看護技術・知識

【看護師のための電子カルテ完全ガイド】使い方から注意点、記録のコツまで徹底解説

電子カルテ、使いこなせていますか? 便利な機能がたくさんあるのに、操作が難しくてイライラ… そんな経験はありませんか?

この記事では、看護師が電子カルテをスムーズに使いこなすためのポイントを徹底解説! 基本操作から注意点、記録のコツまで、分かりやすくまとめました。電子カルテ導入で業務効率をアップさせ、患者さんへのケアの質を高めたい看護師さんは必見です!

電子カルテとは?

 

無料写真 タブレットとナース

 

電子カルテは、電子的な形式で患者の医療記録を管理・保存するシステムです。従来の紙ベースの患者の医療記録やカルテに代わり、情報技術を活用して患者の診療情報を電子的に記録、閲覧する仕組みとなっています。

 

このシステムは、医療機関や医師、看護師、薬剤師などの医療関係者が共有し、効率的に患者のケアのケアや把握をすることが可能になります。

 

電子カルテを使用するメリット

 

それでは、電子カルテを使用するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

 

医療スタッフの業務効率化

 

まず第一に、情報の効率的な共有とアクセスが可能となります。電子カルテはオンラインでアクセス可能であり、医師や看護師は患者の過去の診療履歴、検査結果、処方箋などの情報を簡単に閲覧できます。これにより、診療のスピードが向上し、患者への迅速かつ適切な対応が可能となります。

 

正確性と完全性の向上

 

電子カルテは情報の正確性と完全性を向上させます。手書きのカルテでは文字の読み違いや漏れなどが発生する可能性がありますが、電子カルテでは文字の認識が高く、情報が漏れることなく記録されます。また、必要な情報を漏れなく記録するため、患者の診療履歴がより正確かつ包括的になります。

 

セキュリティ強化

 

電子カルテは情報のセキュリティを強化します。適切なアクセス制限を設定することで、患者のプライバシーや機密性を保護することができます。また、データのバックアップや復旧が容易であり、災害時にも患者の情報を失わずに済みます。

 

医療の品質向上

 

電子カルテの導入により、総合的な医療の品質が向上します。医療関係者は患者の状態や治療履歴を総合的に把握できるため、より適切な診断や治療を行うことが可能となります。連携が取りやすくなるため、診療チーム全体で協力して患者のケアを進めることができます。

 

このほか「ペーパーレスによる節約」や「検査結果を簡単に取り込める」といったメリットがあるため、医療機関では今後なくてはならないものになっていくでしょう。

 

電子カルテは医療の効率化や患者の安全性向上、情報共有の容易化など、多くのメリットをもたらす革新的な医療システムと言えます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテが便利だと感じたことは?

 

電子カルテの便利な機能

 

無料写真 灰色の背景に分離されたタブレットを使用して美しいアジアの女性医師の医療従事者の肖像画

 

OA機器が苦手だと感じる方も多いでしょうが、近年のタブレットやパソコンには、便利機能がついているため、初心者の方でも簡単に操作できるようになっているんです。

 

そこで、電子カルテに搭載されている便利機能をいくつかご紹介していきます。

 

直感的に操作できる

 

電子カルテは、直感的で使いやすいインターフェースを提供します。画面表示がわかりやすく、使い慣れたタッチパネルやマウス、キーボードを使って、容易にアクセスや情報入力ができるため、医療従事者がスムーズに作業を進めることができます。

 

タッチパネルで入力できる

 

電子カルテはタッチパネルを活用した入力が可能です。タッチパネルを使うことで、素早く簡単に情報を入力することができ、手書き入力よりも効率的で正確なデータの入力が実現されます。

 

よく入力する内容をテンプレート化できる

 

よく使われる診療情報や文面をテンプレート化することができます。これにより、特定の症状や処方、検査結果などの情報を事前に定義したテンプレートから選択することができ、情報入力の効率が向上します。

 

検索機能ですぐにデータを取り出せる

 

電子カルテは強力な検索機能を備えており、迅速かつ正確にデータを取り出すことができます。患者の名前、症状、処方箋の種類、過去の診療履歴など、さまざまな要素に基づいて検索が可能です。

 

情報の自動化

 

電子カルテは患者の情報を自動的に統合し、必要な情報を一元化します。これにより、病歴や処方箋、検査結果などの情報が一目で確認できるため、診療の効率化と患者のケアの向上が実現されます。

 

カスタマイズ可能な表示オプション

 

電子カルテは、医療従事者が表示をカスタマイズできるオプションを提供します。医師や看護師は、自分が重視する情報を優先的に表示することができ、それに応じて作業効率が向上します。

 

アクセス制御とセキュリティ

 

電子カルテは、アクセス制御やセキュリティ機能を備えています。患者のプライバシーや情報セキュリティを保護するため、必要な情報へのアクセスを制限することが可能です。

 

リアルタイムデータ更新

 

電子カルテはリアルタイムでデータが更新されるため、最新の情報を常に利用できます。これにより、診療計画の立案や治療の調整に役立ちます。

 

データのバックアップと復元

 

電子カルテは、データのバックアップを定期的に行うため、情報の紛失や破損時にも安心です。必要な場合には、バックアップからデータを復元することが可能です。

 

これらの便利な機能により、電子カルテは医療現場において情報の効率的な利用や安全性の確保、患者ケアの向上など多くのメリットをもたらします。

 

<看護師・ナースのリアルな声>紙カルテと電子カルテで、どの辺に違いを感じますか?

