看護技術・知識

【看護師の体力不足解消法】年代別対策と7つの効果的トレーニング

毎日ハードな業務を続ける看護師の中には、「疲れが取れない」「体力がなくなった」と感じる方も多いのではないでしょうか。特に年齢を重ねると、今までのように身体が動かないと感じる方もいると思います。

 

また、ハードな業務以外にも、職場の人間関係や患者とのコミュニケーションなど考えることも多く、精神的な体力も削られ、体調不良に陥ってしまう看護師も多くいます。看護師にとって体力はとても大事なものです。そのため、体力の維持に努めるのも看護師を長く続けるためには不可欠なものといえるのです。

 

そこで本記事では、看護師が体力不足を感じたときの対処法や体力を付ける方法について詳しく解説していきますので、体力に不安を感じている看護師はぜひ参考にしてください。

 

看護師は体力が必要不可欠

 

勤務時間は長く、不規則なシフトが続くため、看護師は体力的にハードな状況に置かれます。移乗やポジショニングの変更など、患者のケアには力が必要であり、体力不足は退職や転職の要因となっているのが現状です。出産や育児、結婚といったライフイベントで退職する看護師が多いですが、体力不足を理由に退職する看護師も多くいます。

 

さらに、看護師は健康問題や家族の介護といった要因で退職するケースが多いです。このような状況から、看護師の体力強化や適切な休養、労働時間の見直しが重要であり、看護師の定着や労働環境の改善につながるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師に体力は必要だと思いますか?

 

看護師が体力不足を感じる瞬間

 

無料写真 青い背景で隔離の均一なフィス聴診器を身に着けている額の若い女性医師に手を置くのに疲れた

 

看護師が日常の仕事で体力不足を感じる瞬間はさまざまですが、ほとんどが仕事がハードで多忙であることに起因しています。ここでは、看護師が体力不足を感じる瞬間について詳しく説明します。

 

仕事がハードで疲れた

 

看護師は、病院や医療機関で24時間体制で患者のケアや治療をするのが基本です。そのため、連続勤務や長時間の勤務が発生します。日勤、夜勤、交替勤務など、シフト制度が組まれているため、体内時計が乱れ、十分な休息が取れないことにより、体力が消耗し、疲れが蓄積されます。

 

患者の重い身体介助や移動で疲れた

 

看護師は患者さんの身体介助や移動を行うことが多く、重い身体を持ち上げたり、移動させたりすることが日常茶飯事です。特に高齢者や重症の患者さんのケアでは、その体重や状態によっては非常に体力を要する作業となります。身体介助は毎日繰り返し行われるため、体力を削られる要因となるのです。

 

ナースコールや緊急時の対応が疲れた

 

看護師は急患や緊急時に迅速に対応する必要があります。患者の急変やナースコールが鳴った際には、すぐに駆けつけて対応しなければなりません。瞬時の判断やアクションは非常に体力を消耗します。

 

人間関係に疲れた

 

看護師は患者さんだけでなく、医師や他のスタッフと連携を取りながら業務を進める必要があります。人間関係が良好でない場合や、コミュニケーションが難しい状況では、ストレスが溜まり、体力的にも疲れが増すという看護師も少なくありません。

 

夜勤が体力的に厳しくて疲れた

 

看護師の多くは夜勤を経験しますが、夜間に働くことは体力的にも精神的にも厳しいものです。人間の生体リズムに逆らう夜勤は、体内時計の乱れや十分な休息の確保が難しく、体力不足や疲労の要因となります。

 

仕事と家庭の両立はとにかく大変

 

看護師は仕事だけでなく、家庭や子育てと両立している人も多くいます。長時間勤務や不規則なシフトは、家庭での時間や休息を十分に取ることが難しく、体力が続かないと感じる看護師も多いです。

 

年代別の疲れの原因

 

無料写真 聴診器と白い医療制服で自信を持って若いアジアの女性医師

 

次に、年代別の疲れの原因を見ていきましょう。

 

20代

 

20代の疲れの主な原因は、仕事や人間関係、将来への不安などさまざまです。複数の原因が複合的に影響し合い、20代の若者たちに疲れをもたらします。

 

上司との関わり方の難しさ

 

まず、上司との関わり方の難しさが挙げられます。新入社員や若手社員は、上司とのコミュニケーションや適切な距離感の確立が難しいと感じることがあるでしょう。これがストレスや疲れの要因となります。

 

時間外にも勉強しないといけない

 

時間外にも勉強しなければならないというプレッシャーもあります。競争社会であり、スキルアップやキャリア形成のために、仕事以外の時間でも勉強やスキル磨きが必要ですが、疲れを増幅させる一つの要因となってしまいます。

 

周囲と比較しすぎて自信を失う

 

他人の成功や幸福な評価を見たり聞いたりすることで、自分自身の評価と比べてしまい、自信を失うことがあります。まわりを気にせず業務を行うことができればいいですが、若い年代では、上手くいかないようです。

 

30代

 

30代では、キャリアの中で新たな責任や役割が求められ、それに伴う疲れが増加します。主な原因は以下の通りです。

 

プリセプター業務で負担が増える

 

まず、プリセプター業務での負担が挙げられます。後輩の教育や指導を担当することで、自身の仕事に加えて、教育やサポートに多くの時間とエネルギーを割かなければなりません。

 

ベテランと後輩との板挟みで神経をすり減らす

 

中堅看護師になると、上司と部下の板挟みにあう、中間管理職のような立場になるため、神経をすり減らすことがよくあります。ベテランと新人看護師のコミュニケーション緩和や意見の摺り寄せ、後輩へのアプローチやフォローなど、業務以外での疲れが業務に支障をきたすことも良くある話です。

 

家庭との両立が難しい

 

業務の忙しさにより、家庭との両立が難しいという問題も疲れを引き起こす要因です。仕事と家庭の両立を図るために、時間や心の余裕が不足し、疲労が溜まりやすくなります。

 

40代

 

40代になると、身体的なキツさが増してくると同時に、管理職の仕事が増えることが主な疲れの原因となります。

 

体力的なキツさが増してくる

 

まず、体力的なキツさが増してくることが挙げられます。長年の仕事による体への負担や、身体の衰えが影響し、体力的な疲れが蓄積し体力不足を感じるのが40代です。これに加えて、ストレスや精神的な負担も増え、総合的な疲れとなります。

 

管理職の仕事が増える

 

管理職の仕事が増えると、意思決定や組織の調整、メンバーのサポートなど幅広い責任が求められます。これらの負担が増加することで、ストレスが溜まり、疲れが蓄積される要因となってしまうのです。

 

看護師が体力不足になったらどうなる?

 

無料写真 病気の女性は頭痛があり、手はベッドの上の彼女の頭に触れました。

 

看護師が体力不足になると、さまざまな面で仕事や日常生活に影響が出ます。看護師の仕事は患者のケアや安全確保が要求されるため、体力は不可欠です。ここからは、体力不足がもたらす影響について詳しく解説します。

 

効率的に仕事がこなせない

 

長時間の勤務や連続勤務によって疲れが蓄積され、作業のスピードや集中力が低下します。看護師は患者さんの状態や治療に関する情報を正確に把握し、適切なケアを提供する必要がありますが、体力不足によりこの要件を満たすことが難しくなります。

 

集中力の低下

 

疲れた状態での勤務が続くと、集中力が低下します。看護師は多くの患者さんを担当し、様々な状況に適応しなければなりません。しかし、体力が不足していると判断力や集中力が落ち、患者さんへの適切な対応が難しくなります。

 

うまく体が動かせない

 

看護師の仕事は体力を要する作業が多く、患者の移動や身体介助など、体を動かすことは毎日の業務の一つです。体力が不足していると、これらの作業がうまく行えず、患者さんの安全やケアに支障をきたす可能性があります。

 

もの忘れやミスが出る

 

体力不足が続くと、疲労による記憶力の低下や判断ミスが増えます。看護師の仕事は患者さんの情報を正確に把握し、適切なケアを行うことが求められますが、体力不足によるミスは患者の安全に大きなリスクをもたらす可能性があるでしょう。

 

肩こりやむくみ、冷えなどの症状が出る

 

長時間の立ち仕事や体力を使った作業が続くと、肩こりやむくみ、冷えといった身体的な症状が現れることがあります。これらの症状は体力不足に起因するものであり、長期間これらの症状が続くと、さらなる疲労や健康問題につながる可能性があるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>体力が落ちたときに出る症状は?

 

体力的につらいと感じたらどうしたらいい?

 

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体力的につらいと感じたとき、そのまま続けるか辞める、もしくは休むという判断をする必要があります。体力的につらいと感じた場合、何を判断基準にすれば良いか解説していきます。

 

同じ職場で働き続ける場合

 

体力的につらいと感じながらも、同じ職場で働き続けることには、いくつかのメリットがあります。その中で、最も重要な点は、現在の環境や仕事の特徴に慣れているということです。病院や施設の仕組みやルーティンに慣れているため、新たな環境に適応する手間やストレスを軽減することができます。

 

もう一つのメリットは、勤務年数や実績が一定以上積み重なると、昇進や管理職への道が開ける可能性が高くなることです。同じ職場で長く働くことで、経験を積み重ね、信頼される存在となります。体力不足を補いながら仕事を続けることで、将来的には管理職や責任のあるポジションへの昇進が見込まれるでしょう。

 

また、同じ職場での勤務は、人間関係の面でもメリットが多いです。長く働くことで、同僚や上司との信頼関係が築かれ、チームとしての連携が強化されます。協力体制が整っているため、仕事上のストレスが軽減され、助け合いながら働くことが可能です。

 

ただし、体力的につらい状況が続く場合は、適切な休息やストレス解消、適度な運動を取り入れて、健康管理を徹底することが重要です。自分の体力や健康状態を見極めながら、最適な選択を行うことが、長期的なキャリアと健康の両立に繋がるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>体力不足を感じる看護師が同じ職場で働くときのアドバイスをお願いします

 

辞める、もしくは休む場合

 

現在の職場を続けるメリットをご紹介しましたが、体力的につらさを感じた時は、無理をせずに適切な判断をすることが重要です。もし仕事が体調に影響を与えていると感じるなら、退職や休職を検討しましょう。

 

無理を続けると健康が損なわれ、長期的には職場復帰が難しくなる恐れがあります。適切な休息やリカバリーを取りながら、体調を整える時間を持つことで、将来的に再び活躍する状態に戻ることを考えましょう。自分の健康を最優先に考え、適切な判断をすることが、より良い未来への第一歩となります。

 

看護師の仕事に疲れたと思ったとき、休んだ方がいい辞めた方がいいケース

 

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看護師の仕事は非常に重責であり、体力的・精神的な負担が大きい職業です。この負担に耐えかねて「看護師に疲れた」と感じることもあるでしょう。疲れが蓄積される中で、退職を考えるケースもあることを理解しておくことは重要です。

 

「看護師に疲れた」と感じたとき、すぐに辞めるべきケースとして以下のような状況が考えられます。

 

いじめやパワハラを受けているうえ改善しない

 

いじめやパワハラを受けているうえに改善されない状況である場合、看護師がすぐに退職することは賢明です。このような環境で働き続けることは、心身の健康に深刻な影響を与え、将来的な職業生活にも悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。

 

厚生労働省によると、パワーハラスメントは「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。この定義を踏まえると、以下のような状況がパワハラに該当する可能性が高いです。

 

特定の看護師に対する過度の怒りや侮辱が続く場合

 

例えば、上司や同僚から理不尽な怒りや侮辱を受ける状況が続く場合、これは明らかなパワハラの兆候です。

 

患者や家族の前で公然と怒鳴られる場合

 

職務上のミスや意見の不一致などで怒鳴られ、それが公然と行われる場合、これは職場環境を悪化させる行為といえます。

 

怒られる内容が仕事に関係なく理不尽である場合

 

容姿や個人的な属性に基づいて怒られる場合、これは業務適正を超えた精神的・身体的苦痛を与える行為となります。

 

これらの状況が続く場合は、まずは相談窓口や専門機関に相談し、改善が見込めない状況であれば、早急に退職を検討することが重要です。看護師のキャリアにとっても、心身の健康にとっても、適切な判断をするようにしましょう。

 

ただし、同僚や上司の指導が厳しい中であっても、その指導が内容的に妥当であると感じるなら、それに真摯に向き合うことは看護師として成長するために重要です。厳しい言葉や態度であっても、それが仕事上の適切な指導であれば、受け入れることが大切になります。

 

指導が厳しいがタメになるポイントは以下のように整理されます。

 

指導内容は筋が通っている

 

きつい口調でも、その指導が仕事上の適正範囲であるならば、その内容は理にかなっている可能性が高いです。

 

怒られるのは仕事に関する内容である

 

叱責や怒りが、仕事の遂行や業務に関することに対してであれば、自分の成長のために受け入れましょう。それが個人的な攻撃や無関係なことではないことが重要です。

 

TPOに合わせた指導を受けている

 

場面や状況に応じて適切な指導を受けていることは、尊重されている兆候です。

 

患者や家族の前で怒鳴り散らしたりはしない

 

職業倫理を遵守し、患者や家族の前で適切な態度を保っていることは、社会人として当然といえるでしょう。

 

ただし、これらのポイントにも関わらず、その指導が健康に悪影響を及ぼしていると感じるならば、環境を変えることは重要です。心地よい職場環境は看護師の能力を向上させ、患者へのケアにもポジティブな影響を与えます。適切なバランスを見つけながら、自身のキャリアを進めるようにしましょう。

 

仕事が原因でうつや体調不良が続いている

 

仕事が原因で体調不良やうつ状態が続いている場合、その職場環境が改善されない限り、すぐに退職することが賢明です。職場環境が自身の健康に悪影響を及ぼし、心身のバランスを崩しているのであれば、新たな環境に身を置くことで回復の可能性が高まります。

 

まず、専門家の意見を聞いてみましょう。一人で判断せず、精神科医やカウンセラーのアドバイスを受けることで、適切な判断を下す助けになります。また、退職や休職を考える際には、主治医から診断書を取得しましょう。これは後の手続きに必要となります。

 

また、適切なタイミングでの退職や休職も重要です。状況や自身の体調を十分に考慮しながら、新たな環境への移行を検討しましょう。

 

さらに、新しい環境での適応も検討するポイントになります。自身の健康を最優先に考えつつ、新しい環境での生活や仕事に適応していくことが大切です。十分な準備と支援を受けながら、健康的な生活を取り戻すためのステップを踏んでいきましょう。

 

残業代の未払いが当たり前の環境である

 

残業代の未払いが常態化している職場環境では、早めに退職を検討することが適切です。勤務先が定時後や定時前の労働時間を正しく評価せず、残業代を適切に支払わない状況は、労働者の権利を侵害するものとなります。

 

このような職場で働くことは、長期的には心身の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いため、積極的な環境変更を検討することが重要です。適正な労働環境で働くことは、健康的な生活と十分な休息を確保する基盤となります。

 

新しい職場を探す際には、残業代がしっかり支払われる職場を選ぶことがポイントです。労働環境が適正で、自身の労働に見合った報酬が得られる職場で働くことで、仕事と生活のバランスを保つことが可能になります。

 

また、現職場での問題が解決される可能性を専門家に相談することも考慮すべきです。労働相談機関や労働弁護士のアドバイスを受けつつ、適切な判断を行いましょう。自身の権利を守るためにも、適切なアクションが求められます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>体力不足で看護師が今の職場を離れる際のアドバイスをお願いします

 

体力の限界を感じた看護師が絶対にやってはいけないこと

 

「体力の限界だ」「身体がもたない」と感じたとき、自分を奮い立たせようとさまざまな試みを行う看護師もいますが、中には絶対に行ってはいけないこともあります。そこで、よくあるNG対処法をご紹介しますので気を付けてください。

 

無理をして続けること

 

体力の限界を感じた際には、無理をして続けることは避けるべきです。過重な勤務や長時間労働は体力をさらに消耗させ、健康を損なう可能性が高まります。無理を重ねれば、看護の質や安全にも影響が及ぶため、適切な休息やリカバリーを取ることが重要です。体調不良や疲労を感じたら、率先して適切な対処を行い、健康を最優先に考えましょう。

 

暴飲暴食などの過剰なストレス発散

 

体力の限界やストレスを感じた時に、過剰な飲酒や暴食などでストレスを発散することは避けるべきです。これらの行動は健康に悪影響を及ぼすばかりか、長期的なストレス解消にはつながりません。代わりに、適度な運動や趣味、リラックス法、良い睡眠など健康的なストレス解消法を取り入れることが重要です。

