こんにちは。今回は、看護学生の皆さんから多く寄せられる「看護観レポートの書き方」について、実践的なガイドをお届けします。
私自身、学生時代に看護観レポートで苦労した経験があり、その後指導者として多くの学生のレポート作成をサポートしてきました。
この記事では、効果的な思考整理から論理的な文章展開まで、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
この記事を読んでほしい人
- 看護観レポートの課題に取り組んでいる看護学生の方
- レポートの書き方に不安を感じている方
- 考察を深める方法を知りたい方
- 添削で改善点を指摘された方
- 論理的な文章の組み立て方を学びたい方
この記事で分かること
- 看護観レポートの基本的な構成と作成手順
- 効果的な考察の進め方と深め方
- 説得力のある論理展開のテクニック
- 添削指導でよく指摘される表現の改善ポイント
- 実際の好事例と改善例
看護観レポートの基本構造を理解する

看護観レポートは、単なる体験記録ではありません。自身の看護についての考えを理論的背景と実践経験を結びつけながら論理的に展開していくことが求められます。
このセクションでは、レポート作成の基礎となる構造と、各パートの重要ポイントについて詳しく解説していきます。
序論の作成方法と重要ポイント
テーマ設定の考え方
看護観レポートのテーマ設定は、あなたの看護実践における核となる考えを明確に示すことから始まります。
実習での印象的な体験や、患者さんとの関わりの中で感じた気づきなど、個人的な体験を理論的な視点と結びつけることが重要です。
テーマは「患者の自己決定権を支える看護」や「生活の質を重視した看護実践」など、具体的かつ探究可能な内容を設定しましょう。
問題意識の明確化
序論では、なぜそのテーマを選んだのか、どのような課題意識を持っているのかを明確に述べる必要があります。実習での具体的なエピソードと、そこから生まれた問いを丁寧に記述していきましょう。
その際、感情的な表現は避け、客観的な視点を保ちながら記述することが求められます。
本論における理論と実践の結びつけ
実践例の効果的な提示方法
本論では、具体的な看護場面を振り返りながら、そこでの気づきや学びを理論的な観点から考察していきます。
場面の記述は5W1Hを意識し、読み手が状況を具体的にイメージできるように記述しましょう。ただし、個人情報の保護には十分な配慮が必要です。
理論的裏付けの示し方
実践例の考察には、必ず理論的な裏付けが必要です。
ナイチンゲールやヘンダーソン、オレムなど、看護理論家の考えを適切に引用しながら、自身の体験との関連を論理的に展開していきます。
文献の引用方法は指定された形式に従い、出典を明確にすることが重要です。
結論のまとめ方
考察の集約と将来展望
結論では、本論での考察を踏まえて、自身の看護観を簡潔かつ明確にまとめます。
理想の看護師像や、今後の課題についても言及し、具体的な実践への展望を示すことが求められます。抽象的な表現は避け、実践可能な具体的な内容を心がけましょう。
レポート作成の実践的アプローチ
文献研究の進め方
レポート作成の準備段階として、関連文献の収集と整理が重要です。図書館やオンラインデータベースを活用し、テーマに関連する文献を幅広く収集します。
文献は新しいものを中心に選び、信頼性の高い学術論文や専門書を優先的に参照しましょう。
構成メモの作り方
実際の執筆に入る前に、レポートの全体像を把握するための構成メモを作成します。
序論、本論、結論の各パートで扱う内容を箇条書きでメモし、論理的な流れを確認します。この段階で指導教員に相談し、方向性の確認を行うことをお勧めします。
効果的な考察の進め方

看護観レポートの核となるのが考察です。
ここでは、単なる経験の振り返りに終わらせず、どのように深い考察へと発展させていくのか、その具体的な方法についてお伝えしていきます。
考察を深める基本的アプローチ
経験の客観的分析
まず重要なのは、自身の経験を客観的に見つめ直すことです。感情的な記述や主観的な思い込みを避け、事実に基づいた分析を心がけましょう。
たとえば、患者さんとの関わりの場面では、自分の言動だけでなく、患者さんの反応や場の雰囲気なども含めて多角的に描写していきます。
理論的視点からの探究
次に、その経験を看護理論の観点から分析します。
