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【看護師の転職時期完全ガイド】キャリア別・月別・施設別におすすめのタイミングを徹底解説

看護師として働く中で、「もっと条件の良い職場で働きたい」「スキルアップしたい」と思ったことはありませんか?

転職は新たなキャリアへの第一歩。しかし、そのタイミングは慎重に選ぶ必要があります。本記事では、看護師の転職に最適な時期を、キャリア別、月別、そして希望の施設別に詳しく解説します。

さらに、ボーナスの影響や家庭状況など、個人の事情に合わせたベストタイミングの見つけ方も紹介。転職を成功させるポイントや、在職中と退職後の転職のメリット・デメリットまで、幅広くカバーしています。あなたの理想の転職を実現するための、実践的なガイドをお届けします。

転職を考えているすべての看護師の方々に、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。

看護師キャリア別のおすすめ転職時期は?

 

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それではまず、キャリア別の転職時期です。自分が看護師として、どのくらいのキャリアを積んでいるかによって、転職時期として最適かどうかが変わってきます。

 

1~2年目の新人

 

新人看護師としての最初の1〜2年は、医療現場での経験を積む重要な時期です。新しい環境に慣れることや臨床スキルの向上が優先されるため、急な転職は慎重に考えるべきです。

 

また、あまりにも早い段階での転職は、相手にも「またすぐに辞めてしまう可能性がある」と思われてしまいがちです。そのため、新人のうちの転職は慎重になるべきです。ただし、どうしても転職したい場合は、卒業後3年以内の人材を指す「第二新卒」を募集している職場を選ぶのがいいでしょう。

 

3~5年目

 

3〜5年目には、臨床スキルの磨き上げとともに、自身のキャリアパスを見つめ直す重要な段階です。他の医療機関での経験を積むことで、広い視野を持ち、新たな知識やアプローチを学ぶチャンスとなります。

 

またある程度の英検と知識があるため、どの職場でも即戦力として考えてくれます。時期を問わずに採用されやすく、看護師としての転職を考えている方にとっては最適な時期といえるでしょう。

 

6~10年目

 

看護師としての経験を6〜10年積んだ段階では、マネジメントポジションの求人が増えてきます。この時期の看護師は、実績や経験が豊富で、即戦力として評価されます。また、リーダーシップやチームマネジメントの経験を積むことで、キャリアをさらに発展させることが可能です。

 

このような人材は、職場でも必要なため求人も多く、転職時期として最適な時期といえるでしょう。ただし、この時期になると、結婚や出産といった私生活の変化が出てくる時期でもあるので、それらの兼ね合いを見定めて慎重に転職をするのが必要です。

 

11年目以上

 

11年目以上となると、看護師としてベテランの域に達してきます。そのため、転職を迷われる方も多いでしょう。実際のところ、このくらいのキャリアのある看護師は、間違いなく管理者の即戦力として期待されます。

 

実績やスキルがある人材は重宝されるので、多くの医療機関から重宝されるのは間違いありません。もちろん求人数も多く、これまでの経験と知識を活かし、部門やプロジェクトの責任者として活躍することが期待されます。組織全体の運営に関わる重要なポジションを目指す際には、経営戦略や人材管理などのスキルを磨くことが重要です。

 

1年で看護師が転職しやすい時期は?

 

次に1年間の中でもっともおすすめの転職時期についてご紹介します。月によって転職状況が変わってくるので、転職を成功させたいという方はぜひ参考にしてください。

 

1月(おすすめ)

 

新年を迎える1月は、求人情報が多く更新される時期です。多くの医療機関が新たなスタッフを募集するため、転職のチャンスが豊富です。また年始ということでそこまで求職活動が活発ではありません。年明け早々に転職活動を開始し、新しい職場でのスタートを切るのも良いでしょう。

 

2月(おすすめ)

 

2月も求人情報が充実しており、転職の選択肢が広がる時期です。年度の変わり目に向けて、医療機関がスタッフの補充を行うため、積極的な転職活動がおすすめです。

 

3月

 

新年度の準備が進む3月は、転職にはやや落ち着いた時期です。ただし、前年度の終了に伴い、一部の職場で人員補充が行われることもあります。求人情報をチェックし、積極的に情報収集を行いましょう。

 

4月(おすすめしない)

