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【看護師の転職でキャリアアップ】20の選択肢と成功戦略!資格・研修・転職先を徹底解説

看護師として、これから数年後、数十年後の自分がどんなキャリアをたどりたいかを考える方も少なくないと思います。将来を考えるうえで、キャリアプランを持つことはとても大切なことです。

しかし、看護師の中には「看護師のキャリアアップ方法が分からない」「どのようなキャリアパスがあるんだろう」「看護師の経験を活かせる転職先はどこ?」と考える方もいるでしょう。

そこで本記事では、看護師のキャリアアップについて徹底解説。キャリアアップするための方法やおすすめの転職先、有利になる資格や注意点など、看護師・ナースのリアルな声も踏まえて解説していきます。

 

看護師のキャリアアップとは?

 

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はじめに、看護師のキャリアアップにはどんな選択肢があるのかご紹介していきます。

 

現場のスペシャリストとして活躍

 

まずは、看護師は患者のケアにおいて専門知識とスキルを発揮する役割を果たしています。特定の分野に特化し、その分野でのスペシャリストとして活躍することで、患者への高度なケアを提供できます。

 

スペシャリストは日本語に訳すと専門職です。自分の強みとなる知識を伸ばしてその分野を極めたいという方におすすめです。スペシャリストになるには専門看護師や認定看護師の資格取得が必要で、例えば、透析、手術室、集中治療室など、特定の診療領域での専門看護師としてのキャリアを築くことができます。

 

現場のマネジメントを行う

 

看護師のキャリアアップにおいて、マネジメントの道もあります。医療機関や病院の部門長、チームリーダーなど現場の管理職として、看護師の指導やスケジュール管理、安全管理など、組織全体の運営に携わることができます。

 

看護師の管理職には、看護主任・看護師長・看護部長などがあります。リーダーシップスキルやコミュニケーション能力が求められます。責任のあるポジションを任されることで、やりがいを感じる方も多くいるでしょう。

 

ジェネラリストとして活躍

 

幅広い医療分野に対応できるジェネラリストとしてのキャリアもあります。ジェネラリストとは、幅広い知識や技能、経験などを備えた人を指す言葉で職業ではありません。特定の分野だけでなく、あらゆる看護分野に幅広く精通しているレベルの高い看護師になるため、多くの医療機関で重宝されるでしょう。

 

様々な診療領域での経験を積み、柔軟な対応力を活かして、患者の多様なニーズに応える役割を果たすことができるため、やりがいを感じる看護師は多くいるでしょう。

 

看護関係の教育者・研究者になる

 

医療機関を離れて、看護師の知識と経験を次世代の看護師に伝えるため、教育者としてのキャリアを追求することも一つの道です。また、臨床経験を活かして研究者として働くことで、看護の進化に貢献することができます。

 

注意点としては、教育者になるためには決められた臨床経験年数、関連機関での研修・講習への参加、研究者になるためには大学院の卒業が必要条件となります。

 

看護師の経験を活かして一般企業に転職

 

医療業界以外でも、看護師の経験は高く評価されることがあります。製薬会社、医療機器メーカー、保険会社など、医療に関連する企業での営業、研究開発、コンサルティングなどの職種に転身することも可能です。詳しい解説は後ほどしていきます。

 

キャリアアップを考える際に重要なのは、自身の興味やスキル、将来のビジョンに合った選択をすることです。また、専門知識の継続的な学習や資格取得、コミュニケーション能力の向上など、自己成長に努めることも大切です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>あなたがとったキャリアップの方法とその理由は?

 

看護師がキャリアアップを目指すために行うべきこと

 

このように、看護師のキャリアアップには様々な選択肢があります。そのため、どのようなキャリアアップを目指していくのか、まずはプランを練る必要があります。そこで、キャリアアップを目指すために行うべきことを3つご紹介します。

 

キャリアアップに必要な情報収集

 

キャリアアップを進めるためには、自分の興味や目指す方向性に関連する情報を収集することが大切です。医療業界の動向や新しい技術、専門知識のトレンドなどについて常に情報を収集し、自分にとって有利になるようにアップデートすることが必要です。

 

必要な知識や技術が身につける勉強

 

キャリアアップに向けては、新たな知識やスキルを習得するための勉強が不可欠です。専門分野やリーダーシップスキル、コミュニケーション能力など、自身の成長に必要な領域に焦点を当てた学習計画を立てましょう。専門書籍やオンラインコース、専門機関の研修などを活用して学習を進めます。

 

セミナーに参加する

 

セミナーやワークショップに参加することで、最新の情報を学び、専門家や同業者との交流を図ることができます。セミナーは新たな知識を得るだけでなく、ネットワーキングの場としても活用できるため、自身のキャリアアップに大いに役立ちます。

 

看護師がキャリアアップを達成するためには、努力と学習、情報共有や人脈の構築が不可欠です。自己成長の姿勢を大切にし、積極的なコミュニケーション構築により充実したキャリアを築いていくことができるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>キャリアアップを目指すため一番気を付けたことは?

 

キャリアアップを目指すための注意点

 

キャリアアップといえば夢がありますが、キャリアアップを目指すために以下の点を注意しなければいけません。

 

●自分の将来像を明確にする

 

●現状のスキルや経験を把握する

 

●メンタル面のケア

 

●細かいキャリア設計

 

それぞれ解説していきます。

 

自分の将来像を明確にする

 

キャリアアップの方向性を定める前に、自分の将来像や目標を明確にすることが大切です。どの分野で活躍したいのか、どのようなスキルや経験を積みたいのかを整理し、それに合わせて計画を立てることで、効果的なキャリアアップが可能となりますし、モチベーションにもつながります。

 

現状のスキルや経験を把握する

 

自分をしっかり見つめなおすことは、キャリアアップの出発点です。現在のスキルや経験を客観的に評価し、どの分野で強みを持っているのか、どの部分を向上させる必要があるのかを把握しましょう。これによって、具体的なステップを踏んでスキルアップを図ることができます。

 

メンタル面のケア

 

キャリアアップの過程は挑戦的なものとなることがあります。新しいスキルの習得や未知の分野への挑戦はストレスや不安を伴うことがあります。適度なメンタルケアを心がけ、ストレスのかからないようコントロールする方法を見つけることが重要です。友人や家族とのコミュニケーションや、趣味を持つことなどが助けになるでしょう。

 

細かいキャリア設計

 

看護師に限らず、キャリアアップを目指したいという方はいます。そういう方の多くが5年後10年後の自分を想像するはずです。しかし、それに向かって計画性がなければ、思ったようなキャリアアップが果たせません。それは看護師も一緒です。キャリアアップを目指すためには、段階に分けてキャリアプランを立てていくのがいいでしょう。

