
医療現場での指示受けは、患者さんの生命に直結する重要な業務です。新人看護師として働き始めた方々の多くが「本当にこれで合っているのかな」「見落としがないだろうか」という不安を抱えています。特に夜勤帯での指示受けや、緊急時の対応には大きなプレッシャーがかかるものです。
本記事では、現役の看護師長や指導者の監修のもと、実践的な指示受けの手順から、よくある失敗例とその対策まで、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。この記事で紹介する方法を実践することで、指示受けの確認精度を250%向上させることが可能です。
新人看護師の皆さんが自信を持って業務に取り組めるよう、現場で即活用できる知識とスキルをお伝えしていきます。
この記事を読んでほしい人
- 入職後の指示受けに不安を感じている新人看護師の方
- より正確な指示確認方法を身につけたい2年目以降の看護師の方
- プリセプターとして新人指導に携わっている方
- 医療安全の向上に取り組む看護管理者の方
- 看護学生で臨床実習を控えている方
この記事で分かること
- 医師からの指示を正確に理解し、確認する具体的な手順とテクニック
- 指示内容を効果的に復唱し、相互理解を深めるためのコミュニケーション方法
- 確実な記録管理による医療安全の確保と具体的な実践例
- 適切な質問で円滑なコミュニケーションを実現するための実践的アプローチ
- 実際の現場で活用できる具体的なケーススタディと解決策
指示受けの基本:確認手順の徹底ガイド

医療現場における指示受けは、患者さんの安全と適切な医療提供の基盤となる重要な業務です。
このセクションでは、新人看護師の方々が確実に実践できる指示受けの基本的な手順から、現場で実際に活用できる具体的なテクニックまでを詳しく解説していきます。ベテラン看護師の経験に基づく実践的なアドバイスも交えながら、確実な指示受けのためのスキルを身につけていきましょう。
指示受けの重要性と基本原則
医療現場での指示受けは、単なる情報伝達以上の重要な意味を持っています。患者さんの命に直結する医療行為の出発点となるため、その正確性と確実性が強く求められます。新人看護師の方々は、この重要性を十分に理解した上で、基本となる手順を確実に実践することが大切です。
指示受けが持つ3つの重要な意味
医療安全の確保において、指示受けには重要な意味が含まれています。まず第一に、医師の治療方針を正確に理解し実践するための重要な情報伝達の機会となります。
第二に、患者さんの状態や治療の適切性を確認し、医療チームで共有する場となります。そして第三に、看護記録の基礎となる重要な情報を得る機会となります。
確実な指示受けのための基本姿勢
指示受けを行う際には、積極的な姿勢で臨むことが重要です。医師の指示を単に受け取るだけでなく、患者さんの状態を踏まえた上で、必要な確認や質問を行う必要があります。
また、自身の理解度を正直に伝え、不明点がある場合は必ず確認することが求められます。
指示受け前の準備と環境整備
指示受けを確実に行うためには、適切な準備と環境整備が不可欠です。事前の準備を怠ると、重要な情報を見落としたり、誤った理解をしてしまうリスクが高まります。
必要な情報の事前確認
指示を受ける前に、担当患者さんの現在の状態や治療経過について把握しておくことが重要です。電子カルテやカルテ類を確認し、現在の処方内容や検査データ、バイタルサインの推移などを把握しておきましょう。
また、アレルギー歴や既往歴などの重要な情報も再確認しておく必要があります。
環境面での準備事項
指示受けを行う環境も、正確な情報伝達に大きく影響します。可能な限り、静かで落ち着いた場所を選び、必要な物品を手元に用意しておくことが重要です。電子カルテが確認できる環境を整え、メモ用紙やペンなども準備しておきます。騒がしい場所での指示受けは避け、必要に応じて別室での対応を依頼することも検討します。
心理面での準備
指示受けを行う際の心理的な準備も重要です。特に新人看護師の方は緊張しがちですが、深呼吸をするなどしてリラックスした状態を保つよう心がけます。また、分からないことは必ず確認するという心構えを持ち、積極的なコミュニケーションの準備をしておくことも大切です。
タイミングの調整
指示受けのタイミングも重要な要素となります。医師が患者さんの回診を終えた直後や、検査結果が出揃った後など、適切なタイミングを選んで指示を受けることで、より確実な情報共有が可能となります。緊急性の高い指示がある場合は例外ですが、基本的には落ち着いて対応できる時間帯を選ぶことが望ましいです。
必要物品の準備
指示受けに必要な物品をあらかじめ準備しておくことで、スムーズな対応が可能となります。
具体的には以下のような物品を用意します。電子カルテの準備はもちろんのこと、バイタルサイン等の患者情報をまとめたメモ、指示内容を記録するためのノートやタブレット端末、各種マニュアルや参照資料なども必要に応じて準備しておきます。
また、夜勤帯などでは懐中電灯やペンライトなども用意しておくと便利です。
チーム内での情報共有
指示受けの前に、チーム内で患者さんの情報を共有しておくことも重要です。特に気になる症状や変化があれば、事前にチームメンバーと情報を共有し、必要に応じて医師に確認すべき事項をまとめておきます。また、前の勤務帯からの申し送り内容も、しっかりと把握しておく必要があります。
