
入院診療計画書の作成は看護師業務の重要な部分を占めています。
本記事では、基本的な記載方法から具体的な事例まで、実務で即活用できる情報を体系的に解説します。
特に記載時の重要なポイントやよくある課題への対処法を、現場の視点から詳しく説明していきます。
この記事で分かること
- 入院診療計画書の基本的な記載方法と重要なポイント
- 疾患別の具体的な記載例と解説
- 効率的な記載を実現するためのテクニックとワークフロー
- 法的要件を満たす記録の書き方と注意点
この記事を読んでほしい人
- 入院診療計画書の記載に不安を感じている看護師
- より効率的な記載方法を身につけたい看護師
- 記載内容の質を向上させたい看護師
- 新人指導を担当する先輩看護師
- 診療報酬の算定要件に沿った記載方法を学びたい看護師
入院診療計画書の基本と重要性

入院診療計画書は医療の質を保証し、チーム医療を円滑に進めるための重要な文書です。ここでは、その基本的な概念から実務における重要性まで、詳しく解説していきます。
入院診療計画書とは
入院診療計画書は、患者さんの入院期間における治療計画と看護計画を明確化した文書です。医師、看護師をはじめとする医療スタッフ全員が共有し、質の高い医療を提供するために活用されます。
基本的な構成要素
入院診療計画書には治療計画、看護計画、リハビリテーション計画などが含まれます。これらの要素は患者さんの状態に応じて個別化され、具体的な目標と実施内容が記載されます。
記載が必要な項目
入院診療計画書には入院中の治療内容、検査内容、看護ケアの内容、リハビリテーションの予定など、具体的な医療サービスの内容を記載します。また、予定入院期間や退院後の治療計画についても明記が必要です。
法的な位置づけと要件
入院診療計画書は診療報酬算定において重要な書類として位置づけられています。適切な記載と説明は、医療機関の収益にも直接影響を与えます。
診療報酬における意義
入院診療計画書の作成は入院基本料の算定要件となっています。計画書の作成と患者さんへの説明は、入院後7日以内に実施する必要があります。
必要な説明と同意
計画書の内容は患者さんやご家族に十分説明し、同意を得る必要があります。説明内容と同意の記録も重要な要素となります。
実務における重要性
入院診療計画書は単なる書類作成以上の意味を持ちます。医療の質向上とチーム医療の推進に重要な役割を果たしています。
チーム医療における役割
医師、看護師、理学療法士、作業療法士など、多職種が共通の目標に向かって協働するための基盤となります。情報共有と連携の要となる文書です。
医療安全への貢献
計画書に基づく標準化された医療の提供は、医療事故の防止にも貢献します。リスクアセスメントの視点も含めた記載が求められます。
患者さんとの信頼関係構築
入院診療計画書の説明は、患者さんやご家族との信頼関係を築く重要な機会となります。丁寧な説明と同意の取得が必要です。
運用上の基本方針
入院診療計画書の運用には、医療機関全体での統一した方針が必要です。標準化と個別化のバランスが重要となります。
標準化のポイント
診療科や病棟ごとの特性を考慮しつつ、基本的な記載ルールは統一することが望ましいです。電子カルテのテンプレート活用も効果的です。
個別化の重要性
標準化された様式を基本としながら、患者さん一人一人の状態や希望に応じた個別化が必要です。画一的な記載は避けるべきです。
効果的な記載の基本手順

入院診療計画書の記載には、体系的なアプローチと正確な情報収集が不可欠です。このセクションでは、効果的な記載を実現するための具体的な手順とポイントを詳しく解説していきます。
患者情報の収集と評価
適切な入院診療計画書の作成には、包括的な患者情報の収集が基本となります。ここでは、効率的な情報収集の方法と評価のポイントを説明します。
入院時の状態評価の実施方法
入院時の状態評価では、バイタルサインや身体状況の確認に加え、ADLの評価、認知機能の確認、栄養状態の評価など、多角的なアセスメントが必要です。特に初回評価では、患者さんの基本的な生活習慣や支援ニーズについても詳しく確認します。
既往歴と現病歴の確認手順
既往歴と現病歴の確認では、診療情報提供書や紹介状の内容を確認するだけでなく、患者さんやご家族からの直接の聞き取りも重要です。特に服薬状況や過去の入院歴、アレルギー歴などは漏れなく確認する必要があります。
生活背景の把握のポイント
患者さんの生活背景は、入院中のケア計画や退院支援計画の立案に大きく影響します。職業、家族構成、介護力、自宅環境、経済状況など、必要な情報を適切に収集します。
