実習や臨床現場で求められる看護記録ですが、SOAP形式での記録に悩む声は多く聞かれます。
この記事では、基本的な書き方から評価のポイントまで、実例を交えながら詳しく解説します。
効率的な記録方法を身につけて、充実した実習記録を目指しましょう。
この記事で分かること
- SOAP記録の基礎から実践的な書き方までの全体像
- 情報収集から記録作成までの効率的な進め方
- 評価者の視点で見る、高評価につながるポイント
- 疾患別の具体的な記載例とケーススタディ
- よくある指摘事項と具体的な改善方法
この記事を読んでほしい人
- 看護実習でSOAP記録の書き方に不安を感じている看護学生
- 記録の評価基準を正しく理解したい実習生
- 効率的な記録方法を身につけたい新人看護師
- 記録の質を向上させたいベテラン看護師

SOAPの基本を理解しよう
看護記録において、SOAP形式は患者の状態を系統的に記録するための重要な手法です。
この形式を使用することで、患者の状態を漏れなく記録し、チーム内での情報共有を円滑に行うことができます。
SOAPとは
SOAPは、Subjective(主観的データ)、Objective(客観的データ)、Assessment(アセスメント)、Plan(計画)の頭文字を組み合わせた言葉です。患者の状態を包括的に把握し、適切な看護計画を立案するために欠かせない要素となっています。
SOAPの基本要素を詳しく理解しよう
SOAPの各要素について、具体的な内容と記載方法を見ていきましょう。
それぞれの要素を理解し、適切に記録することで、より質の高い看護記録を作成することができます。
Subjective(主観的情報)の書き方
患者さんから直接聞き取った情報を記録するセクションです。ここでは、患者さんの言葉をできるだけ忠実に記録することが重要です。
主観的情報の具体例
医療者の解釈を加えず、患者さんが実際に話した内容をそのまま記載します。「息が苦しい」「お腹が痛い」といった症状の訴えや、「眠れない」「食欲がない」といった生活に関する訴えを記録します。
情報収集のポイント
患者さんとのコミュニケーションを通じて得られた情報を、時系列や状況とともに記録します。患者さんの表情や声のトーン、身振り手振りなども、必要に応じて記載します。
Objective(客観的情報)の書き方
医療者が観察や測定によって得られた客観的なデータを記録するセクションです。数値データや観察結果を正確に記載します。
バイタルサインの記録方法
体温、脈拍、血圧、呼吸数、SpO2などの測定値を記録します。測定時刻とともに、測定方法や特記事項も併せて記載します。
フィジカルアセスメントの記録
視診、触診、聴診、打診で得られた情報を系統的に記録します。皮膚の状態、浮腫の有無、呼吸音、腸蠕動音など、観察したすべての情報を漏れなく記載します。
Assessment(アセスメント)の書き方
収集した主観的情報と客観的情報を統合し、分析・解釈を行うセクションです。看護上の問題点を明確にします。
情報の分析方法
gathered情報を関連付けて分析し、患者さんの状態や問題点を明確にします。既習の知識や看護理論を活用し、根拠に基づいたアセスメントを行います。
問題点の抽出
分析結果から導き出された問題点を、優先順位をつけて整理します。問題の原因や関連要因についても考察を加えます。
Plan(計画)の書き方
アセスメントに基づいて、具体的な看護計画を立案するセクションです。実施可能で効果的な計画を立てることが重要です。
看護計画の立案
短期目標と長期目標を設定し、それぞれの目標達成のための具体的な看護介入を計画します。患者さんの状態や available resourcesを考慮した実現可能な計画を立案します。
評価方法の設定
立案した計画の効果を評価する方法と時期を具体的に設定します。数値化できる指標を用いることで、客観的な評価が可能になります。
この基本的な構造を理解することで、より質の高いSOAP記録を作成することができます。
効率的な記録方法を身につけよう

SOAP記録を効率的に作成するためには、情報収集から記録作成までの一連のプロセスを体系的に理解することが重要です。
ここでは、実践的な記録方法とそのポイントについて詳しく解説していきます。
情報収集の具体的な進め方
効率的な情報収集は、質の高い看護記録の土台となります。患者さんとの関わりの中で、必要な情報を漏れなく集めることが重要です。