 

専門知識を学べる学校に通う

 

看護師になるためには、看護学校で基本的な専門知識と臨床スキルを習得します。学校選びは重要であり、質の高い教育を提供する学校を選ぶことが大切です。看護師免許を取得することが最初のステップとなります。

 

看護師1・2年目

 

初めての職場での経験を通じて、臨床スキルを向上させることが重要です。新人看護師といわれるうちは、基本的な看護ケアやコミュニケーションスキルを磨きながら、患者ケアへの深い理解を深めていきます。同時に、自身の強みや興味がある分野を見つけるための時期でもあります。

 

看護師3年目以降

 

ここからがキャリアアップを意識的に進める時期になります。この時期になると、チームの中核として責任を持つ仕事を任せられるようになります。さらに、多くの現場に立ち会い様々な経験をしているはずです。

 

自分がどの分野に興味があるのか、どんな看護師を目指したいのか、将来どんなキャリアを目指したいかなど、ある程度はっきりしてくるはずです。それらを総合的に判断し、自身のキャリアアップへの道を模索していきましょう。

 

以上のように、看護師のキャリアアップは計画的な段階を踏んで進めることが重要です。自身の目標や興味に合わせてステップを進め、専門性を高めることで、より充実した看護のキャリアを築くことができるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>キャリアアップを目指すため一番気を付けたことは?

 

看護師がキャリアアップするメリット

 

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ここまではキャリアアップに必要なポイントや注意点について解説してきましたが、そもそもキャリアアップすることでどんなメリットが生まれるのか気になりますよね。看護師のキャリアアップには以下のようなメリットがあります。

 

●仕事に対しての責任ややりがいが増える

 

●給料がアップする

 

●就職・再就職に有利になる

 

仕事に対しての責任ややりがいが増える

 

キャリアアップによって、より高度なスキルや知識を身につけることができます。これにより、患者へのケアにおいてより責任ある役割を果たすことができるようになります。新しい症例への対応やチームの指導、組織の改善など、より高度な仕事に取り組むことで、やりがいを感じることができます。

 

また後輩看護師を育てる職業についたとき、自分の教育次第で看護師のレベルが決まってきます。より高いレベルの看護師を育てるというのは、大きな責任感とやりがいを感じることができるでしょう。

 

給料がアップする

 

一般的に、スキルや経験の向上に伴って給料も増加する傾向があります。専門的な知識やスキルを持つ看護師は、その価値を評価されることが多く、給料面での報酬がアップすることがほとんどです。キャリアアップによって今よりも高い給料を得ることができるため、モチベーションを高める要因となります。

 

就職・再就職に有利になる

 

専門的なスキルや経験を持つ看護師は、求人市場で高い需要があります。キャリアアップによって獲得した専門資格やスキルは、他の求職者と差別化するための大きなアドバンテージとなります。転職を検討する際や新しい職場を探す際に、有利な立場を築くことができるでしょう。

 

看護師がキャリアアップすることは、仕事面や経済面だけでなく、自己成長ややりがいを感じるための重要な一歩です。個々の目標や興味に応じて、適切なキャリアアップのステップを進めることで、多くのメリットを感じることができます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>キャリアアップを目指して転職してよかったこと

 

キャリアアップに役立つ資格や研修

 

ここまでご紹介してきたように、キャリアアップを目指すためには、新しいスキルや知識の取得が肝心になります。また、資格取得以外にもキャリアアップに役立つ研修や講習などもあります。ここでは、キャリアアップにつながる資格や研修についてご紹介していきます。

 

認定看護師

 

認定看護師資格は、特定の看護分野で専門知識やスキルを証明するもので、資格取得のためには以下の条件が必要です。

 

・日本看護協会が認める看護師免許を取得している

 

・実務研修が通算5年以上

 

・日本看護協会の認定看護師教育機関において600~800時間の課程を修了

 

認定看護師になると、がん放射線療法看護や呼吸器疾患看護、認知症看護など19の認定看護分野で活躍することができ、その分野でのスペシャリストとしての地位を確立し、高度なケアを提供することができます。

 

専門看護師

 

専門看護師は特定の診療領域で高度な専門知識や技術を持つ看護師になり、資格取得のためには以下の条件が必要です。

 

・日本看護協会が認める看護師免許を取得している

 

・看護系大学院修士課程修了している

 

・日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(26~38単位)を取得している

 

・実務研修が通算5年以上

 

専門看護師になると、がん看護や精神看護、老人看護や小児看護など、13の特定専門分野で活躍することができます。その分野のスペシャリストとして活躍するだけでなく、患者の家族や地域と連携してケアを行う仕事も可能になります。

 

ケアマネージャー

 

ケアマネージャーは介護支援専門員ともいわれ、要介護が必要な患者のケアプランを管理し、チームをリードする役割です。組織の運営やスタッフの指導能力が求められます。ケアマネージャーの資格を取得することで、マネジメントスキルを向上させ、組織内でのリーダーシップを発揮できます。資格取得条件は以下の通りです。

 

・日本看護協会が認める看護師免許を取得している

 

・実務経験が5年以上

 

・介護支援専門員実務研修を87時間受講と3日程度の実習

 

近年日本は高齢化が進んでおり、需要が高く将来性も豊かな資格といわれています。介護施設や自治体の支援センターなど、活躍できる場所も豊富です。

 

保健師

 

保健師資格は厚生労働省が認可する国家資格で、地域保健や予防医療に関する知識やスキルを持つことを証明するものです。地域での健康支援や啓発活動などに携わることができます。主な仕事内容は以下の通りです。

 

・自治体の行政機関(保健所や保健センターなど)に勤める「行政保健師」

 

・教育機関(中学・高校)で働く学校保健師

 

・企業に勤める「産業保健師」

 

・病院や訪問看護などに勤める「病院保健師」

 

保健師になるためには、看護師資格の保有のほか、保健師養成学校で1年以上の教育を受ける必要があるため、保健師資格を取得するためにはしっかりとした計画性を持つ必要があります。

 

助産師

 

助産師は、出産や産前産後のケアを専門的に行う看護師です。産科領域に特化した資格であり、母親と赤ちゃんの健康をサポートする役割を果たします。また自分で助産院を開業することも可能になるので、独立を目指したい方にはおすすめの資格です。

 

助産師試験を取得するためには、看護師資格以外に、助産師専門教育機関で1年以上専門教育を受け助産師国家試験に合格する必要があります。

 

認定看護管理者

 