 

電子カルテを使いこなすためには

 

このように、便利な機能がたくさん搭載されている電子カルテですが、より効率よく使用を目指すためのポイントがあります。

 

ここでは、電子カルテを使いこなすためのコツについて解説していきますので、実践してみてはいかがでしょうか。

 

研修や説明会を開催する

 

電子カルテの導入段階で研修や説明会を定期的に開催することは重要です。電子カルテに精通しているスタッフや担当者を呼び、医療従事者に対してシステムの基本操作から応用技術まで幅広く指導します。

 

電子カルテを使用するという看護師も多くいます。実際の操作に慣れることで、電子カルテの利用に対する抵抗感を減らし、効率的な操作を身につけることができます。

 

操作マニュアルを設置する

 

電子カルテの操作マニュアルやガイドラインを提供することが重要です。これにより、看護師はシステムの基本的な操作方法や機能を独自に学ぶことができます。マニュアルは適切な場所に設置され、必要なときに手軽に参照できるように配慮されるべきです。

 

定期的にカルテの見直しをする

 

電子カルテは定期的な見直しを行うことで、情報の正確性と適時性を保つことができます。医療従事者はカルテの内容を定期的に確認し、必要に応じて更新や修正を行います。これにより、患者の最新の情報を確実に反映させ、適切な診療計画をたてることが可能となります。

 

電子カルテメーカーのサポートを受ける

 

電子カルテを提供するメーカーからのサポートを受けることは、効果的にシステムを活用する上で重要です。

 

メーカーはシステムの導入段階から運用、トラブルシューティング、最新のアップデート情報提供など幅広いサポートを提供しています。定期的な研修やユーザーグループの開催、専門スタッフへの連絡窓口を提供することで、医療機関は安心してシステムを活用できます。

 

フィードバックの活用

 

電子カルテの利用者である医療従事者からのフィードバックを定期的に収集し、システムの改善に活用することも重要です。意見や要望を反映させることで、システムの使いやすさや適用範囲が向上し、満足度が高まります。

 

連携やコミュニケーションの強化

 

電子カルテを利用する医療チーム内での連携とコミュニケーションを強化することも重要です。各メンバーがシステムを効果的に活用するための協力や意見交換が円滑に行われることで、効率的な診療が実現されます。

 

これらの取り組みにより、電子カルテを適切に使いこなす能力が向上し、効率的で質の高い医療サービスの提供が可能となります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテの操作で難しいと感じることは?

 

電子カルテ使用時の注意点

 

無料写真 デジタルタブレットと医療報告書を机の上を使用して女性医師のクローズアップ

 

非常に便利な電子カルテですが、使用時に注意しなければいけない点もいくつかあります。以下の点が注意点となりますので、それぞれ詳しくご紹介していきます。

 

セキュリティ対策が必要

 

電子カルテは患者のプライバシーや機密情報を取り扱うものであるため、適切なセキュリティ対策が必要です。一人一人がセキュリティへの意識を高く持ち、アクセス制御やログの監視、暗号化などのセキュリティ対策を実施し、患者情報の漏洩や不正アクセスを防止することが重要です。

 

コストがかかる

 

電子カルテの導入・運用には一定のコストがかかります。システムの導入費用や維持費、トレーニングやサポートの費用などが含まれます。これらのコストを事前に評価し、予算を適切に確保することが必要です。

 

PCスキルが必要

 

電子カルテはコンピューターシステムをベースにしているため、基本的なPCスキルが求められます。マウスやキーボードの使い方、基本的なソフトウェア操作などを習得しておくことで、効率的な電子カルテの利用が可能になります。

 

診察後すぐに記録する

 

電子カルテはリアルタイムで情報を更新することができます。診察後すぐに正確かつ詳細な記録をすることが重要です。適切な情報の記載は、患者の治療や診断に直結するため、遅延せず迅速に記録することが臨床の質を向上させます。

 

修正すると「真正性」の担保を意識する

 

電子カルテに誤った情報が記載された場合、修正や訂正が必要ですが、これらの修正は、真正性を担保する観点から慎重に行う必要があります。修正の際には適切な理由や日時を記載し、何が修正されたかを明示することが重要です。

 

原則として削除はしない

 

電子カルテでは原則として情報の削除は避けるべきです。削除はデータを改ざんしたと思われる可能性があります。そのため情報の削除は、情報の信頼性や完全性に影響を与える可能性があります。誤った情報が登録された場合でも、修正や補足情報の追加といった方法で対処する方が望ましいです。

 

法的規制とコンプライアンスへの遵守

 

電子カルテの利用は、医療情報の取り扱いに関する法的規制やコンプライアンスに遵守することが求められます。個人情報保護法や医療法、規制当局のガイドラインなどに従い、法的要件を満たすように注意することが必要です。

 

これらの注意点を遵守することで、電子カルテの適切な活用が可能となり、患者ケアの質や医療現場の効率が向上するでしょう。また、医療従事者はこれらのポイントを共有し、遵守することで、より安全で効果的な電子カルテの利用が実現されます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテにまつわる失敗談はありますか?

 

看護記録の書き方の基本とは?