患者さんとの対話のポイント
まず、患者さんの訴えをしっかりと傾聴することから始めましょう。その際、一つ一つの訴えに対して、具体的な状況や程度、時間経過などを確認します。例えば、痛みであれば、その性質、強さ、部位、持続時間などを詳しく聞き取ります。
観察のタイミングと方法
バイタルサインの測定や症状の観察は、患者さんの日常生活リズムを考慮して行います。食事の前後、服薬のタイミング、処置や検査の前後など、重要な場面での観察を確実に実施します。
アセスメントのプロセス
収集した情報を正確に分析し、看護問題を抽出するプロセスについて説明します。
情報の整理と分析
収集した情報を系統的に整理することから始めます。患者さんの主訴、症状、検査結果などを関連付けながら、全体像を把握します。その際、既往歴や生活背景なども考慮に入れます。
問題点の特定と優先順位
分析した情報から、現在の健康上の問題点を抽出します。複数の問題がある場合は、生命に関わる問題、症状の重症度、患者さんのQOLへの影響などを考慮して優先順位を決定します。
看護計画の立案方法
アセスメントに基づいて、具体的で実現可能な看護計画を立案していきます。
目標設定の考え方
患者さんの状態や希望を考慮しながら、具体的な目標を設定します。短期目標は24時間から1週間程度、長期目標は退院までを見据えて設定することが一般的です。
具体的な介入方法の決定
目標達成のための具体的な看護介入を計画します。その際、患者さんの自立度や利用可能な資源を考慮し、実施可能な内容とします。また、他職種との連携が必要な内容についても明確にしておきます。
記録作成のテクニック
効率的に記録を作成するためのテクニックについて解説します。
時間配分の工夫
記録時間を効率的に使うために、情報収集の段階からキーワードをメモしておくことが有効です。また、電子カルテのテンプレート機能などを活用することで、入力時間を短縮することができます。
わかりやすい文章の書き方
簡潔で正確な文章を心がけます。主語と述語を明確にし、一文が長くなりすぎないように注意します。また、医療用語と一般用語を適切に使い分け、チーム内で共有しやすい表現を選びます。
これらの方法を実践することで、より効率的で質の高い記録を作成することができます。
疾患別のSOAP記録例で学ぼう
実際の看護場面を想定し、代表的な疾患のSOAP記録例を見ていきましょう。
それぞれの疾患の特徴を踏まえた記録のポイントと、評価のための重要な観察項目について解説します。
循環器系疾患の記録例
心不全で入院中の患者さんの記録例を通じて、循環器疾患特有の観察ポイントと記録方法を学びます。
患者の基本情報
A氏、68歳男性。慢性心不全の急性増悪により入院。NYHAⅢ度。主訴は労作時の息切れと下肢の浮腫です。
SOAP記録の実例
【S】「昨日より階段を上るときの息切れが楽になった気がします。でも、まだ少し足がむくんでいて気になります」と話される。
【O】 体温36.8℃、脈拍76回/分・整、血圧132/84mmHg、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)。 下肢浮腫は右下腿で+1、左下腿で+1。 両側肺野での湿性ラ音なし。 一日の尿量は2,100ml、飲水量は1,500ml。
【A】 下肢浮腫は改善傾向にあり、水分バランスも良好です。労作時の息切れの軽減がみられ、心不全の症状は改善傾向にあると考えられます。しかし、完全な回復には至っていないため、継続的な観察が必要です。
【P】 心負荷の軽減のため、段階的な活動範囲の拡大を継続します。 下肢浮腫と呼吸状態の観察を継続します。 水分摂取量と尿量のモニタリングを継続します。
呼吸器系疾患の記録例
肺炎で入院中の患者さんの記録を通じて、呼吸器疾患における重要な観察ポイントを確認します。
患者の基本情報
B氏、75歳女性。市中肺炎により入院。主訴は発熱、咳嗽、喀痰です。
SOAP記録の実例
【S】「咳が出るときに胸が痛くて辛いです。痰は前より出やすくなった気がしますが、まだ熱っぽさが気になります」と話される。
【O】 体温37.5℃、脈拍88回/分・整、血圧124/76mmHg、呼吸数20回/分、SpO2 96%(室内気)。 両側下肺野で湿性ラ音を聴取。 喀痰は淡黄色、粘調性。 胸部X線では右中下肺野の浸潤影は改善傾向。