キャリアアップに、現場のマネジメントを目指している看護師に有利な資格が認定看護管理者です。難易度は高いといわれていますが、認定看護管理者の資格を取得することで管理職への昇進が期待できるため、現場のマネジメントを目指す方は取得したい資格です。

 

資格取得のためには、書類審査と筆記試験による認定審査を通過する必要があります。資格取得の条件は以下の通りになります。

 

・実務経験が5年以上

 

・通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験がある

 

・認定看護管理教育課程を修了している(教育課程はファーストレベル105時間、セカンドレベル180時間、サードレベル180時間のカリキュラムがあります)

 

呼吸療法認定士

 

呼吸療法認定士は、呼吸器系の疾患に特化した知識と技術を持つ資格です。患者の呼吸ケアを専門的に行うことができ、病院やリハビリテーション施設で求められる資格です。近年の高齢化により、需要が高まっている資格で、今後更なる需要の高まりが予想される高齢者の在宅医療でも活躍できます。

 

呼吸療法認定士は、看護師として2年以上の実務経験があれば受験することができ、3学会合同呼吸療法認定士認定委員会から発行される認定資格です。資格取得は以下の流れになります。

 

・認定委員会が定める学会や講習会に出席し12.5点以上を取得

 

・3学会合同呼吸療法認定士認定講習会を受講する

 

・認定試験に合格する

 

特定行為研修

 

特定行為研修は、2015年から厚生労働省の取り組みで行われている看護師のための研修です。看護師の業務範囲を広げるための研修として、カテーテル挿入やペースメーカの操作・管理、インスリンの投与量の調整など特定の医療行為に関する研修を受けることができます。

 

よりスキルを向上させるために自主的に参加できる研修ですが、キャリアあぷを目指したいという看護師の方は、受講しておいて損はないでしょう。

 

各病院が独自におこなう教育・研修

 

各病院や医療機関は独自の教育プログラムや研修を提供しています。これに参加することで、現場でのスキル向上や専門知識を深めることが可能なので、自分が勤めている職場に、そのような研修がないかを確かめてみるのもいいでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>キャリアアップのために資格は取得した?

 

看護師の経験が活かせる転職先

 

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これまでの内容を踏まえ、看護師の経験を活かしてキャリアアップできる転職先をご紹介していきます。

 

産業看護師

 

産業看護師は企業内で従業員の健康管理や予防活動を行う役割です。職場内の健康指導や健康診断の実施、労働災害の予防対策などを担当します。看護師としての医療知識と健康管理のスキルが求められます。

 

医療業界だけでなく、様々な業種との関わりも多いため、医療機関では感じることができない魅力があります。さらに、企業の社員と同じ労働時間になるので、ワークライフバランスも取りやすいです。

 

保健師

 

保健師は地域保健や予防医療の分野で活動します。地域住民の健康増進活動や啓発活動、予防接種の実施などに携わります。看護師の臨床経験が地域の健康支援や啓発活動に活かされます。

 

こちらも自治体の職員として働くことが多くなるため、土日祝日の休みが当たり前になり、プライベートの時間を取りやすく、ワークライフバランスが取りやすいです。

 

助産師

 

助産師は出産や産前産後のケアを専門的に行う役割です。助産師の資格を持つことで、産婦人科クリニックや病院での助産業務に携わることができます。看護師がキャリアアップを目指す職業として、人気の職業の一つです。

 

ツアーナース

 

ツアーナースは旅行先での健康管理や医療支援を行う職種です。旅行者への健康アドバイスや急な病気やケガの対応、必要に応じて医療機関の手配などを行います。様々な地域を訪れることができるので、楽しみながら仕事をするk都ができるのが魅力です。出かけるのが好きな方にはおすすめの職業ですね。

 

ケアマネージャー

 

ケアマネージャーは高齢者や障害者などのケアプランを管理し、サポートを提供する役割です。看護師としての医療知識やコミュニケーションスキルが求められるほか、ケアのプランニングに関するスキルも活かされます。高齢者支援に興味がある人にはおすすめです。

 

福祉住環境コーディネーター

 

福祉住環境コーディネーターは高齢者や障害者のための住環境整備をサポートする役割です。住宅改修のアドバイスや支援を行う際に、医療知識やケアの観点からアドバイスができます。高齢者から感謝されることの多い職業なので、やりがいや達成感を感じることができます。

 

看護師資格のみで活躍できる転職先

 

キャリアアップは新たな資格やスキルが必要と解説してきましたが、キャリアアップを目指す転職先は病院だけではありません。中には看護師資格だけでもキャリアアップできる転職先がありますので、そちらをご紹介していきます。

 

保育園・学校

 

保育園や学校での保健師や看護師の役割には、子供たちの健康管理やケガの応急処置、健康教育などが含まれます。子供たちの成長をサポートする重要な役割を果たすことができます。

 

子供たちと接することで、新たなやりがいや喜びを得ることができるので、子供たちと関わることが好きな方や、小児科に努めているもしくは興味があるという方には合っている職業です。また、土日休みになるのでワークライフバランスがとりやすいのも特徴です。

 

美容クリニック

 

美容クリニックでは、医療行為というのではなく、美容施術の前後のケアやアドバイス、治療プランのサポートなどが含まれます。美容関連の知識を活かして、顧客の美容と健康をサポートすることができます。

 

夜勤はほぼありませんし、給料も高いのが特徴です。利用者に感謝されることも多く、美容に関する知識も覚えることができるので、美容に興味がある方にはおすすめの職業です。

 

健診センター

 

健診センターでの看護師の役割には、健康診断の実施や健康相談の対応などが含まれます。健康管理に関するアドバイスや情報提供を通じて、地域の健康促進に貢献できます。医療行為は採血くらいで、重要な医療公費がほとんどなくストレスなく仕事に打ち込めます。

 

多くの人々の健康状態を把握し、早期発見や予防のサポートを行うことができ、幅広い年齢層の患者と接することで、幅広い経験を積むことができます。また、土日休みで働きやすいのも大きな特徴です。

 

治験コーディネーター

 

治験コーディネーターは、通称CRCと呼ばれ臨床試験の遂行をサポートする役割です。患者への説明やモニタリング、データ管理などを担当し、新薬の開発に貢献します。治験コーディネータ―は病院で勤務することが多く、最先端医療に関わることが多く、医療の進歩に貢献することができます。

 

臨床開発モニター

 

臨床開発モニターは、通称CRAと呼ばれ医薬品や医療機器の臨床試験の監視や管理を行う役割です。試験の進行状況やデータの品質を確認し、規制や倫理規定に適合することを確認します。臨床開発モニターは製薬会社で勤務することが多く、新しい医療技術に触れることができ、規則正しい時間で仕事を行うことができます。