目標設定のポイント
入院診療計画書における目標設定は、治療とケアの方向性を決定する重要な要素です。具体的で実現可能な目標設定のポイントを解説します。
具体的な目標の立て方
目標は具体的で測定可能な形で設定します。たとえば「歩行が改善する」ではなく、「術後7日目までに病棟内を歩行器を使用して100m自立歩行できる」というように、具体的な指標を含めて設定します。
期間設定の考え方
目標の期間設定には、疾患の特性、患者さんの状態、予定入院期間などを考慮します。短期目標、中期目標、長期目標をバランスよく設定し、段階的な達成を目指します。
患者参加型の目標設定
目標設定の過程には患者さんやご家族の参加を促し、その希望や価値観を反映させることが重要です。これにより、目標達成への動機づけが高まり、より効果的なケアが実現できます。
実施計画の立案
実施計画は具体的な行動計画であり、目標達成のための道筋を示すものです。ここでは、効果的な実施計画の立案方法について説明します。
具体的な看護介入の計画立案
看護介入の計画では、いつ、誰が、何を、どのように実施するかを明確に記載します。観察項目、ケア内容、実施頻度、注意点などを具体的に記載し、スタッフ間で統一したケアが提供できるようにします。
多職種連携の視点を含めた計画作成
リハビリテーション、栄養管理、薬剤管理など、多職種との連携が必要な項目については、各職種の役割と連携方法を明確にします。定期的なカンファレンスの開催計画なども含めます。
リスク管理の組み込み方
転倒リスク、褥瘡リスク、感染リスクなど、予測される問題に対する予防的な介入計画を立案します。アセスメントツールを活用した定期的なリスク評価の計画も含めます。
記載時の実践的なテクニック
効率的で正確な記載を実現するためのテクニックについて解説します。実務経験に基づく具体的なアドバイスを提供します。
電子カルテの活用方法
電子カルテのテンプレート機能や入力支援機能を効果的に活用し、記載の効率化を図ります。定型文の登録や、よく使用する文章のパターン化なども有効です。
時間管理の効率化
情報収集から記載完了までの作業を効率的に進めるための時間管理技術について説明します。優先順位の付け方や、作業の分散化についても具体的に解説します。
具体的な記載例と解説

入院診療計画書の実践的な記載方法を、疾患別の具体例を通じて詳しく解説していきます。それぞれの事例について、記載のポイントと注意点を踏まえて説明します。
循環器疾患の記載例
急性心筋梗塞で入院された患者さんの入院診療計画書の記載例を解説します。心臓リハビリテーションを含む包括的な計画立案のポイントをお伝えします。
基本情報と治療計画
B様は72歳の男性で、前壁の急性心筋梗塞のため2024年2月10日に入院されました。予定入院期間は14日間です。治療計画として、第1病日に心臓カテーテル検査を実施し、ベッド上安静とします。
第2-3病日は心電図モニターを継続し、循環動態の慎重な観察を行います。第4-7病日から心臓リハビリテーションを開始し、段階的に活動範囲を拡大していきます。第8-14病日では日常生活動作訓練と退院に向けた生活指導を実施します。
看護計画の詳細
看護計画では、胸痛の有無、バイタルサイン、心電図変化、穿刺部位の状態を重点的に観察します。活動制限の段階的緩和に合わせて、観察項目を適宜変更していく必要があります。具体的な観察のタイミングと記録方法について、時間ごとの詳細な計画を立案します。
整形外科疾患の記載例
人工股関節全置換術を受けるC様の入院診療計画書について解説します。術前から退院後の生活を見据えた計画立案が重要です。C様は65歳の女性で、右変形性股関節症のため2024年2月15日に入院され、予定入院期間は21日間です。
治療計画の詳細
術前期間では手術オリエンテーションと術前検査を実施します。術後1-3日目は創部管理と疼痛コントロールを重点的に行います。術後4-7日目からリハビリテーションを開始し、ADLの拡大を図ります。術後8-21日目では自宅環境を想定した生活動作訓練を実施します。
看護計画の実際
術後の離床プロトコルに沿った段階的なADL拡大計画を記載します。具体的には、ベッド上での体位変換から始まり、端座位、立位、歩行へと進めていく過程を時期ごとに明記します。
また、脱臼予防のための具体的な注意点や、自宅での生活動作指導についても詳細に記載します。
評価とフォローアップ
入院診療計画書の評価とフォローアップは、医療の質を保証し、継続的な改善を図るために重要な過程です。ここでは、効果的な評価方法とフォローアップの具体的な進め方について解説します。