 

新年度のスタートとともに、多くの看護師が新たな職場での業務に就くため、中途採用の求人が減少する傾向があります。そのため、数少ない求人で競争が激しくなり、転職活動には難しい月と言えるでしょう。

 

5月

 

5月は求人情報の数が増える傾向にありますが、まだ新年度が始まったばかりという時期です。新人看護師への研修などで医療機関も忙しく、大型連休なども重なるため積極的な採用活動を行わない医療機関がほとんどです。

 

6月(おすすめ)

 

6月はボーナスの支給付きということもあり、このタイミングで離職する看護師も多いです。新卒の研修期間も終わり、業界全体もだいぶ落ち着いてくるため、求人情報が増加する傾向があります。積極的な転職希望者にとってチャンスの多い月と言えるでしょう。

 

7月

 

ボーナス後の7月は、人員不足を解消するために募集を行う医療機関も多くあるため、転職を検討している方にとってはおすすめの時期といえるでしょう。しかし、夏季休暇に入る時期でもあるため、動きがない医療機関もあります。転職を検討している方は情報収集を怠らないようにしましょう。

 

8月

 

8月は夏季休暇やお盆などの大型連休があるため、転職に関する活動が一時的に停滞する可能性があります。ただし、秋に向けた求人情報が出始めるため、情報収集や準備を進めるのが良いでしょう。

 

9月(おすすめ)

 

夏が終わり、秋に向けて求人情報が増える9月は、転職に適した時期と言えます。特に即戦力を求める求人が多く、新しい環境でのスタートを考えている方にとって、とてもおすすめな時期といえるでしょう。

 

10月

 

10月は9月の反動により、求人が少なくなる時期です。しかし、年末の離職者に備えて下旬から求人は増える傾向にあるので、転職を希望する方は、こまめに求人チェックをするのがいいでしょう。

 

11月(おすすめ)

 

年末の離職者分の看護師を補充するために、求人情報が一気に増える11月は、転職に適したベストタイミングの一つです。うまくいけば新しい年を迎える前に、新しい職場でのスタートを切ることができるかもしれません。

 

12月(おすすめしない)

 

年末は業員自体が忙しく、医療機関側の採用活動がほぼ停止します。さらに、求人情報が減少することが多いため、転職活動には不利な月と言えます。新しい年に向けて準備を整えつつ、来年の転職に向けた計画を立てるのが良いでしょう。

 

月の中でおすすめの転職時期は?

 

1年のうちに、何月が転職時期として適しているのかご紹介してきましたが、もう一つは月の中での転職時期のタイミングです。月は上旬・中旬・下旬に分かれますが、この中でもっとも最適なのが中旬です。

 

一般的な医療機関は、上旬と下旬とは採用担当者が忙しいことが多いです。中旬であれば、比較的時間の都合がつきやすく、スムーズな面接を行うことができるでしょう。

 

ただし何月に求人活動を行うかによって異なるため、あくまでも目安としてとどめておいてください。

 

希望の施設別転職時期は?

 

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看護師の転職は、病院だけにとどまりません。クリニックや診療所、訪問看護師に転職を考えている方もいるでしょう。そこで、希望の施設別に最適な転職時期をご紹介していきます。

 

大手病院

 

大手病院は多くのスタッフを抱え、複雑な医療体制が敷かれています。転職の際には、病院の年間スケジュールや人員補充のタイミングを把握することが重要です。

 

先ほどもご紹介したように、春は多くの病院が新卒看護師を採用するシーズンのため、転職には不向きかもしれません、一方秋になると、人員補充が行われるため、経験豊富な看護師は即戦力として活躍できるでしょう。

 

ただし大手病院は、前もって手続きを行わなければ面接までに長い期間が必要になることがあります。そのため、転職時期を何月にするか決めているのであれば、最低でも3ヶ月前から準備を進めるのがいいでしょう。

 

クリニック・診療所

 

クリニックや診療所は一年を通じて患者の来院があるため、基本的には通年で転職が可能です。ただし、年末年始や夏季休暇の前後など、患者数が多い時期を避けることがおすすめです。4〜5月や9〜10月は募集が多い傾向にあるので、おすすめの時期となります。

 

訪問看護師

 