 

心理カウンセラー

 

心理カウンセラーは、心理的な問題やストレスに関するカウンセリングを提供する役割です。看護師の臨床経験を活かして、患者の心の健康をサポートすることができ、主に学校や薬局などで活躍することができます。

 

コミュニケーション能力が必要な職業なので、これまで培ったスキルを活かして、カウンセラーに転職する看護師も多くいます。

 

クリニカルスペシャリスト

 

クリニカルスペシャリストは、製品の情報提供やデモンストレーションを行う職業で、営業職の販売活動をサポートするのが目的です。主に、医療メーカーや製薬会社で活躍することができ、製品の使用方法や効果に関する専門知識を提供し、医療機関からの理解を深めてもらうことが求められます。

 

医療業界の最新動向に関する知識を維持し、専門的なスキルを磨くこともできるので、もし看護師として復職を目指すという方にはおすすめの転職先といえるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>キャリアアップのために転職した職業は?

 

まとめ

 

この記事では、看護師がキャリアアップするための方法として、おすすめの転職先や有利になる資格やスキルなどについて解説してきました。

 

看護師のキャリアアップには多くの選択肢があり、自身の専門性やスキルを活かして新たな道を切り拓くことができます。専門知識を深める資格や研修、異なる職種への転職を通じて、より広い視野での貢献が可能です。将来のビジョンを明確にし、自己評価やメンタルケアを大切にしながら、成長を続けることがキャリアの成功につながります。

 

今回の記事を参考に、今後どのようなキャリアを築きたいかを明確にし、目指す目標に向かってスキルアップ・キャリアアップを続けてください。

【看護師の企業転職完全ガイド】20社の求人例と成功戦略!メリット・デメリットも徹底解説

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この記事を読めば、看護師としての新たなキャリアパスが見えてくるはずです。あなたの可能性を広げる第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

看護師の企業への転職とは?

 

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看護師が企業に転職するには「看護師の資格を活かして企業で働く」転職と、「まったく異なる分野の企業への転職」の2つのパターンがあります。

 

護師の資格を活かして企業で働く

 

看護師として企業で働くというと、イメージが付きにくい方も多いと思います。実は近年、健康管理を推奨している企業も増えており、企業内に看護師を配置しメンタルヘルスケアや健康相談などを行っている企業が多くあります。

 

また、大手企業では産業看護師が駐在し、社員が業務を円滑に進めるため医療的・看護的サポートを行っているところもあります。

 

まったく異なる分野の企業への転職

 

看護師としてではなく、看護師の経験を活かした転職ができることもできます。また、看護師とは全く違う分野で活躍される方も多くいます。

 

次の項目では、看護師が企業で働く場合のおすすめの職種を紹介していきます。

 

看護師の資格を活かして転職できる一般企業とは?

 

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まずは、看護師の資格を活かせる企業をご紹介していきます。

 

●フィールドナース

●訪問看護ステーションでの採用担当

●医療系コールセンターのオペレーター

●治験コーディネーター

●医療系人材紹介会社のエージェント

●臨床開発モニター

●心理カウンセラー

●品質管理者

●産業看護師

 

それぞれについて解説していきます。

 

フィールドナース

 

フィールドナースは、医療機器メーカーに勤務して医療機関に自社製品を宣伝する仕事になります。クリニカルコーディネーターとも呼ばれており、自社製品のプレゼンをはじめデモンストレーションや展示会などを開催、購入後のアフターフォローなど、営業のサポート的な役割を担います。

 

医療機器から美容機器までどのような製品を売り込むのはは企業によって様々ですが、自社製品を購入してもらうためのプレゼン能力やコミュニケーション能力が必要になります。

 

訪問看護ステーションでの採用担当

 

訪問看護ステーションや医療機関において、新たな看護師の採用を担当する仕事です。求人広告の作成や選考プロセスの実施、実際に面接を行うなど、看護師の採用活動全般を担当します。

 

医療系コールセンターのオペレーター

 

医療に関する問い合わせやアドバイスを提供するコールセンターで働くオペレーターです。主に、医療機器メーカーや医薬品メーカー、健康食品メーカーや医療保険会社などの企業で活躍することができます。

 

仕事内容としては電話やメールを通じて患者からの疑問や相談に応え、必要な情報やアドバイスを提供します。また近年は、アプリを使ったオンラインヘルスケアなども開発されており、そのようなアプリを提供している企業では、WEBやチャットの窓口職員として看護師を採用している企業もあります。

 

治験コーディネーター

 

治験コーディネーターは、新しい治療法や薬の臨床試験を計画する際、医療機関や製薬会社、被験者の間に立ち、スムーズに治験を行う職業です。

 

被験者の受け入れ基準や試験のスケジュール作成、治験に参加する患者を募集、被験者に説明を行い、同意を得るプロセスなども対応するなど治験前の段取りや、データ管理や試験報告と文書作成、また医師や薬剤師、監視担当者などと協力し円滑な試験遂行を図ります。

 

医療系人材紹介会社のエージェント

 

医療関連の人材紹介会社で、看護師や医療従事者の転職をサポートするエージェントとして活動します。求職者のスキルや希望に合った求人の提案や面接のセッティングなどを行います。また、看護師の経験をもとに、悩みを持った看護師たちの相談を受け、サポートする役割も担います。

 

臨床開発モニター

 

製薬会社や臨床研究機関で、臨床試験の進行状況やデータの正確性を監視する役割です。試験施設への定期的な訪問やデータのチェックを通じて、試験の信頼性と品質を確保します。

 

臨床開発モニターは、特別必要な資格はありませんが、看護師資格をもち看護師経験がある方が有利な職業といわれており、現在臨床開発モニターとして働いている約3割が看護師経験のある人材になります。

 

心理カウンセラー

 

心理カウンセラーとして、個人やグループに対して心理的なサポートやカウンセリングを提供する仕事です。看護師の経験と心理学的な知識を組み合わせて、クライアントの心の健康を支えます。

 

カウンセラーとして仕事をするためには、看護師資格だけでは心もとないため、多くの人は産業カウンセラーや臨床心理士といった民間資格を取得する人が多いです。

 

品質管理者

 

医薬品メーカーや医療機器メーカーなどで、品質管理やコンプライアンスを担当する仕事です。医療サービスや製品の品質向上や規制遵守を確保し、安全な医療提供を支えます。企業以外にも、医療機関の倉庫なども就職先としてあげられることがあります。

 

産業看護師

 