 

こうであるべきと思い込むこと

 

体力の限界を感じたときに、「こうであるべきだ」という理想を追い求めることは避けるべきです。完璧主義や過度な負担を抱え込むことで、逆にストレスや疲労が増加し、体力の回復を妨げます。

 

現実的な目標や自分の体力に合わせた適切な範囲で仕事を進め、自分を過剰に追い込まないことが大切です。また、適時に上司や同僚と相談し、適切なサポートを受けるようにしましょう。

 

看護師に必要な体力づくりの方法

 

無料写真 目覚まし時計で若いアジア女性医師

 

看護師の仕事は体力を要するため、適切な体力づくりが非常に重要です。日常生活で取り入れられる方法や習慣を紹介します。体力不足を感じている看護師は参考にしてください。

 

有酸素運動をとり入れる

 

有酸素運動は、心肺機能を強化し、全身の筋力を向上させる効果があります。看護師は長時間立ち仕事が多く、患者さんの移動や身体介助も必要です。例えば、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動を継続的に取り入れることで、持久力が向上し、仕事中の体力を維持することができます。

 

生活リズムを整える

 

看護師の勤務は不規則で、夜勤も含まれます。生活リズムが乱れると、体内時計が狂い、疲労が蓄積しやすくなります。規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠を取ることで、体力を回復・維持することが大事です。

 

夜勤中に仮眠を取る

 

夜勤は体力的にも精神的にも厳しいものです。夜勤中に短い仮眠を取ることで、一時的にでも疲れを癒すことができます。短い仮眠でも、リフレッシュ効果があり、夜勤中の体力維持に役立つので実践してみましょう。

 

栄養バランスのとれた食事をする

 

栄養バランスのとれた食事は、体力を維持する上で非常に重要です。バランスの良い食事を摂取することで、必要な栄養素をしっかりと摂り入れ、体調を整えることができます。特にタンパク質やビタミン、ミネラルを適切に摂取することは、筋力維持や回復に役立つので試してみましょう。

 

お風呂につかる

 

お風呂に入ることは、体力回復に効果的です。温浴は筋肉の緊張をほぐし、疲労を取る助けになります。入浴後のリラックスタイムを活用して、疲れを癒すことが重要です。

 

働き方を変える

 

看護師不足の緩和に向け、働き方の柔軟化が進んでいます。週5日フルタイムで働く看護師も、時短勤務やパート勤務への切り替えを検討することで、勤務日数や勤務時間を調整できるでしょう。また夜勤をしないなど働き方を変えれば、看護師の負担が軽減され、効率的な勤務が実現されます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたが体力をつけるために行っていることを教えてください

 

まとめ

 

看護師の仕事は高い責任と要求される労力が伴うため、疲れやストレスを感じることは珍しくありません。しかし、自分だけで抱え込まず、他の看護師たちと共有することで、効果的な対処法を見つけることが大切です。

 

また、環境を変えることも一つの解決策となり得ます。看護師にとって、心と体の健康は持続的なキャリアのために欠かせない要素です。最適な方法を検討して、充実した看護師生活を送りましょう。

【看護師必見】アセスメント完全マスター: 基本から応用まで解説する決定版ガイド2024

看護の仕事をしていると必ず耳にするのがアセスメントです。看護計画を作成するうえで欠かすことができないアセスメントですが、頭の中ではわかっていてもうまく言葉にできないと苦手に感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、看護分野におけるアセスメントについて、基本的な書き方や作成するうえでのポイントについて分かりやすく解説していきます。

 

アセスメントとは?

 

無料写真 会議で医療データを分析する病院労働者

 

アセスメントとは、「査定をする」「評価をする」という意味があり、人や物事を評価し分析することを言います。

 

一般企業でもさまざまな場面で利用されており、採用や配属の際の参考にするために人事部で実施される「人事アセスメント」、製造業では、製造した商品が環境に及ぼす影響を考えるための「環境アセスメント」などがあります。

 

客観的な分析により、最適な方法を見出すアセスメントは、看護の世界でも同様に利用されています。

 

看護分野におけるアセスメントとは?

 

それでは、看護分野においてアセスメントはどのように活用されているのか解説していきます。

 

看護分野でのアセスメントは、患者の状態やニーズを評価し、適切な看護ケアを提供するためのプロセスです。患者の生理学的状態や心理社会的要因、日常生活能力を評価することで、問題やリスクを特定します。

 

データの収集や身体検査、評価ツールの活用を通じて、総合的な情報を獲得し、この評価をもとに、看護計画を作成し、患者の状態の変化を監視します。アセスメントは連続的なプロセスであり、適切なケアの基盤となるものと認識しておきましょう。

 

看護過程の全体像

 

看護過程は、「アセスメント」「問題の明確化(診断)」「計画」「介入」「評価」の5つのステップで構成されています。アセスメントはこの過程の第一段階であり、患者さんの看護上の問題を理解するための基盤です。

 

看護過程は、患者さんの健康に関連する個別の課題を解決するための体系的な問題解決技法となっており、アセスメントでは、患者さんからの情報や観察によって得られる客観的情報を収集し、分析して問題を明確化する目的を担っています。

 

次に、明確化された問題に対して計画の策定を行います。計画の策定は、問題解決のための目標や到達期限を設定し、適切な介入策を計画し、計画に基づき看護ケアを実施することが目的です。看護ケアの実施後には、評価を行い、得られた結果を基に看護内容を見直します。

 

このステップは分離されたものではなく、連続して進んでいき、評価は再度アセスメントへとつながります。看護過程は、患者さんの健康問題に対する効果的なアプローチを提供する枠組みとなっているのです。

 

アセスメントの目的

 

看護分野でのアセスメントの目的は、患者の健康状態に関する問題を把握することです。患者からの主観的情報と、医療者の観察によって得られる客観的情報を詳細に分析し、患者の看護上の課題を特定します。

 

この過程により、患者の課題の優先順位を明確にし、看護ケアの方針を立てることが可能となります。患者の状態を適切に把握することで、看護活動の効果的な実施や状態の変化の監視が可能となるのです。

 

<看護師・ナースのリアルな声>アセスメントは必要だと思いますか?

 

アセスメントの基本的な書き方

 

無料写真 興奮した女性医師、クリップボードを保持し、ペンを上げるアジアの医師、解決策やアイデアを見つけ、白い背景の上に医療用フェイスマスクに立って

 

看護師の中には、アセスメントの作成を苦手としている方も少なくありません。そこで、アセスメントの基本的な書き方について詳しく解説します。

 

患者さんの反応 

 

最初に患者さんの反応や症状を明示します。これは、患者さんが示す身体的、心理的、社会的な反応を具体的に記述することです。具体的な症状や患者の言動、観察した状態などを記述します。

 

反応が生じた原因

 

反応や症状が生じた原因を深堀りし、可能な要因や背景を考察してください。生活状況、既往歴、環境要因、治療法、薬物、感情、思考、信念など様々な要因が含まれることになります。根本的な原因を特定することが重要です。

 

患者さんの反応と改善する強み

 

反応の背景にある要因や、患者さんが改善するために持つ強みやリソースを特定します。看護介入やケアプランの立案に役立つ情報を得ることを前提にしてください。

 

反応のなりゆきを推測

 

最後に、反応や症状のなりゆきや進行の推測です。患者の状態が今後どのように変化するか、反応が進展する可能性や患者のケアへの影響を考えます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>アセスメント作成を難しいと感じるところを教えてください?

 

アセスメントの書き方のコツ

 

アセスメントの効果的な書き方には、必要な情報の収集から着目すべきポイントの検討、さらなる情報収集、S情報とO情報での整理、そして最終的なアセスメントの作成に至るまでの一連のステップが含まれます。このステップを通じて、患者の状態やニーズを的確に把握し、適切な看護ケアを提供するための基盤を築くことができます。

 

必要な情報を収集する

 

アセスメントの基本は、患者に関する必要な情報を収集することからスタートです。患者からの直接の報告、観察、既往歴、病歴、家族歴、薬物療法、生活状況、社会的背景など幅広い情報が含まれます。

 

着目すべきポイントを検討する

 

収集した情報の中から、看護上重要なポイントや問題点を明らかにすることが重要です。患者の状態やニーズに焦点を当て、何に注意を向けるべきかを検討します。

 

さらなる情報収集をする

 

着目すべきポイントが明確になったら、関連する更なる情報を収集します。深堀りすることで、問題の全体像をより詳細に把握できるでしょう。

 

S情報とO情報で整理する

 

収集した情報を整理する際には、主観的な情報(S情報)と客観的な情報(O情報)に分けて整理します。主観的な情報は患者自身の意見や感覚であり、客観的な情報は観察や検査など客観的に観察可能なデータです。

 

情報をもとにアセスメントをする

 

収集した情報と整理したS情報とO情報を基に、患者の状態や問題点をアセスメントします。この段階で、問題の優先順位や関連する要因、対応策などを考えましょう。

 

このステップを順に進めることで、効果的なアセスメントが行えます。アセスメントは患者中心のケアの基盤であり、患者の状態やニーズを的確に把握することが、適切な看護計画や介入のポイントです。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたなりのコツがあれば教えてください

 

アセスメントをスキルアップさせる方法

 

無料写真 カメラに背を向けて座っている認識できない患者と握手するアジアの医師の肖像画を腰

 

アセスメントをスキルアップさせるためには、アドバイスの取得、フィジカルアセスメントの学習、そして「S情報とO情報」の理解を強化するという3つの方法があります。

 

アドバイスをもらう

 

アセスメントのスキルを向上させるには、経験豊富な看護師や他の医療専門家からアドバイスを受けることが非常に重要です。彼らの経験や知識を取り入れることで、アセスメントのポイントや効果的な方法について学ぶことができます。また、フィードバックを受けることで、自身の課題や改善点を明確にすることができるでしょう。

 

フィジカルアセスメントについて学ぶ

 

フィジカルアセスメントは、患者の身体的な状態を評価する重要なスキルです。身体検査や器械を使用した検査、病歴の収集などが含まれます。身体の異常や状態の変化を的確に捉えるために、解剖学や生理学の知識を継続的に学び、実地での経験を積むことが必要です。

 

「S情報とO情報」を正しく理解する

 

「S情報」は患者自身の主観的な情報であり、症状や感覚などが含まれます。一方で、「O情報」は客観的な情報であり、観察や検査、数値などです。S情報とO情報を正しく区別し、的確に収集・分析することで、患者の状態を総合的に理解する能力が高まります。

 

この方法を組み合わせて実践することで、アセスメントスキルを効果的に向上させることができます。自己学習や他者からのアドバイスを活用しながら、患者中心のアセスメントが行える看護師としての成長を目指しましょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>アセスメントについて普段気を付けていることはありますか?

 

アセスメントを実施する際のコツ

 

アセスメントを実施する際には、効果的かつ的確な評価を行うためのいくつかのコツがあります。コツを活用することで、患者の状態やニーズを適切に把握し、適切な看護計画を立てる基盤を築くことができるので実践してください。

 

目的やゴールを明確化する

 

アセスメントを行う目的やゴールを明確にすることは非常に重要です。アセスメントの目的を明確に定めることで、収集すべき情報や評価すべきポイントが明確になります。目的やゴールは患者の状態や問題に応じて適切に設定しましょう。

 

現状から原因を特定して予測を立てる

 

現状の患者の状態や症状を分析し、状態の原因を特定することが重要です。症状や問題の根本的な原因を把握することで、適切な対応や介入を行うための予測を立てることが可能になります。

 

正確な状態を把握する

 

アセスメントでは、客観的なデータだけでなく、患者の主観的な意見や感覚も把握することが重要です。患者の状態を正確に理解するために、適切な質問技術やコミュニケーションスキルを活用して、患者からの情報を丁寧に収集しましょう。

 

今回ご紹介したコツをもとに、アセスメントを実施する際には慎重かつ綿密に進めることが重要です。患者の状態やニーズを適切に評価し、看護ケアを展開する基盤を確立するために、積極的に活用してください。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたなりのコツがあれば教えてください

 

まとめ

 

この記事では、看護分野におけるアセスメントについて解説してきました。

 

アセスメントは患者の個別性を重視し、一般的な情報だけでなく患者と直接向き合って情報を収集する重要性があります。正確な情報収集にはS・O情報の理解が欠かせず、これを基に患者が直面する問題や必要なケアを明確に考えることが重要です。

 

はじめは簡潔にS・O情報を記述し、不足分は翌日補完することも大切です。アセスメントは完璧に始まるものではなく、日々の実践と情報の精緻化を通じて向上させていくプロセスになります。ご紹介した4つのコツを活用しながら、アセスメントのスキルを着実に高めましょう。

【看護師のボディメカニクス完全ガイド2024】原理から実践テクニックまで徹底解説!

被介護者の介護をしていると、「もっと楽にケアしたい」と考える看護師が多いと思います。被介護者の移乗や体の向きを変えるときは特に大きな負担となり、中には腰を痛めてしまう看護師も多いんです。

 

そんな看護に役立つのがボディメカニクスです。介助する側・される側の双方の負担を減らすことができ、さらに働きやすい環境になることでしょう。

 

そこで本記事では、看護現場で推奨されているボディメカニクスについて、メリットや正しい方法について詳しく解説していきます。

 

ボディメカニクスとは?

 

無料写真 魅力的なアジアの女性看護師と医師が笑顔と新鮮さで一緒に働いて病院で病気の老人シニア患者を世話します

 

ボディメカニクスは、身体の動きや姿勢を最適化し、効果的にエネルギーを使いながら腰痛を防止するためのテクニックです。看護師にとってボディメカニクスを理解し、実践することは、被介護者のケアだけでなく、自分の健康においてとても重要になります。

 

ボディメカニクスの目的

 

ボディメカニクスは、腰痛予防の効果的な対策として看護現場で行われているものです。厚生労働省は平成6年に「職場における腰痛予防対策指針」を発表し、改訂指針では腰痛発生の要因を動作要因、環境要因、個人的要因、心理・社会的要因の4つに分類しています。

 

医療現場では、被介護者を持ち上げる動作、一人で介護を行うことが多い環境、筋肉量の低さが個人的要因として挙げられます。また、女性が多く、職務上の心理的負担があることも腰痛の要因と考えられています。これらの要因から引き起こされる腰痛に対する効果的な対策として、ボディメカニクスを積極的に取り入れることが推奨されました。

 

<看護師・ナースのリアルな声>ボディメカニクスは役に立ちますか?

 

ボディメカニクスの原理

 

無料写真 看護師は病院のベッドの患者の高齢の女性患者の世話をします

 

ボディメカニクスを正しく行うためには、原理を十分に理解することが大事です。まずは、ボディメカニクスの原理について解説していきます。

 

支持基底面積を広くとる

 

支持基底面積とは、何かを支える際に基盤となる底の面積のことで、この面積が広ければ広いほど、安定性が増します。例えば、コップの底が広い方が安定するのと同様の原理で、物を持つ際や人を支える際には、足を広げることで安定感を向上させることができます。人の場合も、足を左右前後に広げることで、より安定した姿勢を保つことができます。

 

重心を低くする

 

腰を曲げるのではなく、ひざを曲げて重心を下げることで、腰痛の軽減が期待できるばかりか、骨盤の安定化も図れます。この方法は、安定した姿勢での移動や運搬を可能にし、身体への負担を軽減する効果があります。

 

被介護者と自分の重心を近づける

 

介護を受ける側と介護する側の重心を近づけることで、安定した介護が可能です。体から離れた位置での介助ではなく、重心が近い状態で介助することで、効率的かつ安全に介護を行えます。

 

重心が近いと、少ない力でも効果的に支えることができるため、腰痛予防はもちろん、身体への負担を最小限に抑えることが可能です。例えば、被介護者がベッドから車椅子に移乗する際には、お互いの重心が近い状態で移動をサポートしましょう。

 

被介護者の体を小さくまとめる

 

四肢を伸ばした状態よりも、手やひざを曲げるなど体をまとめた状態の方が、介助がしやすくなります。体を小さくまとめることで、安全かつスムーズな移動が可能となり、被介護者の快適なケアにつながります。

 

重心の移動をスムーズにする

 

上半身だけでなく、下半身も含めた全身を使うことで、より確実に目標地点への移動が可能です。また、物を持ち上げるよりも水平移動する方が、重力に逆らわずに済むため、少ない力でスムーズに動かすことができます。全身を活用することで、安全かつ効果的な作業を心掛けましょう。

 

足先を動作の方向へ向け、手前に引く

 

介護の現場では、ベッド上での移動などで押すよりも、手前に引くイメージでアプローチすることが重要です。引く力を利用することで、被介護者の体を優しく移動させることが可能となり、安定感も増します。安全かつ効率的な介助を行うために、この方法を意識して動作しましょう。

 

テコの原理を活用する

 

看護師の膝や肘を支点とし、被介護者の体を移動させる際にこの力を活用します。この方法により、体力を最小限にしながら、効果的に被介護者さんの位置を変えることが可能です。また、仰臥位から側臥位への移動など、被介護者の回転にテコの原理を適用することで、スムーズかつ安全なケアが行えます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>一番気を付けているポイントは?

