2025年度版【看護学生のための援助計画の書き方ガイド】効果的な計画立案と実践の展開

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看護学生の皆さん、援助計画の作成に不安を感じていませんか? 

実習では患者さんの状態を適切に把握し、効果的な看護計画を立案することが求められます。本記事では、アセスメントから評価まで、援助計画作成の全プロセスを実践的に解説します。

具体的な事例も交えながら、実習で活用できる計画立案のポイントをお伝えしていきます。

この記事を読んでほしい人

  • 初めての実習を控えた看護学生で援助計画の書き方に不安がある方
  • 基礎実習から領域別実習に進む前に計画立案のスキルを向上させたい方
  • 実習指導者からの指摘が多く、改善点を知りたい方
  • より効果的な看護計画の立て方を学びたい方

この記事で分かること

  • 看護過程における援助計画の位置づけと重要性
  • 情報収集からアセスメントまでの具体的な進め方
  • 実践的な目標設定と計画立案のテクニック
  • 記録の書き方と評価方法の具体例
  • よくある失敗とその対処法

援助計画の基礎知識 

援助計画は看護実践の基盤となる重要なツールです。このセクションでは、援助計画の基本的な考え方から、実際の活用方法まで詳しく解説していきます。

特に、看護過程における位置づけを理解することで、より効果的な計画立案が可能になります。

援助計画の定義と目的

看護における援助計画の意味

援助計画とは、患者さんの健康上の問題を解決するために、具体的な看護行為を体系的にまとめたものです。患者さんの状態を総合的に判断し、必要な看護介入を計画的に実施するためのロードマップとなります。

援助計画が果たす役割

計画立案の過程では、患者さんの個別性を重視しながら、科学的根拠に基づいた看護介入を検討します。

これにより、効率的かつ効果的な看護ケアの提供が可能となります。

看護過程における位置づけ

アセスメントから評価までの流れ

看護過程において、援助計画は情報収集とアセスメントの後に続く重要なステップです。収集した情報を分析・統合し、看護問題を特定した上で、具体的な介入方法を計画していきます。

継続的な看護ケアにおける重要性

援助計画は、看護チーム全体で共有される重要な情報源となります。患者さんの状態変化に応じて適宜修正を加えながら、継続的な看護ケアの質を確保する役割を担っています。

基本的な構成要素

看護問題の明確化

援助計画の第一歩は、アセスメントに基づいて看護問題を明確にすることです。問題の優先順位を考慮しながら、具体的な介入が必要な項目を特定していきます。

期待される成果の設定

看護問題に対して、どのような状態を目指すのかを具体的に設定します。患者さんの状態や回復過程を考慮しながら、現実的な目標を設定することが重要です。

具体的な看護介入の計画

目標達成のために必要な看護介入を具体的に記載します。誰が見ても同じように実施できるよう、明確な表現で記載することが求められます。

計画立案の重要性

チーム医療における意義

援助計画は、看護チーム内での情報共有や連携を促進する重要なツールです。統一した看護ケアの提供を可能にし、チーム全体の医療の質向上に貢献します。

看護の質の担保

体系的な援助計画の立案により、エビデンスに基づいた看護実践が可能となります。

また、計画に基づいて実施した看護介入の評価を行うことで、継続的な改善にもつながります。

効果的なアセスメント方法 

患者さんに適切な看護ケアを提供するためには、正確なアセスメントが不可欠です。

このセクションでは、情報収集から分析までの具体的な方法と、実習でよく直面する課題への対処法を詳しく解説していきます。

情報収集の技術

必要な情報の範囲

患者さんの全体像を把握するためには、身体的側面だけでなく、精神的側面や社会的側面についても幅広く情報を集める必要があります。

まずは基本的な項目として、バイタルサイン、日常生活動作、症状の有無、生活習慣、家族背景などの情報を丁寧に収集していきます。

情報源の活用方法

情報収集では、カルテや看護記録といった客観的な記録に加え、患者さんとの対話や観察から得られる主観的な情報も重要です。

また、ご家族からの情報や他職種からの申し送り事項なども、患者さんの全体像を把握する上で貴重な情報源となります。

アセスメントツールの活用

基本的な枠組みの選択

看護アセスメントでは、ゴードンの機能的健康パターンやヘンダーソンの14の基本的ニードなど、さまざまな理論的枠組みを活用することができます。

実習の目的や患者さんの状態に応じて、適切な枠組みを選択することが重要です。

各種スケールの使用法

疼痛評価スケールやADL評価表など、状態を客観的に評価するためのツールを適切に使用します。これらのツールを活用することで、より正確な状態把握と経時的な変化の評価が可能となります。