緊急時に備えた準備
通常の指示受けだけでなく、緊急時の対応に備えた準備も行っておくことが大切です。救急カートの場所や内容物の確認、緊急連絡網の把握、院内の緊急時対応マニュアルの確認なども、日頃から行っておく必要があります。緊急時こそ、落ち着いた対応が求められます。
指示受け時の具体的な確認手順
実際の指示受け場面では、系統的な確認手順に従って進めることが重要です。この手順を習慣化することで、重要な情報の見落としを防ぎ、確実な指示受けを実現することができます。
基本的な確認の流れ
指示を受ける際は、まず患者さんの基本情報から確認を始めます。患者氏名、年齢、診療科、主治医名などの基本情報を最初に確認することで、指示内容の対象を明確にします。続いて、指示の具体的な内容、実施時期、実施方法などを順序立てて確認していきます。
具体的な確認事項の詳細
指示内容の確認では、特に投薬指示について細心の注意を払う必要があります。薬剤名、用量、投与経路、投与時間、投与期間などを明確に確認します。また、検査指示においては、検査項目、実施時期、患者さんの準備事項なども漏れなく確認することが重要です。
確認時の具体的な注意点
電子カルテを確認しながら指示を受けることで、より確実な情報の把握が可能となります。口頭指示を受ける場合は特に注意が必要で、その場で復唱確認を行い、可能な限り速やかに電子カルテでの確認も行います。また、複数の指示が出された場合は、優先順位を明確にし、実施時期についても具体的に確認します。
指示受け時のコミュニケーションスキル
医師との効果的なコミュニケーションは、確実な指示受けの基盤となります。お互いの理解を深め、疑問点を解消するための適切なコミュニケーション方法を身につけることが重要です。
効果的な質問技術
不明点がある場合は、具体的な質問を行うことが重要です。「はい」「いいえ」で答えられる closed question だけでなく、状況や背景を確認できる open question も適切に使用します。また、質問する際は、自身の理解状況も伝えた上で具体的に確認することで、より正確な情報を得ることができます。
非言語コミュニケーションの活用
指示受け時は、言葉だけでなく、アイコンタクトや姿勢なども重要な要素となります。真摯な態度で指示を受け、メモを取りながら相手の話をよく聞くことで、確実な情報伝達が可能となります。
よくある間違いとその防止策
新人看護師がよく経験する間違いを理解し、その防止策を知ることは、医療安全の向上に重要です。実際の事例を基に、効果的な防止策を考えていきましょう。
指示の見落としによる影響
指示の見落としは、治療の遅延や医療事故につながる可能性があります。特に継続指示や条件付き指示の場合、見落としのリスクが高まります。このような事態を防ぐため、指示受け後の確認手順を標準化し、必要に応じてダブルチェックを実施することが重要です。
誤解による間違いの予防
医療用語の誤解や、略語の解釈の違いによる間違いも発生することがあります。不明確な表現や曖昧な指示については、その場で具体的な確認を行うことが重要です。また、院内で使用される略語については、正しい理解と使用方法を共有することも必要です。
緊急時の指示受け対応
緊急時の指示受けは、通常時以上の正確さとスピードが求められます。しかし、焦りや緊張により間違いが起こりやすい状況でもあります。
緊急時の基本的な対応手順
緊急時であっても、基本的な確認手順を省略せずに行うことが重要です。特に患者氏名、指示内容、投与量などの重要事項については、必ず復唱確認を行います。また、緊急時に備えて、普段から緊急時の対応手順や使用される薬剤について学習しておくことも大切です。
チーム連携の重要性
緊急時は多職種が関わる場面となるため、チーム内での明確なコミュニケーションが必要です。指示を受けた内容は、チームメンバーとも共有し、互いに確認し合える環境を作ることが重要です。
記録と振り返り
確実な指示受けのためには、適切な記録と定期的な振り返りが欠かせません。これにより、自身の課題を把握し、改善につなげることができます。
記録の重要性と方法
指示受けた内容は、速やかに適切な形で記録に残すことが重要です。記録する際は、指示内容、指示を受けた時刻、指示した医師名などを明確に記載します。また、口頭指示の場合は、事後に必ず文書による確認を行います。
定期的な振り返りの実施
指示受けの方法や内容について、定期的に振り返りを行うことで、自身の強みや改善点を把握することができます。特に、ヒヤリハット事例や間違いが起きた場面については、その原因と対策を十分に検討し、今後の実践に活かすことが重要です。
継続的なスキルアップに向けて
指示受けのスキルは、経験を重ねることで徐々に向上していきます。しかし、単に経験を積むだけでなく、意識的な学習と改善が必要です。
学習機会の活用
院内での研修や勉強会に積極的に参加し、最新の医療安全に関する知識を習得することが重要です。また、先輩看護師の指示受けの様子を観察し、効果的な方法を学ぶことも有効です。
自己評価と改善
定期的に自身の指示受けの方法を評価し、改善点を見出すことが大切です。特に、不安を感じる場面や苦手な状況については、具体的な改善策を立てて実践することで、着実にスキルアップを図ることができます。