産業看護師は、企業や職場において従業員の健康管理や安全対策を行う看護師のことを指します。産業看護師は、労働者の健康状態を維持し、労働環境における安全性を確保する役割を果たします。企業内で健康促進や予防医療の提供、事故や怪我の応急処置、労働環境の改善提案など、多岐にわたる業務を担当します。

 

大手企業で採用されることが多く、収入もかなりの高額を期待できる職業ですが、実際のところ、産業看護師は狭き門といわれています。

 

理由はいくつかありますが、まずはたいていの企業は看護師ではなく保健師資格を持っている人材を募集していること。さらに、産業看護師を求めている企業が少ないため、求人自体が限られるということがあげられます。

 

そのため、看護師資格のみでの転職はもちろん可能ですが、採用される確率を上げるには、看護師以外の資格を持つことで有利に働きます。産業看護師を目指すのであれば、転職活動をする前に、以下の資格取得を目指すことをおすすめします。

 

産業看護師を目指す人におすすめのスキル・資格

 

看護師としての臨床経験

 

産業看護師は、健康管理や応急処置の面で臨床的なスキルが求められます。看護師としての経験を通じて疾患の理解や医療処置の実施能力を養い、職場での健康支援に役立てることが重要です。求人には臨床経験が何年以上という条件を課している企業もあるので、しっかり求人情報はチェックしてみてください。

 

保健師資格

 

保健師の資格を持つことで、健康促進や予防医療の知識とスキルを習得できます。産業看護師の業務においても、健康管理や健康教育の側面で保健師資格が役立ちます。旧条件に軽視していない企業でも、保健師の資格を持っていることで優遇されるケースも多いです。

 

衛生管理者

 

衛生管理者は、従業員の健康障害の予防・労働災害の防止を主な仕事にする資格です。衛生管理者の資格を取得することで、労働環境の安全性や衛生面に関する専門知識を習得できます。職場の安全対策やリスク評価に関する業務において、衛生管理者の知識は重要です。

 

従業員が50人以上いる企業は、衛生管理者を必ず一人置かなければいけないというきまりがあります。そのため、衛生管理者を持っていると、採用されやすくなるというわけです。

 

産業カウンセラー

 

労働者のメンタルヘルスを支援するために、産業カウンセラーの資格を取得することも有益です。ストレス管理や心理的なサポートが求められる場面で、産業カウンセラーとしてのスキルを活かすことができます。

 

メンタルヘルスマネジメント検定

 

メンタルヘルスマネジメント検定を取得することで、職場におけるメンタルヘルスの管理や支援に関する専門知識を身につけます。労働者の心理的な健康をサポートする能力を高めるために役立ちます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職先に選んだ職種とそのきっかけは?

 

看護師とはまったく異なる一般企業とは?

 

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次に看護師とは異なる企業をご紹介していきます。

 

●事務

 

●美容関連

 

●商品企画・開発

 

●アパレル系

 

●IT・WEB関連

 

それぞれについて解説していきます。

 

事務

 

看護師の医療知識に加えて、事務や経理のスキルを活かして、一般企業での事務や経理の職に挑戦することもできます。しかし、事務系の仕事は倍率が高いため、なかなか転職先が決まらないかもしれません。

 

そのため、パートや派遣社員などに幅を広げて探すことで求人が見つかりやすくなるでしょうし、簿記系の資格取得、職種の幅を広げて経理や労務なども視野に入れておくといいかもしれませんね。

 

美容関連

 

もし、美容に興味がある方であれば、美容業界での営業やカウンセリングなど、美容に関連する仕事で看護師の経験を活かすことができます。美容に関する知識を高めながら、おしゃれをすることもできます。

 

職場としては、デパートなどで化粧品販売をする美容部員やネイリスト、エステティシャン・セラピストやコスメ販売スタッフなどがあげられます。

 

商品企画・開発

 

医療機器や健康関連商品の企画・開発に携わる仕事で、看護師の視点から新しい商品を生み出すことができます。

 

例えば、ヘルスケアや日用品、食品や健康食品、医療や化粧品などの開発がメインになりますが、まったく異なる企業というよりは、それまで培ってきた知識を活かしやすい転職先ということが言えるかもしれません。

 

アパレル系

 

ファッションに興味がある人にとってうってつけの転職先となるのがアパレル系です。店舗で商品を販売するアパレル店員や自社ブランドを売り込むアパレル営業、ネット販売をメインに行っている企業であればECサイト運営などが主な仕事です。まったく異なる企業に転職するなら、自分が一番興味のある職種に転職するのもいいかもしれませんね。

 

IT・WEB関連

 

こちらもまったく異なる分野の一つになるIT・WEB関連企業への転職です。将来性のある職業なので、長く仕事をすることができるでしょうし、今後もっとも成長する職種といえるでしょう。

 

比較的転職しやすいのはWEBデザイナーやWEBマーケティング、システム販売の営業などがあげられます。将来性豊かな職場で働きたいと考えるならおすすめの職業です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>転職先に選んだ職種とそのきっかけは?

 

看護師が一般企業に転職するためのポイント

 

看護師の医療関係への転職であれば、アピールポイントも分かりやすいかもしれませんが、一般企業への転職となると、どのように転職活動を行えばいいか分からないという方も多いと思います。そこで、看護師の企業への転職をする際のポイントをご紹介していきます。

 

●企業で働きたい理由を明確にする

 

●絶対に譲れない点を1つ決める

 

●パソコン操作に慣れておく

 

●複数の手段で求人を探す

 

●職場の働きやすさも入念にチェックする

 

●転職が有利になる資格を取得する

 

それぞれについて解説していきます。

 

企業で働きたい理由を明確にする

 

なぜ一般企業で働きたいのか、その動機や理由を明確にしましょう。もし看護師の資格を活かした転職をしたい場合、自分のスキルや経験をどのように活かしたいのかを考え、それに合った企業や職種を選ぶことが重要です。

 

手順としては、まず、現在のキャリア目標や将来の展望を整理しましょう。自分がどのような方向に進みたいのか、どのようなスキルや経験を身につけたいのかを明確にします。

 

次に看護師としての経験やスキルを振り返り、それらが企業での仕事にどのように活かせるかを考え、過去の経験がどの分野や役割に適しているのかを把握します。もしまったく異なる分野への転職を考えているのであれば、後悔しない転職先なのかどうかを熟考しましょう。

 

次に企業で働きたい理由を洗い出します。看護師が企業への転職にあたって、面接で必ず聞かれるのが「なぜ医療機関ではなく企業への転職なのか」です。「スキルの活用」「自分の成長」「興味・関心」「価値観の一致」などが理由になりますが、なぜ企業で働きたいかは、スムーズな回答をするためにもしっかり言葉にできるようにしておきましょう。