ヴァージニア・ヘンダーソンの基本的看護ケアの14項目や、ドロセア・オレムの셀프ケア理論など、適切な理論的枠組みを選択し、その視点から自身の経験を見直していきます。
理論を単に引用するだけでなく、実践場面とどのように結びつくのかを具体的に説明することが重要です。
文献活用の実践的テクニック
効果的な文献検索方法
文献検索では、医中誌WebやCiNiiなどのデータベースを活用します。
キーワードの選定が重要で、たとえば「看護観」「自己決定支援」「患者理解」などの用語を組み合わせることで、より適切な文献にたどり着くことができます。
最新の研究動向を押さえることも忘れずに行いましょう。
文献の批判的読解
収集した文献は、単に内容を要約するだけでなく、批判的に読み解くことが求められます。研究方法の妥当性、結果の解釈、自身の経験との関連性などを多角的に検討します。
そして、それらの知見を自身の考察にどのように活かせるのかを具体的に考えていきます。
実践知の言語化プロセス
暗黙知の形式知化
看護実践の中で得られた気づきや直感的な判断を、論理的な言葉で表現することは重要な課題です。
たとえば、「なんとなく気になった」という感覚を、「バイタルサインの微細な変化や表情の違和感から、状態の変化を予測した」というように具体的に言語化していきます。
看護実践の意味づけ
実践の振り返りでは、行為の意味づけが重要です。
なぜその看護行為を選択したのか、その時の判断基準は何だったのか、結果としてどのような効果があったのかを、具体的に記述していきます。
この過程で、自身の看護観がより明確になっていきます。
エビデンスに基づく考察の展開
研究成果の活用方法
看護研究の成果を効果的に活用することで、考察に説得力が増します。
ただし、研究結果を鵜呑みにするのではなく、その知見が自身の実践場面にどのように適用できるのかを慎重に検討する必要があります。
統計的なデータと質的な研究成果をバランスよく取り入れることで、より深い考察が可能になります。
実践と理論の架橋
理論と実践の間にある溝を埋めることも、考察の重要な要素です。
理論が示す理想的な看護と、現実の臨床現場での制約や課題との間で、どのようなバランスを取るべきかを考えていきます。
この過程で、より実践的で実現可能な看護観を構築することができます。
説得力のある論理展開の方法

看護観レポートの価値を高めるのは、論理的な文章展開です。
このセクションでは、読み手を納得させる効果的な論理展開の方法について、具体的な例を交えながら解説していきます。
論理構成の基本フレーム
主張と根拠の関係性
説得力のある文章では、主張とその根拠が明確に結びついていることが重要です。
たとえば「患者の自己決定権を尊重することが重要である」という主張を展開する場合、その理由として患者の権利や医療倫理の観点、実際の臨床での効果などを具体的に示していく必要があります。
パラグラフライティングの実践
一つの段落では一つの主題を扱うことを基本とします。
段落の冒頭で主題を示し、続いて説明や具体例、そして考察を展開するという流れを意識します。この構造を維持することで、読み手は論理の流れを容易に追うことができます。
効果的な事例提示の技法
具体例の選び方
事例は論点を最も効果的に示せるものを選択します。
実習での経験を振り返る際、印象的だった出来事すべてを書くのではなく、自身の看護観形成に大きな影響を与えた場面に焦点を絞ります。
その際、個人情報の保護に十分配慮することを忘れずに。
事例分析の深め方
選んだ事例は、表面的な記述に留まらず、多角的な分析を加えていきます。
患者の反応、自身の判断プロセス、それを支えた知識や理論、そして結果として得られた学びなど、段階的に掘り下げていきます。
論理的な文章展開のテクニック
接続詞の効果的な使用
文と文、段落と段落のつながりを明確にするため、接続詞を効果的に使用します。
「したがって」「一方で」「このように」などの接続詞を適切に配置することで、論理の流れがより明確になります。
ただし、使いすぎは避け、自然な文章の流れを保つことが重要です。
論理の一貫性確保
レポート全体を通じて、主張や考えの一貫性を保つことが重要です。
序論で提示した問題意識や視点が、本論での考察を経て、結論でどのように深まったのかが明確に示されるよう心がけます。
効果的な引用と参照
文献引用の基本
文献を引用する際は、自身の主張を補強する適切な箇所を選び、文脈に沿った形で引用します。