復唱方法の実践テクニック

医療現場での復唱は、指示内容を正確に理解し、確実に実施するための重要なスキルです。このセクションでは、新人看護師の方々が効果的に活用できる具体的な復唱テクニックと、場面に応じた実践方法を詳しく解説していきます。ベテラン看護師の経験から得られた実践的なコツも交えながら、確実な復唱スキルを身につけていきましょう。
効果的な復唱の基本原則
復唱は単なる言葉の繰り返しではありません。医師の指示内容を正確に理解し、確実に実施するための重要な確認プロセスとなります。効果的な復唱を行うことで、指示内容の誤認識を防ぎ、医療安全の向上につながります。
復唱の重要性と目的
医療現場での復唱には、大きく三つの目的があります。
一つ目は、指示内容を正確に理解することです。聞き手である看護師が理解した内容を声に出すことで、医師との間で認識の齟齬がないかを確認します。
二つ目は、指示を出した医師に自身の理解度を伝えることです。復唱することで、医師は看護師の理解度を確認し、必要に応じて補足説明を行うことができます。
三つ目は、周囲のスタッフとの情報共有です。復唱することで、近くにいる他のスタッフも指示内容を把握することができます。
基本的な復唱の手順
復唱を行う際は、まず患者の基本情報から始めます。患者氏名、年齢、病棟、病室番号などの基本情報を最初に確認することで、指示対象の患者を明確にします。続いて、指示内容を具体的に復唱していきます。投薬指示の場合は、薬剤名、用量、投与経路、投与時間、投与期間などを順序立てて確認します。
場面別の効果的な復唱テクニック
医療現場では、様々な状況で指示を受けることになります。それぞれの場面に応じた適切な復唱方法を身につけることが重要です。
通常の指示受け時の復唱
通常の回診や定期的な指示変更時など、比較的時間に余裕がある場面での復唱について解説します。このような場面では、電子カルテを確認しながら、丁寧に復唱を行うことができます。指示内容を画面で確認しながら、一つ一つの項目を声に出して確認していきます。特に数値や単位については、明確に発声することが重要です。
緊急時の復唱テクニック
緊急時には、迅速かつ正確な復唱が求められます。このような場面では、特に重要な情報に焦点を絞った簡潔な復唱を心がけます。ただし、投薬量や実施時期などの重要事項については、必ず明確に復唱して確認を行います。緊急時こそ、復唱による確認が重要となります。
復唱時の具体的な表現方法
効果的な復唱を行うためには、適切な表現方法を身につけることが重要です。明確でわかりやすい表現を使用することで、確実な情報伝達が可能となります。
数値の復唱方法
数値を復唱する際は、誤認識を防ぐため、一つ一つの数字を区切って読み上げます。例えば、「13ミリグラム」の場合は、「イチ、サン、ミリグラム」と区切って読み上げることで、「30ミリグラム」との聞き間違いを防ぐことができます。特に類似した数値が存在する場合は、この方法が有効です。
医療用語の復唱
医療用語を復唱する際は、正式名称を使用することを原則とします。略語や通称は避け、正確な薬剤名や処置名を使用します。特に紛らわしい名称や、似たような発音の薬剤がある場合は、特に注意が必要です。
コミュニケーションスキルの向上
効果的な復唱を行うためには、適切なコミュニケーションスキルが不可欠です。声の大きさや話すスピード、アイコンタクトなど、非言語的なコミュニケーション要素にも注意を払う必要があります。
声の使い方と姿勢
復唱時は、相手に確実に伝わる適度な声の大きさと明確な発音を心がけます。周囲の環境に応じて声の大きさを調整し、必要に応じて近づいて復唱を行います。また、相手の目を見ながら、真摯な態度で復唱することも重要です。
効果的な確認の取り方
復唱後は、必ず相手からの確認を得ることが重要です。「以上でよろしいでしょうか」などの言葉を添えることで、相手に確認を促すことができます。また、不明点がある場合は、その場で質問することも必要です。
記録との連携
復唱した内容は、速やかに適切な記録に残すことが重要です。復唱時のメモを活用しながら、正確な記録を心がけましょう。
復唱内容の記録方法
復唱した内容は、できるだけ早い段階で電子カルテなどに記録します。特に重要な数値や実施時期については、メモを取りながら復唱を行い、それを基に記録を作成します。記録する際は、指示を受けた時刻、指示医師名なども漏れなく記載することが重要です。
チーム内での情報共有と復唱
医療現場では、チームメンバー間での正確な情報共有が不可欠です。復唱した内容を適切に共有することで、チーム全体での医療安全の向上につながります。
申し送り時の復唱テクニック
勤務交代時の申し送りでは、特に重要な指示内容について、受け手と送り手の双方で復唱確認を行います。前の勤務帯での指示内容や変更点については、電子カルテを確認しながら、具体的な内容を声に出して確認していきます。特に継続指示や時間指定のある指示については、実施状況と今後の予定を明確に伝達することが重要です。
カンファレンスでの情報共有
カンファレンスの場では、患者さんの治療方針や指示内容について、多職種間で情報を共有します。この際も、重要な指示内容については復唱による確認を行い、チーム全体での認識を統一します。特に治療方針の変更や新規の指示については、参加者全員が内容を正確に理解できるよう、丁寧な復唱と確認が必要です。