 

無料写真 文書を保持している物思いにふける若いアジア女性医師

 

看護記録は、患者の状態や看護行為、コミュニケーション、医師との連携、処方内容などを記録する重要な文書です。適切な看護記録を残すためには、いくつかの基本的な原則があります。

 

事実を明確に書く

 

看護記録は客観的な事実をもとにして作成されるべきです。主観的な意見や推測ではなく、観察された事実を明確かつ正確に記録することが重要です。具体的な数値や状態の変化、患者の反応などを具体的に記述します。

 

また、責任の所在も曖昧ではなく、担当医の人名をしっかり記入し、責任の所在を明らかにしましょう。

 

わかりやすい表現で書く

 

看護記録は他の看護職員や医療チーム、患者やその家族に至るまで、理解しやすい表現で記述されるべきです。専門用語や略語の使用などは使用せず、わかりやすく整然とした文章を心がけるようにした方がいいです。

 

患者に配慮した書き方をする

 

患者のプライバシーや尊厳を守る観点から、患者名や個人識別情報は適切に伏せるなど配慮を払います。また、患者とのコミュニケーションや関わり方、患者の意向や選択、関連する家族やサポートシステムについても適切に記録します。

 

さらに、患者を下に見るような「指示に従わない」「やらせました」などの表現はタブーですので、絶対に使わないようにしましょう。

 

カンファレンスの記録を忘れない

 

カンファレンスやチームミーティングでの議論や意思疎通は看護ケアの重要な要素です。そのため、カンファレンスでの議論内容や医師との連携、他の看護職員との共有事項などを適切に記録することが重要です。これにより、連携を強化し、患者のケアに一貫性をもたせることが可能になります。

 

電子カルテの看護記録ではSOAPで作成

 

看護記録を作成するときに役立つ方法として「SOAP法」という方法があることをご存知ですか?患者の情報を整理し、チーム内で情報共有を効果的に行うための枠組みとして広く用いられています。

 

「S」は主観的情報、「O」は客観的情報、「A」は評価、「P」は計画の頭文字をとった方法で、この順番通りに作成することで、分かりやすく読みやすい看護記録を残すことができます。

 

SOAPを使うメリットとデメリットとは?

 

SOAPを使うメリットとして一番にあげられるのが、多くの情報の中から重要なポイントを見つけやすくし、チーム全体で情報共有が効率的に行えることです。何より分かりやすいのが一番です。

 

デメリットとしては、長期の治療の看護記録に向いていないことです。SOAPは、1つの問題を解決するための方法として使われることが多いです。一人の患者に対しての看護記録の作成には向いていますが、長期間で複数の看護記録には向いていないので、違う方法で看護記録は作成しなければいけません。

 

SOAPを使う際のコツは?

 

電子カルテの看護記録でSOAPを効果的に使うためのコツは以下の通りです。

 

患者さんのデータの収集・分析

 

SOAPを用いる際には、患者さんのデータを正確かつ詳細に収集することが重要です。観察や検査結果、患者の主観的な症状や感覚などを網羅的に収集しましょう。これにより、客観的な情報と主観的な情報をバランスよく取り入れることができ、評価段階で有用な情報となります。

 

一貫性を意識する

 

SOAPでは、各セクション(S、O、A、P)が相互に関連しています。主観的な情報を評価する際には、客観的な情報と整合性を持たせることが重要です。評価の段階で述べた問題点やケアプランは、観察と整合的である必要があります。

 

電子カルテの操作は難しい?

 

電子カルテの操作については、初めて利用する際には若干の学習や慣れが必要となることがありますが、多くの電子カルテシステムは使いやすく設計されています。

 

専門的な知識やPCスキルが必要ですが、基本的な操作やデータの入力、閲覧はトレーニングを受けた看護職員が適応することが可能です。また、適切なトレーニングやサポートを受けることで、効率的に利用することができます。

 

カルテの作成は、難しいからといって避けて通るわけにはいきませんので、ぜひ積極的に操作を学んでみるのが、スムーズに操作できるようになるコツかもしれませんね。

 

看護記録の作成手順

 

これらを踏まえ、看護記録を効果的に行うための手順や注意点について解説していきます。

 

日時を記録する

 

毎回の看護行為や観察事項について、正確な日時を記録します。これにより、状態の変化や処置の効果などをタイムラインで把握できます。

 

観察内容を詳細に記述する

 

患者の一般的な状態、体温、脈拍、呼吸数、血圧などのバイタルサインや、患者の容姿、意識状態、排泄や食事などの観察内容を具体的に記録します。

 

看護行為を明確に記録する

 

行った看護行為や処置内容、薬剤の投与内容や時間、装置の使用状況などを明確に記録します。適切な書式やチェックリストを活用することで漏れやミスを防げます。

 

患者の反応や主観的な感覚を記録する

 

患者がどのように感じているかや、患者自身の主観的な感覚や意向、痛みの程度なども記録します。これは、治療の効果やケアの適切さを判断する重要な要素となります。

 

関係者との連絡やカンファレンスの内容を記録する

 

医師や他の看護職員との連絡内容やカンファレンスでの議論、指示内容、計画なども記録します。これにより、連携を強化し、チーム全体で適切なケアを提供できます。

 

処方内容や薬剤の管理に注意する

 