 

ボディメカニクスのメリット

 

無料写真 美容師と話す

 

ボディメカニクスを身につけることで、どのようなメリットがあるのか解説していきます。

 

無理な姿勢をする頻度がなくなる

 

ボディメカニクスを実践することで、無理な姿勢を取る頻度が減少します。適切な姿勢と動きを意識することで、筋肉や関節への負担が軽減され、健康的な状態を保つことができるでしょう。

 

腰痛防止につながる

 

ボディメカニクスは腰痛防止に効果的です。適切な姿勢や動きを身に付けることで、腰への負担が減少し、腰痛のリスクを低くすることができます。正しい重心の管理や動作の習慣化が、腰痛予防につながるでしょう。

 

安全で効率のいい介護ができる

 

ボディメカニクスを実践することで、介護の安全性が向上し、効率的な作業が可能となります。適切な動作や力の利用、道具の適切な活用により、介護の負担が軽減され、被介護者への適切なケアが行えるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>ボディメカニクスで喜ばれた体験談を教えてください

 

ボディメカニクスのデメリット

 

メリットがある分、デメリットもいくつかあります。考えられるのは以下の3点です。

 

足の筋力がない人は重心を下げにくい

 

足の筋力が十分でない場合、重心を下げることが難しくなります。適切な体勢を維持するためには、足の筋力が必要であり、筋力が不十分な場合には安定した姿勢を保つのが難しくなるでしょう。

 

車いすに足があたることがある

 

ボディメカニクスを実践する際、被介護者が車椅子に乗っている場合、足が車椅子にあたることがあります。特に足を正しく使えない状態では、車椅子の操作や移動時に制約が生じ、適切なボディメカニクスの適用が難しいです。

 

<看護師・ナースのリアルな声>ボディメカニクスでの失敗談を聞かせてください

 

ボディメカニクスのコツ

 

無料写真 看護師は病院のベッドの患者の高齢の女性患者の世話をよくされている幸せを感じる-医療とヘルスケアの概念

 

ボディメカニクスの原則を理解し実践することは大事ですが、コツをつかむことでさらに負担の少ない介護が可能です。ここでは、ボディメカニクスのコツをご紹介していきます。

 

被介護者に協力してもらうながら行う

 

被介護者の協力を得ながら、移動や日常の動作を行うことで、負担を最小限に抑えつつ効率的な介護が実現できます。例えば、移乗時には被介護者に体を動かす協力をお願いすることで、安全かつ円滑な移動が可能となるでしょう。

 

さらに、コミュニケーションを大切にし、声をかけながら作業することで、信頼関係を築きながら作業を進めることがポイントです。介護者と被介護者の協力とコミュニケーションを通じて、より質の高いケアを提供しましょう。

 

声をかけながら行う

 

被介護者が介護の進行や動作を理解し、安心感を得るために、声をかけることが不可欠です。具体的な行動や目的を丁寧に伝えることで、被介護者は動作に対する恐怖心を軽減させ、適切な姿勢を維持できるようになります。

 

例えば「ベッドに移動します」と事前に伝え、進行を説明することで、被介護者は安心して協力できます。介護中も、どのようなアクションを行うのか声をかけることで、被介護者は安心感を得ながら介護を受けることができます。声を通じてコミュニケーションを取るように心掛けてください。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなただけの上手にボディメカニクスを行うコツがあれば教えてください

 

ボディメカニクスを活用するべき場面

 

最後に、看護においてボディメカニクスを活用するべき場面をご紹介していきます。

 

起き上がるとき

 

ベッドから起き上がるときにボディメカニクスが役立ちます。まず、横向きから仰向けになり、膝を曲げて足を床にしっかりつけます。両手を使って上半身を支え、腰を起こしながら片足をつかってゆっくり立ち上がりましょう。重心を意識して安定した姿勢で立ち上がることで、腰への負担を軽減し、安全に起床できます。

 

移乗するとき

 

移乗の際にも、ボディメカニクスを利用して、被介護者との安全な移乗を実現しましょう。まず、支援者は床からの高さや移動先の高さを考慮し、適切な高さの腰を保ちます。被介護者の姿勢や重心を理解し、適切な手順で移乗を行ってください。支点を意識し、力を均等に分散させることで、安定した移動が可能です。

 

立ち上がるとき

 

立ち上がる際には、ボディメカニクスを活用して安定した姿勢で立ち上がることが重要です。まず、椅子の高さや床からの高さを考慮し、腰を少し前傾させます。両手を使って椅子の手すりやテーブルにつかまり、膝を曲げながらゆっくりと立ち上がりましょう。重心を意識して安定した姿勢を保ちつつ、立ち上がるのがコツです。

 

座るとき

 

被介護者が座る際には、ボディメカニクスを活用して安定した座り方を意識しましょう。椅子の高さや床からの高さを考慮し、正しい姿勢で椅子に向かってゆっくりと座らせてください。腰を軽く前傾させつつ、両膝を曲げて座ることで、重心を適切に保ちつつ安定した姿勢で座らせることができます。

 

体の向きを変えるとき

 

体の向きを変える際には、ボディメカニクスを活用して安全で効率的な動きを心掛けます。横向きから仰向けに移る場合には、まず片膝を立てて安定した姿勢を保ちながら、体をゆっくりと回転させます。重心の移動や支点の活用を意識しつつ、体を優しく動かすことで、安全な体位変換が可能です。

 

ボディメカニクス以外の腰痛予防法

 

ここまでは、ボディメカニクスによる負担の減らし方を解説してきましたが、それ以外の方法もご紹介していきます。

 

スライディングシートやスライディングボードを活用する

 

スライディングシートやスライディングボードは、腰痛予防や腰への負担軽減に有用な福祉用具です。移乗やベッドから車椅子への移動などの際に、患者さんを滑らせるように移動させることで、腰への負担を最小限に抑えることができます。

 

ストレッチをする

 

定期的にストレッチを行い、身体の緊張をほぐすのも腰痛防止には効果的です。

 

腰痛予防に効果的なストレッチ方法として、まず、背筋を伸ばし、座った状態で膝を曲げ、両手を床につけて上半身をゆっくり前に倒します。

 

このとき、腰や背中の筋肉を感じる程度で止め、数秒間キープしてください。また、仰向けに寝て両膝を曲げ、膝を胸に向けて引き寄せるストレッチも効果的です。これにより、腰周りの筋肉がストレッチされ、血行が良くなります。

 

日常的に軽くストレッチを行い、腰の筋肉をほぐすことで、腰痛の予防や改善につながるでしょう。

 

まとめ

 

この記事では、看護師の負担を軽減するボディメカニクスについて解説してきました。

 

ボディメカニクスを意識して介助を行うことで、被介護者にも安心感を与える介護が可能となるだけでなく、体位変換や歩行、移乗などの際の体への負担を軽減できます。もし腰痛やひざの痛み、肩こりなどの不調が改善されれば、その仕事を長く続けることができるでしょう。

 

ただし、ボディメカニクスだけでは腰痛を完全に予防することはできません。福祉用具の適切な利用や定期的なストレッチも行い、腰痛の予防に努めましょう。腰痛が発生した際には適切に職場に報告し、適切な対処を行うことが重要です。腰痛の悪化を防ぎながら、無理のない安全な介護を心がけましょう。

【看護師のバイタルサイン完全ガイド2024】測定方法から解釈まで徹底解説

看護師の仕事をするうえで切り離せないものに「バイタル」があります。バイタルは、患者の健康状態を数値で表される情報であり、看護師にとって基本中の基本といえるでしょう。しかし、現場によっては測定する機械が違うことで、戸惑う看護師が多い業務でもあります。

 

そこで本記事では、バイタルの基本的な測定方法を中心に、バイタルの目的や小児科に努める看護師向けに、小児に対するバイタル測定の注意点などもご紹介していきます。

 

バイタルとは?

 

無料写真 美しいスマートアジア医師と患者が議論してクリップボードで何かを説明

 

バイタルとは、患者の生命徴候を示す基本的な情報を指します。これは、患者の状態や緊急性を数値化し、客観的に把握・伝達するための重要なデータとなります。バイタルは、簡易的な測定器や視覚・触診でも測定可能であり、数値から患者の健康状態を迅速にチェックすることができます。

 

バイタルには、「脈拍(心拍)」「呼吸」「血圧」「体温」の4つが含まれます。一方で、救急医療現場や集中治療室では、「バイタル」としてこれに加えて「意識レベル」と「尿量」の2項目を追加することもあります。一般的には、朝・昼・晩の1日3回、バイタルを測定して記録します。

 

バイタルを測定する目的

 

バイタルを測定する目的は、患者の状態が正常値や基準値から逸脱していないか、および前回の測定値との変化を把握することです。正常値から大きく逸脱していれば、適切な処置が急務となり、生命の維持に関わる可能性があります。

 

また、前回の測定値と比較することで、状態の悪化や改善の傾向を把握し、治療方針の見直しを行います。バイタルの正常値や基準値は患者個人の状況によって異なるため、個々の状態に適した判断を重視します。

 

日常的にバイタルを記録しておくことで、異常を早期に発見し、患者の生命活動を保護する役割を果たします。

 

バイタルを測定する際の注意点

 

まず第一に、正確な測定器を使用し、標準的な手順に従うことが重要です。適切な測定位置を選び、患者が安静でリラックスしている状態で測定することもポイントです。測定中に患者とのコミュニケーションを保ち、不安や疑問を解消することも心掛けましょう。

 

また、測定データは正確に記録し、過去のデータと比較して変化を把握することで、状態の変動を的確に判断できます。最後に、バイタルの異常値や変化は適切な専門家や医療チームに報告し、必要な対応を迅速に行うことが重要です。

 

バイタルの基準値

 

バイタルの正常値は、一般的な基準範囲ですが、個人の健康状態や年齢、性別、活動レベルなどによって異なる場合があります。以下は一般的な正常値の範囲です。

 

1.体温(Temperature)

 

・正常範囲:36.0°Cから37.0°C

 

2.脈拍(心拍数)(Pulse Rate)

 

・正常範囲:60~100拍/分

 

3.呼吸数(Respiratory Rate)

 

・正常範囲:14~20呼吸/分

 

4.血圧(Blood Pressure)

 

・正常範囲:収縮期血圧(Systolic BP)80~120mmHg

 

・拡張期血圧(Diastolic BP)60~80mmHg

 

これらの数値は一般的な正常範囲であり、異なるケースでは医師や看護師が患者の個別の状態に応じて評価します。患者のバイタルがこれらの範囲から逸脱する場合には、注意が必要であり、適切な評価と対応が求められます。

 

バイタルの測定方法

 

無料写真 医者は患者の体温を測定するために体温計を見ています。

 

ご紹介したように、バイタルの正常値は人によって個人差があるため幅広くとられています。そのため、患者の数値を把握しておかなければ、除隊の変化に気付くことができません。ここでは、バイタルの正しい測定方法を解説していくので、以上がみられる場合はすぐに医師に報告するようにしましょう。

 

脈拍測定

 

脈拍測定は、血液が心臓の拍動によって動脈に駆出され、末梢血管まで到達する際の波動を感知することです。通常の脈拍の基準値は、1分間に60〜100回です。脈が100回/分以上である場合は頻脈、50回/分以下である場合は徐脈といいます。

 

測定を行う際には、一般的に最も脈が触れやすい橈骨動脈が選択されます。ただし、血圧が低い場合には撓骨動脈では脈拍が感知できないことがあります。また、膝窩動脈や後脛骨動脈、足背動脈は通常は使わず、下腿の循環動態を把握する際に選択されることがあります。

 

測定方法は、指先を軽く当てて15秒または30秒間の脈拍をカウントし、その後「15秒間の測定値×4」または「30秒間の測定値×2」で1分間の脈拍数を算出します。不整脈や脈拍欠損がある場合は、1分間継続して測定する必要があります。左右の差も確認するポイントです。測定者の手指が冷たくないか事前に確認することも大切です。

 

血圧測定

 

血圧は、心臓が血液を拍出し、それが血管抵抗を通って血管内に及ぼす圧力を指します。血圧は日内変動があり、昼に高く、夜は低くなる傾向があります。正常値は、収縮期血圧が120mmHg以下かつ拡張期血圧が80mmHg以下です。

 

血圧を測定する際には、動いた直後は血圧が高くなるため、5分程度安静にしてから、坐位か仰臥位で測定します。測定の際には、常に同じ体勢と部位で測定することが重要です。一般的には上腕部が測定されますが、特定の理由がある場合には大腿部や下腿部での測定も行います。

 

血圧の測定方法には、観血的測定法と非観血的測定法があります。観血的測定法は、血管内に管を留置して血圧を直接測定する方法であり、非観血的測定法では血圧計を使用します。近年は水銀を使用しない上腕式電子血圧計が推奨されています。

 

血圧測定の際のポイントは、マンシェットを巻く位置と心臓の高さが同じになるよう腕の位置や体位を調整することです。このような注意点を踏まえて、正確な血圧の測定を行います。

 

呼吸測定

 

呼吸測定は患者の健康状態を把握する重要な要素です。正常な呼吸数は1分間に14〜20回ですが、患者が測定を意識することなく自然な呼吸数を求めます。測定時に患者がリラックスしている状態で、脈拍を測定する際などに一緒に呼吸数を計測する工夫が必要です。

 

呼吸音の聴診では、患者に大きめな呼吸を繰り返してもらい、左右対称に聴取します。聴取部位、呼吸音の大きさや左右差、異常音の有無を確認します。特に異常音が聞こえた場合には、その種類や体位、咳嗽による違いも注視します。呼吸数は敗血症の指標qSOFAにも含まれており、急変の徴候を捉えるためにも重要です。

 

呼吸数を測定する際のポイントは、患者が意識することなく自然な呼吸数をカウントすることです。患者に「呼吸数を測りますね」と伝えるのではなく、自然な状態で呼吸数を測定します。

 

体温測定

 

体温の測定は患者の健康状態を把握する重要な手段です。体温は表面体温、口腔温・腋渦窩温、深部体温の3種類あり、医療者が使用する「体温」は一般的に「深部体温」を指します。

 

深部体温測定時は、体温計の先端を腋窩最深部に差し込み、できるだけ密着させて測定します。特定の状況下では、尿道バルーンや肛門から計測器を差し込んで測定することがあります。

 

腋窩検温法では、腋窩が発汗していないことを確認し、身体の軸に対して30〜45度の角度で体温計の先端を挿入します。口腔検温法では、手袋を装着し、口唇・口腔内に異常がないか確認した後、体温計を挿入して舌下に感温部を当てます。

 

測定の際のポイントとしては、体温は早朝から夕方にかけて高まる傾向があるため、毎日一定の時間帯に同じ方法で測定することが重要です。また、検温時の室温は25度を目安にし、運動や入浴、食事の直後は避けて、測定前に30分ほど安静状態を保つことがすすめられています。これにより正確な体温の測定が可能となります。

 

意識レベル

 

バイタルだけでは不十分な患者の場合、全身状態を正確に把握するために意識レベルと合わせて判断することもあるため重要です。

 

簡易的な意識レベルの評価方法として、声をかける、刺激を与える、痛み刺激を与える、という順序で行います。ただし、激しく揺さぶるなどの行為は首の骨折などを考慮し避ける必要があります。医療現場では、より詳細な意識レベルの評価のために、JCSやGCS(などの専用スケールが利用されます。

 

JCSは、短時間で意識レベルを評価する簡便な方法で、間脳・中脳・延髄への侵襲の目安として判定できる特徴があります。一方でGCSは、「開眼・最良言語反応・最良運動反応」の3つの側面で評価します。評価がやや複雑であることと、1項目でも判定が困難な場合は意味をなさないという課題があります。