近年は高齢化の影響や在宅医療を希望する患者も多く、訪問看護師の需要は非常に高くなっています。他の施設と違い、1年通した募集を見ることができます。育成体制も整っているので安心して転職することができるでしょう。

 

看護師の現状によって転職時期は変わる

 

転職を希望する看護師には、それぞれ置かれている状況は違います。それぞれ、どのような転職時期が適しているのか解説していきます。

 

子育て中の看護師の場合

 

お子様がいる看護師の方は、転職に適した時期に転職するというよりは、お子様に合わせた転職をするのがいいでしょう。

 

お子様が学校に入りたての時期は、新しい環境でトラブルが出ることもあります。そのため、その時期を避けるのがおすすめです。

 

子供の夏休みに合わせて、新しい職場でのスタートを切ることで、仕事と家庭のバランスを調整しやすくなる6〜7月、子供の学校が再開し、家庭の時間が確保しやすくなる9~11月の秋頃が転職時期としておすすめです。

 

新人・ブランクのある看護師の場合

 

新人やブランクのある看護師の場合は4月がおすすめです。新卒看護師やブランク明けの看護師を募集する医療機関が増えるシーズンで「ブランクOK」「未経験OK」という求人を多く目にします。

 

そのため、新しいスタートを切りやすく高度なスキルも必要としないため、スキルを身に着けたり勘を取り戻すためには、最適な求人が多いです。

 

派遣・パート看護師の場合

 

派遣やパートの看護師は、通年で求人情報があります。自身のスケジュールに合わせて働くことができるため、転職のタイミングは比較的柔軟です。2〜3ヶ月前からしっかり準備して転職を行ってください。

 

ベテランの場合

 

ベテラン看護師の場合も、年間通して求人情報があり即戦力としてすぐに働くことができます。看護師の中でも歓迎されやすいため、時期を気にせず転職活動を行っても問題ありません。スムーズな転職をするために、時間に余裕をもって活動をするようにしましょう。

 

ボーナス支給時期によっても転職時期は変わる

 

ボーナスを受け取った後に転職を考えることで、経済的に余裕を持って新しい職場にスムーズに移ることができます。もしボーナス対象者であれば、ボーナス支給後に転職を考えるのもいいでしょう。

 

しかし、その後の転職を考えている場合は、引き継ぎなどしっかり行い、今の職場に迷惑のかからないように努めてください。

 

看護師が転職を上手に行うポイントとは?

 

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ここでは、看護師転職を有利に進めるためのポイントについてご紹介します。希望の転職を実現するためにも、必ずチェックしておきましょう。

 

転職理由を明確にする

 

転職を検討する際、なぜ転職を考えるのかを明確にすることが大切です。自身のキャリアゴールや成長を考え、現在の状況とのギャップを整理しましょう。転職理由を具体的に示すことで、面接や履歴書の際に説得力を持たせることができます。

 

もし理由があいまいな場合、病院側からいい印象をもたれることはありません。今の職場からなぜ転職したいのかを明確にし、滞りなく転職活動をしてください。

 

情報収集をする

 

転職を成功させるためには、豊富な情報収集が不可欠です。転職先の施設や職場の特徴、雰囲気、評判などを調査し、自身の希望に合った環境かどうかを確認しましょう。また、転職サイトや求人情報、専門のキャリア相談を利用して、最新の情報を収集することが重要です。

 

面接での答え方を準備しておく

 

面接では自己PRや志望動機を的確に伝えることが求められます。転職理由やなぜその職場を選ぶのか、自身の強みやスキルをどのように活かしていくかなど、予め準備をしておくことが大切です。具体的な事例や経験を挙げ、自分のアピールポイントを引き立てましょう。

 

転職サイトを活用する

 

転職サイトは、求人情報を簡単に収集し、自身の条件に合った求人を見つけるための有用なツールです。複数の転職サイトを比較し、求人情報の正確性や充実度をチェックすることで、効果的な情報収集が可能です。また、転職サイトのアドバイスやコンテンツを活用して、転職活動のステップを支援してもらうこともおすすめです。

 

看護師が職場を円満に退社するためには?