処方された薬剤の名称、用量、投与時間、投与経路、患者の反応、副作用などを適切に記録します。また、アレルギー情報や過去の薬剤履歴も確認し、適切な管理を行います。

 

問題点や異常事象を記録する

 

患者の状態に異常や問題がある場合、それを明確に記録します。また、それに対する看護判断や対応内容も記録し、これらの情報をチームで共有することで適切な対応が可能となります。

 

サインや署名を適切に行う

 

記録者は、看護記録に自分のサインや署名を適切に行います。これにより、記録の責任者を明示し、記録の信頼性を確保します。

 

以上のポイントを守りながら看護記録を作成することで、患者への適切なケアを提供し、連携を強化することが可能となります。看護記録は患者の安全とケアの質を向上させるために欠かせないものであり、看護職者にとって重要なスキルとなります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテの使用が苦手という方にアドバイスをお願いします

 

まとめ

 

この記事では、近年普及が進んでいる電子カルテの使い方について解説してきました。

 

電子カルテの利用に慣れない看護師も多いと思いますが、直感的に操作でき、マニュアルなども用意されているので、そこまで難しく考えることはありません。もし、それでも電子カルテの利用に不安がある方は、この記事を参考に、操作できるようにしていきましょう。

 

電子カルテは、作業の効率化を図ることができることから、今後医療機関では、さらに普及が進んでいくと思われます。今のうちに使い慣れておき、今後入社してくる看護師のために、アドバイス駅るまでにレベルを向上させていきましょう。

【看護師転職初日に気をつけたいポイントとは?】スムーズな1日の流れを徹底解説!

看護師として転職初日を前に「うまく馴染めるかな?」「どんな職場だろう?」と不安や緊張を抱える方も少なくありません。できれば失敗することなく、好印象のまま1日を終えたいですよね。

新しい職場での初日を迎えるとき、誰でも不安や緊張を感じるものです。初日の成功が今後の職場での人間関係や働きやすさに大きく影響するため、適切な準備と心構えが必要です。本記事では、転職初日をスムーズに乗り切るためのポイントや、初日に意識すべき行動について徹底解説します。準備すべきものや、職場での立ち振る舞いを具体的に紹介しますので、転職初日を迎える皆さん、ぜひ参考にしてください。

出勤日までに準備しておくこと

 

無料写真 側面図スマイリービジネスウーマン

 

まずは、出勤当日に慌てないように出勤日までに準備しておくべきことについてご紹介していきます。事前に伝えられている持ち物や、当日遅刻をしないための準備をしたり、当日の業務に関わることをあらかじめ用意しておくことも忘れないようにしましょう。

 

必要書類を揃える

 

職場から指示された、必要な書類の準備をしましょう。起業によって異なりますが、一般的には「通帳またはキャッシュカード」「雇用保険被保険者証」「マイナンバーカードまたは住民票の写し」「印鑑」などになります。

 

バラバラに持っていくと、カバンの中がごちゃごちゃになるので、クリアファイルにまとめて入れて持参するのがいいでしょう。

 

洋服の準備

 

看護師は、私服で出勤し職場で制服に着替えますが、転職初日はスーツかオフィスカジュアルなスタイルが好ましいです。はじめのうちは、カジュアル過ぎない服装を選ぶのが無難です。洋服にシワやシミがないかどうかも確認し、前日までに用意しておきましょう。

 

仕事に必要な道具をまとめておく

 

職場ごとに、持参する道具の指示があると思いますので、こちらも前日までに用意しておきましょう。また、職場ごとに支給される道具は異なるので、準備すべき道具をあらかじめ用意しておくのが無難です。入社前日に準備しておくべき道具は以下の通りです。

 

・聴診器

 

・ペンライト

 

・ハサミ

 

・時計

 

・筆記用具

 

・メモ帳

 

職場によっては、白衣やナースシューズを自前で用意するケースもあります。もし何も必要ないと指示を受けた場合は、筆記用具とメモ帳だけ持参するようにしましょう。分からないことをメモするのに役立ちますし、好印象を与えることにもつながります。

 

通勤経路を再確認

 

初出勤で遅刻はあまりにも悪印象です。そのため、出勤日には通勤経路を事前に確認し、交通の遅延や問題を避けるために余裕を持って出発しましょう。公共交通機関を利用する場合は、時刻表や乗り換え情報をチェックしておくと便利です。

 

業務に関連する勉強

 

もしブランクがある場合、業務に関連する復習をしておくのが大事です。近年の医療は、様々な進歩を遂げています。研修資料や医療関連の最新情報をチェックし、職務に備えておくことも必要になるでしょう。

 

自己紹介を考えておく

 

転職初日には、必ず自己紹介を行います。好印象の自己紹介ができるように、事前にあいさつ文を考えておくことも重要です。

 

初対面でいきなり長文を話すのはいけません。自分の名前と仕事への意気込み程度のシンプルなものが好まれます。もし時間的に余裕がありそうな場面での自己紹介であれば、趣味や前職の内容などを織り交ぜてもいいかもしれませんね。

 

よくある自己紹介をいくつかご紹介していきます。

 

その①

 

「本日よりお世話になります〇〇です。新しい仕事でのスタートを迎え、皆様と一緒に働くことを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」

 

その②

 

「はじめまして。本日よりお世話になります〇〇と申します。以前は〇〇病院で2年間、一般病棟で勤務していました。1日も早く戦力になれるよう努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

その③

 

「ご縁があり、本日より皆様と一緒に働かせていただきます〇〇と申します。休日は〇〇をしています。同じ趣味の方がおられたら嬉しいです。分からないことも多いですが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします。」

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日はどんな気持ちで迎えましたか?