 

意識レベルの適切な評価は、患者の状態把握と適切な医療介入のために不可欠であり、緊急時や重症患者の管理において重要な役割を果たします。

 

尿量測定

 

尿量の測定は患者の健康状態や腎臓機能を評価する重要な手段です。正常な尿量の基準は、1回につき約200~400mlであり、1日の総量として約1,000~2,000mlです。尿量が異常に少ない場合、乏尿と呼ばれ、1日の尿量が500~600ml以下の場合に該当します。更に、無尿は1日の尿量が50ml未満の状態を指します。

 

異常な尿量が示される場合、泌尿器の疾患や腎臓機能の異常が疑われます。正確な尿量の評価のためには、膀胱留置カテーテルなどを使用して尿の量を定量的に測定することが必要です。これにより、適切な医療介入や処置が可能となり、患者の健康状態を適切に管理するうえで重要です。

 

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バイタルの測定の流れ

 

無料写真 病院のベッドの患者-医療とヘルスケアのシニアコンセプトでシニア高齢女性患者を調べる医師

 

ここからは、バイタルを測定するまでの流れを簡単に解説していきます。

 

バイタル測定に必要なもの

 

まず、バイタルの測定には以下のものが必要です。

 

1.聴診器

 

2.秒針付き時計

 

3.電子体温計

 

4.電子血圧計

 

5.アルコール綿

 

バイタル測定する前の準備

 

バイタル測定の事前準備では、まず聴診器を適切に装着し、音が正しく伝わるか確認します。血圧計のマンシェットが正しく加圧されているか、目盛りが反応するかも確認します。患者の肌に触れる部分はアルコール綿で消毒し、衛生的な状態を保ちます。これらの準備が整ったら、正確なバイタルサインの測定に移ることができます。

 

患者さんへの説明

 

バイタルサインの測定を行う際には、患者さんに対して適切な説明と同意を得ることが重要です。まず、測定の目的やその重要性について丁寧に説明します。患者さんが理解しやすいように言葉を選び、質問や疑念があれば丁寧に答えます。測定に対して拒否的な患者さんには無理強いせず、配慮が必要です。

 

もし患者さんが拒否の意思を示す場合は、無理に測定を行わず、時間をおいて再度アプローチするか、別の対応者が担当することを検討します。また、医師に相談して、測定回数や時間帯の変更を検討するなど、患者さんの状況や意向に適した対策を講じます。

 

測定開始

 

バイタルサインの測定を開始する際には、特定の順序が厳格に決まっているわけではありません。ただし、患者さんへの刺激や影響を最小限に抑えるため、マンシェットの装着や体温計の挟むなどの侵襲が少ないものから始めることが重要です。

 

患者さんによっては、測定結果に過敏な反応を示す場合もあるため、そのようなケースでは医療者同士で情報を共有し、適切な配慮を行います。時には、患者さんが測定結果を聞いてきた際に、適切に情報を伝えることも求められます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>バイタル測定を行うときに困った患者はいますか?

 

小児相手のバイタル測定方法

 

無料写真 母と娘の聴診器で医者を演奏

 

小児のバイタルサイン測定は、成人と比較して生理機能が未熟であり、外部刺激に敏感でバイタルサインが変動しやすい特徴があります。加えて、年齢が低いため症状や苦痛を的確に表現できないことが挙げられます。このため、客観的なバイタルサインが異常の早期発見や治療判断の重要な要素となり、看護ケアにおいて不可欠です。

 

小児のバイタルサイン測定では、体動や泣き声が測定値に影響する可能性があるため、ストレスを最小限に抑えることが重要です。適切な測定方法と道具の選択、遊びを取り入れる工夫が求められます。

 

また、発達段階や状況に応じて臨機応変にアプローチすることが必要です。家族の協力を得ることも重要で、保護者と連携しながら情報収集や子どもの状態変化の把握を行います。

 

バイタルサイン測定の順番

 

バイタルサイン測定の順番は、患者の年齢や状態によって異なる要素があります。一般的な大人の場合では、「体温」→「脈拍」→「呼吸」→「血圧」という順序が一般的です。

 

しかし、小児の場合はその生理機能の未熟さや感受性が影響を与えるため、「呼吸」→「脈拍」→「体温」→「血圧」の順で測定するのが基本です。ただし、患児の発達段階や理解力、機嫌、病状などに応じて順番を工夫することが重要です。柔軟な対応が必要です。

 

小児相手にバイタル測定するときのポイント

 

小児相手にバイタルサインの測定を行う際は、子供たちの心地よく安心できる雰囲気を作り出すことが大切です。ここでは、小児相手のバイタル測定での大事なポイントをご紹介していきます。

 

優しく説明してあげる

 

まず第一に、優しさと理解をもって接することが大切です。子供たちが緊張せず、安心感を持てるように、笑顔で声をかけ、やさしく説明します。「全然怖くないから安心してね」「ちょっと体のこと見てみようか」など、優しい声掛けで恐怖心を取り除くことが可能です。

 

また、おもちゃや珍しい機械などを触れさせてあげることで、そちらの集中させて穏やかな状態でバイタル測定を行うことが可能になります。

 

終わったら褒める

 

測定が終わったら、子供たちを褒めてあげましょう。「すごく良くできました!お利口さんだね。」と褒めることで、子供たちが測定を良い経験として覚えることができます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>小児のバイタルで気を付けていることはありますか?

 

<看護師・ナースのリアルな声>子供たちがすんなりバイタル測定を行ってくれるコツを教えてください

 

まとめ

 

この記事では、看護師の業務でも基本となるバイタルについて詳しく解説してきました。

 

バイタルサインは、患者の健康状態を理解する上で重要な情報源です。正常値との比較を通じて、患者の状態を把握し、変化を敏感に察知することができます。定期的な測定を行うことで、異常を早期に発見できるため、日々の健康管理だけでなく、異常の早期発見にもつなげることができます。

 

医療従事者としては、各測定のポイントや手順を熟知し、いつでもスムーズに実行できるよう努めることが大切です。このような取り組みが、患者の安全と適切な治療につながることを覚えておきましょう。

【2024年最新】看護師×高齢者向け住宅|サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)での仕事内容・給与・メリットを徹底解説

高齢化が進む中、今注目の施設にサービス付き高齢者向け住宅があります。介護施設への就職・転職を検討している看護師の選択肢の一つにもなっており、実際に転職を果たし活躍している看護師も多くいます。

 

そこで本記事は、今後需要が高くなると予想されているサービス付き高齢者向け住宅の仕事内容について解説していきます。働くメリットや収入についても細かく解説しますので、転職を考えている看護師、または復職を目指す看護師は参考にしてください。

 

近年注目されているサービス付き高齢者向け住宅とは?

 

無料写真 車椅子に座っている年配の男性が車椅子で一人で家にいるホームエルダーのアジア人男性のショットは、リビングルームから窓の外の景色を見てください

 

サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」とは、高齢者の安心・安全な居住を支援するために設計された施設です。地域包括ケアシステムの一環として2011年に導入され、その後日本全国で普及しています。介護・医療の連携を基盤に、バリアフリー構造の住宅であり、高齢者が快適に生活できるよう様々なサービスを提供しています。

 

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

 

それでは、サービス付き高齢者向け住宅にどんな特徴があるのかご紹介していきます。

 

1.機能的な住空間

 

専用部分の床面積が25㎡以上で、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室が備えられています。バリアフリー構造により、高齢者が快適に生活できる環境が提供されています。

 

2.サービスの付帯

 

入居者には、少なくとも安否確認や生活相談などのサービスが提供されます。日中は医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士などの専門家が常駐し、見守りサービスが行われます。

 

3.利用契約形態

 

一般的な高齢者向け施設と異なり、賃貸借契約となります。住まいとケアが別になるため、個別で介護サービスなどを必要に応じて契約することができます。これにより、自分のニーズに合わせて自由度の高い生活を選択できます。

 

4.登録件数の増加

 

ービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が増加する日本において需要が高まっており、登録件数は増加傾向にあります。令和5年5月末時点で28万2547件の登録があり、今後も増加が見込まれています。

 

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の安心・安全な生活を支える施設であり、機能的な住空間と必要なサービスの提供が特徴です。将来的にも需要が増加することから、その重要性はますます高まっています。

 

サービス付き高齢者向け住宅の登録状況や最新の統計情報については、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。

参考元:厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況」

 

サービス付き高齢者向け住宅の種類

 

サービス付き高齢者向け住宅には、「一般型」と「介護型」の2種類のタイプがあります。それぞれ内容が異なるので解説していきます。

 

一般型

 

一般型のサービス付き高齢者向け住宅は、全体の93%を占めるタイプです。このタイプの施設では、入居者が自分のペースで自立した生活を送ることができ、外出も自由です。さまざまなイベントが定期的に開催され、他の入居者との交流が促進されるため、活発で充実した生活が期待できます。

 

・自立した生活:入居者は自分のペースで生活できるため、自立した生活を送ることが可能です。

 

・交流とイベント:施設内では様々なイベントが開催され、入居者同士が交流できる環境が整っています。

 

・外出の自由:入居者は自由に外出することができ、地域の外での活動も可能です。

 

ただし、一般型のサービス付き高齢者向け住宅に入居するには、自立した生活が送れることが前提となります。介護や看護が必要になった場合は、外部のサービスを利用するか、他の適した施設への移動が必要です。また、食事の提供がない施設も存在するため、事前に確認が重要です。

 

一般型のサービス付き高齢者向け住宅は、自立した生活を重視し、交流と外出の機会を提供することで、入居者の生活の質を向上させる施設となっています。

 

介護型

 

介護型のサービス付き高齢者向け住宅は、全体のわずか7%程度を占めるタイプです。入居するためには「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける必要があり、一般型とは異なり、要介護・要支援の認定を受けている高齢者が利用できる施設です。

 

・要介護・要支援の高齢者向け:介護型のサービス付き高齢者向け住宅は、一般型と異なり、要介護・要支援の認定を受けている高齢者が利用できる施設です。食事、入浴、排泄などの介助が提供され、有料老人ホームと同等の介護・看護サービスが受けられます。

 

・自由度の低さ:一般型と比較して、外出や面会に制限がある傾向があります。利用者のストレス要因となることも考慮されるため、自由度は低くなります。

 

一般型とは異なり、介護型は要介護・要支援の高齢者向けのサービス付き高齢者向け住宅であり、自由度が低い反面、高度な介護・看護サービスを受けることができます。入居を考える際には、自身のニーズやライフスタイルに合わせて適切なタイプの施設を選ぶことが重要です。

 

介護型のサービス付き高齢者向け住宅は、介護付き有料老人ホームと同等の介護サービスを受けられる住まいとなります。

 

サービス付き高齢者向け住宅の配置基準

 

サービス付き高齢者向け住宅では、適切なケアとサービスを提供するために、一定の配置基準が定められています。配置基準は、一般型と介護型で異なる特徴があります。

 

一般型の配置基準

 

一般型のサービス付き高齢者向け住宅では、日中に少なくとも1名以上の「ケアの専門家」が常駐することが求められています。

 

ケアの専門家には、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者などが含まれます。ただし、特に看護師が常駐する義務はありません。

 

介護型の配置基準

 

一方、介護型のサービス付き高齢者向け住宅では、要介護・要支援の認定を受けた高齢者のケアを重視しており、介護福祉士や看護師などのスタッフが常駐しています。日中に少なくとも1名以上のスタッフが配置されます。

 

配置されるスタッフには、医療法人、社会福祉法人、指定居宅サービス事業者に従事する者、医師、看護師、准看護師、介護支援専門員、介護職員初任者研修修了者などが含まれます。

 

配置スタッフの割合

 

老人保健健康推進事業の実態調査によると、中心となるスタッフの保有資格の上位は以下の通りです。

 

介護職員初任者研修(29.9%)

 

介護福祉士(21.5%)

 

看護師(13.2%)

 

ケアマネージャー(12.2%)

 

社会福祉士(4.7%)

 

保健師(0.2%)

 

こうした配置基準とスタッフの資格により、サービス付き高齢者向け住宅では適切なケアとサービスが提供され、高齢者の安心した生活が支えられています。

 

他の介護施設との違い

 

無料写真 シニアデイケアで高齢患者の世話をしているアジアの若い介護者病院で車椅子のハンディキャップ患者がフレンドリーな看護師と話し、元気な看護師がシニア患者を動かしている

 

このような介護施設は、サービス付き高齢者向け住宅以外にも有料老人ホームや介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどさまざまありますが、そのような施設とどのような違いがあるのか解説していきます。

 

対象者の違い

 

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の安心した生活をサポートするための施設です。入居対象は、60歳以上または介護認定を受けている60歳未満の方で、自立から軽度の介護が必要な方々が中心です。介護型の場合は要介護度5の方も受け入れ可能です。

 

入居者全体の平均要介護度は1.76であり、これは現在の状況です。将来的には高齢者の数が急増することが予想されるため、入居者全体の要介護度が引き上がる可能性も考えられます。このような背景から、今後も様々なニーズに対応するため、サービスの充実や多様化が進んでいます。

 

また、認知症の方の受け入れに対応しており、認知症のある方々に対しても、安心して生活できる環境や適切な支援が提供されます。認知症に関する理解とサービスの充実も特徴の一つといえるでしょう。

 

契約形態の違い

 

はじめに解説したように、サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸借契約」が一般的です。入居者は部屋を借りる権利を得ます。必要なサービスはオプションとして外部に依頼し、別途費用を支払う必要があります。

 

一方、高齢者向け施設では、「利用権方式」の契約形態が一般的です。入居者は施設が提供するサービスを受ける権利を得ると同時に、利用料を支払います。この契約形態により、住まいとケアが一体となり、サービスの提供が可能となります。

 

サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸借契約」であるため、別途介護サービスなどが必要になった場合は、個別で契約する必要があります。これに対し、一般的な高齢者向け施設は「利用権方式」を採用しており、サービス提供が契約に含まれています。

 

住まいとケアが一体となるため、利用者は必要なサービスを選択しながら自由度の高い生活を送ることができます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>他の医療機関とここが違うということを教えてください

 

サービス付き高齢者向け住宅での看護師の仕事内容

 

無料写真 医者が患者に錠剤を与える

 

サービス付き高齢者向け住宅での看護師の役割と仕事内容は、高齢者の健康管理や安全確保、生活の質の向上など多岐にわたります。以下に、主な仕事内容について詳しく説明します。

 

安否確認

 

看護師は、入居者の健康状態や安全確保のため、定期的に安否確認を行います。入居者が元気で過ごしているか、異常がないかをチェックし、必要に応じて医師や他の関係者に連絡を取ります。また、不安や症状の変化に対しても適切な対応を行います。

 

生活相談

 

入居者やその家族とコミュニケーションをとり、生活に関する相談や不安、健康上の問題についてサポートを提供します。生活環境の適応や介護サービスの利用、健康管理などに関するアドバイスを行い、安心して生活できるよう支援します。

 

緊急対応

 

看護師は、突発的な緊急事態に迅速に対応する役割があります。急病やケガ、体調不良などが発生した際には、適切な処置や医療対応を行い、緊急時の安全確保を図ります。

 

医療行為

 

看護師は、医師の指示のもとで、入居者の健康状態をモニタリングし、処方薬の管理や投薬、健康診断の実施など医療行為を担当します。入居者の健康管理に関する専門知識と技術を活かし、適切な医療を提供します。

 

身体介護・生活援助

 

日常生活において、入居者が快適に過ごせるよう身体介護や生活援助を行います。入浴介助、排泄介助、食事・飲水の補助、歩行支援など、入居者の日常生活をサポートし、健康的な生活を維持する役割を担います。

 

健康教育と予防活動

 

入居者に対して健康教育を行い、予防活動を推進します。栄養指導や運動プログラムの提供、予防接種の実施などを通じて、健康促進に努めます。

 

連携と報告

 

他の職種や関係機関との連携を図りつつ、入居者の健康状態やケア内容を適切に報告・記録します。チームで連携し、入居者一人ひとりに最適なケアプランを策定・実施します。

 

<看護師・ナースのリアルな声>サービス付き高齢者向け住宅の仕事で困ることはありますか?

 

サービス付き高齢者向け住宅ではたらく看護師の給料は?