 

看護師として職場を円満に退社するためには、適切なコミュニケーションと手続きが重要です。社会人としての最低限のマナーとして、まわりに迷惑をかけないように転職するようにしましょう。

 

直属の上司に退職の旨を伝える

 

退職を検討している場合、まずは直属の上司に退職の意思を伝えることが大切です。直接話すことで、理由や思いをしっかり伝えることができ、円満な退社への第一歩となります。上司との対話を通じて、適切な退職のスケジュールや引継ぎの方法を相談しましょう。

 

直属の上司というのは一般的には病棟の看護師長になります。退職にむけた準備を一緒に行ってくれるはずです。退職を報告するタイミングは、就業規則を確認し行うようにしましょう。

 

引き止めにくい転職理由を伝える

 

転職をする理由は様々ですが、円満な退職のためには引き止めにくい理由を明確に伝えることが大切です。引き止められにくい理由としては「前向きな理由」もしくは「引き止めにくい理由」です。

 

スキルアップや資格取得、家庭の事情や健康の理由など、相手が納得しやすい理由を提示することで、円満な退職をすることができます。

 

退職届を書類で出す

 

退職することが確定したら、正式に退職届を提出する必要があります。退職届は書類として提出し、所定の手続きを行うことで、職場との関係をしっかり整理することができます。退職届の提出期限や手続き方法については、事前に確認しておきましょう。

 

ちなみに、退職の旨をメールや電話などで伝えるのは、ルール違反なので気を付けてください。

 

退職できなさそうなときは退職代行を利用する

 

一部の職場では、退職が難しい状況に直面することがあります。このような場合には、退職代行サービスを利用することで円満な退社を支援する方法もあります。専門のコンサルタントが介入し、円滑な退職手続きをサポートしてくれます。

 

転職の準備は早めに行う

 

退職を検討している場合、転職先の探索や準備は早めに始めることがおすすめです。求人情報の収集や面接の準備を進めることで、スムーズな転職活動が可能となります。

 

看護師の状況に合わせて、転職時期には適している時期やそうでない時期があります。そこから逆算して、3ヶ月前には行動をするようにしましょう。

 

在職中と退職後の転職はどっちがいいの?

 

看護師が転職を検討する際、在職中に転職するか、それとも退職後に転職するかは検討すべきポイントです。そこで最後に、在職中と退職後の転職それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

 

在職中に転職するメリット・デメリット

 

在職中に転職するメリット

 

在職中の転職は、収入を保ちながら新しい職場を探すことができます。安定感を保ちながら転職活動を進められるため、経済的なリスクを軽減でき、精神的にもゆとりをもつことができます。

 

また、新たな職場でのスタートをすぐにきることができます。そのため、仕事をしないという機関がないため、収入を途絶えさせることがありません。

 

在職中に転職するデメリット

 

在職中の転職活動は、仕事との両立が必要です。忙しさが増すことで、ストレスや疲労が蓄積される可能性があります。かなりタイトな生活になるので、しっかりスケジュール管理を行う必要があります。

 

退職後に転職するメリット・デメリット

 

退職後に転職するメリット

 

退職後に転職活動を行うことで、時間を転職活動一つに費やすことができます。またスケジュールに余裕があるため、転職先の都合に合わせてスケジュール調整をすることができます。

 

退職後に転職するデメリット

 

退職後の転職は、一時的に収入が途絶える可能性があります。経済的な不安が生じることがあります。そのため、経済的余裕がない場合、現職を退職した後、新しい職場までの期間をどのように過ごすかを計画する必要があります。

 

また新しい転職先が決まらない場合、経済的な焦りから大きなプレッシャーとストレスがかかります。そのため、退職後に転職する場合はある程度の貯蓄をもって行うのがいいでしょう。

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職する際のベストタイミングやポイントについて、様々な角度から解説してきました。

 

転職したいという看護師の中には、今すぐ転職をしたいという方も多くいるでしょうが、転職時期を間違えてしまうと、その気持ちとは裏腹にうまくいかないことも考えられます。そのため、最低でも3ヶ月間の準備期間を設けて、ゆとりをもって転職活動をするようにしましょう。

 

転職を成功させるためには、タイミングは重要です。自分にとって最適な転職時期を意識し、後悔のない転職を叶えてください。

2024年最新版【看護師の給料完全ガイド】平均年収、給料の内訳、初任給から年収アップの方法まで

看護師として働く中で、「自分の給料は適正なのだろうか?」「どうすれば収入を増やせるのか?」と悩んだことはありませんか?