【A】 解熱傾向にあり、喀痰の性状も改善がみられます。しかし、まだ発熱が持続しており、肺炎の完全な改善には至っていないと考えられます。呼吸状態は安定していますが、継続的な観察が必要です。
【P】 呼吸状態と体温の観察を継続します。 効果的な排痰を促すため、体位ドレナージを実施します。 必要に応じて湿性吸入を行います。
消化器系疾患の記録例
急性胃炎で入院中の患者さんの記録を見ていきます。消化器症状の観察と記録のポイントを理解しましょう。
患者の基本情報
C氏、45歳男性。急性胃炎により入院。主訴は心窩部痛と嘔吐です。
SOAP記録の実例
【S】「お腹の痛みは薬を飲んでから少し楽になりました。でも、食事をとると気持ち悪くなることがあります」と述べられる。
【O】 体温36.6℃、脈拍72回/分・整、血圧118/68mmHg。 腹部は平坦・軟、心窩部に軽度の圧痛あり。 腸蠕動音は正常。 悪心の訴えあり、嘔吐なし。 食事摂取量は6割程度。
【A】 心窩部痛は改善傾向にありますが、食後の悪心が継続しています。食事摂取量は改善傾向にあるものの、十分とは言えない状況です。
【P】 消化器症状の観察を継続します。 食事は少量ずつ、ゆっくりと摂取できるよう支援します。 水分摂取量と排泄量のモニタリングを継続します。
運動器系疾患の記録例
大腿骨頸部骨折の術後患者さんの記録例です。リハビリテーション期における観察のポイントを確認します。
患者の基本情報
D氏、82歳女性。右大腿骨頸部骨折に対して人工骨頭置換術を施行。術後5日目です。
SOAP記録の実例
【S】「歩行器を使えば少しずつ歩けるようになってきました。でも、まだ右足に体重をかけるのが怖いです」と話される。
【O】 体温36.7℃、脈拍78回/分・整、血圧134/82mmHg。 術創部の発赤・腫脹なし、浸出液なし。 右下肢の関節可動域は股関節屈曲80度。 歩行器使用にて15m歩行可能。 疼痛はNRS(数値評価スケール)で安静時1、動作時3。
【A】 歩行器を使用しての歩行が可能となり、ADLは改善傾向にあります。しかし、右下肢への荷重に対する不安感が残存しており、自信の回復が必要な段階です。
【P】 リハビリテーションスタッフと連携し、段階的な歩行訓練を継続します。 疼痛の観察と管理を継続します。 転倒予防のための環境整備と指導を行います。
これらの記録例を参考に、各疾患の特徴を踏まえた適切な記録方法を身につけていきましょう。
実践的ケーススタディで具体的な記録方法を学ぼう

実際の臨床現場で遭遇する様々な状況における記録方法を、具体的なケースを通じて学んでいきましょう。
それぞれの場面での観察ポイントと記録の留意点について解説します。
ケース1:急性期患者の記録
急性心筋梗塞で緊急入院された患者さんの記録例を通じて、急性期看護における重要な観察ポイントと記録方法を確認します。
患者情報と入院時の状況
E氏、58歳男性。仕事中に突然の胸痛が出現し、救急搬送されました。心電図でST上昇を認め、緊急カテーテル治療が実施されました。
入院直後のSOAP記録
【S】「胸が締め付けられるような痛みが続いています。痛みは左腕まで広がっていて、冷や汗が出ます」と訴えあり。
【O】 体温36.4℃、脈拍96回/分・不整、血圧164/92mmHg、呼吸数24回/分、SpO2 95%(酸素3L/分)。 心電図モニター上、心室性期外収縮を散発的に認めます。 冷汗著明、顔色不良。 胸痛はNRS(数値評価スケール)で8/10。
【A】 急性心筋梗塞による強い胸痛が持続しており、バイタルサインも不安定な状態です。心室性期外収縮の出現や血圧上昇を認め、心負荷が強い状態と考えられます。
【P】 15分ごとのバイタルサイン測定を継続します。 モニター心電図の継続監視を行います。 疼痛の変化を詳細に観察し、指示された方法で記録します。
12時間後の記録
【S】「胸の痛みは少し落ち着いてきました。でも、まだ違和感が残っています」と話される。
【O】 体温36.8℃、脈拍78回/分・整、血圧142/84mmHg、呼吸数18回/分、SpO2 98%(酸素2L/分)。 心電図モニター上、期外収縮の頻度は減少。 胸痛はNRS 3/10まで改善。 末梢冷感は改善傾向。
ケース2:慢性期患者の記録
糖尿病性腎症で長期入院中の患者さんの記録例です。慢性期における継続的な観察と記録のポイントを学びます。
患者情報と現在の状況
F氏、70歳女性。糖尿病性腎症による慢性腎不全で入院中。透析導入を検討しています。