 

どのような業務を行うのか分かりましたが、気になるのはやはりお給料ですよね。サービス付き高齢者向け住宅のお給料事情はどのようになっているのかご紹介していきます。

 

給料水準

 

サービス付き高齢者向け住宅で働く看護師の給料水準は、厚生労働省による調査結果や求人情報などから明らかになっています。しかし、サ高住ごとに異なる要因が給与に影響を与えるため、平均的な給与を把握するのは難しい面もあります。

 

厚生労働省の調査結果に基づく平均給与

 

施設を運営する事業所の規模や入居者の医療依存度、夜勤有無などにより、看護師の給料は変動します。厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、介護施設で働く看護師の平均月給は310,960円です。

 

また、月給32万円以上の高い給与設定の求人も多く見受けられます。実際の求人情報から見ると、高収入を示す求人が多く、民間企業が運営するため、サービスが充実し収益の大きい施設では高い給与が設定されている傾向があります。

 

サービス付き高齢者向け住宅での看護師の給料は、施設の規模やサービス内容、地域性などさまざまな要因によって異なります。看護師として働く際には、給与だけでなく、労働環境や福利厚生、キャリアパスなども総合的に考慮することが重要です。

 

夜勤について

 

サービス付き高齢者向け住宅における看護師の夜勤有無は、施設ごとに異なります。厳密な法的な決まりではないため、夜勤の有無は事業所の方針によって定められています。

 

夜勤の有無は事業所の判断に委ねられている

 

サービス付き高齢者向け住宅は、厳密に看護師を24時間常駐させる義務はありません。従って、看護師を夜間に配置するかどうかは、事業所が独自の判断で決定します。

 

施設の強みとしての夜間看護体制

 

一部では、夜間にも看護師を配置することで、入居者が安心して過ごせる環境を提供しています。夜間に看護師が常駐することは、施設の強みともなり得ます。

 

確認が必要な事項

 

夜勤の有無は施設によって異なるため、求人票や面接の際に夜勤について確認することが重要です。入職前に、自身の働き方やライフスタイルに適した夜勤の有無を確認することで、働く環境をより良く選ぶことが可能です。

 

サービス付き高齢者向け住宅で働く際には、夜勤の有無や体制について事前に確認することが大切です。自身の希望や適性に合った働き方を見つけるために、入念な情報収集が必要となります。

 

サービス付き高齢者向け住宅で働くメリット

 

無料写真 アジアの医師が訪問し、自宅で年配の男性を診察します。健康診断の病院サービスを終えた後、握手し、covid19を保護するためにマスクを着用します。

 

次に、サービス付き高齢者向け住宅ではタラ悪うえでのメリットについてご紹介します。

 

身体的な負担が少ない

 

一般的な病院や介護施設に比べて、身体的な負担が少ない傾向があります。看護業務や介護業務は、入居者の健康状態や要支援度合いにより異なりますが、比較的軽度の介護が求められるため、過度な負担を抱えることが少ないです。

 

入居者と長く付き合える

 

入居者と長期間にわたり関わる機会が多くあります。これにより、入居者の個性や生活リズムを理解しやすくなり、信頼関係を築きやすくなります。長期的な付き合いから、入居者のニーズに合わせた的確なサポートが可能となります。

 

必要なスキル水準が低い

 

サービス付き高齢者向け住宅での看護や介護は、一般病院などでの看護や介護と比較して、必要なスキル水準が比較的低い傾向があります。これにより、看護・介護の経験が浅い新人看護師や介護士にも、比較的入りやすい環境が提供されています。

 

<看護師・ナースのリアルな声>サービス付き高齢者向け住宅勤務でここがいいと思うことは?

 

サービス付き高齢者向け住宅で働くデメリット

 

多くのメリットがある分、もちろんデメリットもあります。

 

責任の重さを感じる

 

入居者の健康や生活に深く関与するため、責任の重さを感じることがあります。入居者の安全や健康に対する責任は重大であり、そのためには適切な判断や行動が求められます。この責任の重さは、精神的な負担となる場合があります。

 

医療スキルが伸びない

 

一部のサービス付き高齢者向け住宅では、医療行為を行うことがありますが、一般的な病院やクリニックと比べると医療スキルの伸びが限られることがあります。慢性的な疾患や急変時の対応など、医療の幅広い経験が得られないことがデメリットとされます。

 

他職種との連携が必要

 

看護師や介護職だけでなく、ソーシャルワーカーや管理栄養士、生活相談員など多職種が連携して入居者のケアを行います。このため、他職種との連携が重要となりますが、異なる職種の専門知識や意識の違いから調整が難しい場面もあります。

 

刺激が少ない環境

 

入居者の健康状態や活動範囲に制約があるため、外部との接触や多様な刺激が限られることがあります。刺激が少ない環境での勤務となるため、モチベーションの維持が難しい場合があります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>サービス付き高齢者向け住宅勤務でここがつらいと思うことは?

 

サービス付き高齢者向け住宅がおすすめの看護師の特徴

 

無料写真 アジアのヘルスケアの女性のポーズ

 

最後に、サービス付き高齢者向け住宅に向いている看護師の特徴をご紹介していきます。これから復職を目指す方にもおすすめの業種になりますので、ぜひ参考にしてください。

 

患者にしっかり向き合いたい人

 

サービス付き高齢者向け住宅では、入居者との信頼関係を築くことが非常に重要です。入居者とのコミュニケーションを通じて、彼らの健康状態や生活に対する希望・ニーズを把握し、最適なケアを提供することが求められます。入居者一人ひとりとしっかり向き合い、心のケアも含めてサポートする看護師が重要です。

 

ブランクがある人

 

ブランクがある看護師にもサービス付き高齢者向け住宅での勤務はおすすめです。一般病院やクリニックとは異なり、生活補助が多くの割合を占めるため、時間をかけて以前の感覚を取り戻すことができます。また新しい環境での仕事を通じて、看護の幅広い経験を積むことができ、今後のキャリアアップにもつながるでしょう。

 

少ない人数で仕事をしたい人

 

サービス付き高齢者向け住宅では、比較的少人数のチームで働くことが多いです。これにより、チーム全体で連携しやすく、入居者一人ひとりの状態やニーズを把握しやすくなります。少ない人数で密接なコミュニケーションを取りながら働くことが得意な看護師にとって、この環境は向いているでしょう。

 

柔軟性と適応力がある人

 

入居者の状態やニーズが日々変化するため、柔軟性と適応力が求められます。急な状況変化に対応し、的確な判断と行動ができる看護師が重要です。また、施設内のルールや制度も変わる可能性があるため、これに素早く適応できることも必要とされます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>今後、サービス付き高齢者向け住宅で働こうと思っている看護師にアドバイスをお願いします

 

まとめ

 

この記事では、今注目を集めているサービス付き高齢者向け住宅の業務について詳しく解説してきました。

 

サービス付き高齢者向け住宅は自立した高齢者向けの介護施設です。看護師として働く際は、身体的負担が少なく自由度が高いが、責任は重い面も。メリットとデメリットを比較し、適した働き方を選択することが重要です。

 

他の高齢者施設と異なり、住まいを提供しつつ一部の医療行為や健康管理を行う業務内容になるので、初めて介護に関わる看護師にも適しており、自身のスキルや働き方に合った施設を選ぶ際の参考になるでしょう。

 

この記事を参考に、自分自身のスキルレベルや働き方に合うサービス付き高齢者向け住宅を見つけてみてはいかがでしょうか。

【看護師必見!】インシデントを防ぐ具体的な対策と報告書の書き方|事例で解説

看護師として働く中で、インシデントは誰にでも起こりうるものです。しかし、その後の対応を誤ると、患者さんの安全を脅かすだけでなく、あなた自身の心にも深い傷を残してしまうかもしれません。

この記事では、インシデント発生時の具体的な対処法、再発防止のための対策、そしてメンタルケアまで、看護師が知っておくべき情報を網羅的に解説します。インシデントを乗り越え、さらに成長するためのヒントを見つけてください。

インシデントとは?

 

無料写真 看護師は、健康診断結果を通知して、病院の医療高齢者の概念で高齢者の高齢女性患者を奨励する

 

インシデントとは、ビジネス用語において「事件や事故などが起こる環境にある状況」を意味します。医療機関でのインシデントは、予期せず起こる突発的な出来事や問題を指し、患者の安全や健康に影響を与える事故やミス、失敗などをいいます。

 

これは新人看護師に限らず、ベテラン看護師にも起こりえるもので、看護師の仕事をしていくうえで、常に身近に存在するものです。

 

インシデントを起こした場合、看護師は迅速かつ冷静に対応し、適切な報告と記録を行い、その後の振り返りと学習を通じて再発防止に努めます。また、予防策や適切なコミュニケーション、教育を通じてインシデントを未然に防ぐ努力が重要です。

 

【事例あり】看護師に多いインシデント

 

看護師によるインシデントは、医療現場で日常的に発生する重要な問題の一つです。これらのインシデントは患者の安全や健康に影響を与える可能性があり、看護師が慎重に業務を遂行することが重要です。

 

看護師に多く見られるインシデントの主な事例とその対策について詳しく説明します。

 

インシデント①点滴・処方・与薬

 

点滴や薬の処方、投与時には患者の状態や適切な量を確認することが重要です。間違った薬剤や過剰な投与、誤った点滴速度、適切な情報伝達の不備などが発生する可能性があります。

 

対策

 

・電子カルテを使用したバーコード認証や看護師のダブルチェックする

 

・処方箋や医師の指示を正確に理解し、正しい薬剤・量・方法で投与する

 

・患者の正確なアレルギーや既往症の確認を行う

 

インシデント②患者の世話

 

患者の歩行介助、排泄介助時、食事などの世話をする際に、看護師が適切な注意を払わないことでインシデントが発生する可能性があります。

 

対策

 

・患者のリスクアセスメントを行い、適切なケアプランを立てる

 

・患者の移動や転倒予防のために適切な支援や装置を利用する

 

・排泄介助時や食事保護に関する適切な手順や規定に基づいて行動する

 

インシデント③ドレーン・チューブ

 

点滴のチューブやドレーン・チューブ抜けや外れ、点滴ラインの閉塞、漏れなどが多く報告されている事例です。特に、チューブを足に引っ掛けることによる「自己抜去」が最も多いとされています。

 

対策

 

・ドレーン・チューブが引っかかるリスクの高い箇所を把握し、患者の安全を確保するために注意深く行動する

 

・定期的なチェックと適切な位置調整を行い、引っかかりや異常がないか確認する

 

・点滴ラインが適切に流れるか定期的に確認する

 

・点滴ラインや接続部分がしっかりと固定されていることを確認し、患者の動きによる外れを防止する

 

インシデント④医療機器

 

医療機器の取り扱いや管理において、接続ミス、点検不足、トラブル対応の不備などがインシデントの原因となることがあります。

 

対策

 

・医療機器にアラーム設定をしてインシデントが起こったときに知らせてくれるようにする

 

・医療機器の適切な取り扱い方法やメンテナンス手順を熟知し、定期的な点検を実施する

 

・電子カルテを使用したバーコード認証や看護師のダブルチェックする

 

インシデント⑤検査

 

採血時の患者間違いや検体採取時の誤りなどにより、しっかりとした検査が行えず再検査を行わなければいけなくなったというインシデントも多いです。

 

対策

 

・正確な患者の身分確認を行い、採血や検体採取を遂行する

 

・検体の適切な取得方法とラベル付け手順を遵守する

 

これらのインシデントは、看護師の注意と適切な手順の遵守、連携、教育が重要な役割を果たします。また、組織全体でのチームワーク、適切なトレーニング、意識の向上なども、インシデントの予防に重要な要素となります。

 

看護師は常に患者の安全を最優先に考え、責任を持って仕事に取り組むことが不可欠です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたのインシデント体験談を教えてください

 

インシデントを起こしたときの対応

 

無料写真 仮想画面で働く医療ユニフォームの医療従事者

 

インシデントを起こした場合は、正しい対応が求められます。ここからは、看護師がインシデントを起こしたときの対応について解説していきます。

 

報告・処置を行う

 

インシデントが発生したことを、すぐにチームや関係者に報告します。チーム全体で状況を共有し、まず速やかに患者の安全を確保することが最優先です。状況に応じて適切な措置を講じ、患者に影響が及ばないように努めます。

 

インシデントレポートの作成

 

インシデントの詳細や状況を客観的かつ正確に記録します。事実に基づいた記録が後の調査や対応のために重要です。

 

そのため、インシデントレポートを作成し、関係者に提出します。この報告書には、インシデントの背景、発生時の状況、対応した内容、患者への影響、再発防止策などが含まれます。

 

インシデントの原因を明らかにするため、チームや関係者と共に調査を行います。根本的な原因を特定し、再発防止に向けた対策を立案していき、インシデント防止を図るようにしていきます。

 

インシデントが起こった場合、冷静かつ迅速に対処することが重要です。患者の安全と状況の改善を最優先に考え、チームと連携して的確な対応を行うことが、良い結果へとつながります。

 

インシデントを減らす方法

 

インシデントの発生を減らすためには、看護師としての注意と意識が欠かせません。日常の業務の中で特に重要なポイントについて詳しく説明していきます。

 

ルーティンワークに注意する

 

ルーティンワーク中にも十分な注意を払うことが不可欠です。繰り返し行う業務であっても、一貫して慎重さを保つことが重要です。単調な作業であっても、患者の安全がかかっていることを常に認識し、ミスを防ぐために気を配りましょう。

 

業務再開時が危険

 

休憩や業務再開時には、気を引き締めて業務に戻ることが大切です。リラックスしている最中や業務再開時には、注意力が低下し、ミスが発生しやすくなります。特に、長時間の連続勤務後や交代勤務の際には、注意を怠らないようにしましょう。

 

医師の指示変更を確認する

 

医師の指示は患者の状態や治療方針に応じて変わることがあります。したがって、指示が変更された際には、確実にその変更を把握し、正確に実施することが重要です。指示の変更を見逃さないよう、連携を強化し、適切なコミュニケーションを図りましょう。

 

連携強化とチームワーク

 

看護師同士や他の医療関係者との連携とチームワークが、インシデント防止に重要です。意見交換や情報共有を積極的に行い、チーム全体で患者の安全を守るために努力しましょう。

 

教育とトレーニング

 

看護師の継続的な教育とトレーニングは、技術や知識の向上につながります。新しい手順や最新のガイドラインについて常に学び、実践することで、適切なスキルと自信を持ち、インシデントの減少につながります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたがインシデントを起こさないために気を付けたことは?