定期評価の方法
定期評価は計画の進捗状況を確認し、必要に応じて修正を加えるための重要なプロセスです。評価の頻度や方法について、実践的な手順を説明します。
目標達成度の評価方法
目標達成度の評価では、設定した具体的な目標に対する進捗状況を客観的に確認します。観察結果やバイタルサイン、検査データなどの客観的指標を用いて、数値化できる項目については具体的な数値で評価を行います。
また、ADLの自立度や疼痛の程度など、主観的な要素を含む項目については、具体的な評価スケールを用いて評価します。
計画修正の判断基準
計画修正の必要性を判断する際には、目標達成度、患者さんの状態変化、治療経過などを総合的に評価します。目標達成が予定より遅れている場合や、新たな問題が発生した場合には、速やかに計画の見直しを行います。
修正の判断基準を明確にし、チーム内で共有することで、タイムリーな計画修正が可能となります。
多職種からのフィードバック収集
医師、理学療法士、作業療法士、薬剤師など、関わる全ての職種からフィードバックを収集します。定期的なカンファレンスでの情報共有や、日々の申し送りを通じて、多角的な視点からの評価を行います。
それぞれの専門職の視点を統合することで、より包括的な評価が可能となります。
記録の更新タイミング
記録の更新は、医療の継続性と安全性を確保するために重要です。適切なタイミングでの更新と、その内容について詳しく説明します。
状態変化時の更新方法
患者さんの状態に重要な変化が生じた場合は、速やかに記録を更新します。バイタルサインの変動、症状の変化、新たな問題の発生など、医療上重要な変化があった際には、その内容と対応策を具体的に記載します。
更新の際には、変化の内容、時期、要因などを明確に記載し、チーム内で情報を共有します。
定期評価時の記録更新
週1回の定期評価時には、計画全体の見直しと更新を行います。目標の達成状況、計画の進捗状況、新たな課題などを総合的に評価し、必要に応じて計画を修正します。定期評価の記録には、評価結果だけでなく、その根拠となる具体的な観察事項や測定値も含めます。
退院計画検討時の更新ポイント
退院に向けた計画を検討する際には、在宅での生活を見据えた具体的な目標と計画の更新を行います。退院後の生活環境、介護力、必要な社会資源などを考慮し、実現可能な計画を立案します。退院支援部門との連携を密にし、切れ目のない支援体制を構築します。
評価結果の活用方法
評価結果は、ケアの質向上と患者さんの目標達成のために効果的に活用する必要があります。評価結果の具体的な活用方法について説明します。
ケアの質改善への反映
評価結果はケアの質改善のための重要な指標となります。効果的なケア方法の特定や、問題点の早期発見に活用します。評価結果の分析を通じて、ベストプラクティスの確立や標準化を図ることができます。
患者さんへのフィードバック
評価結果は患者さんやご家族との情報共有にも活用します。目標達成状況や今後の見通しについて、分かりやすく説明することで、治療やケアへの理解と協力を得ることができます。患者さんの意欲向上にもつながります。
よくある課題と対処法

入院診療計画書の作成と運用において、さまざまな課題に直面することがあります。このセクションでは、現場でよく遭遇する課題とその効果的な対処法について、実践的な視点から解説していきます。
時間管理の課題
看護業務の中で入院診療計画書の作成に十分な時間を確保することは、多くの看護師にとって大きな課題となっています。ここでは効率的な時間管理のための具体的な方法を説明します。
効率的な情報収集の実践
情報収集の効率化には、電子カルテシステムの効果的な活用が重要です。患者さんの基本情報や検査データなどを素早く確認できるよう、必要な情報へのアクセス方法を標準化します。
また、申し送りやカンファレンスでの情報収集も、特に重要な点に焦点を当てて行うことで、時間の有効活用が可能となります。
記載時間の確保と活用
記載時間の確保には、業務の優先順位付けとタイムマネジメントが欠かせません。可能な限り、集中して記載作業に取り組める時間帯を確保します。また、テンプレートの活用や定型文の準備により、記載時間を短縮することができます。
作業の効率化テクニック
日々の業務の中で計画書作成の時間を確保するには、作業の効率化が重要です。電子カルテのショートカットキーの活用や、よく使用する文章のテンプレート化など、具体的な効率化テクニックを実践します。
多職種連携の課題