優先順位の決定方法

緊急性の判断基準

生命に関わる問題や基本的なニーズに関する問題を優先的に考慮します。

特に、呼吸、循環、意識レベルなどの生理的機能に関する問題は、最優先で対応する必要があります。

問題の相互関連性

一つの健康問題が他の問題に影響を与えていることも少なくありません。問題間の関連性を考慮しながら、より効果的な介入順序を検討していきます。

よくある課題と解決策

情報の解釈と分析

収集した情報の意味を正しく解釈することは、看護学生にとって大きな課題となります。基礎知識の確認と、指導者への適切な相談により、より深い理解につなげることができます。

情報の統合と推論

複数の情報を関連付けて分析し、看護問題を特定することも重要なスキルです。

アセスメントの過程で、なぜそのような判断に至ったのかを論理的に説明できるように整理することが大切です。

実践的なアセスメントのコツ

効率的な情報収集

限られた時間の中で必要な情報を効率的に収集するためには、事前準備が重要です。実習前に収集すべき情報項目をリストアップし、優先順位をつけておくことをお勧めします。

観察力の向上

患者さんの些細な変化や反応を見逃さない観察力を養うことも大切です。バイタルサインの測定時や日常のケアの際に、意識的に観察の視点を持つように心がけましょう。

目標設定のテクニック 

援助計画において、適切な目標設定は成功への重要な鍵となります。

このセクションでは、実現可能で評価しやすい目標の立て方について、具体的な例を交えながら解説していきます。

長期目標と短期目標

長期目標の設定方法

長期目標は患者さんの入院期間全体を見据えた到達点を示します。

退院時の望ましい状態や、基礎疾患の管理能力の獲得など、より包括的な目標を設定します。患者さんの生活背景や希望を考慮しながら、現実的な目標を設定することが重要です。

短期目標の立て方

短期目標は1週間から2週間程度の期間で達成を目指す具体的な目標です。長期目標の実現に向けた段階的なステップとして、より具体的な行動レベルでの目標を設定します。

例えば、杖歩行の自立に向けて、まずはベッドサイドでの立位保持から始めるといった具合です。

SMART基準の活用

Specific(具体的)な目標設定

「状態が改善する」といった曖昧な表現ではなく、「病棟内を杖歩行で移動できる」など、具体的な行動レベルで目標を設定します。

これにより、達成度の評価がしやすくなります。

Measurable(測定可能)な指標

目標の達成度を客観的に評価できるよう、数値化できる指標を含めることが重要です。

例えば、「1日3回の深呼吸で、SpO2が98%以上を維持できる」といった具合です。

Achievable(達成可能)な目標

患者さんの現在の状態や回復過程を考慮し、無理のない目標を設定します。できるだけ成功体験を積み重ねられるよう、段階的な目標設定を心がけましょう。

患者中心の目標設定

患者の希望の反映

目標設定の際には、患者さんご本人の希望や生活スタイルを十分に考慮します。医療者側の一方的な目標設定ではなく、患者さんと相談しながら、その人らしい生活の実現を目指します。

個別性への配慮

年齢、性別、職業、生活環境など、患者さん一人一人の背景に配慮した目標設定が必要です。同じ疾患であっても、個々の状況に応じて異なる目標設定が必要となる場合があります。