 

看護師がインシデントを起こした時の立ち直り方

 

無料写真 頭痛、ストレス、頭に触れることで過労の肖像画疲れた医療専門家

 

看護師がインシデントを起こしてしまった場合、それに対する適切な立ち直りと学びは看護職の成長と改善につながります。ここからは、インシデント発生時の立ち直り方について詳しく説明します。

 

何を間違ったかきちんと理解する

 

インシデントが起こった際、まず冷静になり、何が誤っていたのか、なぜそれが問題となったのかを理解することが重要です。客観的に事実を振り返り、自身の行動や判断、状況を分析します。これによって、今後の改善点や学びを明確にすることが可能となります。

 

気持ちを切り替える

 

自分自身に対する反省や後悔は避けられないものですが、それにとらわれすぎないことも重要です。インシデントが起きたことは事実であり、過去の出来事を変えることはできません。ここで重要なのは、これを貴重な経験として捉え、前向きに気持ちを切り替え、今後の成長に活かすことです。

 

繰り返さないための対策を考える

 

インシデントを経験したら、同様の事態が再び発生しないようにするための対策を考えることが重要です。これには、自身のスキルアップ、チームとのコミュニケーション改善、作業手順の再確認、リーダーシップの強化などが含まれます。具体的な改善策を考案し、実施することで、同様のインシデントを未然に防ぐ努力を行います。

 

サポートを受ける

 

インシデントが起きた際は、他の看護師や上司、同僚、カウンセラーなどの支援を受けることが重要です。自分ひとりで抱え込まず、感情や経験を共有することで、心の整理ができ、立ち直りや対策の思考がしやすくなります。

 

インシデントは、看護師にとって避けて通れない局面の一つですが、それが経験と学びに変わることで、将来のケアに対する洞察と質の向上が図れます。前向きに捉え、自己成長の機会として取り組むことが大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>インシデントを起こしたときの気持ちを教えてください

 

インシデントレポートの必要性

 

インシデントレポートは、医療機関やケア施設において、ミスを起こさないための重要な情報です。インシデントが発生した際に、適切な対処法や再発防止のために不可欠なものとなります。

 

インシデントレポートの目的

 

インシデントレポートは、事故やエラー、危険な状況など、医療提供におけるさまざまな問題を把握し、記録するための手段です。これにより、過去のインシデントの傾向や特徴を把握し、今後の対策を練る基盤を作ることが可能となります。

 

インシデントレポートは、医療従事者や関係者間で情報共有と教育を促進します。報告されたインシデントの内容や対策は、他のスタッフにとっても重要な教訓となり、類似の問題を未然に防ぐ助けとなります。

 

要因を知り対策を練るため

 

インシデントレポートは、問題発生の背景や要因を明らかにします。これにより、単なる表面的な問題解決ではなく、根本原因に対するアプローチを可能にします。例えば、人的要因、システムの問題、コミュニケーションの課題など、幅広い要因が考えられます。

 

このレポートにより、なぜなぜ分析や問題の特定を行うことで、対策を効果的に立案し、実施することが可能となります。また、対策の効果を評価し、継続的な改善を進める土台となります。

 

インシデントレポートはリスクマネジメントの一環として活用され、リスクの特定と評価を通じて、患者安全の向上とリスクの最小化に向けた対策を講じるための重要なツールとなります。

 

なぜなぜ分析をおこなうため

 

なぜなぜ分析とは、題の要因を探究して、根本的な解決策を見つけるための分析方法で、「なぜこの事象が起きたのか」という問いかけを繰り返すことで、本当の原因を探る手段のことをいいます。

 

インシデントレポートは、このなぜなぜ分析を通じて、因果関係を理解するための基盤を提供します。問題がなぜ発生したのか、その背景にある要因やプロセスの関連性を明らかにすることで、適切な対策を練ることができます。

 

また、インシデントの再発防止に向けた持続的な改善が可能となり、問題の本質を理解し、対策を講じることで、類似の問題を未然に防ぐことができ、組織全体の学習機会を創出してくれます。

 

インシデントレポートはインシデントの発生状況や要因を明らかにする重要なツールであり、なぜなぜ分析を通じて問題の根本原因を特定し、対策を練るための基盤となります。これにより、医療の質の向上と患者安全の確保に向けた効果をもたらすことができます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>インシデントレポートを作成したことはありますか?それは難しいですか?

 

インシデントレポートの作成方法

 

無料写真 医師と助手が医療フォームをチェック

 

インシデントを起こしたときに、必ず作成しなければいけないインシデントレポートですが、今後の対策を練る基盤になるものなので、正確に作成する必要があります。

 

そこで、インシデントレポートの作成方法について詳しく説明します。

 

インシデントレポートの書式

 

インシデントレポートは、医療機関によって多少異なるので、指定されている書式で作成しなければいけません。始めは戸惑うところもあるかもしれませんが、必要な内容はほとんど変わりません。

 

①タイトル

 

インシデントレポートの性質や内容を簡潔に表すタイトルを設定します。

 

②日時・場所

 

インシデントが発生した日時と場所を明記します。

 

③作成期日

 

レポートの作成日を記載します。

 

④作成者

 

レポートを作成した者の氏名や役職を明示します。

 

⑤インシデントレベル

 

インシデントの深刻度に応じてレベルを示します(レベル0~レベル2)。

 

⑥背景・状況

 

インシデントの背景や発生した状況を詳細に記述します。

 

⑦関係者

 

インシデントに関与した関係者や関係部署を明示します。

 

⑧インシデントの詳細

 

インシデントの内容、経過、関連する行動・判断、および影響について記述します。

 

⑨原因分析

 

インシデントの根本的な原因を特定します。

 

⑩対応・改善策

 

インシデントを防止するための対策や改善案を提案します。

 

⑪検討事項

 

インシデントから得られた教訓や今後の予防対策について検討すべき事項を列挙します。

 

作成期日

 

インシデントが発生した直後に速やかにレポートを作成することが重要です。時間経過により記憶が薄れたり、証拠が失われたりする可能性があるため、できる限り早く作成し提出することが求められます。

 

作成者

 

インシデントレポートを誰が書くかは決まっていません。インシデントを起こした本人、関係者など、いろいろ考えられますが、まずは再発を防止することを考えて作成することが必要です。

 

提出先

 

こちらも、医療機関によって異なるので、どこに提出するか確認するようにしてください。

 

5w1hでなく6w1hで作成

 

インシデントレポートの作成は、通常の5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)に加えて、「whom(誰に)」を加えた6W1H分析を行います。これにより、インシデントの原因や影響を多角的に把握し、要因が分析しやすいレポートになります。

 

レベル0~レベル2に該当するミスを記載する

 

インシデントにはレベル0からレベル2まであり、それ以降はアクシデントに分類され、レベル3からレベル5となります。それに応じた対応や改善策を明記します。このレベル分類は、インシデントの深刻度を客観的に把握するために役立ちます。

 

レベル0:間違ったことが発生したが、患者には実施されなかった

 

レベル1:間違ったことを実施したが、患者に変化は生じなかった。またはその場の対処ですみ、今後に影響を及ぼさないと考えられる

 

レベル2:生命に異常はないが今後経過観察を要し、検査の必要性が出た。緊急の治療は必要なかった

 

インシデントレポートの作成手順

 

これらを踏まえ、インシデントレポートの作成手順をご紹介していきます。

 

事実収集

 

インシデントが発生した状況や背景を事実に基づいて収集します。関係者への聞き取りや資料の収集などを行います。

 

事実確認と整理

 

収集した事実を整理し、冷静に分析することで、問題の要因や経緯を明確にします。

 

分析

 

6W1H分析を用いて、なぜ問題が発生したのか、その根本原因を特定します。これにより、再発防止策を練る基盤とします。

 

対応策の提案

 

インシデントの原因や影響を踏まえ、適切な対応策や改善案を提案します。可能な限り具体的かつ実現可能なものに焦点を当てます。

 

レポートの作成と提出

 

上記の項目をもとに、適切な書式でインシデントレポートを作成します。必要に応じて上司や関係者にレポートを提出し、承認を得ます。

 

反省と学び

 

インシデントレポートの作成プロセスや結果について反省し、将来のインシデント防止のために学びを得ます。

 

インシデントレポートは、医療従事者や組織にとって貴重な情報源であり、インシデントを防止するための具体的な対策や改善案を導く基盤です。正確かつ詳細な情報をもとに作成することで、医療の安全性と品質を向上させる重要なツールとなります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>インシデントを起こして落ち込んでいる方にエールをお願いします!

 

インシデントレポートは国家試験にも出題される!

 

インシデントレポートは、看護師国家試験などの医療関連資格試験でも出題される重要なテーマです。

 

過去の試験では、「インシデントレポートの目的」「インシデントレポートについて正しいものを選ぶ」などが出題されていますが、今回ご紹介した内容を把握しておけば、しっかり回答できるものが多くなっています。

 

もし試験に出ぢされてもいいように、インシデントレポートについて、しっかり把握しておくことが必要になります。

 

まとめ

 

この記事では、看護師のインシデントについて詳しく解説してきました。

 

インシデントは、看護師が避けては通れないものです。もしインシデントを起こしてしまった時は、今後同じようなミスを起こさないためにも、医療チーム全員で共有し、再発防止に取り組むようにしましょう。

 

また、いつまでも引きずらず気持ちを整理し、自分の成長の糧とすることが重要です。どんな業界でもそうですが、ミスをしない人はいません。そのミスを、今後の自分に活かしていくようにしましょう。

 

インシデントを通して大きく成長し、より良い看護を目指し頑張っていきましょう。

【看護師のための電子カルテ完全ガイド】使い方から注意点、記録のコツまで徹底解説

電子カルテ、使いこなせていますか? 便利な機能がたくさんあるのに、操作が難しくてイライラ… そんな経験はありませんか?

この記事では、看護師が電子カルテをスムーズに使いこなすためのポイントを徹底解説! 基本操作から注意点、記録のコツまで、分かりやすくまとめました。電子カルテ導入で業務効率をアップさせ、患者さんへのケアの質を高めたい看護師さんは必見です!

電子カルテとは?

 

無料写真 タブレットとナース

 

電子カルテは、電子的な形式で患者の医療記録を管理・保存するシステムです。従来の紙ベースの患者の医療記録やカルテに代わり、情報技術を活用して患者の診療情報を電子的に記録、閲覧する仕組みとなっています。

 

このシステムは、医療機関や医師、看護師、薬剤師などの医療関係者が共有し、効率的に患者のケアのケアや把握をすることが可能になります。

 

電子カルテを使用するメリット

 

それでは、電子カルテを使用するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

 

医療スタッフの業務効率化

 

まず第一に、情報の効率的な共有とアクセスが可能となります。電子カルテはオンラインでアクセス可能であり、医師や看護師は患者の過去の診療履歴、検査結果、処方箋などの情報を簡単に閲覧できます。これにより、診療のスピードが向上し、患者への迅速かつ適切な対応が可能となります。

 

正確性と完全性の向上

 

電子カルテは情報の正確性と完全性を向上させます。手書きのカルテでは文字の読み違いや漏れなどが発生する可能性がありますが、電子カルテでは文字の認識が高く、情報が漏れることなく記録されます。また、必要な情報を漏れなく記録するため、患者の診療履歴がより正確かつ包括的になります。

 

セキュリティ強化

 

電子カルテは情報のセキュリティを強化します。適切なアクセス制限を設定することで、患者のプライバシーや機密性を保護することができます。また、データのバックアップや復旧が容易であり、災害時にも患者の情報を失わずに済みます。

 

医療の品質向上

 

電子カルテの導入により、総合的な医療の品質が向上します。医療関係者は患者の状態や治療履歴を総合的に把握できるため、より適切な診断や治療を行うことが可能となります。連携が取りやすくなるため、診療チーム全体で協力して患者のケアを進めることができます。

 

このほか「ペーパーレスによる節約」や「検査結果を簡単に取り込める」といったメリットがあるため、医療機関では今後なくてはならないものになっていくでしょう。

 

電子カルテは医療の効率化や患者の安全性向上、情報共有の容易化など、多くのメリットをもたらす革新的な医療システムと言えます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテが便利だと感じたことは?

 

電子カルテの便利な機能

 

無料写真 灰色の背景に分離されたタブレットを使用して美しいアジアの女性医師の医療従事者の肖像画

 

OA機器が苦手だと感じる方も多いでしょうが、近年のタブレットやパソコンには、便利機能がついているため、初心者の方でも簡単に操作できるようになっているんです。

 

そこで、電子カルテに搭載されている便利機能をいくつかご紹介していきます。

 

直感的に操作できる

 

電子カルテは、直感的で使いやすいインターフェースを提供します。画面表示がわかりやすく、使い慣れたタッチパネルやマウス、キーボードを使って、容易にアクセスや情報入力ができるため、医療従事者がスムーズに作業を進めることができます。

 

タッチパネルで入力できる

 

電子カルテはタッチパネルを活用した入力が可能です。タッチパネルを使うことで、素早く簡単に情報を入力することができ、手書き入力よりも効率的で正確なデータの入力が実現されます。

 

よく入力する内容をテンプレート化できる

 

よく使われる診療情報や文面をテンプレート化することができます。これにより、特定の症状や処方、検査結果などの情報を事前に定義したテンプレートから選択することができ、情報入力の効率が向上します。

 

検索機能ですぐにデータを取り出せる

 

電子カルテは強力な検索機能を備えており、迅速かつ正確にデータを取り出すことができます。患者の名前、症状、処方箋の種類、過去の診療履歴など、さまざまな要素に基づいて検索が可能です。

 

情報の自動化

 

電子カルテは患者の情報を自動的に統合し、必要な情報を一元化します。これにより、病歴や処方箋、検査結果などの情報が一目で確認できるため、診療の効率化と患者のケアの向上が実現されます。

 

カスタマイズ可能な表示オプション

 

電子カルテは、医療従事者が表示をカスタマイズできるオプションを提供します。医師や看護師は、自分が重視する情報を優先的に表示することができ、それに応じて作業効率が向上します。

 

アクセス制御とセキュリティ

 

電子カルテは、アクセス制御やセキュリティ機能を備えています。患者のプライバシーや情報セキュリティを保護するため、必要な情報へのアクセスを制限することが可能です。

 

リアルタイムデータ更新

 

電子カルテはリアルタイムでデータが更新されるため、最新の情報を常に利用できます。これにより、診療計画の立案や治療の調整に役立ちます。

 

データのバックアップと復元

 

電子カルテは、データのバックアップを定期的に行うため、情報の紛失や破損時にも安心です。必要な場合には、バックアップからデータを復元することが可能です。

 

これらの便利な機能により、電子カルテは医療現場において情報の効率的な利用や安全性の確保、患者ケアの向上など多くのメリットをもたらします。

 

<看護師・ナースのリアルな声>紙カルテと電子カルテで、どの辺に違いを感じますか?

 

電子カルテを使いこなすためには

 

このように、便利な機能がたくさん搭載されている電子カルテですが、より効率よく使用を目指すためのポイントがあります。

 

ここでは、電子カルテを使いこなすためのコツについて解説していきますので、実践してみてはいかがでしょうか。

 

研修や説明会を開催する

 

電子カルテの導入段階で研修や説明会を定期的に開催することは重要です。電子カルテに精通しているスタッフや担当者を呼び、医療従事者に対してシステムの基本操作から応用技術まで幅広く指導します。

 

電子カルテを使用するという看護師も多くいます。実際の操作に慣れることで、電子カルテの利用に対する抵抗感を減らし、効率的な操作を身につけることができます。

 

操作マニュアルを設置する

 

電子カルテの操作マニュアルやガイドラインを提供することが重要です。これにより、看護師はシステムの基本的な操作方法や機能を独自に学ぶことができます。マニュアルは適切な場所に設置され、必要なときに手軽に参照できるように配慮されるべきです。

 

定期的にカルテの見直しをする

 

電子カルテは定期的な見直しを行うことで、情報の正確性と適時性を保つことができます。医療従事者はカルテの内容を定期的に確認し、必要に応じて更新や修正を行います。これにより、患者の最新の情報を確実に反映させ、適切な診療計画をたてることが可能となります。

 

電子カルテメーカーのサポートを受ける

 

電子カルテを提供するメーカーからのサポートを受けることは、効果的にシステムを活用する上で重要です。

 

メーカーはシステムの導入段階から運用、トラブルシューティング、最新のアップデート情報提供など幅広いサポートを提供しています。定期的な研修やユーザーグループの開催、専門スタッフへの連絡窓口を提供することで、医療機関は安心してシステムを活用できます。

 

フィードバックの活用

 

電子カルテの利用者である医療従事者からのフィードバックを定期的に収集し、システムの改善に活用することも重要です。意見や要望を反映させることで、システムの使いやすさや適用範囲が向上し、満足度が高まります。

 

連携やコミュニケーションの強化

 

電子カルテを利用する医療チーム内での連携とコミュニケーションを強化することも重要です。各メンバーがシステムを効果的に活用するための協力や意見交換が円滑に行われることで、効率的な診療が実現されます。

 

これらの取り組みにより、電子カルテを適切に使いこなす能力が向上し、効率的で質の高い医療サービスの提供が可能となります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテの操作で難しいと感じることは?

