、抗生剤投与3日目です。既往に糖尿病があり、インスリン治療中です。昨日までは37度台で経過していました」など、現在の状況を理解するために必要な情報を提供します。
Assessment(評価)の伝達
続いて、収集した情報に基づく評価を伝えます。「バイタルサインは、血圧145/85mmHg、脈拍98回/分、SpO2 95%です。咳嗽も増強しており、肺炎の増悪が考えられます」というように、客観的データと主観的判断を区別して伝えます。
Recommendation(提案)の方法
最後に、必要な対応や提案を述べます。「解熱剤の使用と、主治医への報告が必要と考えます。また、呼吸状態の頻回な観察が必要かと思われます」など、具体的なアクションプランを提示します。
実践的なSBAR活用法
実際の臨床現場では、状況に応じてSBARを柔軟に活用することが重要です。ここでは、具体的な活用方法について解説します。
緊急度に応じた報告の調整
緊急性の高い場合は、より簡潔な報告が求められます。「救急対応が必要な状況です。3床のBさんが急な意識レベル低下と血圧低下をきたしています」というように、最重要情報を冒頭で伝えます。
定期報告での活用
勤務交代時の申し送りなど、定期的な報告では、より詳細な情報共有が可能です。「夜間の経過、処置内容、患者さんの反応、次勤務帯での注意点」など、体系的に情報を整理して伝えます。
報告時の留意点とエラー防止
医療安全の観点から、報告時には特に注意が必要な要素があります。
数値情報の伝達
バイタルサインや投薬量などの数値情報は、特に正確な伝達が重要です。「体温サーティエイト・ポイント・ファイブ度」のように、数値を明確に発音します。
重要情報の確認
重要な情報は、必ず受け手からの復唱を求めます。「申し訳ありませんが、投薬量の確認をお願いできますでしょうか」など、確認を促す言葉を添えます。
SBAR活用の実践演習
実際の臨床場面を想定した演習を通じて、SBARの活用スキルを向上させましょう。
基本シナリオ演習
新人看護師として、発熱患者の状態変化を先輩看護師に報告する場面を想定します。まず、必要な情報を整理し、報告の順序を組み立てます。
応用シナリオ演習
複数の問題が同時に発生している状況や、緊急度の異なる報告が必要な場合など、より複雑な状況での報告方法を練習します。
よくある課題と改善策
実際の報告場面でよく直面する課題とその対処方法について解説します。
情報過多への対応
報告内容が多すぎて要点が伝わりにくい場合は、優先順位を明確にします。「特に注意が必要な点は3つあります」など、重要ポイントを明示します。
緊張への対処
報告時の緊張を軽減するために、事前準備と深呼吸が効果的です。メモを活用し、報告内容を整理することで自信を持って伝えることができます。
情報整理の技術
患者さんの状態を正確に伝えるためには、収集した情報を適切に整理することが不可欠です。
このセクションでは、効果的な情報整理の方法と、優先順位の付け方について詳しく解説します。
優先順位の付け方
医療現場では数多くの情報が発生しますが、それらすべてを同じ重要度で扱うことはできません。状況に応じた適切な優先順位付けが、効果的な報告の基本となります。
生命に関わる情報
バイタルサインの急激な変化や意識レベルの低下など、患者さんの生命に直接関わる情報を最優先に報告します。「呼吸数が1分間に28回と頻呼吸があり、SpO2が92%まで低下しています」といった情報は、即座に報告が必要です。
治療方針に影響する情報
投薬後の反応や症状の変化など、治療方針の決定に影響を与える情報が次に重要です。「解熱剤の使用後も38.5度の発熱が持続しており、咳嗽も増強しています」などの情報は、治療方針の見直しにつながる可能性があります。
効果的な情報収集の方法
正確な報告のためには、系統的な情報収集が欠かせません。患者さんの状態を総合的に把握するための方法を身につけましょう。
観察ポイントの明確化
バイタルサインや症状、生活状況など、観察すべきポイントを明確にします。「食事摂取量、排泄状況、睡眠状態、活動状況」など、日常生活に関する基本的な情報を漏れなく収集します。
時系列での記録
症状の変化や処置の実施状況を時系列で記録することで、状態の推移を把握しやすくなります。「10時の検温時に37.8度、11時に38.2度、12時には38.5度と、体温の上昇傾向が続いています」というように、経時的な変化を明確に伝えることができます。
情報の確認と検証
収集した情報の正確性を担保するため、複数の観点からの確認が重要です。
客観的データの確認
測定値や検査結果などの客観的データは、必ず数値を再確認します。「血圧値は、上が145、下が85です。脈拍は98回/分で整脈です」など、具体的な数値を正確に記録します。