 

看護師が転職初日に意識すべきポイント

 

無料写真 自信を持ってアジア女性医師のオフィスの机に座っているとカメラに笑顔

 

転職初日の行動は、まわりの看護師に与える印象を左右しかねません。せっかく転職したんですから、長くその職場で働きたいと思うのは当然のこと。

 

そこで、いい印象を与えるために、転職初日に気を付けたいポイントをいくつかご紹介していきます。

 

15分前には職場に到着する

 

看護師に限ったことではありませんが、入植初日の遅刻は客観的に見ても褒められたものではありません。遅くても15分前には職場に橈尺しておきましょう。もし遅れそうな場合は、遅れると分かった時点で先方に連絡するようにしてください。

 

オフィスカジュアルな服装で出勤する

 

オフィスカジュアルな服装で出勤することが一般的ですが、事前に確認しておくべきです。清潔感があり、職場の雰囲気に合った服装を選びましょう。

 

明るい表情で自分から挨拶を行う

 

積極的に挨拶を行い、明るい表情で接することで、周囲との良好な関係を築けます。初対面の人にも丁寧に挨拶しましょう。

 

メモを取り、早く覚える努力をする

 

転職初日は分からないことばかりです。すべて記憶することができるという方もいるかもしれせんが、そのような方ばかりではありません。同じ質問を繰り返さないためにも、新しい情報や重要なことは、しっかり覚えるために積極的にメモを取るようにしましょう。

 

分からないことは積極的に質問する

 

分からないことは恐れず、遠慮なく質問しましょう。中途採用の看護師の中には「こんなことを質問するのが恥ずかしい」と、分からないことや不安なことに対して質問できないままの看護師もいます。

 

それが原因で、ミスやインシデントにつながる可能性もあります。分からないことはそのままにしておかず、しっかり質問して解消することが大事です。

 

自分の判断で仕事を進めない

 

新しい職場では、同じ処置を施すのにも異なるケースがあります。「前の職場でこの時はこうしていた」という判断で、仕事を進めるのはやめておきましょう。新しい職場には新しいやり方がありますので、最初のうちは自分の判断で進めずに、上司に確認して行うようにしましょう。

 

菓子折りは必要ない

 

転職先に菓子折りを持っていくか迷う方もいると思いますが、菓子折りは必要ありません。ただし、看護師の中にはお菓子をもらってうれしいと感じる人もいるので、持っていって損をすることはないでしょう。持っていかなくてもマイナスになることはないので、その分、仕事の中での心遣いと礼儀を忘れずに、感謝の意を示す態度が大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日にあなたが一番意識したポイントは?

 

看護師の転職初日の流れ

 

無料写真 アジアの女性医師、デジタルタブレットと薬の女性専門家

 

入社初日の流れも頭に入れておくといいでしょう。どのような流れで1日が流れるのかを把握しておくことで、スムーズに業務を行うことができるでしょう。

 

事務手続きやオリエンテーションを行う

 

転職初日にはまず、人事担当や研修担当者との事務手続きが行われます。契約書の確認や提出、必要な書類の整備などが含まれます。オリエンテーションでは、病院や施設の概要、ルール、制度、安全対策、緊急時の対応などについての説明があります。

 

自己紹介をする

 

朝礼後やスタッフが集まったとき、オリエンテーション後などに自己紹介の時間が設けられることが一般的です。新しい同僚や上司、研修担当者などに自己紹介を行います。

 

先ほども解説した通り、シンプルでわかりやすい自己紹介を心掛けるようにしてください。当日ではなく前日までに、どんな自己紹介をするか準備しておくことをおすすめします。

 

職場のルールや仕事のやり方を覚える

 

職場のルールやポリシー、施設内の設備や業務内容などを覚えるのも初日の仕事です。覚えることがとても多いので、分かることでもすべてメモに取るようにしておきましょう。

 

これまで当然だと思っていたことが、違う職場になるとまったく違うやり方をするところもあります。いきなり仕事に入るのが不安な方は、担当する診療科の業務の流れを調べておくといいかもしれませんね。

 

業務スケジュールの確認

 

転職初日には、業務スケジュールやシフト制度、休憩時間などの確認も行われることがあります。これにより、日常の業務を理解しやすくなります。

 

初日の流れは病院や施設によって異なる場合がありますが、これらのステップは一般的な流れとなっています。新しい職場でのスムーズなスタートを切るために、前向きな姿勢で参加することが大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日につらかったことを教えてください

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日に楽しかったことはありましたか?

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日を迎える方にアドバイスをお願いします!