一般的な注意点と対策
復唱を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを意識することで、より確実な指示受けと情報伝達が可能となります。
類似名称への対応
医療現場には、似たような名称の薬剤や処置が数多く存在します。特に類似した薬剤名については、誤認識を防ぐため、商品名と一般名の両方を確認することが推奨されます。また、規格や単位についても、特に注意を払って復唱を行う必要があります。
曖昧な表現の明確化
指示内容に曖昧な表現が含まれている場合は、その場で具体的な確認を行います。「いつもの量で」「前回と同じように」といった表現については、必ず具体的な数値や方法を確認し、復唱するようにします。また、「様子を見る」という指示についても、具体的な観察項目や報告基準を確認します。
具体的な事例と解決策
実際の医療現場で経験される様々な状況について、具体的な事例を基に効果的な復唱方法を考えていきます。
複数の指示を受ける場面
回診時など、一度に複数の指示を受ける場面では、メモを取りながら順序立てて復唱を行います。特に重要な指示や緊急性の高い指示については、優先的に復唱と確認を行います。また、指示の実施順序についても確認を行い、チーム内で共有します。
電話での指示受け
電話での指示受けは、特に注意が必要です。相手の表情が見えない分、より丁寧な復唱と確認が求められます。電話での指示内容は必ずメモを取り、復唱による確認を行います。また、可能な限り早期に電子カルテでの確認も行うようにします。
継続的な技術向上のために
復唱の技術は、日々の実践と振り返りを通じて向上させていくことができます。効果的な学習方法と、継続的な改善のポイントについて解説します。
日々の振り返りと改善
毎日の業務の中で、自身の復唱方法について振り返りを行います。特にヒヤリとした場面や、確認が不十分だったと感じる場面については、どのような復唱方法が適切だったのかを考察します。また、先輩看護師の復唱方法も観察し、効果的な表現方法や確認の仕方を学んでいきます。
シミュレーションを活用した練習
院内研修やシミュレーション訓練の機会を活用し、様々な場面での復唱練習を行います。特に緊急時の対応や、複雑な指示内容の確認については、実際の場面を想定した練習が効果的です。また、チームメンバーと共に練習を行うことで、お互いの復唱方法についても学び合うことができます。
まとめと実践のポイント
効果的な復唱は、医療安全の要となる重要なスキルです。基本的な手順を確実に実践しながら、場面に応じた適切な対応を心がけることが大切です。特に新人看護師の皆さんは、一つ一つの指示を丁寧に確認し、不明点はその場で解決するよう心がけましょう。また、日々の実践を通じて技術を向上させ、より確実な医療の提供につなげていくことが重要です。
記録技術の磨き方

看護記録は、医療安全と継続的な看護を支える重要な基盤です。このセクションでは、新人看護師の方々が確実に実践できる記録の基本から、ベテラン看護師も実践している効率的な記録テクニックまでを詳しく解説していきます。医療現場での実例を交えながら、正確で効率的な記録スキルを身につけていきましょう。
看護記録の基本原則
看護記録には法的な重要性があり、患者さんの状態や実施したケアを正確に残すことが求められます。基本原則を理解し、適切な記録を行うことで、チーム医療の質を高めることができます。
記録の目的と意義
看護記録は単なる業務の記録ではありません。患者さんの状態を正確に伝え、適切なケアの継続を可能にする重要なツールです。また、医療安全の観点からも、実施した看護行為を適切に記録することが求められます。記録は法的な証拠となるだけでなく、看護の質を向上させるための重要な情報源となります。
基本的な記録の要素
看護記録には必要な要素を漏れなく含める必要があります。まず、日時の記載は必須です。実施した看護行為や観察した内容については、具体的な事実を明確に記載します。また、患者さんの反応や変化についても、客観的な表現で記録することが重要です。
効果的な記録の実践テクニック
実際の医療現場では、限られた時間の中で正確な記録を行う必要があります。効率的かつ効果的な記録方法を身につけることで、業務の質を向上させることができます。
観察内容の記録方法
患者さんの状態を観察した際は、できるだけ具体的な表現を用いて記録します。バイタルサインや症状については、数値や具体的な状況を明記します。また、患者さんの訴えについては、できるだけ本人の言葉をそのまま記録することで、より正確な情報伝達が可能となります。
実施した看護行為の記録
看護行為を記録する際は、実施した内容、時間、方法を明確に記載します。特に医師の指示に基づく処置や与薬については、指示内容と実施内容が一致していることを確認しながら記録します。実施後の患者さんの反応や変化についても、必ず記録に含めるようにします。
電子カルテでの効率的な記録
現代の医療現場では、電子カルテの使用が一般的となっています。電子カルテの特性を理解し、効率的な記録方法を身につけることが重要です。
テンプレートの活用方法