本記事では、2024年最新の看護師給料事情を徹底解説します。平均年収508万円の内訳から、新人初任給、地域別の差、高給診療科ランキングまで、あなたのキャリアアップに直結する情報が満載です。給料アップの具体策も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

看護師の年収はどのくらい?

 

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まずは、看護師の年収についてご紹介します。年齢や役職によって年収は変わってきますが、厚生労働省が行っている最新の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約508万強となっており、平均月給は35万1,600円、ボーナスは86万2,100円となっています。

 

2021年の看護師の平均年収が約498万なので、1年間で約10万円程度アップしていることが分かります。この給与から税金などが引かれ、実際の手取りは月26〜28万円程度、平均年収は380万〜405万円程度になっていることが分かりました。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

看護師の給料の内訳

 

看護師の給料は、以下のような内訳で構成されています。

 

・基本給

 

・ボーナス

 

・夜勤手当

 

・時間外手当

 

勤務先によっては、これに住宅手当や通勤手当などの諸手当が付くのが一般的な給料の構成になります。ここでは、給料の中心になる項目を見ていきましょう。

 

基本給

 

基本給とは手当などを含まない給料のことです。看護師の基本給は、その職務内容や経験によって異なりますが、新卒看護師で約20万〜21万円、10年程度経験のある看護師になると25万円前後になるのが一般的です。

 

基本給は1年ごとに4,000円〜5,000円程度上昇していき、55〜59歳頃でピークを迎えます。ただし、すべての看護師というわけではなく、配属している科によって収入は若干異なってきます。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

ボーナス

 

看護師のボーナスは、年末や夏季など特定の時期に支給されることが一般的です。ボーナスの額は基本給に比べて多く、年収を大きく左右する要素といえます。

 

ボーナスの額は、勤務先の病院や施設の方針によって異なりますが、年間で数ヶ月分の給与に相当する場合が一般的で、年間ボーナス額は平均約86万程度となっています。こちらも年齢や配属先によって多少異なりますが、40〜50代になる看護師は100万円に達するボーナスを獲得できるようです。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

夜勤手当

 

夜勤手当は、夜間に勤務する看護師に支給される手当です。夜勤は体力的・精神的に負担が大きいため、その対価として支給され給料に大きな影響を与えます。

 

1度の夜勤で10000〜12000円程度支給されることが一般的で、平均すると給料のうち4〜5万円程度が夜勤手当になっています。これを1年間に換算すると約40〜60万円程度になるため、年収の10%が夜勤によるものというのが分かります。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

時間外手当

 

医療現場では予期せぬ状況が発生することがあり、その際に発生した時間外労働に対する手当が時間外手当です。基本給に比べて割増されることが一般的であり、看護師自身の負担を軽減する役割を果たしています。

 

時間外手当の計算方法は労働基準法に基づきますが、基本給の25%から35%が支給されることが多く、賃金構造基本統計調査によると、看護師の時間外勤務は月平均5.2時間で、毎月1~12,000万円が残業代として支給されています。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

職業別平均年収

 

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看護師の職業は、医療や介護の分野で多岐にわたり、それぞれの勤務先によって年収にも違いがあります。ここでは、看護師の職場ごとの平均年収をご紹介していきます。

 

病院

 

病院は医療の中心であり、多様な診療科や患者層を抱えています。忙しい勤務環境や急患の対応などが求められるため、給与にはそれ相応の給料が支払われています。また、病院によっては専門的な技術を要する科や手術室で働く看護師には、手当が加算されることもあります。

 

一番業務が過酷とされる救急救命病棟の平均年収は約540万円、大学病院だと約490万円、大型の総合病院になると約470万円となっています。

 

忙しい科になればなるほど給料はよくなりますが、その分ストレスや過酷な労働など大きなストレスになることも多くなります。

 

クリニック

 

クリニックは、専門的な診療を行う施設であり、病院に比べると規模が小さく、患者との対話が重要です。、病院に比べて勤務時間が比較的安定しており、日勤のみの勤務体制や週休2日制が多いことも影響しています。

 

クリニックの平均年収は約390万円となっています。給料よりもライフワークや身体的な部分を考えて働きたいという方におすすめです。

 

介護施設

 