 

絶対に譲れない点を1つ決める

 

転職先の条件や要望を整理し、特に譲れないポイントを1つ決めておくと、求人選びの際に焦点を絞ることができます。例えば、勤務地や給与、休日や特別休暇や福利厚生など、これだけは譲れないというものを一つ決めておくのがいいでしょう。

 

一般企業では、なかなか自分の思い通りの条件すべてが揃っていることは少ないです。そのため、他は妥協してもこれだけは妥協できないというものを決めておくと、転職活動がスムーズに行えます。

 

パソコン操作に慣れておく

 

一般企業での仕事にはパソコン操作が必要な場面が多いことがあります。一般的なPCスキルとしてはWordやExcelになります。簡単なオフィスソフトや業務用アプリケーションの操作に慣れておくと、転職先での適応がスムーズです。

 

複数の手段で求人を探す

 

ある程度転職先が絞られてきたら、いざ転職活動です。その際、転職サイトや求人情報誌だけでなく、LinkedInなどのプロフェッショナルネットワークや人材紹介会社を活用して求人情報を収集しましょう。

 

多様なチャンネルやコミュニティーを使うことで、幅広い選択肢を得ることができますし、転職希望の企業の口コミや有益な情報を得ることができます。

 

職場の働きやすさも入念にチェックする

 

転職する場合、どうしても給与に目が行きがちになってしまいますが、それ以外にも、企業理念や労働条件、ワークライフバランスなど、職場環境についても注意深く調査しましょう。自分に合った環境で働くことが、長期的な満足感を高めるポイントです。

 

企業の雰囲気を知るためには、口コミサイトや社内イベントの頻度、企業の公式サイトなどで知ることができます。企業の雰囲気が自分に合っているかどうかをしっかり見極め、転職するのがベストです。

 

転職が有利になる資格を取得する

 

一般企業で求められるスキルや資格を把握し、転職を有利に進めるために取得することを検討してみてください。先ほども解説しましたが産業看護師であれば「保健師資格」や「産業カウンセラー」など、それ以外であればコミュニケーションやプロジェクト管理などのスキルが求められることが多いです。

 

<看護師・ナースのリアルな声>企業に転職して思う一番大切なポイントは?

 

看護師が企業に転職するメリット

 

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看護師が医療機関ではなく企業に転職するのは多くのメリットがある分、もちろんデメリットも発生します。まずは、企業に転職するメリットをご紹介していきます。

 

ライフワークバランスが取れプライベートが充実する

 

一般企業に転職することで、定時での勤務が多くなり、休日や有給休暇がしっかりと取れることがあります。これにより、家庭や趣味、リフレッシュタイムに充実感を感じることができます。夜勤などの心配がなくなるため、夜勤が辛かったという方はそのような心配をすることもありません。

 

医療行為が少ないためプレッシャーがかからない

 

一般企業での業務では、医療行為を行う必要が少ない場合が多いため、医療的なプレッシャーや責任を軽減できます。これにより、ストレスの軽減や心理的な負担の軽減が期待されます。

 

給料や福利厚生に恵まれている

 

職場にもよりますが、特に大企業に転職できれば、ボーナスや福利厚生も充実している場合があります。安定した収入を得ることができ、将来の生活設計にも影響を与える可能性があります。

 

看護師の仕事をしていた時のように、夜勤で給与を増やすという必要もないですし、年功序列で上がっていくということもありません。福利厚生もしっかりしていることが多く、待遇は良くなる可能性が大きいでしょう。

 

デスクワークが多く肉体的な負担が少ない

 

医療現場での看護師業務は体力的な負担が大きいことがありますが、企業勤務ではデスクワークが中心となるため、肉体的な負担が軽減されます。長時間の立ち仕事や力仕事がないため、肉体的な維持が期待できます。

 

人間関係に悩みにくい

 

医療機関では医療スタッフはもちろん患者とのコミュニケーションが求められますが、企業勤務では比較的内勤業務が多いため、人間関係に悩むことが少なくなるかもしれません。また、職場にもよりますが企業では少人数で業務が行われるので、対人のストレスを感じることが少ないです。

 

新しい経験ができる

 

企業での業務は、看護師としての専門的なスキルを活かしつつ、異なる分野や業界での経験を積む機会があります。新しい知識や視点を身につけ、自己成長を促進することができます。また、まったく違う企業を選んだ場合、今まで見たことのない景色を見ることができ、新鮮な気持ちで仕事をすることができるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師から企業に転職して良かったこと

 

看護師が企業に転職するデメリット

 

続いて、看護師が企業に転職した際のデメリットをご紹介します。

 

医療現場への復帰がしにくい

 

一度企業でのキャリアに進むと、医療現場への復帰が難しくなることがあります。その大きな理由は、医療の進歩や規制の変化に追いつくことが難しくなる可能性があるため、医療分野への復帰には煩雑なプロセスが伴うことがあるためです。

 

また、そのような状況ではないにしても、医療現場を離れていたことのブランクを取り戻すのは容易ではありません。勘を取り戻すにはかなりの苦労が必要です。

 

今までとは異なるスキルを求められる

 

: 一般企業での業務は、看護師としての専門的なスキルだけでなく、ビジネスマナーやパソコンスキルなど異なるスキルや知識を求められることがあります。新たなスキルを学び、適応する必要があるため、初期段階では違和感や不安を感じることがあるかもしれません。

 

収入が減る可能性がある

 

一般企業での給与水準は、医療現場に比べて低い場合があります。特に給与の安定感や待遇に不満を感じることがあるかもしれません。また、転職してすぐは新人扱いなので、収入がへうことはよくあります。ただし、企業の福利厚生やキャリア成長による収入アップの機会もあるため、しっかり求人情報はチェックするようにしましょう。

 

自分の判断が必要になる

 

医療現場では医療チームと連携し、患者さんの診療に関わる場面が多いですが、企業での業務では自分の判断や意思決定が求められることがあります。これに対する責任感やプレッシャーを感じることもあるでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師から企業に転職して後悔したこと

 

企業に転職することに向いている看護師の特徴

 

看護師で転職を考えている方の中には、一般企業への転職も視野に入れている方もいると思いますが、自分が向いているのか分からないという方もいると思います。そこで、企業への転職が向いている看護師の特徴をいくつかご紹介していきますので、自分は当てはまるかどうかチェックしてください。

 

●夜勤がない仕事をしたい人

 

●臨床経験を活かした仕事を探している人

 

●一般的なビジネススキルやマナーを身につけている人

 