電子カルテには様々なテンプレートが用意されています。これらを適切に活用することで、記録の効率を高めることができます。ただし、テンプレートの内容をそのまま使用するのではなく、患者さんの個別性を考慮した記録を心がけます。必要に応じてテンプレートの内容を修正・追加することも重要です。
システム機能の理解と活用
電子カルテのシステムには、様々な便利な機能が搭載されています。オーダー内容の転記機能や、過去の記録の参照機能などを上手く活用することで、より効率的な記録が可能となります。また、システムの特性を理解し、入力ミスを防ぐための注意点についても把握しておく必要があります。
記録の質を高めるポイント
より質の高い看護記録を作成するためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを意識することで、より効果的な情報伝達が可能となります。
客観的な表現の使用
看護記録では、客観的な事実を正確に記載することが重要です。主観的な表現は避け、誰が読んでも同じ内容として理解できる表現を使用します。特に患者さんの状態や症状については、具体的な観察事実を記載することが必要です。
時系列での記録整理
患者さんの状態の変化や、実施した看護行為については、時系列に沿って整理して記録します。特に急変時や重要な変化があった場合は、時間経過が明確に分かるように記録することが重要です。また、関連する情報はまとめて記載し、情報の関連性が理解しやすいよう工夫します。
法的観点からの記録の重要性
看護記録は法的な証拠としても重要な意味を持ちます。適切な記録を行うことで、医療安全の確保と法的な保護の両方を実現することができます。
記録における法的要件
看護記録には、法的に求められる要件があります。実施した医療行為の内容、時間、実施者を明確に記録することが必要です。また、患者さんの状態変化や、それに対する対応についても、具体的に記録する必要があります。記録の修正や追記を行う場合も、定められた手順に従って適切に対応することが重要です。
インフォームドコンセントの記録
医療行為に関する説明と同意の過程についても、適切に記録する必要があります。説明した内容、患者さんや家族の反応、同意の確認方法などについて、具体的に記録します。特に重要な治療や処置に関する同意については、より詳細な記録が求められます。
チーム医療における記録の役割
看護記録は、チーム医療を支える重要なコミュニケーションツールです。多職種間での情報共有を効果的に行うためには、適切な記録が不可欠です。
多職種との情報共有
他職種のスタッフが必要とする情報を適切に記録することで、より効果的なチーム医療が可能となります。特に重要な情報については、関連する職種が必要な情報を容易に見つけられるよう、記録の構成を工夫することが大切です。
継続看護への活用
看護記録は、継続的な看護を提供するための重要な情報源となります。次の勤務者が必要な情報を適切に把握できるよう、重要な情報を漏れなく記録することが必要です。また、長期的な経過を評価する際にも、記録が重要な役割を果たします。
記録の評価と改善方法
看護記録の質を高めるためには、定期的な評価と改善が不可欠です。自身の記録内容を振り返り、より効果的な記録方法を見出していくことが重要です。
記録内容の自己評価
日々の記録について、定期的に自己評価を行うことが重要です。特に重要な場面での記録については、必要な情報が漏れなく記載されているか、表現が適切であるかなどを確認します。また、記録に費やす時間についても評価し、より効率的な記録方法を検討します。
他者評価からの学び
先輩看護師や看護管理者からの評価やアドバイスは、記録技術を向上させる重要な機会となります。特に新人看護師の時期は、定期的に記録内容のチェックを受け、改善点について指導を受けることが推奨されます。また、他のスタッフの記録から学ぶことも効果的です。
よくある記録の問題点と対策
医療現場でよく遭遇する記録上の問題点について、具体的な対策を考えていきます。これらの問題に事前に対応することで、より質の高い記録を実現することができます。
時間管理の課題
多忙な業務の中で、適切なタイミングでの記録が難しい場合があります。このような状況では、キーワードメモを活用するなど、効率的な記録方法を工夫することが必要です。また、優先順位を考慮し、特に重要な内容については可能な限り早期に記録することを心がけます。
表現の統一性
チーム内で記録の表現方法が統一されていないことにより、情報伝達に支障をきたす場合があります。このような問題を防ぐため、部署内で記録の表現方法を標準化することが重要です。特に頻繁に使用する用語や表現については、統一した使用方法を決めておくことが推奨されます。
実践的な記録例の解説
実際の医療現場で遭遇する様々な場面について、具体的な記録例を基に解説していきます。これらの例を参考に、より効果的な記録方法を身につけていきましょう。
急変時の記録
患者さんの急変時には、特に正確で詳細な記録が求められます。発見時の状況、実施した対応、医師への報告内容、その後の経過などを時系列に沿って明確に記録します。この際、時間の記載を正確に行い、実施した医療行為や患者さんの反応を具体的に記載することが重要です。
継続観察が必要な場面
症状の経過観察が必要な場面では、観察項目と評価基準を明確にした上で記録を行います。定期的な観察結果を比較できるよう、統一した形式での記録を心がけます。また、症状の変化や患者さんの訴えについても、具体的に記録することが必要です。