介護施設では高齢者や要支援者へのケアが行われており、看護師は身体的なサポートだけでなく、心のケアも担当します。。介護施設は24時間体制でのケアが求められるため、夜勤手当や時間外手当が支給されることが多く、専門的なスキルが求められる場合もあり、そのスキルに応じて給与が設定されることもあります。

 

そんな介護施設での看護師の収入は意外と低く、平均年収は約375万円となっています。病院などに比べ、命の危機に直面するような機会は少ないかもしれませんが、精神的・身体的な負担が少ないとはいいきれないかもしれません。

 

男女別平均年収

 

看護師の平均年収は、性別によっても差が生じています。

 

男性看護師

 

平均年収:522万7200円

 

平均月収:35万9900円

 

平均ボーナス:90万8400円

 

女性看護師

 

平均年収 506万3800円

 

平均月収:35万600円

 

平均ボーナス:85万6600円

 

一見不公平に感じる方もいるかとは思いますが、女性であれば子育てなどによって勤務制限があることや、男性であれば家族持ちが多く家族手当などの手当が多くつくことが考えられています。

 

都道府県別平均年収

 

看護師の給与は地域によっても大きく異なります。大都市圏や経済的に発展した地域では、需要と供給のバランスが取れつつあるため給与水準が高くなりがちです。一方、地方や田舎の地域では給与水準が低い傾向があり、これは地域経済や医療機関の規模によるものであり、地域格差が影響しています。

 

全国の平均年収は約508万円となっており、各都道府県別にみていくと、もっとも給料が高いのが東京で約564万、次いで奈良県の約546万、次に兵庫県と埼玉県が約541万円となっており、17の都府県げ平均年収を上回っています。

 

逆にもっとも低いのは鹿児島県の約396万、次に宮崎県の約427万、次いで大分県の約433万円となっており、東京と鹿児島では約168万円もの差があることが分かります。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

新人看護師の初任給と平均年収

 

新卒看護師の初任給は、その時点の経験や地域によって大きく変動します。経験による昇給や昇進、専門的なスキルの取得が給与アップの要因となります。

 

日本看護協会の調べによると、新卒看護師の初任給は専門学校卒業の看護師で約26万円で手取りの給料が約20万円、大学卒業の看護師は約32万円で手取りが約25万円となっています。

 

平均年収で換算すると約230〜300万円ほどとなっており、一般企業の新卒社員がボーナスを合わせた給料と同じ程度の給料となっています。

 

また新卒看護師は、夏のボーナスは平均5〜10万円程度になっており、満額支給されるのは冬のボーナスからとなっています。冬のボーナスは約30万円程度が一般的です。

 

参考元:日本看護協会「2022年病院看護実態調査報告書」

 

看護師は年収ランキング24位、医療系では5位

 

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看護師以外にも様々な職種がありますが、看護師の収入が他と比べてどのくらいなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。厚生労働省の調べによると、145ある女性の職業の中で看護師は24位という結果になっています。さらに、医療系の職種に絞ると5位という結果になっています。

 

ランキング上位となっている職種では、1位が医師、2位が教授、3位は法務事業となっており、一般的にも高給取りというイメージが強い職業が並んでいます。詳しい内容は以下の参考元をご覧ください。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

 

年収が高い診療科

 

看護師の収入は、配属になる診療科によっても異なります。実際、年収が高い診療科はどこになるのでしょうか。年収が高いとされる診療科は以下の通りです。

 

・呼吸器外科

 

・救命救急科

 

・脳神経外科

 

・透析科

 

・麻酔科

 

・美容外科

 

これらの診療科で年収が高い理由は、専門性や負荷の高さにあります。高度な技術や知識が求められ、特に手術室や急患対応など、緊張感のある環境での勤務が多いためです。また、これらの診療科は人材不足が課題となっており、需要と供給のバランスが取れていないことも影響しています。そのため、給与水準が高めに設定されています。

 

また例外としてあげられるのが美容外科です。美容を目的とした診察は保険適用外の治療や処置が多く、収益も高くなるので、看護師にも高い給料が発生します。

 

看護師のキャリア選択においては、自身のスキルや興味を考慮し、将来の展望や給与面もよく検討することが重要です。

 

看護師の生涯年収

 