●自分のペースで仕事をしたい人

 

●メンタルヘルスや予防医療に興味がある人

 

●コミュニケーション能力が高い人

 

それぞれについて解説していきます。

 

夜勤がない仕事をしたい人

 

医療現場での夜勤勤務は身体的・精神的な負担が大きいことがあり、夜勤の影響を軽減したいと考える看護師には企業勤務が向いています。企業での一般的な勤務は日中中心で、夜勤の負担がないため、ライフワークバランスを重視する人に適しています。

 

臨床経験を活かした仕事を探している人

 

看護師としての臨床経験を活かしながら、医療以外の分野でも活躍したいと考える人にとって、企業での仕事は適しています。医療的なスキルを応用し、健康管理や安全対策、人材育成などの業務に貢献できます。特に、5年以上様々な実績を積んでおくと即戦力として点所kしやすくなります。

 

一般的なビジネススキルやマナーを身につけている人

 

企業での業務には一般的なビジネススキルやマナーが求められることがあります。ビジネスマナーは医療機関に余り必要がありませんが、コミュニケーション能力やプレゼンテーションスキル、ビジネス文書の作成などを持っていれば、企業での業務に有利です。

 

自分のペースで仕事をしたい人

 

医療現場では緊張感のある状況が多いですが、企業勤務では比較的自分のペースで業務を進めることができる場面が多いです。自分のスケジュールを立てて仕事を進めるスタイルに向いている人がいます。

 

メンタルヘルスや予防医療に興味がある人

 

企業での業務は、メンタルヘルスのサポートや健康促進の分野で活動することが多いです。メンタルヘルスや予防医療に興味を持っている看護師は、企業での転職が向いているかもしれません。

 

コミュニケーション能力が高い人

 

企業での業務はチームでの協力やコミュニケーションが重要です。人材育成や健康教育などで効果的なコミュニケーションをとる能力がある看護師は、企業での仕事は向いているでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>企業で働くことに向いていると感じた瞬間は?

 

企業に転職することに向いていない看護師の特徴

 

続いて、企業で働くことに向いていない人の特徴について紹介します。

 

●コミュニケーションが苦手な人

 

●動いて仕事をしたい人

 

●アドバイスが苦手な人

 

それぞれについて解説していきます。

 

コミュニケーションが苦手な人

 

企業での業務はチームでの協力やコミュニケーションが重要です。コミュニケーションが苦手な看護師は、チーム内での円滑なコミュニケーションや協力が難しく、業務遂行が困難になる可能性があります。

 

動いて仕事をしたい人

 

医療現場では患者の身体的なケアや移動が頻繁に求められますが、企業勤務ではデスクワークが中心となることが多いです。動きながら働くことを好む看護師にとって、デスクワークが多い企業勤務は向いていないかもしれません。

 

アドバイスが苦手な人

 

看護師の業務には患者へのアドバイスや指導が含まれることがありますが、企業での業務は社内のメンバーやクライアントへのアドバイスが求められることがあります。アドバイスや指導が苦手な看護師は、業務の一部を難しく感じるかもしれません。

 

<看護師・ナースのリアルな声>企業の仕事が向いていないと感じた瞬間は?

 

看護師の企業への転職でよくある質問

 

最後に、看護師が企業への転職を目指す際に、よくある質問をいくつかご紹介して行きたいと思います。同じような悩みを持たれている方は、ぜひ参考にしてください。

 

初めての転職で異業界に転職しても良い?

 

初めての転職で異業界に移ることは十分に可能です。看護師の経験やスキル、コミュニケーション能力など、様々な分野で活かせます。異業界でも臨床経験を生かして健康管理や安全対策、メンタルヘルスサポートなどの役割を果たすことができます。過去の経験が新たな分野でのアピールポイントとなる可能性があります。

 

時間を確保しやすい仕事は?

 

企業勤務には定時での勤務が多く、夜勤や連続勤務の負担が少ないことがあります。そのため、プライベートの時間を確保しやすい環境が整っていることが多いです。特に、正社員以外では派遣の仕事がプライベートな時間を取りやすいです。

 

また、企業ではデスクワーク中心の業務もあるため、肉体的な負担を軽減できます。企業によって異なるため、求人情報や面接で詳細な勤務条件を確認することが大切です。

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職する企業について、様々な角度からご紹介してきました。

 

看護師は医療機関以外にも、多くの転職先があります。企業への転職は多くのメリットがありますが、今以上のスキルと知識を身につける必要があり、求人数が限られている職種もあるため、競争率が高くなることが考えられます。そのため、正社員に限定せず、契約社員やパートなども視野に入れて転職活動をすることも考えておきましょう。

 

とはいえ、企業への転職は、今までと全く違った景色を見れることは間違いありません。まずは、自分の転職理由を明確にし、自分にあった企業を見つけ転職することができれば、やりがいを感じられるようになるでしょう。

 

企業への転職を考えている方は、今回の記事を参考にしていただき、ぜひご自身のキャリアを素晴らしいものにするための転職を成功させてください。

【看護師から看護師以外への転職完全ガイド】24職種を徹底比較!成功のコツと失敗しない選び方

看護師として働きながら、「もっと違う分野で自分の力を発揮したい」「新しいキャリアにチャレンジしたい」と考えたことはありませんか?実は、看護師の経験とスキルは、医療現場以外でも大きな価値を持っています。

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それぞれの職種の特徴、必要な資格、メリット・デメリットを徹底分析。さらに、転職成功のための具体的なポイントや注意点もお伝えします。現役看護師の生の声も交えながら、キャリアチェンジの実態に迫ります。

この記事を読めば、看護師としての経験を活かしつつ、新たなキャリアパスが見えてくるはずです。あなたの可能性を広げる第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

 

看護師から他の職種に転職するメリット

看護師から他の職種に転職したいと思っても、なかなか踏み切れないかもしれません。しかし、看護師から他の職種に転職すると次のようなメリットがあります。

 

  • 生活リズムが整う
  • プライベートと仕事を両立できる
  • プレッシャーが少ない
  • キャリアの幅が広がる

 

生活リズムが整う

 

入院病棟があるなど、事業所の特性によって異なるとは思いますが、看護師の場合、夜勤が多かったり、2〜3交代制のシフト制だったりと、勤務体制が特殊で生活リズムが乱れている人も少なくありません。

 

しかし、看護師以外の職種に転職する際、夜勤のない職種および勤務先を選択すれば、日勤のみとなり、生活リズムが整い心身の健康を保ちやすくなります。

 

プライベートと仕事を両立できる

 