多職種間での情報共有と連携は、質の高い入院診療計画書の作成に不可欠です。しかし、実際の現場では様々な課題が存在します。
情報共有の仕組み作り
効果的な情報共有のためには、定期的なカンファレンスの開催や、電子カルテ上での情報共有の仕組みが重要です。各職種の視点や専門性を活かした情報共有により、より包括的な計画立案が可能となります。
職種間コミュニケーションの改善
職種間のコミュニケーションを円滑にするために、共通言語の使用や、定期的な意見交換の機会を設けることが効果的です。特に、医師との連携においては、看護の視点を明確に伝えることが重要となります。
トラブルシューティング
入院診療計画書の作成や運用において発生するトラブルに対して、適切な対応が求められます。ここでは代表的なトラブルとその解決策を説明します。
記載内容の不備への対応
記載内容の不備は、医療の質や安全性に影響を与える可能性があります。定期的な記載内容のチェックと、必要に応じた修正を行うことが重要です。また、よくある不備のパターンを把握し、予防的な対策を講じることも効果的です。
システムトラブルへの対策
電子カルテシステムのトラブル時には、代替手段を用いた記録の継続が必要です。紙ベースでの記録方法や、システム復旧後のデータ入力手順について、あらかじめ手順を定めておくことが重要です。
記載遅延の防止策
記載の遅延を防ぐために、チェックリストの活用や、記載状況の定期的な確認が効果的です。また、遅延が発生した際の対応手順を明確にし、チーム内で共有しておくことも重要です。
法的視点からの解説

入院診療計画書は医療機関の運営と診療報酬に直接関わる重要な文書です。このセクションでは、法的要件と診療報酬の観点から、適切な記載方法と運用について解説します。
診療報酬における位置づけ
入院診療計画書は入院基本料の算定要件として重要な位置を占めています。適切な記載と運用が診療報酬の算定に直接影響を与えることを理解する必要があります。
算定要件の詳細
入院診療計画書は入院後7日以内に作成し、患者さんまたはご家族への説明を行うことが求められます。計画書には、入院中に行われる検査、治療、看護などの内容と、予定入院期間をわかりやすく記載する必要があります。
この要件を満たさない場合、入院基本料の算定に影響を与える可能性があります。
必要な記載事項
診療報酬の算定には、患者基本情報、入院診断名、治療計画、看護計画、リハビリテーション計画などの必要事項を漏れなく記載することが求められます。特に、計画の説明日時と説明者名、患者さんまたはご家族の同意を示す署名は重要な要素となります。
監査対応のポイント
医療機関の第三者評価や保険医療機関の指導監査において、入院診療計画書は重要な確認項目となります。適切な記載と保管が求められます。
記録の保管と管理
入院診療計画書は診療録の一部として、法定の保存期間である5年間の保管が必要です。電子カルテでの保管においても、記載内容の改ざん防止と適切なアクセス管理が求められます。
監査時の確認事項
監査では、記載内容の適切性、説明と同意の確認、計画の実施状況などが確認されます。特に、計画の定期的な評価と見直しの記録が重要視されます。
記録の法的意義
入院診療計画書は診療録の一部として、医療の質を証明する重要な法的文書です。適切な記載は医療安全の観点からも重要となります。
医療安全における役割
入院診療計画書は、医療事故予防と適切な医療提供の証拠となります。計画に基づく医療の提供と、その記録は医療安全管理の基本となります。リスクアセスメントの記載と対策の明記は特に重要です。
診療録としての要件
医師法および保険医療機関及び保険医療養担当規則に基づき、正確かつ十分な記載が求められます。記載内容の改ざんや虚偽記載は法的な問題となる可能性があります。
コンプライアンスの確保
医療機関全体でのコンプライアンス確保の観点から、入院診療計画書の適切な運用が求められます。
職員教育の重要性
入院診療計画書の法的要件と適切な記載方法について、定期的な職員教育が必要です。特に新入職員や異動者への教育は重要となります。
運用ルールの標準化
医療機関として統一された運用ルールを設定し、定期的な見直しと更新を行うことが重要です。電子カルテシステムを活用した記載支援機能の整備も効果的です。
おしえてカンゴさん!よくある質問
看護師の皆さまから寄せられる入院診療計画書に関する疑問や質問について、実践的な観点からQ&A形式で解説していきます。現場で遭遇する具体的な状況に即した回答を提供します。
基本的な記載に関する質問
Q:評価の頻度はどのくらいが適切ですか?