主観的情報の裏付け
患者さんの訴えなどの主観的情報は、可能な限り客観的な観察結果で裏付けます。「患者さんは強い腹痛を訴えており、触診では右下腹部に圧痛を認めます」というように、主観と客観の両面から状態を把握します。
記録の活用と整理
効果的な報告のためには、適切な記録の活用が不可欠です。
記録用具の活用
メモ帳やチェックリストを活用して、必要な情報を漏れなく記録します。電子カルテシステムの場合は、システムの機能を十分に理解し、効率的な記録を心がけます。
情報の整理方法
収集した情報は、報告しやすい形に整理します。「バイタルサイン、症状の変化、実施した処置、患者さんの反応」など、カテゴリーごとに情報を整理することで、報告時の混乱を防ぐことができます。
情報共有におけるリスク管理
情報の取り扱いには、医療安全の観点から特別な注意が必要です。
個人情報の保護
患者さんの個人情報を含む記録の取り扱いには十分注意し、不必要な場所での情報の露出を避けます。記録用紙の放置や、大声での情報共有は厳に慎みます。
記録の確実な引き継ぎ
勤務交代時には、記録の確実な引き継ぎを行います。「この患者さんについては、特に〇〇の観察が重要です」など、注意点を明確に伝達します。
伝達技術の向上

効果的な報告には、適切な伝達技術が不可欠です。
このセクションでは、相手に確実に情報が伝わるためのコミュニケーション技術と、実践的な伝達方法について解説します。
簡潔な表現方法
医療現場での報告では、簡潔かつ正確な情報伝達が求められます。状況を明確に伝えるための表現技術を身につけましょう。
要点を絞った報告
重要な情報から順に伝えることで、受け手の理解を促進します。「現在の主訴は胸痛です。10分前から始まり、徐々に増強しています。安静時痛で、左胸部全体に広がっています」というように、時系列と症状の特徴を明確に伝えます。
具体的な数値表現
曖昧な表現を避け、具体的な数値を用います。「かなりの発熱」ではなく「38.5度の発熱」、「少し良くなった」ではなく「SpO2が92%から96%に改善」というように、客観的な数値で状態を伝えます。
確認技術の実践
情報の正確な伝達には、適切な確認プロセスが重要です。
復唱による確認
重要な指示や情報は、必ず復唱して確認します。「承知いたしました。抗生剤セフトリアキソン1gを生食100mlに溶解して、30分かけて点滴投与ですね」というように、具体的な内容を復唱します。
再確認の方法
不明確な点がある場合は、躊躇せずに確認します。「申し訳ありません。点滴の滴下速度について、もう一度ご指示いただけますでしょうか」など、明確な確認を心がけます。
効果的な質問技術
適切な質問により、必要な情報を効率的に収集することができます。
オープンクエスチョン
患者さんの状態を広く把握するために、開かれた質問を活用します。「胸の痛みについて、詳しく教えていただけますか」というように、相手が自由に回答できる質問を投げかけます。
クローズドクエスチョン
具体的な情報を確認する際は、閉じた質問を使用します。「痛みは動くと強くなりますか」など、明確な答えを得られる質問を行います。
状況に応じた報告スタイル
場面や相手に応じて、適切な報告スタイルを選択することが重要です。
緊急時の報告
緊急時には、特に簡潔な報告が求められます。「緊急です。4床のCさんが意識消失しました。現在心肺停止の状態です」というように、状況と必要な対応を端的に伝えます。
定期報告での伝達
定期的な申し送りなど、時間的余裕がある場合は、より詳細な情報提供が可能です。患者さんの全体的な状態や、注意点などを漏れなく伝えます。
コミュニケーション上の配慮
円滑な情報伝達には、適切なコミュニケーション姿勢が欠かせません。
相手への配慮
報告を受ける側の状況や理解度に配慮し、必要に応じて説明の仕方を調整します。「初めて担当させていただくため、やや詳しめにご報告させていただきます」など、状況に応じた配慮を示します。
フィードバックの活用
報告後は、相手の反応を観察し、必要に応じて補足説明を行います。「他に確認したい点はございますか」など、相手の理解度を確認します。
報告時の非言語コミュニケーション

効果的な報告には、言葉による伝達だけでなく、適切な非言語コミュニケーションが重要な役割を果たします。
このセクションでは、報告時の姿勢や態度、声のトーンなど、言葉以外の要素について解説します。
声のトーンと話し方
効果的な報告には、適切な声の使い方が不可欠です。状況に応じた声のトーンや速度の調整が、情報の確実な伝達につながります。
基本的な話し方
明瞭で聞き取りやすい声量を維持します。「はっきりと、ゆっくりと、適度な大きさで」を意識し、相手に確実に届く話し方を心がけます。特に数値を伝える際は、一つ一つの数字を区切って発音します。