 

電子カルテ使用時の注意点

 

無料写真 デジタルタブレットと医療報告書を机の上を使用して女性医師のクローズアップ

 

非常に便利な電子カルテですが、使用時に注意しなければいけない点もいくつかあります。以下の点が注意点となりますので、それぞれ詳しくご紹介していきます。

 

セキュリティ対策が必要

 

電子カルテは患者のプライバシーや機密情報を取り扱うものであるため、適切なセキュリティ対策が必要です。一人一人がセキュリティへの意識を高く持ち、アクセス制御やログの監視、暗号化などのセキュリティ対策を実施し、患者情報の漏洩や不正アクセスを防止することが重要です。

 

コストがかかる

 

電子カルテの導入・運用には一定のコストがかかります。システムの導入費用や維持費、トレーニングやサポートの費用などが含まれます。これらのコストを事前に評価し、予算を適切に確保することが必要です。

 

PCスキルが必要

 

電子カルテはコンピューターシステムをベースにしているため、基本的なPCスキルが求められます。マウスやキーボードの使い方、基本的なソフトウェア操作などを習得しておくことで、効率的な電子カルテの利用が可能になります。

 

診察後すぐに記録する

 

電子カルテはリアルタイムで情報を更新することができます。診察後すぐに正確かつ詳細な記録をすることが重要です。適切な情報の記載は、患者の治療や診断に直結するため、遅延せず迅速に記録することが臨床の質を向上させます。

 

修正すると「真正性」の担保を意識する

 

電子カルテに誤った情報が記載された場合、修正や訂正が必要ですが、これらの修正は、真正性を担保する観点から慎重に行う必要があります。修正の際には適切な理由や日時を記載し、何が修正されたかを明示することが重要です。

 

原則として削除はしない

 

電子カルテでは原則として情報の削除は避けるべきです。削除はデータを改ざんしたと思われる可能性があります。そのため情報の削除は、情報の信頼性や完全性に影響を与える可能性があります。誤った情報が登録された場合でも、修正や補足情報の追加といった方法で対処する方が望ましいです。

 

法的規制とコンプライアンスへの遵守

 

電子カルテの利用は、医療情報の取り扱いに関する法的規制やコンプライアンスに遵守することが求められます。個人情報保護法や医療法、規制当局のガイドラインなどに従い、法的要件を満たすように注意することが必要です。

 

これらの注意点を遵守することで、電子カルテの適切な活用が可能となり、患者ケアの質や医療現場の効率が向上するでしょう。また、医療従事者はこれらのポイントを共有し、遵守することで、より安全で効果的な電子カルテの利用が実現されます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテにまつわる失敗談はありますか?

 

看護記録の書き方の基本とは?

 

無料写真 文書を保持している物思いにふける若いアジア女性医師

 

看護記録は、患者の状態や看護行為、コミュニケーション、医師との連携、処方内容などを記録する重要な文書です。適切な看護記録を残すためには、いくつかの基本的な原則があります。

 

事実を明確に書く

 

看護記録は客観的な事実をもとにして作成されるべきです。主観的な意見や推測ではなく、観察された事実を明確かつ正確に記録することが重要です。具体的な数値や状態の変化、患者の反応などを具体的に記述します。

 

また、責任の所在も曖昧ではなく、担当医の人名をしっかり記入し、責任の所在を明らかにしましょう。

 

わかりやすい表現で書く

 

看護記録は他の看護職員や医療チーム、患者やその家族に至るまで、理解しやすい表現で記述されるべきです。専門用語や略語の使用などは使用せず、わかりやすく整然とした文章を心がけるようにした方がいいです。

 

患者に配慮した書き方をする

 

患者のプライバシーや尊厳を守る観点から、患者名や個人識別情報は適切に伏せるなど配慮を払います。また、患者とのコミュニケーションや関わり方、患者の意向や選択、関連する家族やサポートシステムについても適切に記録します。

 

さらに、患者を下に見るような「指示に従わない」「やらせました」などの表現はタブーですので、絶対に使わないようにしましょう。

 

カンファレンスの記録を忘れない

 

カンファレンスやチームミーティングでの議論や意思疎通は看護ケアの重要な要素です。そのため、カンファレンスでの議論内容や医師との連携、他の看護職員との共有事項などを適切に記録することが重要です。これにより、連携を強化し、患者のケアに一貫性をもたせることが可能になります。

 

電子カルテの看護記録ではSOAPで作成

 

看護記録を作成するときに役立つ方法として「SOAP法」という方法があることをご存知ですか?患者の情報を整理し、チーム内で情報共有を効果的に行うための枠組みとして広く用いられています。

 

「S」は主観的情報、「O」は客観的情報、「A」は評価、「P」は計画の頭文字をとった方法で、この順番通りに作成することで、分かりやすく読みやすい看護記録を残すことができます。

 

SOAPを使うメリットとデメリットとは?

 

SOAPを使うメリットとして一番にあげられるのが、多くの情報の中から重要なポイントを見つけやすくし、チーム全体で情報共有が効率的に行えることです。何より分かりやすいのが一番です。

 

デメリットとしては、長期の治療の看護記録に向いていないことです。SOAPは、1つの問題を解決するための方法として使われることが多いです。一人の患者に対しての看護記録の作成には向いていますが、長期間で複数の看護記録には向いていないので、違う方法で看護記録は作成しなければいけません。

 

SOAPを使う際のコツは?

 

電子カルテの看護記録でSOAPを効果的に使うためのコツは以下の通りです。

 

患者さんのデータの収集・分析

 

SOAPを用いる際には、患者さんのデータを正確かつ詳細に収集することが重要です。観察や検査結果、患者の主観的な症状や感覚などを網羅的に収集しましょう。これにより、客観的な情報と主観的な情報をバランスよく取り入れることができ、評価段階で有用な情報となります。

 

一貫性を意識する

 

SOAPでは、各セクション(S、O、A、P)が相互に関連しています。主観的な情報を評価する際には、客観的な情報と整合性を持たせることが重要です。評価の段階で述べた問題点やケアプランは、観察と整合的である必要があります。

 

電子カルテの操作は難しい?

 

電子カルテの操作については、初めて利用する際には若干の学習や慣れが必要となることがありますが、多くの電子カルテシステムは使いやすく設計されています。

 

専門的な知識やPCスキルが必要ですが、基本的な操作やデータの入力、閲覧はトレーニングを受けた看護職員が適応することが可能です。また、適切なトレーニングやサポートを受けることで、効率的に利用することができます。

 

カルテの作成は、難しいからといって避けて通るわけにはいきませんので、ぜひ積極的に操作を学んでみるのが、スムーズに操作できるようになるコツかもしれませんね。

 

看護記録の作成手順

 

これらを踏まえ、看護記録を効果的に行うための手順や注意点について解説していきます。

 

日時を記録する

 

毎回の看護行為や観察事項について、正確な日時を記録します。これにより、状態の変化や処置の効果などをタイムラインで把握できます。

 

観察内容を詳細に記述する

 

患者の一般的な状態、体温、脈拍、呼吸数、血圧などのバイタルサインや、患者の容姿、意識状態、排泄や食事などの観察内容を具体的に記録します。

 

看護行為を明確に記録する

 

行った看護行為や処置内容、薬剤の投与内容や時間、装置の使用状況などを明確に記録します。適切な書式やチェックリストを活用することで漏れやミスを防げます。

 

患者の反応や主観的な感覚を記録する

 

患者がどのように感じているかや、患者自身の主観的な感覚や意向、痛みの程度なども記録します。これは、治療の効果やケアの適切さを判断する重要な要素となります。

 

関係者との連絡やカンファレンスの内容を記録する

 

医師や他の看護職員との連絡内容やカンファレンスでの議論、指示内容、計画なども記録します。これにより、連携を強化し、チーム全体で適切なケアを提供できます。

 

処方内容や薬剤の管理に注意する

 

処方された薬剤の名称、用量、投与時間、投与経路、患者の反応、副作用などを適切に記録します。また、アレルギー情報や過去の薬剤履歴も確認し、適切な管理を行います。

 

問題点や異常事象を記録する

 

患者の状態に異常や問題がある場合、それを明確に記録します。また、それに対する看護判断や対応内容も記録し、これらの情報をチームで共有することで適切な対応が可能となります。

 

サインや署名を適切に行う

 

記録者は、看護記録に自分のサインや署名を適切に行います。これにより、記録の責任者を明示し、記録の信頼性を確保します。

 

以上のポイントを守りながら看護記録を作成することで、患者への適切なケアを提供し、連携を強化することが可能となります。看護記録は患者の安全とケアの質を向上させるために欠かせないものであり、看護職者にとって重要なスキルとなります。

 

<看護師・ナースのリアルな声>電子カルテの使用が苦手という方にアドバイスをお願いします

 

まとめ

 

この記事では、近年普及が進んでいる電子カルテの使い方について解説してきました。

 

電子カルテの利用に慣れない看護師も多いと思いますが、直感的に操作でき、マニュアルなども用意されているので、そこまで難しく考えることはありません。もし、それでも電子カルテの利用に不安がある方は、この記事を参考に、操作できるようにしていきましょう。

 

電子カルテは、作業の効率化を図ることができることから、今後医療機関では、さらに普及が進んでいくと思われます。今のうちに使い慣れておき、今後入社してくる看護師のために、アドバイス駅るまでにレベルを向上させていきましょう。

【看護師転職初日に気をつけたいポイントとは?】スムーズな1日の流れを徹底解説!

看護師として転職初日を前に「うまく馴染めるかな?」「どんな職場だろう?」と不安や緊張を抱える方も少なくありません。できれば失敗することなく、好印象のまま1日を終えたいですよね。

新しい職場での初日を迎えるとき、誰でも不安や緊張を感じるものです。初日の成功が今後の職場での人間関係や働きやすさに大きく影響するため、適切な準備と心構えが必要です。本記事では、転職初日をスムーズに乗り切るためのポイントや、初日に意識すべき行動について徹底解説します。準備すべきものや、職場での立ち振る舞いを具体的に紹介しますので、転職初日を迎える皆さん、ぜひ参考にしてください。

出勤日までに準備しておくこと

 

無料写真 側面図スマイリービジネスウーマン

 

まずは、出勤当日に慌てないように出勤日までに準備しておくべきことについてご紹介していきます。事前に伝えられている持ち物や、当日遅刻をしないための準備をしたり、当日の業務に関わることをあらかじめ用意しておくことも忘れないようにしましょう。

 

必要書類を揃える

 

職場から指示された、必要な書類の準備をしましょう。起業によって異なりますが、一般的には「通帳またはキャッシュカード」「雇用保険被保険者証」「マイナンバーカードまたは住民票の写し」「印鑑」などになります。

 

バラバラに持っていくと、カバンの中がごちゃごちゃになるので、クリアファイルにまとめて入れて持参するのがいいでしょう。

 

洋服の準備

 

看護師は、私服で出勤し職場で制服に着替えますが、転職初日はスーツかオフィスカジュアルなスタイルが好ましいです。はじめのうちは、カジュアル過ぎない服装を選ぶのが無難です。洋服にシワやシミがないかどうかも確認し、前日までに用意しておきましょう。

 

仕事に必要な道具をまとめておく

 

職場ごとに、持参する道具の指示があると思いますので、こちらも前日までに用意しておきましょう。また、職場ごとに支給される道具は異なるので、準備すべき道具をあらかじめ用意しておくのが無難です。入社前日に準備しておくべき道具は以下の通りです。

 

・聴診器

 

・ペンライト

 

・ハサミ

 

・時計

 

・筆記用具

 

・メモ帳

 

職場によっては、白衣やナースシューズを自前で用意するケースもあります。もし何も必要ないと指示を受けた場合は、筆記用具とメモ帳だけ持参するようにしましょう。分からないことをメモするのに役立ちますし、好印象を与えることにもつながります。

 

通勤経路を再確認

 

初出勤で遅刻はあまりにも悪印象です。そのため、出勤日には通勤経路を事前に確認し、交通の遅延や問題を避けるために余裕を持って出発しましょう。公共交通機関を利用する場合は、時刻表や乗り換え情報をチェックしておくと便利です。

 

業務に関連する勉強

 

もしブランクがある場合、業務に関連する復習をしておくのが大事です。近年の医療は、様々な進歩を遂げています。研修資料や医療関連の最新情報をチェックし、職務に備えておくことも必要になるでしょう。

 

自己紹介を考えておく

 

転職初日には、必ず自己紹介を行います。好印象の自己紹介ができるように、事前にあいさつ文を考えておくことも重要です。

 

初対面でいきなり長文を話すのはいけません。自分の名前と仕事への意気込み程度のシンプルなものが好まれます。もし時間的に余裕がありそうな場面での自己紹介であれば、趣味や前職の内容などを織り交ぜてもいいかもしれませんね。

 

よくある自己紹介をいくつかご紹介していきます。

 

その①

 

「本日よりお世話になります〇〇です。新しい仕事でのスタートを迎え、皆様と一緒に働くことを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」

 

その②

 

「はじめまして。本日よりお世話になります〇〇と申します。以前は〇〇病院で2年間、一般病棟で勤務していました。1日も早く戦力になれるよう努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

その③

 

「ご縁があり、本日より皆様と一緒に働かせていただきます〇〇と申します。休日は〇〇をしています。同じ趣味の方がおられたら嬉しいです。分からないことも多いですが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします。」

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日はどんな気持ちで迎えましたか?

 

看護師が転職初日に意識すべきポイント

 

無料写真 自信を持ってアジア女性医師のオフィスの机に座っているとカメラに笑顔

 

転職初日の行動は、まわりの看護師に与える印象を左右しかねません。せっかく転職したんですから、長くその職場で働きたいと思うのは当然のこと。

 

そこで、いい印象を与えるために、転職初日に気を付けたいポイントをいくつかご紹介していきます。

 

15分前には職場に到着する

 

看護師に限ったことではありませんが、入植初日の遅刻は客観的に見ても褒められたものではありません。遅くても15分前には職場に橈尺しておきましょう。もし遅れそうな場合は、遅れると分かった時点で先方に連絡するようにしてください。

 

オフィスカジュアルな服装で出勤する

 

オフィスカジュアルな服装で出勤することが一般的ですが、事前に確認しておくべきです。清潔感があり、職場の雰囲気に合った服装を選びましょう。

 

明るい表情で自分から挨拶を行う

 

積極的に挨拶を行い、明るい表情で接することで、周囲との良好な関係を築けます。初対面の人にも丁寧に挨拶しましょう。

 

メモを取り、早く覚える努力をする

 

転職初日は分からないことばかりです。すべて記憶することができるという方もいるかもしれせんが、そのような方ばかりではありません。同じ質問を繰り返さないためにも、新しい情報や重要なことは、しっかり覚えるために積極的にメモを取るようにしましょう。

 

分からないことは積極的に質問する

 

分からないことは恐れず、遠慮なく質問しましょう。中途採用の看護師の中には「こんなことを質問するのが恥ずかしい」と、分からないことや不安なことに対して質問できないままの看護師もいます。

 

それが原因で、ミスやインシデントにつながる可能性もあります。分からないことはそのままにしておかず、しっかり質問して解消することが大事です。

 

自分の判断で仕事を進めない

 

新しい職場では、同じ処置を施すのにも異なるケースがあります。「前の職場でこの時はこうしていた」という判断で、仕事を進めるのはやめておきましょう。新しい職場には新しいやり方がありますので、最初のうちは自分の判断で進めずに、上司に確認して行うようにしましょう。

 

菓子折りは必要ない

 

転職先に菓子折りを持っていくか迷う方もいると思いますが、菓子折りは必要ありません。ただし、看護師の中にはお菓子をもらってうれしいと感じる人もいるので、持っていって損をすることはないでしょう。持っていかなくてもマイナスになることはないので、その分、仕事の中での心遣いと礼儀を忘れずに、感謝の意を示す態度が大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日にあなたが一番意識したポイントは?

 

看護師の転職初日の流れ

 

無料写真 アジアの女性医師、デジタルタブレットと薬の女性専門家

 

入社初日の流れも頭に入れておくといいでしょう。どのような流れで1日が流れるのかを把握しておくことで、スムーズに業務を行うことができるでしょう。

 

事務手続きやオリエンテーションを行う

 

転職初日にはまず、人事担当や研修担当者との事務手続きが行われます。契約書の確認や提出、必要な書類の整備などが含まれます。オリエンテーションでは、病院や施設の概要、ルール、制度、安全対策、緊急時の対応などについての説明があります。

 

自己紹介をする

 

朝礼後やスタッフが集まったとき、オリエンテーション後などに自己紹介の時間が設けられることが一般的です。新しい同僚や上司、研修担当者などに自己紹介を行います。

 

先ほども解説した通り、シンプルでわかりやすい自己紹介を心掛けるようにしてください。当日ではなく前日までに、どんな自己紹介をするか準備しておくことをおすすめします。

 

職場のルールや仕事のやり方を覚える

 

職場のルールやポリシー、施設内の設備や業務内容などを覚えるのも初日の仕事です。覚えることがとても多いので、分かることでもすべてメモに取るようにしておきましょう。

 

これまで当然だと思っていたことが、違う職場になるとまったく違うやり方をするところもあります。いきなり仕事に入るのが不安な方は、担当する診療科の業務の流れを調べておくといいかもしれませんね。

 

業務スケジュールの確認

 

転職初日には、業務スケジュールやシフト制度、休憩時間などの確認も行われることがあります。これにより、日常の業務を理解しやすくなります。

 

初日の流れは病院や施設によって異なる場合がありますが、これらのステップは一般的な流れとなっています。新しい職場でのスムーズなスタートを切るために、前向きな姿勢で参加することが大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日につらかったことを教えてください

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日に楽しかったことはありましたか?