これまでの内容を踏まえ、看護師が得ることができる生涯年収を計算してみると、65歳の定年まで仕事を全うしたとして、2億2125万円になります。

 

患者の命に係わる職業として、ハードな面も多々ある看護師ですが収入という部分を考えれば、一般的な生涯年収よりも多くの収入を得ることができるということが分かります。

 

参考元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

高収入が得られる職場の特徴

 

看護師の給与は、働く職場の特徴によって大きく影響を受けます。看護師としてのキャリアプランを考える際には、これらの特徴を踏まえて適切な職場を選択することが大事になるでしょ。そこで、高収入を実現するための特徴としてあげられる、経験加算から時間外手当、規模の大きな病院、美容系のクリニックまで、要素ごとに解説していきます。

 

看護師経験加算がある

 

経験加算とは、看護師が勤務年数を重ねるごとに給与が増加する仕組みです。経験を積むことで熟練度や専門知識が高まるため、それに見合った報酬が支払われる仕組みとなっています。一般的に、5年、10年、15年といった節目ごとに給料がアップすることが多いですが、職場や地域によって異なることもあります。

 

ただし、職場の雰囲気や働きやすさ、キャリアアップの機会など、他の要素も重要です。また、経験加算があるからといって他の診療科に転職する際には、その診療科でのスキルや知識が求められることも考慮しておく必要があります。

 

時間外手当が高い

 

医療現場では予期せぬ状況による残業や急なシフト変更が発生することがあります。そのため、時間外手当の支給が高い職場ほど、労働に見合った報酬を得ることができます。特に夜勤手当や休日出勤手当なども時間外手当に含まれ、これらの手当が高額である職場は高収入が期待できます。

 

規模の大きな病院

 

規模の大きな病院は、様々な診療科があり、多くの患者を受け入れるため、看護師の需要が高まります。需要と供給のバランスが取れていない場合、給与が引き上げられる可能性があります。また、大病院では専門的なスキルが求められる診療科も多く、そのスキルに対する手当が支給されることもあります。

 

また、規模が大きい病院は、人事評価や昇給制度などがしっかりとしており、昇給による役職手当などもあるため、キャリアアップを目指したいという方にも働きやすい職場といえるでしょう。

 

給料アップさせるためのポイント

 

看護師として給料アップを目指す際には、いくつかのポイントを意識することが大切です。以下に給料アップを実現するためのポイントを詳しく解説します。

 

夜勤の回数を増やす

 

夜勤手当は、夜間に勤務することに対する手当です。多くの場合、夜勤手当は通常の給料よりも高めに支給されることがあります。夜勤の回数を増やすことで、手当が増加し給料アップにつながる可能性があります。ただし、夜勤勤務は体力的な負担が大きいため、無理なく調整することが重要です。

 

管理職を目指す

 

管理職に昇進することで、給与がアップすることがあります。管理職は、部署やチームの指導者として組織をまとめる役割を果たすため、その責任に見合った報酬が支給されることが多いです。リーダーシップや組織運営のスキルを磨くことで、管理職への昇進を目指しましょう。

 

新たな資格を取得する

 

看護師の資格だけでなく、様々な資格を取得することで給与アップのチャンスを広げることができます。例えば、救急救命士や透析士、認定看護師などの資格を取得することで、専門性が高まり給与が向上する可能性があります。資格取得には学習や試験が必要ですが、その努力が報われることがあります。

 

転職する

 

転職は、給与アップを実現するための一つの方法です。求人情報をしっかりと調査し、希望の給料を提示できるよう準備を行いましょう。ただし、転職に伴う環境の変化や調整が必要な場合も考慮しておくべきです。

 

まとめ

 

この記事では、平均年収・給料の内訳・新人看護師の初任給など、看護師の給料事情について解説してきました。

 

看護師の給料は、経験やスキル、勤務する職場によって大きく異なりますが、専門性を高め、適切な職場選びをすることで、高収入を得ることが可能です。キャリアの積み重ねや努力によって、将来的な給与アップが期待できる職業であることは間違いありません。

 

もし今の職場の給料に不満を感じているのであれば、自分がどんな看護をしたいのか、挑戦してみたいことや仕事へのやりがいなども含めて、給与や業務内容、労働環境を検討してみるのもいいかもしれませんね。