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職初日に意識するべきポイントや1日の流れについて解説してきました。

 

看護師の転職初日は新たな職場での第一歩を踏み出す重要な日です。成功するためには、適切な準備と心構えが欠かせません。できる準備はしっかりと行い、当日に慌てることのないようにしておきましょう。

 

また転職初日は、まわりの同僚や上司にあなたの印象を植え付ける1日になります。仕事をしていくうえで一番重要な1日になります。今回の記事を参考に、最高の1日を切れるように頑張ってください。

 

この初日のスタートを大切に、新しい職場での成長と貢献を目指しましょう。良いスタートが今後の成功につながる基盤となることを願っています。

【看護師の種類完全ガイド】4つの資格と専門分野、キャリアパスを徹底解説

看護師といえば、病院で働いている看護師をイメージする方も多いでしょうが、看護職には看護師を含め4つの種類があります。それぞれ仕事の内容や資格の取得方法も異なってくるため、これから看護職を目指す方にとって、どんな仕事が自分に合っているのか変わらない方は、ぜひ知っておきたいですよね。

 

そこで本記事では、看護師の種類について、それぞれの仕事内容や職場、資格取得までの道のりなど詳しく解説していきます。

 

看護職の種類とは?

 

看護職には看護師をはじめ、准看護師・助産師・保健師の4種類があります。それぞれ専門的なスキルが必要で、違った形で人々の健康と命を守るサポートをすることになります。

 

看護師

 

Free ai generated woman doctor illustration

 

看護師は、医療現場で重要な役割を果たす専門職です。患者のケアを担当し、医療チームの一員として働きます。看護師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

看護師の仕事内容

 

看護師の仕事は以下の通りです。

 

・看護師は、患者の状態をモニタリングし、体調の変化や問題をいち早く発見するポジションです。適切な処置が求められる役割も担っており、薬物投与や点滴など、医師の指示のもと患者の健康を保つためのケアを提供します。

 

・医師や他の医療専門家と協力して、患者の治療プランを立て、その実行をサポートするのも看護師の大きな仕事です。適切な処置や検査のスケジュール、病状に合ったケアの提供などを行います。

 

・緊急事態や急変した状況に対応し、適切な応急処置を行います。心停止や呼吸困難など、命に関わる状況でも冷静な判断力と行動力が求められます。

 

・看護師は医師や薬剤師、リハビリスタッフなど他の医療専門家と連携し、患者のケアをしていく役割も担っています。また、食事介助など補助が必要な患者には、身の回りのケアなどをサポートしていきます。

 

・患者やその家族に対して、精神的・身体的な痛みに対して支えになってあげるのも大きな仕事です。不安にならないよう、心の支えになってあげるのも看護師の役割です。

 

看護師が活躍できる職場

 

看護師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

病院(クリニック・診療所)

 

もっとも一般的な職場になります。一般病棟や一般病棟や外来、手術室などで患者ケアを担当します。さまざまな疾患や状態に対応する能力が求められます。

 

・介護施設(福祉施設・障害者施設など)

 

高齢者や障害者のケアを提供する介護施設でも看護師は必要です。日常生活のサポートから医療的なケアまで幅広い役割を果たします。

 

・在宅ケア(訪問看護ステーションなど)

 

在宅でのケアも重要な分野です。患者の自宅でのリハビリや治療をサポートし、その家族にも支援を提供します。

 

・教育機関(保育園・幼稚園・学校など)

 

保育園・幼稚園・学校などの教育機関でも活躍することが可能です。子供たちの健康を、しっかりサポートして、ケガや体調不良などに対し適切な対処を行います。

 

・看護学校や医療専門学校

 

看護学校や医療専門学校での教育職も選択肢です。次世代の看護師の育成に関わることで、医療の未来に貢献します。

 

・産業界(医療機器企業・製薬会社など)

 

医療機器や製薬会社などで、製品の開発や販売、健康情報の提供など、産業界でのキャリアもあります。

 

資格取得方法

 

看護師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

看護師を目指すためには、看護学校に入学する必要があります。高校卒業程度以上の学歴が求められる場合が多く、3年制の専門学校、もしくは4年制の看護大学に入学し、国家試験に合格する必要があります。

 

看護学校では基本的な医学的知識や看護技術、倫理などが学べます。実務実習も行われ、実際の医療現場での経験を積みます。

 

国家試験に合格した後、実際の医療現場での実務研修を経て、正式に看護師としての資格を取得します。

 

准看護師

 

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准看護師は看護師と変わらない仕事内容になりますが、大きな違いとして看護師が国家資格を必要するのに対し、准看護師は各自治体が実施する試験に合格すれば資格を取得することができるという点です。

 

また、自らの判断で業務を行うことは禁止されているので注意しなければいけません。

 

それでは、准看護師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

准看護師の仕事内容

 

准看護師の仕事は以下の通りです。

 

・准看護師は医師や看護師の指示に従い、患者の身の回りのケアを行います。食事の提供、入浴のサポート、排泄の介助など、患者の日常生活のサポートを行います。

 

・診療時に医師や看護師のサポートとして患者の準備を行ったり、検査材料の準備を手伝ったりする役割があります。検査結果の記録や報告も担当します。

 

・看護師の指示に基づいて患者への薬物投与を行うことも多くあります。薬の用意や説明、投与の監視を通じて、患者の安全な治療をサポートします。

 

・患者の体温、脈拍、血圧などのバイタルサインのモニタリングを行い、異常を検出した場合には看護師に報告します。

 

・緊急事態に備え、准看護師も基本的な応急処置を行います。心肺蘇生や出血の止め方など、必要な場面で的確に対応します。

 