引用部分は明確に区別し、出典を正確に示すことが必要です。また、引用が長くなりすぎないよう注意を払います。
複数の視点の統合
異なる文献や理論の見解を比較検討することで、より深い考察が可能になります。
それぞれの視点の共通点や相違点を整理し、自身の経験と照らし合わせながら、独自の考察へと発展させていきます。
説得力を高める文章技法
客観的な表現の活用
主観的な感想や印象に頼らず、できるだけ客観的な事実や根拠に基づいた記述を心がけます。
「~と考えられる」「~という可能性がある」など、適度な慎重さを持った表現を用いることで、文章の信頼性が高まります。
論理の展開パターン
問題提起から結論に至るまでの道筋を、読み手が理解しやすいように示します。
「現状分析→課題の抽出→解決策の提示→考察」といった基本的な展開パターンを意識しながら、文章を組み立てていきます。
効果的な表現技術

看護観レポートでは、自身の考えを的確に伝えるための表現力が不可欠です。
このセクションでは、読み手に伝わる文章表現の具体的なテクニックについて解説していきます。
専門用語の適切な使用法
医療用語の選択基準
専門用語は正確に使用することが重要です。例えば「バイタルサイン」という用語を用いる際は、具体的な観察項目(体温、脈拍、血圧、呼吸数など)を明確に示します。
また、略語を使用する場合は、初出時にフルネームを記載し、その後に略語を括弧書きで示すといった配慮が必要です。
看護理論の引用方法
ヘンダーソンやオレムなどの看護理論を引用する際は、理論の核となる概念を正確に理解し、自身の経験と結びつけて説明します。
理論用語を単に羅列するのではなく、実践での具体的な場面に即して解釈することで、理解が深まります。
文章表現の基本テクニック
簡潔で明確な文章構造
一文は50字程度を目安とし、できるだけ簡潔に表現します。主語と述語の関係を明確にし、修飾語を適切に配置することで、読みやすい文章になります。
例えば「患者さんの状態を観察しながら、必要なケアを提供することが重要である」といった具合です。
重複表現の回避
同じ言葉や表現の繰り返しを避け、類義語や言い換えを効果的に使用します。
「患者さん」「対象者」「療養者」など、文脈に応じて適切な表現を選択することで、文章に変化をつけることができます。
効果的な描写方法
場面設定の具体化
看護場面を描写する際は、時間や場所、状況などを具体的に示します。
「午前10時頃、病室で清拭を行っている際に」というように、読み手がその場面をイメージしやすいよう工夫します。
観察内容の詳細化
患者の状態や反応を記述する際は、具体的な観察事項を示します。
「表情が明るくなった」ではなく、「眉間のしわが緩み、口角が上がり、声のトーンも高くなった」というように、具体的な変化を記述します。
推敲のポイント
文章の整合性確認
レポート全体を通して、主張や考えの一貫性を確認します。段落間のつながりや論理の流れに矛盾がないか、何度も読み直して確認することが大切です。
誤字脱字のチェック
完成したレポートは、時間を置いてから見直すことをお勧めします。
特に、専門用語や漢字の使用については、辞書で確認する習慣をつけましょう。
読み手を意識した表現
共感を得る文章作り
読み手の立場に立って、分かりやすい説明を心がけます。専門的な内容であっても、具体例を用いることで理解しやすくなります。
説得力のある文章構成
主張には必ず根拠を示し、なぜそのように考えたのかを明確に説明します。
「〜だから」「〜という理由で」など、論理の展開を示す表現を効果的に使用します。
実践的なケーススタディ

実際の看護観レポートでどのように記述を展開していくのか、具体的な事例を通して解説していきます。
ここでは、ある看護学生の記述例を基に、改善のポイントと効果的な表現方法を見ていきましょう。
ケース1:終末期患者との関わり
改善前の記述例
「末期がんの患者さんとの関わりを通して、私は寄り添う看護の大切さを学びました。
患者さんの痛みを和らげたいと思い、できる限りのケアを行いました。この経験から、看護師は患者さんの気持ちに寄り添うことが大切だと感じました」
改善後の記述例
「末期膵臓がんのA氏との関わりを通して、私は患者に寄り添う看護の本質について深く考える機会を得ました。
特に印象的だったのは、夜間の疼痛コントロールが困難だった場面です。医師の指示のもと、定時の疼痛評価とレスキュー薬の投与を行いながら、A氏の表情や体の緊張度を細かく観察していきました。