目標設定の実践例

急性期患者の場合

急性期では、症状の改善や合併症予防に重点を置いた目標設定が中心となります。

例えば、術後患者さんの場合、「術後1日目に深呼吸を1回5回×4セット実施できる」といった具体的な目標を設定します。

慢性期患者の場合

慢性期では、セルフケア能力の向上や生活習慣の改善に関する目標が中心となります。

「インスリン注射の手技を確実に実施できる」「適切な食事管理ができる」といった、日常生活に即した目標設定が重要です。

リハビリテーション期の場合

機能回復や日常生活動作の改善に関する具体的な目標を設定します。「手すりを使用して浴室での洗体動作が自立できる」など、具体的な動作レベルでの目標設定が効果的です。

具体的な計画立案方法 

援助計画を具体的な行動レベルに落とし込む作業は、看護実践の要となります。

このセクションでは、実際の看護場面で活用できる計画立案の具体的な方法について解説していきます。

看護計画の要素

問題の明確化

まず、アセスメントで特定した看護問題を具体的に記述します。

例えば「術後創部痛による活動制限」や「糖尿病に関する知識不足」など、問題の本質が明確になるよう表現します。

関連因子や誘因についても併せて記載することで、より適切な介入方法の選択につながります。

期待される結果

看護問題に対して、どのような状態を目指すのかを具体的に記載します。

「疼痛スケールで3以下を維持できる」「インスリン自己注射が確実に実施できる」など、評価可能な形で表現することが重要です。

OP-EP-TPの書き方

Objective Problem(客観的問題)

バイタルサインの異常や症状など、誰が見ても明らかな問題を記載します。

「血圧160/95mmHg」「SpO2 94%」といった具体的な数値や、「右下肢の浮腫」などの観察可能な症状を含めます。

Expected Problem(予測される問題)

現在の状態から予測される合併症やリスクについて記載します。

例えば、「深部静脈血栓症のリスク」「誤嚥性肺炎のリスク」など、予防的な介入が必要な問題を明確にします。

Teaching Problem(教育的問題)

患者さんやご家族への指導が必要な事項について記載します。

「退院後の生活管理に関する知識不足」「服薬管理能力の低下」など、教育的介入が必要な領域を特定します。

具体的な介入方法の決定

看護行為の具体化

それぞれの問題に対する具体的な看護行為を記載します。

「2時間ごとの体位変換」「食前の血糖測定」など、誰が実施しても同じケアが提供できるよう、具体的に記述します。

実施時の留意点

看護介入を行う際の注意点や観察項目を明記します。

「バイタルサインの変動に注意」「疼痛の程度を確認しながら実施」など、安全性を確保するためのポイントを含めます。

計画立案のプロセス

優先順位の設定

複数の看護問題がある場合、生命の危険に関わる問題や基本的ニーズに関する問題を優先します。

マズローの欲求階層説なども参考にしながら、適切な優先順位を決定します。

実施可能性の検討

人的資源や物的資源、時間的制約などを考慮し、実現可能な計画を立案します。必要に応じて他職種との連携も含めた計画を検討します。

評価指標の設定

計画の実施効果を評価するための具体的な指標を設定します。

「疼痛スケール」「ADL評価表」など、客観的な評価ツールを活用することで、より正確な評価が可能となります。

計画立案時の注意点

個別性への配慮

年齢、性別、生活背景など、患者さん個々の特性を考慮した計画立案が重要です。画一的な計画ではなく、その人らしさを尊重した内容を心がけます。

実施者への配慮

看護チームのメンバー全員が理解し実施できるよう、わかりやすい表現で記載します。専門用語を使用する場合は、必要に応じて説明を加えます。

実施と記録の書き方 

援助計画に基づいた看護実践を適切に記録することは、看護の質を保証する上で極めて重要です。

このセクションでは、実施記録の具体的な書き方とポイントについて解説していきます。

効果的な記録方法

基本的な記載事項

実施した看護ケアの内容、時間、患者さんの反応など、必要な情報を漏れなく記載することが重要です。

特に、実施時の患者さんの状態や、ケア前後での変化については具体的に記述します。時間の記載は24時間表記を用い、実施した順序に従って記載を行います。

客観的な表現方法

主観的な表現を避け、観察した事実を客観的に記載します。

例えば「気分が悪そうでした」ではなく、「顔色不良、冷汗あり、嘔気の訴えあり」といった具体的な症状や反応を記載します。

数値化できるものは必ず数値を含めて記録します。

SOAP形式の活用

Subjective Data(主観的情報)

患者さんが訴える症状や感情を、できるだけ患者さんの言葉のまま記載します。

「胸が締め付けられるような感じがする」「歩くとふらつく感じがする」など、具体的な表現を用います。

Objective Data(客観的情報)