SOAP記録の展開
【S】「最近、足のむくみが気になります。靴が履きづらくなってきました。食事制限も守っているつもりですが、なかなか体重が減りません」と話される。
【O】 体温36.5℃、脈拍82回/分・整、血圧158/92mmHg。 体重は3日前より1.2kg増加。 両下腿浮腫2+。 尿量700ml/日。 血液データ:BUN 48mg/dl、Cr 2.8mg/dl、K 4.8mEq/L。 食事摂取量は常食の8割程度。
【A】 体重増加と下腿浮腫の増強がみられ、体液貯留傾向にあります。血圧も高値で推移しており、腎機能の悪化が懸念されます。食事摂取量は維持できていますが、水分制限の遵守が十分でない可能性があります。
【P】 1日2回の体重測定を継続します。 水分出納のより詳細な記録を開始します。 食事内容の確認と栄養指導を実施します。 透析導入に向けた患者教育を計画します。
ケース3:リハビリ期患者の記録
脳梗塞後のリハビリテーション期にある患者さんの記録例です。機能回復過程における観察と記録のポイントを確認します。
患者情報と現在の状況
G氏、65歳男性。右中大脳動脈領域の脳梗塞により左片麻痺が残存。発症後4週間が経過し、積極的なリハビリテーションを実施中です。
SOAP記録の展開
【S】「左手の動きが少しずつ良くなってきているのを感じます。箸を使う練習も始められそうです。でも、まだ歩くときにふらつくことがあって心配です」と話される。
【O】 意識レベルクリア。 左上肢のBRS(Brunnstrom Recovery Stage):StageⅣ。 左下肢のBRS:StageⅢ。 握力:右30kg、左12kg。 歩行器使用にて30m歩行可能、軽度ふらつきあり。 ADL評価(Barthel Index):65点。
【A】 上肢機能は徐々に改善しており、特に手指の細かい動きに進歩がみられます。歩行能力も向上していますが、バランス機能の改善が必要な段階です。ADLの自立度は向上傾向にありますが、さらなる改善の余地があります。
【P】 作業療法士と連携し、日常生活動作の練習を強化します。 病棟内での歩行練習を継続し、見守りと安全確保を徹底します。 残存機能を活かした自立支援プログラムを継続します。 家族への介助指導を計画します。
これらのケーススタディを通じて、患者さんの状態に応じた適切な記録方法を学んでいきましょう。
おしえてカンゴさん!よくある質問と回答

看護記録に関してよく寄せられる質問について、経験豊富な先輩看護師「カンゴさん」が分かりやすく解説します。
実習や臨床の現場で困ったときに、すぐに確認できる Q&A をまとめました。
記録の基本に関する質問
Q1:SOAPのSとOの違いがよく分かりません
看護師のみなさん、SとOの区別に悩むことはよくありますよね。Sは患者さんの主観的な情報、つまり患者さんが感じていることや訴えを記載します。
一方、Oは私たち医療者が観察や測定で得た客観的な情報です。例えば「痛い」という訴えはS、「顔をしかめている」という表情の観察はOに記載します。
Q2:アセスメントの内容が薄くなりがちです
アセスメントでは、SとOの情報を関連付けて分析することが重要です。
例えば、患者さんの痛みの訴え(S)と、バイタルサインの変化(O)を結びつけて、痛みが循環動態に与える影響を考察するといった具合です。既習の知識を活用し、根拠に基づいた分析を心がけましょう。
時間管理に関する質問
Q3:記録に時間がかかりすぎてしまいます
効率的な記録のために、情報収集の段階でポイントを整理しておくことをお勧めします。
患者さんとの会話中にキーワードをメモしたり、観察項目をチェックリスト化したりすることで、記録時間を短縮できます。また、電子カルテのテンプレート機能を活用するのも有効です。
Q4:夜勤帯の記録が追いつきません
夜勤では、特に優先順位をつけた記録が重要です。
巡視時の観察ポイントを予め決めておき、変化のあった項目を中心に記録します。また、深夜帯での記録は簡潔に要点をまとめ、必要な情報を漏れなく伝えることを意識しましょう。
内容の充実に関する質問
Q5:計画(P)の具体性が不足していると指摘されます
計画は実施可能で評価可能な内容にすることが大切です。
「観察を継続する」だけでなく、何を、どのように、どのくらいの頻度で観察するのかを具体的に記載します。また、計画には期待される結果や評価指標も含めると良いでしょう。