緊急度に応じた調整
状況の緊急度に応じて、声のトーンを適切に変化させます。緊急性の高い報告では、やや声量を上げ、テンポを速めにして緊急性を表現します。一方、通常の報告では落ち着いたトーンを維持します。
態度と姿勢
報告時の立ち位置や姿勢も、重要なコミュニケーション要素となります。相手に誠実さと信頼性を伝える適切な態度を身につけましょう。
基本的な立ち位置
相手との適切な距離を保ちながら、真摯な態度で報告を行います。報告を受ける方の正面よりやや側面に立ち、視線の高さを合わせることで、コミュニケーションがとりやすい環境を作ります。
姿勢の維持
背筋を伸ばし、安定した姿勢で報告を行います。メモを確認する際も、極端な前かがみにならないよう注意します。これにより、専門職としての信頼性を表現することができます。
アイコンタクト
適切なアイコンタクトは、報告の信頼性を高め、相手との良好なコミュニケーションを構築します。
基本的な目線の使い方
報告中は適度なアイコンタクトを維持します。常に見つめ続けることは避け、時折メモを確認するなど、自然な目線の動きを心がけます。
状況に応じた調整
複数の聞き手がいる場合は、全員に目線を配ります。特に重要な情報を伝える際は、キーパーソンとなる相手としっかりとアイコンタクトを取ります。
表情とジェスチャー
適切な表情やジェスチャーは、言葉による伝達を補強し、メッセージの理解を促進します。
表情の管理
報告内容に応じた適切な表情を心がけます。緊急時は緊張感のある表情を、通常の報告時は穏やかな表情を維持します。
効果的なジェスチャー
必要に応じて、控えめなジェスチャーを用いて説明を補足します。方向や位置を示す際の手の動きなど、理解を助けるジェスチャーを適切に活用します。
記録との連携
正確な報告には、適切な記録管理が不可欠です。
このセクションでは、報告の基盤となる記録の方法と、効果的な活用方法について解説します。
報告前の記録確認
患者さんの状態を正確に伝えるためには、記録内容の確実な確認が重要です。
基本的な確認事項
電子カルテやワークシートに記載された情報を、報告前に必ず確認します。バイタルサインの推移、処置内容、患者さんの反応など、重要な情報を漏れなく把握します。
記録の整理方法
時系列での変化や関連する情報をまとめ、報告しやすい形に整理します。特に重要な数値データは、変化の傾向が分かるようにまとめておきます。
電子カルテの活用
現代の医療現場では、電子カルテが情報管理の中心となっています。
効率的な記録方法
電子カルテのテンプレート機能を活用し、必要な情報を効率的に入力します。入力時は、他のスタッフが理解しやすい表現を心がけます。
データの活用
グラフ機能やサマリー機能を活用し、患者さんの状態変化を視覚的に把握します。これにより、報告時に状態の推移を分かりやすく説明することができます。
申し送りノートの活用
チーム内での情報共有ツールとして、申し送りノートを効果的に活用します。
記載のポイント
重要度の高い情報を優先的に記載し、確実に引き継ぎが必要な事項を明確にします。特に注意が必要な事項は、目立つように記載方法を工夫します。
更新と管理
新しい情報を追加する際は、日時と記載者を明確にします。解決済みの事項は、適切にフォローアップを記載します。
記録の質の向上
より良い報告のために、記録の質を継続的に向上させることが重要です。
記録の標準化
チーム内で記録方法を統一し、情報の共有をスムーズにします。略語や表現方法についても、スタッフ間で認識を合わせます。
記録の見直し
定期的に記録内容を見直し、必要に応じて改善を図ります。特に重要な情報の記載漏れがないか、確認を習慣化します。
シチュエーション別報告技術

医療現場では、様々な状況で報告が必要となります。
このセクションでは、代表的なシチュエーションにおける具体的な報告方法と、それぞれの場面で特に注意すべきポイントについて解説します。
日勤から夜勤への申し送り
勤務交代時の申し送りは、継続的な患者ケアの要となる重要な情報共有の機会です。
基本的な申し送り手順
患者さんの現在の状態、実施したケア、今後の予定を系統的に伝えます。「本日の体温は37.2度で安定しています。点滴は予定通り実施し、夜間の予定はありません」というように、次の勤務帯で必要な情報を簡潔に伝えます。
重点的な観察項目
特に注意が必要な患者さんについては、観察のポイントを具体的に伝えます。「手術後1日目のため、創部の観察と疼痛コントロールが重要です。痛みの訴えがあれば、指示されている鎮痛剤の使用をお願いします」など、具体的な対応方法まで含めて申し送ります。
急変時の報告
緊急時には、迅速かつ的確な報告が求められます。
緊急度の伝達