バイタルサインや観察結果など、医療者が確認できる客観的な情報を記載します。

測定値や観察された症状を具体的に記述し、必要に応じてスケールなどの評価ツールの結果も含めます。

Assessment(アセスメント)

収集した情報を分析し、問題の有無や介入の必要性を判断した内容を記載します。

例えば、「深呼吸により、SpO2の改善が認められる」「疼痛コントロールは良好」といった評価を含めます。

Plan(計画)

アセスメントに基づいて、今後必要な看護介入や観察項目を記載します。継続が必要なケアや新たに追加すべき介入について具体的に記述します。

記録の具体例

日常生活援助の記録

清潔ケアや食事介助など、日常的な援助の記録では、実施した内容と患者さんの反応を中心に記載します。援助中の特記事項や変化があった場合は、その内容も具体的に記述します。

処置介助の記録

医療処置の介助を行った場合は、処置の種類、使用した物品、実施手順、患者さんの状態変化などを詳細に記録します。

合併症の予防に関する観察事項も忘れずに記載します。

よくある記載ミス

記載漏れの防止

実施したケアの記録漏れを防ぐため、できるだけその場で記録することを心がけます。

特に、重要な観察事項やケアの内容は、メモを取るなどして確実に記録に残します。

表現の統一

チーム内で使用する用語や略語については、あらかじめ統一しておくことが重要です。

特に、申し送りに関わる重要な情報は、誤解のないよう明確な表現を用います。

評価と修正の方法 

援助計画の評価は、提供した看護ケアの効果を確認し、必要に応じて計画を修正するための重要なステップです。

このセクションでは、効果的な評価方法と計画修正のタイミングについて解説していきます。

評価基準の設定

具体的な評価指標

目標の達成度を客観的に評価できる指標を設定することが重要です。

例えば、疼痛管理であれば「疼痛スケール2以下を維持できている」、活動面であれば「病棟内を杖歩行で移動できる」など、具体的な基準を定めます。

評価時期の決定

短期目標は通常1週間から2週間ごと、長期目標は1ヶ月ごとなど、目標の性質に応じて適切な評価時期を設定します。

患者さんの状態が大きく変化した場合は、その都度評価を行います。

効果的な評価方法

目標達成度の確認

設定した目標に対する達成度を確認します。完全に達成できた場合、部分的な達成の場合、未達成の場合など、現状を正確に評価します。

特に、数値化できる指標については、具体的な数値で評価結果を示します。

実施内容の振り返り

計画に基づいて実施した看護介入が適切であったかを振り返ります。

介入方法や頻度、タイミングなどが適切であったか、また患者さんの反応はどうであったかを確認します。

計画修正のタイミング

即時的な修正が必要な場合

患者さんの状態が急変した場合や、現在の計画では目標達成が困難と判断された場合は、速やかに計画の修正を行います。

安全性に関わる問題が発生した場合も、直ちに計画を見直します。

定期的な見直し

定期的な評価の結果に基づいて、必要に応じて計画の修正を行います。目標が達成された場合は新たな目標を設定し、未達成の場合は原因を分析して計画を修正します。

PDCAサイクルの活用

Plan(計画)の見直し

評価結果に基づいて、目標設定や具体的な介入方法を見直します。

特に、未達成の目標については、より現実的な目標設定や効果的な介入方法を検討します。

Do(実施)の改善

実施方法や頻度、タイミングなど、具体的な看護介入の方法を改善します。患者さんの反応や生活リズムを考慮しながら、より効果的な実施方法を検討します。

評価時の留意点

チーム内での情報共有

評価結果や計画修正の内容については、看護チーム全体で共有することが重要です。

特に、計画が大きく変更された場合は、確実な申し送りを行います。

患者参加型の評価

可能な限り患者さんやご家族の意見も評価に取り入れます。

目標の達成度や満足度について、患者さん自身の評価を確認することで、より効果的な計画修正が可能となります。

ケーススタディ 

実際の援助計画がどのように立案され、実施されるのか、具体的な事例を通して学んでいきましょう。

このセクションでは、異なる状況における3つの事例を詳しく解説します。

事例1:急性期患者の援助計画

患者情報

Aさん、65歳男性。右大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術を施行。術後2日目。基礎疾患に高血圧があり、内服治療中です。術前はADL自立していました。