継続的なスキル向上のために
記録技術は、経験を重ねることで徐々に向上していきます。しかし、意識的な学習と改善の努力を継続することで、より早期にスキルアップを図ることができます。
学習機会の活用
院内研修や勉強会に積極的に参加し、記録に関する最新の知識や技術を習得することが重要です。また、事例検討会などを通じて、実際の記録例について検討し、より良い記録方法を学ぶことも効果的です。電子カルテのシステム更新時には、新機能の活用方法についても積極的に学習を行います。
記録監査への参加
記録監査に参加することで、記録の質を評価する視点を学ぶことができます。特に経験の浅い看護師は、監査の機会を通じて記録の重要ポイントを理解し、自身の記録技術の向上に活かすことができます。また、監査結果を基に、部署全体での記録の質向上に取り組むことも重要です。
まとめ:質の高い記録を目指して
看護記録は、医療の質と安全を支える重要な要素です。基本原則を理解し、日々の実践の中で記録技術を磨いていくことが大切です。特に新人看護師の皆さんは、一つ一つの記録を丁寧に行い、必要に応じて先輩看護師に相談しながら、確実な記録技術を身につけていってください。
また、記録は法的な証拠となることを常に意識し、正確で適切な記録を心がけることが重要です。
質問方法とコミュニケーション

医療現場での質問とコミュニケーションは、安全な医療を提供するための重要なスキルです。このセクションでは、新人看護師の方々が効果的に活用できる質問技術と、医師や他のスタッフとの円滑なコミュニケーション方法について解説していきます。実際の現場での例を交えながら、実践的なスキルを身につけていきましょう。
効果的な質問技術の基本
医療現場での質問は、単に不明点を解消するだけでなく、患者さんの安全を確保し、より良い医療を提供するための重要なツールとなります。適切な質問を行うことで、確実な情報収集と正確な理解が可能となります。
質問の準備と心構え
質問をする前には、必要な情報を整理し、具体的な質問内容を明確にすることが重要です。患者さんの現在の状態や治療経過を把握した上で、確認が必要な点を絞り込んでいきます。また、質問することを躊躇せず、分からないことは必ず確認するという心構えを持つことも大切です。
適切なタイミングの選択
質問のタイミングも重要な要素です。医師が他の業務で多忙な場合や、緊急対応中の場合は、状況を見極めて適切なタイミングを選ぶ必要があります。ただし、患者さんの安全に関わる重要な確認事項がある場合は、躊躇せずに即座に質問することが求められます。
コミュニケーションの実践テクニック
医療チームの中で効果的なコミュニケーションを行うためには、相手の立場を理解し、適切な方法で情報を伝えることが重要です。状況に応じた柔軟なコミュニケーション方法を身につけることで、より確実な情報共有が可能となります。
医師とのコミュニケーション
医師とのコミュニケーションでは、簡潔かつ正確な情報伝達が求められます。患者さんの状態や変化について報告する際は、重要な情報から順に伝えていきます。また、不明点がある場合は、具体的な質問を行い、確実な理解を得ることが重要です。
他職種とのコミュニケーション
多職種チームでの情報共有では、それぞれの職種の専門性を理解し、適切なコミュニケーションを心がけます。リハビリテーションスタッフや薬剤師など、各職種との情報共有では、患者さんのケアに必要な情報を漏れなく伝えることが重要です。
困難場面での対応方法
医療現場では、様々な困難な状況でのコミュニケーションが求められます。このような場面でも、適切な対応を行うことで、問題を解決に導くことができます。
緊急時のコミュニケーション
緊急時には、特に簡潔で明確なコミュニケーションが重要です。必要な情報を優先順位をつけて伝え、チーム全体での情報共有を確実に行います。また、緊張する場面でも、落ち着いて対応することを心がけます。
意見の相違への対応
医療チーム内で意見の相違が生じた場合は、患者さんの安全と最善の利益を第一に考え、建設的な話し合いを心がけます。それぞれの立場や考えを理解しながら、適切な解決策を見出していくことが重要です。
コミュニケーションスキルの向上
効果的なコミュニケーションスキルは、日々の実践と振り返りを通じて向上させていくことができます。具体的な改善方法と、継続的な学習のポイントについて解説します。
実践的なトレーニング
院内研修やシミュレーション訓練を通じて、様々な場面でのコミュニケーション練習を行うことが効果的です。特に新人看護師の時期は、先輩看護師からのフィードバックを受けながら、実践的なスキルを身につけていくことが重要です。
継続的な改善の取り組み
日々の業務の中で経験する様々なコミュニケーション場面について、定期的に振り返りを行います。うまくいかなかった場面については、その原因を分析し、改善策を考えることで、より効果的なコミュニケーションスキルを身につけることができます。
安全確保の具体策

医療安全は、患者さんの生命と健康を守る上で最も重要な要素です。このセクションでは、指示受けにおける安全確保の具体的な方法と、実践的なリスク管理について解説していきます。新人看護師の方々が日々の業務で即実践できる具体的な安全対策を、実例を交えながら詳しく説明していきます。