冒頭で状況の緊急性を明確に伝えます。「緊急報告です。3床のAさんが意識消失し、呼吸が停止しています。すぐに対応が必要です」というように、状況と必要な対応を端的に伝えます。
簡潔な状況説明
必要最小限の情報を簡潔に報告します。「バイタルサインは血圧測定不能、脈拍触知できません。直ちに蘇生対応を開始します」など、重要な情報から順に伝えます。
医師への報告
医師への報告は、治療方針の決定に直結する重要なコミュニケーションです。
状態変化の報告
客観的なデータと主観的な観察結果を組み合わせて報告します。「血圧が収縮期90mmHgまで低下し、冷汗と嘔気の訴えがあります。輸液の追加指示をお願いできますでしょうか」というように、必要な対応まで含めて報告します。
検査結果の報告
異常値や重要な検査結果を報告する際は、数値を正確に伝えます。「血液検査の結果、白血球数が15,000/μLと上昇しています。CRPも8.5mg/dLと高値です」など、具体的な数値を示します。
他職種への連絡
多職種連携における情報共有では、それぞれの専門性を考慮した報告が重要です。
リハビリテーションスタッフへの報告
患者さんの状態や訓練に関連する情報を具体的に伝えます。「歩行訓練後の疲労感が強く、午後のリハビリは休ませていただきたいと思います」など、患者さんの状態に基づいた提案を行います。
薬剤師への確認
投薬に関する確認や相談は具体的に行います。「内服薬の嘔吐が続いているため、投与経路の変更について相談させていただきたいです」など、問題点と必要な対応を明確に伝えます。
おしえてカンゴさん!よくある質問
新人看護師やナースさんたちからよく寄せられる質問について、具体的な対応方法をご紹介します。実践で活用できるヒントが満載です。
Q1:報告の順序を間違えてしまいがちです
報告の基本となるSBARを意識することが大切です。メモ用紙にSBARの項目をあらかじめ書き出しておくと、順序立てた報告がしやすくなります。特に緊急性の高い状況では、状況(S)を最初に明確に伝えることを忘れないようにしましょう。
Q2:緊急時の報告は通常と違いますか
はい、緊急時は特に簡潔な報告が求められます。「緊急です」と述べてから、現在の状況と必要な対応を端的に伝えます。詳細な背景情報は、初期対応の後で報告するようにしましょう。
Q3:情報量が多すぎて整理できません
重要度と緊急度で情報を分類することをお勧めします。生命に関わる情報、治療方針に影響する情報、生活に関する情報の順で優先順位をつけ、報告することで整理しやすくなります。
Q4:医師への報告が苦手です
事前に報告内容を整理し、必要に応じてメモを活用しましょう。特に数値データは正確に伝えることが重要です。また、報告の最後に「この状況について、先生のご指示をお願いできますでしょうか」など、具体的な相談内容を添えると良いでしょう。
Q5:申し送り時に緊張して要点が伝えられません
申し送りの前に、特に重要な情報を3点程度にまとめておくと、緊張しても要点を押さえた報告ができます。また、電子カルテやメモを適切に活用することで、必要な情報を漏れなく伝えることができます。
Q6:確認の方法が分かりません
重要な指示を受けた際は、必ず復唱して確認します。「〇〇を△△に変更するということでよろしいでしょうか」など、具体的な内容を確認することで、誤認を防ぐことができます。不明な点がある場合は、その場で確認することが重要です。
Q7:記録と報告の連携が上手くいきません
電子カルテの記載内容を報告前に見直し、重要な情報をメモに整理しておくことをお勧めします。特にバイタルサインの変化や処置の内容は、時系列で整理しておくと報告がしやすくなります。
まとめ:実践的な報告力を身につけるために
これまでの内容を踏まえ、効果的な報告に必要な要素と、今後の実践に向けたポイントを総括します。
重要ポイントの確認
報告技術の向上には、SBARフレームワークの確実な実践が基本となります。状況に応じた優先順位の設定と、簡潔な表現による情報伝達を心がけましょう。情報の整理から伝達まで、一連のプロセスを意識的に実践することで、報告の質は着実に向上していきます。
今後の実践に向けて
日々の業務の中で、本稿で紹介した技術を意識的に活用してください。特に重要な報告の際は、事前の準備と確認を怠らないようにしましょう。継続的な振り返りと改善を重ねることで、より確実な情報伝達が可能となります。
看護報告は、医療安全と質の高い看護ケアの基盤となります。SBARフレームワークを活用し、情報の整理から伝達まで、基本に忠実な報告を心がけましょう。日々の実践の中で、本稿で紹介した技術を意識的に活用することで、より確実な情報伝達が可能となります。
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