アセスメントと計画立案

術後の疼痛管理と早期離床による合併症予防が優先課題となります。

創部痛により、体動に伴う痛みの訴えが強く、離床に対して不安を感じています。また、深部静脈血栓症のリスクも考えられます。

実施と評価

疼痛コントロールを行いながら、段階的なリハビリテーションを実施します。

術後3日目には端座位が可能となり、5日目には病棟内での歩行器歩行が達成できました。定期的な疼痛評価と運動機能の確認を行い、計画を調整しました。

事例2:慢性期患者の援助計画

患者情報

Bさん、58歳女性。2型糖尿病にて教育入院中。HbA1c 10.2%。食事管理や運動療法への理解が不十分で、自己管理に課題があります。

アセスメントと計画立案

血糖コントロールの改善と生活習慣の修正が主な目標となります。

特に食事管理への理解を深め、適切な運動習慣を確立することが重要です。また、フットケアなどの合併症予防についても指導が必要です。

実施と評価

毎食前の血糖測定と食事記録をつけることから開始し、徐々に運動療法を導入しました。

2週間の入院期間で、食事管理の知識が向上し、自己血糖測定も確実に実施できるようになりました。

事例3:リハビリテーション期の援助計画

患者情報

Cさん、72歳女性。脳梗塞後のリハビリテーション目的で入院中。右片麻痺があり、言語障害も軽度認められます。自宅では夫と二人暮らしです。

アセスメントと計画立案

ADLの向上と在宅復帰に向けた環境調整が主な目標となります。

特に、移動動作と入浴動作の自立度を上げることを目指します。また、夫への介助方法の指導も必要です。

実施と評価

理学療法士と連携しながら、日常生活動作の練習を段階的に実施しました。

3週間後には、手すりを使用しての歩行が可能となり、入浴動作も一部介助で行えるようになりました。夫への介助指導も計画的に実施しました。

おしえてカンゴさん!Q&A 

患者さんの援助計画について、看護学生からよく寄せられる質問にカンゴさんが答えていきます。

実習で困ったときの参考にしてください。

Q1:情報収集の際に、どの程度詳しく聞けばよいですか?

医学的な情報だけでなく、患者さんの生活背景や価値観についても丁寧に聞いていくことが大切です。

ただし、患者さんの負担にならないよう、1回の会話時間は15~20分程度を目安にしましょう。状態が安定している場合は、数日かけて情報を集めていくのがよいでしょう。

Q2:目標設定で具体的な数値を入れるのが難しいのですが。

「自立できる」「改善する」といった曖昧な表現ではなく、「連続50m歩行が可能になる」「SpO2が98%以上を維持できる」など、できるだけ測定可能な指標を用いましょう。

必要に応じて、各種評価スケールも活用してください。

Q3:計画の修正はどのタイミングで行うべきですか?

定期的な評価(短期目標であれば1週間程度)に加えて、患者さんの状態が変化したときはその都度見直しが必要です。

特に、目標達成が困難と感じた場合や、新たな問題が発生した場合は、速やかに計画を修正しましょう。

Q4:記録を書くときの注意点を教えてください。

主観的な表現を避け、観察した事実を具体的に記載することが重要です。

また、実施したケアの内容だけでなく、その時の患者さんの反応や変化についても必ず記録しましょう。

略語を使用する場合は、施設の規定に従ってください。

Q5:実習指導者からの指摘が多いのですが、どうすれば改善できますか?

指摘を受けた点は必ずメモを取り、その日のうちに振り返りを行いましょう。分からないことがあれば、その場で質問することも大切です。

また、計画立案の段階で指導者に相談し、アドバイスをもらうことで、効果的な計画作成につながります。

まとめ 

援助計画の作成は、アセスメントから評価まで一連のプロセスを通じて、患者さんに最適な看護ケアを提供するための重要なツールです。

基本的な作成手順を押さえながら、個々の患者さんの状況に応じた個別性のある計画を立案することが大切です。

計画は常に評価と修正を重ねながら、より効果的なものへと発展させていきましょう。日々の実践を通じて、よりよい看護ケアを提供できる力を身につけていってください。

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