・看護師同様、患者やその家族に対して、心のケアを行うのも大きな仕事です。不安にならないよう、心の支えになってあげます。

 

准看護師が活躍できる職場

 

准看護師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・病院

 

病院の一般病棟や外来、手術室などで、看護師と連携して患者ケアを行います。医師や看護師のサポート役として、診療補助をするのが主な仕事になります。

 

・介護施設(社会福祉施設など)

 

高齢者施設やデイケアなど、介護の現場でも准看護師は求められます。入浴介助や薬物管理、健康状態のモニタリングなどを行います。

 

・診療所やクリニック

 

診療所やクリニックでは、医師のもとで患者の診療サポートを行う役割があります。検査の準備や診察の補助、診療記録の管理などが含まれます。

 

・在宅介護施設

 

在宅でのケアでも、准看護師の存在は重要です。患者や家族のニーズに合わせて、様々なケアサービスを提供します。

 

・リハビリ施設

 

リハビリテーションセンターやリハビリ施設で、患者のリハビリプログラムを支援する役割を果たします。訓練の補助や進捗のモニタリングを行います。

 

資格取得方法

 

准看護師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

准看護師を目指すには、看護課程がある2年制の専門学校、もしくは高校の看護衛生科に通って単位を取得する必要があります。その後、准看護師の資格試験に合格することで資格取得になります。

 

看護師よりも早く資格が取得でき、費用を抑えることもできるため、一定の人気のあった資格ですが、現在は、准看護師の養成機関は減少中となっており、厚生労働省も准看護師より看護師の取得を推奨しています。

 

助産師

 

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助産師は、妊娠・出産・産後のケアを提供する専門職です。母体と赤ちゃんの健康をサポートし、安全な出産体験を提供します。

 

また出産のサポートだけでなく、不妊治療に関する相談や思春期の女子への性の相談などにも対応する必要があります。

 

それでは、助産師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

助産師の仕事内容

 

助産師の仕事は以下の通りです。

 

・妊娠中の女性に対して、定期的な健康チェックや健康アドバイスを提供します。体重管理、栄養指導、運動のアドバイスなど、妊娠期間中の健康管理を支援します。

 

・助産師は分娩時に立ち会い、出産をサポートします。陣痛のモニタリングや安定した環境の提供、分娩プロセスのガイダンスを行い、母親の安全な出産を助けます。

 

・出産後の母親と赤ちゃんのケアを提供します。授乳指導、産後の健康チェック、身体的な回復支援などを行い、母子の健康をサポートします。

 

・助産師は妊娠・出産に関する情報を提供し、母親と家族に適切なケア方法や健康管理の手法を教えます。予防接種や子育てに関するアドバイスも行います。

 

・助産師は、不妊治療に関するサポートも大きな仕事です。不妊の原因や治療方法について説明し、適切な検査や治療プランを立てるサポートを行います。また、心理的なサポートも重要であり、希望と不安を共有しながら励まし合います。

 

・思春期の女子は性に関する不安や疑問を抱えることがあります。月経についてや身体の変化、性感染症の予防や避妊方法など、オープンなコミュニケーションを通じて、安心して質問できる環境を提供し、適切な回答やアドバイスを行います。

 

助産師が活躍できる職場

 

助産師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・病院の産婦人科

 

病院の産婦人科では、助産師は妊娠中から出産、産後までのケアを提供します。分娩室や産後ケア室での勤務が一般的です。

 

・助産院

 

助産院では、自然な出産を重視したケアを提供します。個別のアプローチで妊婦のケアを行い、出産のサポートを行います。

 

・診療所やクリニック

 

助産師は診療所やクリニックでも妊娠中の健康管理や出産のサポートを行います。アドバイスや健康教育を通じて、母子の健康をサポートします。

 

・保健センター

 

助産師としての経験を活かして、地域の保健センターで活躍することもできます。保健センターは、地域の住民に対して健康や子育てに関する支援やサービスを提供する施設で、様々な活動を通じて地域の健康増進に貢献します。

 

資格取得方法

 

助産師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

助産師の資格は、看護師の資格を取得しなければ取得することができない資格です。そのため、助産師を目指す方の中には、看護大学に進学し看護師と助産師の勉強を行い、同時に受験する方もいます。

 

もしくは、3年制の専門学校や短大で看護師の資格を取得し、助産師養成所に1年通い、国家試験を受けて資格を取得することもできます。

 

保健師

 

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保健師は、地域や職場で健康づくりや予防活動を推進し、住民の健康をサポートする専門職です。生活習慣病やメンタルヘルスに関することなど、現代病ともいわれる様々な健康上の問題に対応することが求められます。

 

また保健師には、学校で働く「学校保健師」民間企業で働く「産業保健師」行政機関で働く「地域保健師」などがあり、地域や企業、生徒などすべての人が対象となります。

 

それでは、保健師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

保健師の仕事内容

 

保健師の仕事は以下の通りです。

 

・保健師は住民の健康状態を把握するため、健康調査を行います。健康診断結果の分析や個別の健康相談を通じて、健康に関する問題やニーズを特定し、適切なアドバイスや支援を提供します。

 

・母子の健康をサポートするのも仕事です。予防接種、健康教室、栄養指導などを通じて、乳幼児や母子の健康をサポートする仕事を行います。

 