評価に関する質問
Q6:記録の評価基準を知りたいです
記録の評価には主に以下の視点があります。
情報の網羅性(必要な情報が漏れなく記載されているか)、アセスメントの論理性(情報の解釈と分析が適切か)、計画の具体性(実施可能で評価可能な内容か)、表現の適切性(専門用語の使用や文章表現は適切か)などです。
専門的な記載に関する質問
Q7:医療用語の使い方に迷います
医療用語は正確に使用することが重要です。分からない用語は必ず確認し、略語を使用する場合は初出時にフルスペルを記載します。
ただし、患者さんの訴えを記録する場合は、患者さんが使用した言葉をそのまま記載することで、より正確な情報伝達が可能となります。
Q8:客観的な表現方法を教えてください
客観的な記録のためには、形容詞や副詞を具体的な数値や状態で表現することが大切です。
「多い」「少ない」といった曖昧な表現は避け、「約〇ml」「〇cm」のように具体的に記載します。また、観察した事実と解釈は明確に区別して記載しましょう。
実践的なテクニックを身につけよう
より質の高い看護記録を作成するための実践的なテクニックについて解説します。
日々の業務の中で活用できる具体的な方法を紹介します。
電子カルテでの記録のポイント
テンプレートの活用方法
電子カルテのテンプレート機能を効果的に活用することで、記録時間を短縮できます。
よく使用する文章やフレーズはテンプレート化し、必要に応じて修正を加えることで、効率的な記録が可能となります。また、テンプレートは定期的に見直し、最新の看護基準に合わせて更新することが重要です。
入力時の注意点
誤入力を防ぐため、入力後は必ず内容を確認します。
特に数値データや時刻の入力には細心の注意を払い、ダブルチェックを心がけます。また、文字の誤変換や脱字がないよう、記録後に見直しの時間を設けることが大切です。
夜勤時の記録方法
夜間の観察ポイント
夜間の観察は、患者さんの睡眠を妨げないよう配慮しながら必要な情報を収集します。
特に、睡眠状態、疼痛の有無、バイタルサインの変化など、重要な項目を中心に観察します。また、日勤帯からの申し送り事項については特に注意深く観察と記録を行います。
効率的な記録の進め方
夜勤帯での記録は、優先順位を付けて効率的に行うことが重要です。巡視時の観察内容は簡潔なメモを取り、後でまとめて記録することで時間を有効活用します。
また、急変時に備えて、通常の記録は可能な限り発生時間に近いタイミングで記載するよう心がけます。
緊急時の記録
急変時の記録方法
緊急時は、事実を時系列で正確に記録することが重要です。
発見時の状況、実施した処置、医師への報告内容、他職種との連携内容など、できるだけ具体的に記載します。時間の経過とともに、バイタルサインの変化や患者さんの反応を詳細に記録します。
重要事項の確実な伝達
緊急時の記録は、チーム内での情報共有において特に重要な役割を果たします。
そのため、記録する際は、誰が読んでも状況が正確に理解できるよう、簡潔かつ具体的な表現を心がけます。
また、継続して観察が必要な項目については、次勤務者への申し送り事項として明確に記載します。
記録の法的意義
看護記録の法的側面
看護記録は診療録の一部として、法的な証拠能力を持つ文書です。
そのため、事実に基づいた正確な記録を心がけ、推測や主観的な判断は避けます。また、記載した内容の訂正が必要な場合は、適切な方法で修正を行い、訂正印を押すなど、法的要件を満たす対応が必要です。
記録保管の重要性
看護記録は法定保存期間が定められており、適切な管理と保管が求められます。電子カルテシステムにおいても、アクセス権限の管理やデータのバックアップなど、セキュリティ面での配慮が重要です。
まとめ

SOAP記録は看護実践を正確に記録し、チーム医療における情報共有を支える重要なツールです。
基本的な記録の構造を理解し、実践的なテクニックを身につけることで、より質の高い看護記録を作成することができます。
本記事で紹介した方法を日々の実践に活かし、効率的で正確な記録作成を目指しましょう。
より詳しい看護記録の実例や、現場で活用できるテンプレートは【ナースの森】で公開しています。会員登録いただくと、さらに充実した看護記録の例文やテンプレートをダウンロードいただけます。
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