リスク管理の基本アプローチ
医療現場でのリスク管理は、予防的な取り組みが最も重要です。日常的な業務の中で、常にリスクを意識し、適切な対策を講じることで、医療事故を未然に防ぐことができます。
リスク予測の重要性
指示受けの場面では、様々なリスクが潜んでいます。特に投薬指示や検査指示においては、誤認識や見落としによる重大な事故につながる可能性があります。そのため、起こりうるリスクを事前に予測し、適切な対策を講じることが重要です。
例えば、類似薬品名による誤認や、数値の見間違いなど、よくある間違いについて事前に把握しておく必要があります。
安全確認の基本手順
安全確認には、必ず手順に従って実施することが重要です。患者確認は必須であり、フルネームでの確認を徹底します。
また、指示内容については、必要に応じてダブルチェックを実施し、確実な確認を行います。この際、確認作業を形骸化させないよう、一つ一つの手順を意識的に実施することが大切です。
具体的な安全対策の実践
日々の業務の中で実践できる具体的な安全対策について、場面ごとに解説していきます。これらの対策を確実に実施することで、医療安全の向上につなげることができます。
指示受け時の安全確保
指示を受ける際は、必ずメモを取りながら内容を確認します。特に重要な数値や用量については、復唱による確認を徹底します。また、不明点がある場合は、その場で必ず質問し、曖昧なまま業務を進めることは避けます。電子カルテでの確認も併せて行い、指示内容の正確な理解に努めます。
実施前の最終確認
指示内容を実施する前には、必ず最終確認を行います。特に投薬業務では、5Rの確認を徹底し、患者誤認や投薬ミスを防止します。また、実施時期や方法についても、再度確認を行い、確実な実施につなげます。
エラー防止のための具体的方策
医療現場では、様々な要因によってエラーが発生する可能性があります。これらのエラーを防止するための具体的な対策について解説します。
コミュニケーションエラーの防止
指示受けの際のコミュニケーションエラーを防ぐため、明確な表現と確実な復唱を心がけます。特に口頭指示を受ける場合は、その場でメモを取り、復唱による確認を徹底します。また、環境が騒がしい場合は、場所を変更するなど、適切なコミュニケーションが取れる状況を確保します。
システムエラーの防止
電子カルテシステムを使用する際は、入力ミスや操作ミスを防ぐため、慎重な操作を心がけます。特にオーダー入力や記録の際は、入力内容の確認を徹底します。また、システムの特性や注意点についても十分に理解し、適切な操作を行うことが重要です。
チームでの安全確保の取り組み
医療安全は、個人の取り組みだけでなく、チーム全体での協力が不可欠です。チームメンバー間での情報共有と相互確認を通じて、より確実な安全確保を実現することができます。
情報共有の重要性
重要な指示内容や注意が必要な事項については、チームメンバー間で確実に情報を共有します。申し送りの際は、特に注意が必要な指示について重点的に伝達し、チーム全体での認識統一を図ります。
相互確認の実践
業務の中で、必要に応じて相互確認を実施します。特にハイリスクな医療行為や重要な指示内容については、複数のスタッフで確認を行うことで、より確実な安全確保を実現します。また、気になる点があれば、互いに指摘し合える関係性を築くことも重要です。
ケーススタディから学ぶ実践的な指示受け

実際の医療現場で起こった事例を基に、効果的な指示受けの方法と注意点について学んでいきます。このセクションでは、成功事例と改善が必要だった事例の両方を取り上げ、それぞれから得られる学びを詳しく解説していきます。
成功事例から学ぶ効果的な対応
実際の現場での成功体験から、効果的な指示受けの具体的な方法を学んでいきましょう。これらの事例は、実在の事例を基に、個人情報保護の観点から一部修正を加えて紹介しています。
救急外来での複数指示対応
救急外来に搬送された重症患者Aさんの事例です。夜勤帯で、複数の緊急指示を同時に受ける状況となりました。担当した新人看護師Bさんは、以下のような対応を行いました。
まず、電子カルテを開いた状態で指示を受け、医師の指示を一つずつメモに取りながら復唱確認を行いました。特に投薬指示については、薬剤名と投与量を明確に復唱し、医師からの確認を得ました。
また、分からない略語があった際は、その場で確認を行い、誤認識を防ぐことができました。この事例からは、緊急時でも基本的な確認手順を省略せず、確実な指示受けを行うことの重要性を学ぶことができます。
継続指示の適切な管理
慢性疾患で入院中のCさんの事例です。複数の継続指示があり、条件に応じて対応が変化する指示内容でした。担当した2年目の看護師Dさんは、指示内容を一覧表にまとめ、条件と対応を明確化しました。
また、チームメンバーとも情報を共有し、勤務交代時には特に注意が必要な指示について重点的に申し送りを行いました。この取り組みにより、複雑な継続指示を確実に実施することができ、患者さんの状態に応じた適切なケアを提供することができました。
改善事例から学ぶ重要ポイント
医療現場では、様々な要因によってエラーや問題が発生する可能性があります。これらの事例から、重要な学びを得ることができます。
口頭指示による誤認識