・特定健康診査や生活習慣病の管理を通じて、住民の健康状態をモニタリングします。喫煙者に対する禁煙指導やメタボリックシンドロームなど、適切な健康アドバイスや生活改善の提案を行い、健康な生活の習慣を促進します。

 

・災害時には、保健師は避難所での健康管理や感染症の予防などを担当します。地域の安全と健康を守るために、迅速な対応が求められます。

 

保健師が活躍できる職場

 

保健師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・保健センターや保健所

 

保健センターでは、地域住民の健康増進や健康相談を担当します。健康診断や予防プログラムの実施、子育て支援などが行われます。

 

・学校や保育施設

 

学校や保育施設で、児童・生徒や保護者への健康指導や健康教育を行います。予防接種の実施や学校給食の管理も担当します。

 

・企業や施設の健康管理部門

 

企業や福祉施設などの健康管理部門で、従業員や利用者の健康管理を担当します。健康診断や健康プログラムの企画・実施、健康相談などを行います。

 

・医療機関(病院・診療所・クリニック)

 

病院やクリニックで、患者の健康相談や健康教育を行います。生活習慣病の予防や健康管理のサポートを提供し、医療チームと連携して患者の健康をサポートします。特に慢性疾患の管理やリハビリテーションのサポートが重要です。

 

・公衆衛生センター

 

公衆衛生センターや保健所では、感染症対策や健康調査などの公衆衛生活動を支援します。地域の衛生状態の向上を目指します。

 

保健師の仕事は多岐にわたります。始めに解説したように、学校保健師・産業保健師・地域保健師など、どのような保健師になりたいかによって働ける場所が異なります。そのため、まずはどのような保健師になりたいのかということを決めておくことが肝心といえるでしょう。

 

資格取得方法

 

保健師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

保健師は助産師同様、看護師の資格を持っていることが条件となります。現在は、看護師と保健師の免許を同時に取得できるカリキュラムが組まれている4年制大学もあるので、そのような大学で看護師と同時に国家資格取得を目指すことができます。

 

またそれ以外の場合は、看護師の資格を取得したあとで、さらに1年間保健師の養成機関に通学したうえで、保健師の国家試験を受けることも可能です。

 

さらに、助産師と同じように、看護系大学院に2年、看護短期大学に別途1年通う方法もあるので、自分のライフプランに合った取得を目指しましょう。

 

日本看護協会認定の看護師資格

 

看護師の資格には、看護師としてのキャリアを積みながら取得できる資格もあります。自分のキャリアアップを目指すために取得されることが多い資格を3つご紹介します。

 

認定看護師

 

認定看護師は、特定の看護分野で高度な知識と技術を持つ看護師です。日本看護協会が認定する分野ごとに資格を取得することができ、例えば認知症看護や救急看護、乳がん看護など、21分野があります。認定看護師はその分野における専門的な看護ケアを提供し、病院やクリニックなどで活躍します。

 

認定看護師になるには、5年以上の実務経験が必要で、そのうち3年以上は取得を希望する認定看護分野で経験を積む必要があります。

 

その後、1年間で800時間の教育を認定看護師教育機関で受け、特定行為研修のプログラムを受講し、認定審査に合格することで資格を取得することができます。

 

資格取得後は、5年おきに更新が必要となります。

 

専門看護師

 

専門看護師は、特定の臨床分野で高度な専門知識とスキルを持つ看護師で、いわば看護のエキスパートです。例えば、老人看護やがん看護、精神看護など、13分野があります。専門看護師は、その分野の患者に対する看護ケアを専門的かつ高度なレベルで提供する役割を担います。専門看護師は病院やリハビリ施設、ホームケアなどで活動します。

 

専門看護師になるためには、看護系大学院修士課程修了者でなければ資格を取得することができず、日本看護系大学協議会が定めている、専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得する必要があります。

 

その条件をクリアしたうえで、年に1度実施されている専門看護師認定審査に合格し、初めて資格を取得することができます。看護師の中でも、この資格を持っている看護師は約2%なので、非常に狭き門という感じですが、目指してみるのも大きなやりがいにつながるかもしれません。

 

認定看護管理者

 

認定看護管理者は、看護部門や看護チームのリーダーシップを担う管理者を目指す方のための資格です。看護部門の運営や人材管理、看護ケアの品質管理などを専門的かつ効果的に行うための知識とスキルを持っています。認定看護管理者は、病院や診療所、介護施設などで管理職として活躍します。

 

認定看護管理者の資格を取得するためには、5年以上の実務経験が必要で認定看護管理者教育課程を180時間受講する必要があります。定められた条件を満たしたうえで、認定看護管理者認定審査に合格することで獲得できます。

 

この資格を取得することができれば、看護従事者に関するマネジメントのエキスパートとして、多くの職場で活躍することができるでしょう。

 

まとめ

 

この記事では、看護師の種類について、それぞれの仕事内容や活躍できる職場、資格取得について詳しく解説してきました。

 

看護職には看護師、准看護師、助産師、保健師など様々な種類があり、それぞれ異なる分野で活躍します。どの看護師も、資格や専門性を活かして、患者や地域の健康を支える重要な役割を果たしていることに違いはありません。

 

自分がどのような看護職をめざしたいのか、将来的にどのようなキャリアを築いていきたいのかなど、十分に考慮したうえで進路を決めるようにしていきましょう。