その過程で、単なる投薬だけでなく、傾聴や手を握るなどのケアを組み合わせることで、A氏の不安が和らぎ、疼痛の訴えも減少していくことを経験しました」
ケース2:リハビリテーション看護
改善前の記述例
「脳梗塞で片麻痺のある患者さんのリハビリに関わりました。最初は全く動けなかった患者さんが、少しずつADLが拡大していき、とても嬉しかったです。リハビリは大切だと思いました」
改善後の記述例
「右片麻痺を呈した脳梗塞後のB氏(65歳)のリハビリテーション看護を通じて、段階的な自立支援の重要性を学びました。
発症後2週間の時点では、基本的ADLすべてに介助が必要な状態でした。そこで、B氏の残存機能を活かすため、作業療法士と協働しながら、まず端座位の安定化から始め、徐々に立位、歩行へと目標を設定していきました。
特に注目したのは、B氏の「孫の運動会に行きたい」という具体的な希望でした。この目標を共有することで、B氏のリハビリに対する意欲が高まり、毎日の訓練にも積極的に取り組むようになりました」
ケース3:退院支援
改善前の記述例
「独居高齢者の退院支援を行いました。在宅での生活が不安だったので、ケアマネージャーさんに相談しました。色々なサービスを利用できることが分かり、よかったです」
改善後の記述例
「独居のC氏(78歳、女性)の退院支援を通じて、多職種連携による包括的な支援の重要性を実感しました。
C氏は高血圧と糖尿病で内服管理が必要な状態でしたが、認知機能の軽度低下も認められ、服薬管理への不安が聞かれました。そこで、病棟看護師として、まずC氏の在宅での生活状況を詳しくアセスメントし、ケアマネージャーを中心とした退院前カンファレンスを提案しました。
その結果、訪問看護による服薬管理支援、デイサービスの利用、配食サービスの導入など、具体的な支援計画を立案することができました」
おしえてカンゴさん!Q&A

現役の看護学生から多く寄せられる質問について、具体的な回答とアドバイスをご紹介します。皆さんの疑問や悩みに、実践的な観点からお答えしていきます。
看護観の形成について
Q1:看護観が明確に見えてきません
「実習を重ねても自分の看護観がはっきりしません。どのように深めていけばよいでしょうか」
カンゴさん
看護観は一朝一夕に形成されるものではありません。日々の実習での経験を丁寧に振り返ることが大切です。
例えば、患者さんとの関わりの中で印象に残った場面を記録し、なぜその場面が心に残ったのか、自分はどのように考え行動したのか、その時の判断の根拠は何だったのかを考えてみましょう。
また、先輩看護師の実践を観察し、その方法や考え方について積極的に質問することも効果的です。
レポートの構成について
Q2:考察の深め方がわかりません
「体験の羅列で終わってしまい、考察が浅いと指摘されます。どうすれば考察を深められますか」
カンゴさん
考察を深めるためには、「なぜ」という問いを重ねることが効果的です。
例えば、ある看護場面で選択した行動について、なぜその方法を選んだのか、他の方法ではなくその方法を選択した理由は何か、その結果どのような効果があったのか、といった具合に掘り下げていきます。
また、文献を読んで理論的な裏付けを得ることも、考察を深める重要な方法です。
文献活用について
Q3:文献の選び方と活用方法
「どのような文献を選べばよいのか、またどのように活用すればよいのでしょうか」
カンゴさん
文献選びでは、まず信頼性の高い学術雑誌や専門書を中心に選びましょう。医中誌Webなどのデータベースを活用し、自身のテーマに関連するキーワードで検索します。
最新の研究動向を押さえるため、できるだけ新しい文献を参照することをお勧めします。
選んだ文献は、単に引用するだけでなく、自身の経験と照らし合わせながら、どのように実践に活かせるのかを考えることが重要です。
効果的な表現方法
Q4:具体的な表現方法について
「抽象的な表現が多いと指摘されます。どのように具体的に書けばよいですか」
カンゴさん
「患者さんの状態が改善した」という抽象的な表現を、「体温が37.2度から36.8度に低下し、食事摂取量が3割から7割に増加した」というように、具体的な数値や観察事項で示すことが重要です。
また、患者さんの言動や表情の変化なども、具体的に記述することで、状況がより明確に伝わります。
実践的なアドバイス