基本的には週1回の定期評価を推奨しています。ただし、急性期の患者さんや状態が不安定な場合には、より頻繁な評価が必要となります。評価時には、バイタルサイン、症状の変化、治療への反応などを総合的に確認し、記録に残すことが重要です。
状態の変化があった場合には、その都度評価を実施し、計画の見直しを検討する必要があります。
Q:目標設定で気をつけるポイントは何ですか?
目標設定では具体的で測定可能な表現を使用することが重要です。「状態が改善する」といった抽象的な表現ではなく、「術後3日目までに病棟内を歩行器で100m歩行できる」というように、具体的な指標と期限を含めて設定します。
また、患者さんと共有できる分かりやすい表現を心がけ、達成可能な目標を段階的に設定することで、モチベーションの維持にもつながります。
運用面での質問
Q:計画変更時の注意点は何ですか?
計画変更時には変更理由を明確に記載し、関係者全員に確実に周知することが重要です。変更内容、変更日時、判断の根拠となった状態の変化や評価結果を具体的に記録します。
また、変更後の計画については患者さんやご家族への説明と同意を得ることを忘れずに行います。電子カルテを使用している場合は、変更履歴が適切に残るように記録します。
Q:多職種との情報共有はどのように行うべきですか?
多職種との情報共有には、定期的なカンファレンスの活用が効果的です。カンファレンスでは各職種の専門的な視点からの評価や提案を共有し、計画に反映させます。
日々の申し送りやメモ機能の活用も重要で、特に重要な情報については確実に伝達されるよう、複数の手段を用いて共有することを推奨します。
特殊な状況への対応
Q:認知症患者さんの場合の計画立案で注意することは?
認知症患者さんの場合、本人の理解力と同意能力を考慮した計画立案が必要です。ご家族や主介護者との密な連携を図り、患者さんの生活リズムや習慣を考慮した具体的な計画を立案します。
また、安全面への配慮を特に重視し、転倒予防や行動制限の必要性について、詳細な評価と記録が必要となります。
Q:急変時の計画修正はどうするべきですか?
急変時には速やかな計画の見直しと修正が必要です。医師との連携を密にし、新たな治療方針に基づいて計画を修正します。修正した計画は、関係者全員が把握できるよう、確実な情報共有を行います。
また、急変時の状況と対応の経過についても詳細に記録し、今後の計画に活かせるようにします。
退院支援に関する質問
Q:退院支援計画をいつから始めるべきですか?
退院支援計画は入院時から開始することが推奨されます。入院時のアセスメントで把握した患者さんの生活環境や介護力を考慮し、予測される退院後の課題に対する支援計画を早期から立案します。
退院支援部門や地域連携室との連携を図り、必要な社会資源の調整も計画的に進めていくことが重要です。
まとめ
入院診療計画書は医療の質を保証し、チーム医療を支える重要な文書です。基本的な記載方法を理解し、具体的な目標設定と評価を行うことで、より効果的な医療の提供が可能となります。
本記事で解説した実践的なポイントを日々の業務に活かし、より質の高い医療の提供を目指しましょう。
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ぜひ【はたらく看護師さん】で、あなたの看護キャリアをさらに磨いていきましょう。