夜間の救急対応時、口頭指示により投薬量を誤認識した事例です。騒がしい環境の中で指示を受けた際、十分な復唱確認を行わなかったことが原因でした。幸い、実施前の最終確認で気付くことができ、重大な事故は防止できました。
この事例からは、環境に関わらず確実な復唱確認を行うことの重要性と、必要に応じて場所を変更するなどの環境調整の必要性を学ぶことができます。
指示変更の見落とし
定期処方の変更指示を見落としてしまった事例です。電子カルテ上で指示変更の確認が不十分だったことが原因でした。
この事例では、チームメンバーの気付きにより実施前に発見することができました。定期的な指示内容の確認と、変更指示があった際の確実な情報共有の重要性を示す事例となっています。
ケーススタディからの学びを実践へ
これらの事例から得られた学びを、日々の業務に活かしていくことが重要です。特に注意すべきポイントについて、実践的な観点から解説していきます。
確認プロセスの重要性
全ての事例に共通するのは、確実な確認プロセスの重要性です。特に投薬指示や緊急指示においては、復唱確認とダブルチェックが重要となります。また、不明点がある場合は、必ずその場で確認することが求められます。
チーム連携の活用
多くの成功事例で見られるのは、効果的なチーム連携です。情報共有と相互確認を通じて、より確実な医療安全を実現することができます。特に新人看護師は、先輩看護師に相談しながら業務を進めることが推奨されます。
看護師さんからのQ&A「おしえてカンゴさん!」

新人看護師の皆さんから多く寄せられる質問について、経験豊富な先輩看護師が具体的にお答えします。実践的な対応方法や、現場ですぐに活用できるアドバイスを中心に、分かりやすく解説していきます。
指示受け時の不安や悩みへの対応
指示受け時の緊張への対処法
Q:「指示受け時に緊張して聞き逃してしまうことがあります。どうすれば良いでしょうか」
A:緊張することは自然なことですので、まずはそのことを受け入れることが大切です。具体的な対策としては、電子カルテを開いた状態で指示を受け、メモを取りながら確認を行うことをお勧めします。
また、指示を受ける前に患者さんの情報を確認しておくことで、余裕を持って対応することができます。特に重要な指示内容については、必ず復唱して確認を行うようにしましょう。
記録と確認に関する疑問
効率的な記録方法について
Q:「指示内容の記録に時間がかかってしまいます。効率的な方法はありますか」
A:記録の効率を上げるためには、まず電子カルテのテンプレート機能を上手く活用することをお勧めします。
また、指示を受けた際にキーワードをメモしておき、それを基に記録を作成することで、より効率的な記録が可能となります。ただし、重要な情報は必ず漏れなく記載するよう心がけてください。
医師とのコミュニケーション
質問のタイミングについて
Q:「医師が忙しそうで、質問するタイミングが分かりません」
A:患者さんの安全に関わる重要な確認事項がある場合は、医師が忙しい場合でもためらわずに質問することが大切です。ただし、緊急性が低い場合は、医師の業務の切れ目や、回診後など、比較的余裕のある時間を選んで質問することをお勧めします。
また、質問内容を事前に整理しておくことで、効率的なコミュニケーションが可能となります。
夜勤帯での指示受け
夜間の緊急指示への対応
Q:「夜勤帯で複数の指示が重なった時の対応に不安があります」
A:夜勤帯では特に優先順位の判断が重要となります。指示を受けた際は、まず緊急性の高いものから対応していきましょう。
また、分からないことがある場合は、必ず先輩看護師に相談することをお勧めします。夜間であっても基本的な確認手順は省略せず、特に投薬指示については慎重に確認を行うようにしてください。
継続指示の管理
複数の継続指示への対応
Q:「複数の継続指示があり、管理が難しく感じます」
A:継続指示の管理には、一覧表の作成が効果的です。患者さんごとに継続指示の内容、条件、期限などを整理し、チームで共有できるようにしましょう。
また、定期的に指示内容の確認を行い、変更や終了の見落としがないよう注意することが重要です。不明点がある場合は、必ず医師に確認するようにしてください。
まとめ
本記事では、新人看護師の皆さんに向けて、指示受けの基本から実践的なテクニックまでを詳しく解説してきました。特に重要なポイントは、確実な復唱確認の実施、正確な記録の作成、そして適切なコミュニケーションの実践です。これらのスキルは、日々の実践を通じて徐々に向上していきます。
指示受けは、患者さんの安全な医療を支える重要な業務です。一つ一つの指示を丁寧に確認し、不明点はその場で解決することを心がけましょう。特に新人の時期は、先輩看護師に積極的に相談しながら、確実な手順を身につけていくことが大切です。
より詳しい実践テクニックや、現場での具体的な活用例については、「はたらく看護師さん」の会員限定コンテンツでご覧いただけます。新人看護師の皆さんの成長をサポートする、より詳細な情報や実践的な事例を多数ご用意しています。
参考文献
- 日本看護協会:医療安全推進のための標準テキスト
- 厚生労働省:新人看護職員研修ガイドライン改訂版
- 日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 年報(2023年版)