Q5:添削指導での改善点について
「添削で多く指摘される点に、『主観的な記述が多い』とありますが、どのように改善すればよいでしょうか」
カンゴさん
主観的な表現を客観的な記述に変換することがポイントです。
例えば、「患者さんが苦しそうでした」という表現は、「呼吸数が28回/分と増加し、表情には眉間のしわが目立ち、冷汗を認めました」というように、観察した事実に基づいて記述します。
このように具体的な観察事項を示すことで、客観性が増し、専門職としての視点が明確になります。
テーマ設定について
Q6:看護観のテーマ選びについて
「実習での様々な経験がある中で、どのようにテーマを絞ればよいでしょうか」
カンゴさん
テーマ選びでは、特に印象に残った場面や、自分の中で課題意識が生まれた経験を中心に考えてみましょう。
例えば「この時の判断は本当に適切だったのか」「もっと良いケアの方法があったのではないか」と考えさせられた場面は、深い考察につながりやすいです。
また、複数の実習を通じて共通して感じた課題や気づきを軸にテーマを設定するのも効果的です。
時間管理について
Q7:効率的な執筆方法について
「レポート作成に時間がかかりすぎてしまいます。効率的な進め方を教えてください」
カンゴさん
まずは執筆前の準備が重要です。以下の手順で進めることをお勧めします。
1日目:テーマの選定と文献収集
2日目:文献を読み込み、アウトラインを作成
3-4日目:本文の執筆
5日目:推敲と修正
特に最初のアウトライン作成に時間をかけることで、その後の執筆がスムーズになります。また、一度に完璧な文章を書こうとせず、まずは考えを箇条書きで書き出し、それを文章化していく方法も効率的です。
推敲と完成度を高めるテクニック

レポート作成の最終段階である推敲は、文章の質を大きく左右する重要なプロセスです。
ここでは、完成度の高いレポートに仕上げるための具体的な方法をお伝えします。
段階的な推敲プロセス
第一段階:論理構成の確認
まずは全体の論理構成を確認します。序論で提示した問題意識が本論でしっかりと展開され、結論へと結びついているかを確認します。
特に「問題提起→分析→考察→結論」という流れに飛躍がないかを慎重にチェックしていきます。
第二段階:文章表現の推敲
次に個々の文章表現を見直します。一文が長すぎないか、主語と述語の対応は適切か、同じ言葉の繰り返しはないかなどを確認します。
看護専門用語の使用は正確か、略語の説明は適切になされているかもチェックポイントです。
具体的なチェック方法
音読による確認
文章を声に出して読むことで、不自然な表現や読みにくい箇所が見えてきます。
特に長文や複雑な文章構造になっている部分は、音読することで問題点が明確になります。
時間を置いての再確認
一度書き上げたら、可能であれば1日程度時間を置いてから再度読み返すことをお勧めします。
時間を置くことで、新鮮な視点で文章を見直すことができ、より客観的な推敲が可能になります。
完成度を高めるポイント
参考文献の確認
引用文献の書式は指定された形式に従っているか、引用部分と自身の考察は明確に区別されているか、文献番号は正しく付されているかなどを確認します。
図表の活用
必要に応じて図表を効果的に活用します。ただし、図表は本文を補完するものであり、本文だけでも内容が理解できるように心がけます。
最終チェックリスト
形式面の確認
ページ番号、行間、文字サイズ、余白など、指定された形式要件を満たしているかを確認します。
提出前の最終チェックでは、印刷した実物で確認することをお勧めします。
内容面の確認
誤字脱字はないか、文献の引用は適切か、患者情報の匿名性は保たれているか、専門用語の使用は正確かなど、細部にわたって確認します。
まとめ
看護観レポートの作成は、自身の看護実践を振り返り、専門職としての成長を促す重要な機会です。
基本的な構造を理解し、効果的な考察方法を身につけ、論理的な文章展開を心がけることで、質の高いレポートを作成することができます。
特に重要なのは、具体的な経験と理論的な裏付けを結びつけながら、自身の看護観を明確に表現することです。
今回学んだポイントを実践に活かし、看護実践の質を高めていってください。レポート作成の過程で得た気づきや学びは、必ず皆さんの看護の糧となるはずです。
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