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職初日を迎える方にアドバイスをお願いします!

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職初日に意識するべきポイントや1日の流れについて解説してきました。

 

看護師の転職初日は新たな職場での第一歩を踏み出す重要な日です。成功するためには、適切な準備と心構えが欠かせません。できる準備はしっかりと行い、当日に慌てることのないようにしておきましょう。

 

また転職初日は、まわりの同僚や上司にあなたの印象を植え付ける1日になります。仕事をしていくうえで一番重要な1日になります。今回の記事を参考に、最高の1日を切れるように頑張ってください。

 

この初日のスタートを大切に、新しい職場での成長と貢献を目指しましょう。良いスタートが今後の成功につながる基盤となることを願っています。

【看護師の種類完全ガイド】4つの資格と専門分野、キャリアパスを徹底解説

看護師といえば、病院で働いている看護師をイメージする方も多いでしょうが、看護職には看護師を含め4つの種類があります。それぞれ仕事の内容や資格の取得方法も異なってくるため、これから看護職を目指す方にとって、どんな仕事が自分に合っているのか変わらない方は、ぜひ知っておきたいですよね。

 

そこで本記事では、看護師の種類について、それぞれの仕事内容や職場、資格取得までの道のりなど詳しく解説していきます。

 

看護職の種類とは?

 

看護職には看護師をはじめ、准看護師・助産師・保健師の4種類があります。それぞれ専門的なスキルが必要で、違った形で人々の健康と命を守るサポートをすることになります。

 

看護師

 

Free ai generated woman doctor illustration

 

看護師は、医療現場で重要な役割を果たす専門職です。患者のケアを担当し、医療チームの一員として働きます。看護師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

看護師の仕事内容

 

看護師の仕事は以下の通りです。

 

・看護師は、患者の状態をモニタリングし、体調の変化や問題をいち早く発見するポジションです。適切な処置が求められる役割も担っており、薬物投与や点滴など、医師の指示のもと患者の健康を保つためのケアを提供します。

 

・医師や他の医療専門家と協力して、患者の治療プランを立て、その実行をサポートするのも看護師の大きな仕事です。適切な処置や検査のスケジュール、病状に合ったケアの提供などを行います。

 

・緊急事態や急変した状況に対応し、適切な応急処置を行います。心停止や呼吸困難など、命に関わる状況でも冷静な判断力と行動力が求められます。

 

・看護師は医師や薬剤師、リハビリスタッフなど他の医療専門家と連携し、患者のケアをしていく役割も担っています。また、食事介助など補助が必要な患者には、身の回りのケアなどをサポートしていきます。

 

・患者やその家族に対して、精神的・身体的な痛みに対して支えになってあげるのも大きな仕事です。不安にならないよう、心の支えになってあげるのも看護師の役割です。

 

看護師が活躍できる職場

 

看護師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

病院(クリニック・診療所)

 

もっとも一般的な職場になります。一般病棟や一般病棟や外来、手術室などで患者ケアを担当します。さまざまな疾患や状態に対応する能力が求められます。

 

・介護施設(福祉施設・障害者施設など)

 

高齢者や障害者のケアを提供する介護施設でも看護師は必要です。日常生活のサポートから医療的なケアまで幅広い役割を果たします。

 

・在宅ケア(訪問看護ステーションなど)

 

在宅でのケアも重要な分野です。患者の自宅でのリハビリや治療をサポートし、その家族にも支援を提供します。

 

・教育機関(保育園・幼稚園・学校など)

 

保育園・幼稚園・学校などの教育機関でも活躍することが可能です。子供たちの健康を、しっかりサポートして、ケガや体調不良などに対し適切な対処を行います。

 

・看護学校や医療専門学校

 

看護学校や医療専門学校での教育職も選択肢です。次世代の看護師の育成に関わることで、医療の未来に貢献します。

 

・産業界(医療機器企業・製薬会社など)

 

医療機器や製薬会社などで、製品の開発や販売、健康情報の提供など、産業界でのキャリアもあります。

 

資格取得方法

 

看護師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

看護師を目指すためには、看護学校に入学する必要があります。高校卒業程度以上の学歴が求められる場合が多く、3年制の専門学校、もしくは4年制の看護大学に入学し、国家試験に合格する必要があります。

 

看護学校では基本的な医学的知識や看護技術、倫理などが学べます。実務実習も行われ、実際の医療現場での経験を積みます。

 

国家試験に合格した後、実際の医療現場での実務研修を経て、正式に看護師としての資格を取得します。

 

准看護師

 

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准看護師は看護師と変わらない仕事内容になりますが、大きな違いとして看護師が国家資格を必要するのに対し、准看護師は各自治体が実施する試験に合格すれば資格を取得することができるという点です。

 

また、自らの判断で業務を行うことは禁止されているので注意しなければいけません。

 

それでは、准看護師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

准看護師の仕事内容

 

准看護師の仕事は以下の通りです。

 

・准看護師は医師や看護師の指示に従い、患者の身の回りのケアを行います。食事の提供、入浴のサポート、排泄の介助など、患者の日常生活のサポートを行います。

 

・診療時に医師や看護師のサポートとして患者の準備を行ったり、検査材料の準備を手伝ったりする役割があります。検査結果の記録や報告も担当します。

 

・看護師の指示に基づいて患者への薬物投与を行うことも多くあります。薬の用意や説明、投与の監視を通じて、患者の安全な治療をサポートします。

 

・患者の体温、脈拍、血圧などのバイタルサインのモニタリングを行い、異常を検出した場合には看護師に報告します。

 

・緊急事態に備え、准看護師も基本的な応急処置を行います。心肺蘇生や出血の止め方など、必要な場面で的確に対応します。

 

・看護師同様、患者やその家族に対して、心のケアを行うのも大きな仕事です。不安にならないよう、心の支えになってあげます。

 

准看護師が活躍できる職場

 

准看護師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・病院

 

病院の一般病棟や外来、手術室などで、看護師と連携して患者ケアを行います。医師や看護師のサポート役として、診療補助をするのが主な仕事になります。

 

・介護施設(社会福祉施設など)

 

高齢者施設やデイケアなど、介護の現場でも准看護師は求められます。入浴介助や薬物管理、健康状態のモニタリングなどを行います。

 

・診療所やクリニック

 

診療所やクリニックでは、医師のもとで患者の診療サポートを行う役割があります。検査の準備や診察の補助、診療記録の管理などが含まれます。

 

・在宅介護施設

 

在宅でのケアでも、准看護師の存在は重要です。患者や家族のニーズに合わせて、様々なケアサービスを提供します。

 

・リハビリ施設

 

リハビリテーションセンターやリハビリ施設で、患者のリハビリプログラムを支援する役割を果たします。訓練の補助や進捗のモニタリングを行います。

 

資格取得方法

 

准看護師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

准看護師を目指すには、看護課程がある2年制の専門学校、もしくは高校の看護衛生科に通って単位を取得する必要があります。その後、准看護師の資格試験に合格することで資格取得になります。

 

看護師よりも早く資格が取得でき、費用を抑えることもできるため、一定の人気のあった資格ですが、現在は、准看護師の養成機関は減少中となっており、厚生労働省も准看護師より看護師の取得を推奨しています。

 

助産師

 

Free Nurse Newborn photo and picture

 

助産師は、妊娠・出産・産後のケアを提供する専門職です。母体と赤ちゃんの健康をサポートし、安全な出産体験を提供します。

 

また出産のサポートだけでなく、不妊治療に関する相談や思春期の女子への性の相談などにも対応する必要があります。

 

それでは、助産師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

助産師の仕事内容

 

助産師の仕事は以下の通りです。

 

・妊娠中の女性に対して、定期的な健康チェックや健康アドバイスを提供します。体重管理、栄養指導、運動のアドバイスなど、妊娠期間中の健康管理を支援します。

 

・助産師は分娩時に立ち会い、出産をサポートします。陣痛のモニタリングや安定した環境の提供、分娩プロセスのガイダンスを行い、母親の安全な出産を助けます。

 

・出産後の母親と赤ちゃんのケアを提供します。授乳指導、産後の健康チェック、身体的な回復支援などを行い、母子の健康をサポートします。

 

・助産師は妊娠・出産に関する情報を提供し、母親と家族に適切なケア方法や健康管理の手法を教えます。予防接種や子育てに関するアドバイスも行います。

 

・助産師は、不妊治療に関するサポートも大きな仕事です。不妊の原因や治療方法について説明し、適切な検査や治療プランを立てるサポートを行います。また、心理的なサポートも重要であり、希望と不安を共有しながら励まし合います。

 

・思春期の女子は性に関する不安や疑問を抱えることがあります。月経についてや身体の変化、性感染症の予防や避妊方法など、オープンなコミュニケーションを通じて、安心して質問できる環境を提供し、適切な回答やアドバイスを行います。

 

助産師が活躍できる職場

 

助産師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・病院の産婦人科

 

病院の産婦人科では、助産師は妊娠中から出産、産後までのケアを提供します。分娩室や産後ケア室での勤務が一般的です。

 

・助産院

 

助産院では、自然な出産を重視したケアを提供します。個別のアプローチで妊婦のケアを行い、出産のサポートを行います。

 

・診療所やクリニック

 

助産師は診療所やクリニックでも妊娠中の健康管理や出産のサポートを行います。アドバイスや健康教育を通じて、母子の健康をサポートします。

 

・保健センター

 

助産師としての経験を活かして、地域の保健センターで活躍することもできます。保健センターは、地域の住民に対して健康や子育てに関する支援やサービスを提供する施設で、様々な活動を通じて地域の健康増進に貢献します。

 

資格取得方法

 

助産師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

助産師の資格は、看護師の資格を取得しなければ取得することができない資格です。そのため、助産師を目指す方の中には、看護大学に進学し看護師と助産師の勉強を行い、同時に受験する方もいます。

 

もしくは、3年制の専門学校や短大で看護師の資格を取得し、助産師養成所に1年通い、国家試験を受けて資格を取得することもできます。

 

保健師

 

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保健師は、地域や職場で健康づくりや予防活動を推進し、住民の健康をサポートする専門職です。生活習慣病やメンタルヘルスに関することなど、現代病ともいわれる様々な健康上の問題に対応することが求められます。

 

また保健師には、学校で働く「学校保健師」民間企業で働く「産業保健師」行政機関で働く「地域保健師」などがあり、地域や企業、生徒などすべての人が対象となります。

 

それでは、保健師の主な仕事内容や職場、資格の取得方法をご紹介していきます。

 

保健師の仕事内容

 

保健師の仕事は以下の通りです。

 

・保健師は住民の健康状態を把握するため、健康調査を行います。健康診断結果の分析や個別の健康相談を通じて、健康に関する問題やニーズを特定し、適切なアドバイスや支援を提供します。

 

・母子の健康をサポートするのも仕事です。予防接種、健康教室、栄養指導などを通じて、乳幼児や母子の健康をサポートする仕事を行います。

 

・特定健康診査や生活習慣病の管理を通じて、住民の健康状態をモニタリングします。喫煙者に対する禁煙指導やメタボリックシンドロームなど、適切な健康アドバイスや生活改善の提案を行い、健康な生活の習慣を促進します。

 

・災害時には、保健師は避難所での健康管理や感染症の予防などを担当します。地域の安全と健康を守るために、迅速な対応が求められます。

 

保健師が活躍できる職場

 

保健師として活躍できる職場は以下の通りです。

 

・保健センターや保健所

 

保健センターでは、地域住民の健康増進や健康相談を担当します。健康診断や予防プログラムの実施、子育て支援などが行われます。

 

・学校や保育施設

 

学校や保育施設で、児童・生徒や保護者への健康指導や健康教育を行います。予防接種の実施や学校給食の管理も担当します。

 

・企業や施設の健康管理部門

 

企業や福祉施設などの健康管理部門で、従業員や利用者の健康管理を担当します。健康診断や健康プログラムの企画・実施、健康相談などを行います。

 

・医療機関(病院・診療所・クリニック)

 

病院やクリニックで、患者の健康相談や健康教育を行います。生活習慣病の予防や健康管理のサポートを提供し、医療チームと連携して患者の健康をサポートします。特に慢性疾患の管理やリハビリテーションのサポートが重要です。

 

・公衆衛生センター

 

公衆衛生センターや保健所では、感染症対策や健康調査などの公衆衛生活動を支援します。地域の衛生状態の向上を目指します。

 

保健師の仕事は多岐にわたります。始めに解説したように、学校保健師・産業保健師・地域保健師など、どのような保健師になりたいかによって働ける場所が異なります。そのため、まずはどのような保健師になりたいのかということを決めておくことが肝心といえるでしょう。

 

資格取得方法

 

保健師の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

 

保健師は助産師同様、看護師の資格を持っていることが条件となります。現在は、看護師と保健師の免許を同時に取得できるカリキュラムが組まれている4年制大学もあるので、そのような大学で看護師と同時に国家資格取得を目指すことができます。

 

またそれ以外の場合は、看護師の資格を取得したあとで、さらに1年間保健師の養成機関に通学したうえで、保健師の国家試験を受けることも可能です。

 

さらに、助産師と同じように、看護系大学院に2年、看護短期大学に別途1年通う方法もあるので、自分のライフプランに合った取得を目指しましょう。

 

日本看護協会認定の看護師資格

 

看護師の資格には、看護師としてのキャリアを積みながら取得できる資格もあります。自分のキャリアアップを目指すために取得されることが多い資格を3つご紹介します。

 

認定看護師

 

認定看護師は、特定の看護分野で高度な知識と技術を持つ看護師です。日本看護協会が認定する分野ごとに資格を取得することができ、例えば認知症看護や救急看護、乳がん看護など、21分野があります。認定看護師はその分野における専門的な看護ケアを提供し、病院やクリニックなどで活躍します。

 

認定看護師になるには、5年以上の実務経験が必要で、そのうち3年以上は取得を希望する認定看護分野で経験を積む必要があります。

 

その後、1年間で800時間の教育を認定看護師教育機関で受け、特定行為研修のプログラムを受講し、認定審査に合格することで資格を取得することができます。

 

資格取得後は、5年おきに更新が必要となります。

 

専門看護師

 

専門看護師は、特定の臨床分野で高度な専門知識とスキルを持つ看護師で、いわば看護のエキスパートです。例えば、老人看護やがん看護、精神看護など、13分野があります。専門看護師は、その分野の患者に対する看護ケアを専門的かつ高度なレベルで提供する役割を担います。専門看護師は病院やリハビリ施設、ホームケアなどで活動します。

 

専門看護師になるためには、看護系大学院修士課程修了者でなければ資格を取得することができず、日本看護系大学協議会が定めている、専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得する必要があります。

 

その条件をクリアしたうえで、年に1度実施されている専門看護師認定審査に合格し、初めて資格を取得することができます。看護師の中でも、この資格を持っている看護師は約2%なので、非常に狭き門という感じですが、目指してみるのも大きなやりがいにつながるかもしれません。

 

認定看護管理者

 

認定看護管理者は、看護部門や看護チームのリーダーシップを担う管理者を目指す方のための資格です。看護部門の運営や人材管理、看護ケアの品質管理などを専門的かつ効果的に行うための知識とスキルを持っています。認定看護管理者は、病院や診療所、介護施設などで管理職として活躍します。

 

認定看護管理者の資格を取得するためには、5年以上の実務経験が必要で認定看護管理者教育課程を180時間受講する必要があります。定められた条件を満たしたうえで、認定看護管理者認定審査に合格することで獲得できます。

 

この資格を取得することができれば、看護従事者に関するマネジメントのエキスパートとして、多くの職場で活躍することができるでしょう。

 

まとめ

 

この記事では、看護師の種類について、それぞれの仕事内容や活躍できる職場、資格取得について詳しく解説してきました。

 

看護職には看護師、准看護師、助産師、保健師など様々な種類があり、それぞれ異なる分野で活躍します。どの看護師も、資格や専門性を活かして、患者や地域の健康を支える重要な役割を果たしていることに違いはありません。

 

自分がどのような看護職をめざしたいのか、将来的にどのようなキャリアを築いていきたいのかなど、十分に考慮したうえで進路を決めるようにしていきましょう。