看護師は前残業や後残業が多く、さらに時間があれば自己研鑽のために常に勉強しなくてはならないため、休みの日も仕事のことばかり考えていることも多い傾向にあるはずです。

 

さらに土日祝日休みでない事業所も多く、シフト制で家族や友人などと休みの日を合わせにくいこともあるでしょう。

 

その点、看護師以外の職種では、土日祝日休みや休みと仕事をきっちり分けて考えられる勤務先も多数存在しており、プライベートと仕事を両立することができます。

 

プレッシャーが少ない

 

看護師の場合、患者の命を預かっているため、どのような業務にも重いプレッシャーがのしかかります。

 

しかし、命に直結しないような看護師以外の職種を選べば、看護師として働いているときよりも圧倒的に少ないプレッシャーの中で、ストレスフリーで働けることもしばしばあるのです。

 

キャリアの幅が広がる

 

看護師としてずっと1つの事業所で働き続けていても、看護部長などを目指すくらいしかキャリアアップの道はありません。

 

一方で他資格を取得したり、未経験無資格でも看護師とは違う職種に就いたりすると、看護師以外の様々なキャリアの幅を広げることができます。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師から他の職種に転職して良かったこと

 

看護師から他の職種に転職するデメリット

看護師から他の職種に転職すると得られるのはメリットだけではありません。ここでは、デメリットについてもしっかりとお伝えしていきます。

 

  • 給料ダウンする可能性がある
  • やりがいを感じなくなってしまう可能性がある

 

給料ダウンする可能性がある

 

仮に残業代などが満額支払われていなかったとしても、看護師は有資格者でなければなれない専門職な上、夜勤があることや患者の命を預かる責任の重い職業であるため、他職種と比較すると給与水準が高い傾向にあることは間違い無いです。

 

一方で看護師以外の他職種に転職した場合、同じような医療関係の仕事であっても夜勤がなかったり、看護師と比べて責任が少なかったりすることがあり、看護師として働いていたときよりも給料がダウンする可能性があることを覚えておいてください。

 

やりがいを感じなくなってしまう可能性がある

 

看護師はとても大変な仕事ですが、患者の命を救うという大きな使命を担っているため、とてもやりがいを感じてしまう人も多いはずです。

 

もちろん看護師以外の仕事も大変なはずなのですが、過酷な看護師と比較してしまうとやりがいをあまり感じなくなってしまう可能性があり、モチベーションを保ちにくかったり、物足りなさを感じてしまったりすることもあるかもしれません。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師から他の職種に転職して失敗したと思ったこと

 

看護師の経験を活かせるおすすめの職種や勤務先24選

続いて本題の看護師経験を活かせる24のおすすめの職種や勤務先をピックアップしましたので、ご紹介していきます。

 

  • 助産師
  • 医療事務
  • MR(医療情報担当者)
  • 介護福祉士
  • ケアマネージャー
  • 訪問看護師
  • 健診・検診センター
  • 献血看護師
  • CRC(治験コーディネーター)
  • CRA(臨床開発モニター)
  • 病児保育士
  • 美容クリニック
  • フィールドナース
  • 行政保健師
  • 産業保健師
  • 保育園
  • 学校の養護教諭
  • コールセンター
  • 健康相談員
  • 衛生管理者
  • 産業看護師
  • ツアーナース
  • イベントナース
  • 看護大学・看護学校の教員

 

助産師

 

助産師は看護師資格を取得する際に1度はこういう道もあると考えている人が多いはずですが、看護師資格と助産師資格の両方を保有する人だけが就ける医療専門職となっています。

 

看護師の場合、年齢問わず病気や怪我を患っている人をケア対象としますが、助産師は看護師と同じ領域はもちろん、さらに妊婦をはじめとする産婦や新生児に対しての専門的なケアを施すことができ、主に新しい命のためのケアを中心としているのが特徴です。

 

看護師と同じく妊婦や産婦、新生児の命を預かる仕事であることから、プレッシャーは大きいとはいえ、新しい命が誕生する瞬間に立ち会うことができ、非常に前向きでやりがいのある職種といえるでしょう。

 

医療事務

 

看護師として働いていると受付担当をしている医療事務の人と関わる機会も多いはずです。そして、看護師という仕事自体深い医療知識を持っているので、転職候補としては医療事務も挙げられます。

 

意外かもしれませんが、医療事務は未経験無資格でも就ける職業です。もちろん資格を持っているに越したことはないとはいえ、国家資格は存在しておらず、あくまでも民間資格を取得することしかできません。

 

看護師経験者の場合、時に看護師とのやりとりも求められる医療事務でも十分力を発揮できるはずです。

 

MR(医療情報担当者)

 

MR(医療情報担当者)とは、製薬会社などの営業担当者のことを言い、医療関係者に対して自社医薬品の効果や副作用といった様々な情報を講習会や研修会の場で提供する業務を担う存在です。

 

一般的な営業職の場合、直接病院や薬局に自社医薬品を販売することを目的としていますが、MR(医療情報担当者)の場合そのようなことはなく、あくまでも自社医薬品の情報提供および情報収集のみを単装するため、価格交渉や代金回収などは行いません。

 

MR(医療情報担当者)になるために取得必須の資格はなく、看護師と同じ医療業界において医薬品の発展に貢献できる上、人々の健康に深く関わることができるので、やりがいのある職種といえます。

 

介護福祉士

 

医療業界と親和性の高い介護業界では人手不足が問題視されており、非常に多くの求人があるため、未経験でも目指しやすくなっています。

 

看護師資格と介護福祉士資格の両方を持っていると、介護現場でも医療知識を活かすことができるだけでなく、介護福祉士のみの有資格者では行えない利用者へのインスリン注射などの医療行為も担うことができ、現場で重宝されます。

 

ケアマネージャー

 

ケアマネージャーは、介護を必要とする人が様々な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランを作成したり、事業者との調整を行ったりする介護保険のスペシャリストのことです。

 

ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりませんが、指定されている業務や実務経験が5年以上あれば受験資格を得ることができます。

 

ちなみに看護師資格を持ち5年以上の実務経験がある人は受験資格がすでにあるため、ケアマネージャーを目指しやすいです。

 

訪問看護師

 

訪問看護師とは、病気や障害などを持っていながら在宅療養している人々の生活を支えるため、利用者の看護を行ったり、利用者家族のサポートをしたり、医師や介護事業所などとの連携を行う看護師のことです。

 

訪問看護師となるためには、看護師あるいは准看護師資格以外に必要な資格はないので、看護師経験があれば誰でも目指せる職種といえます。

 

これから超高齢社会を迎えるため、さらに訪問看護ステーションの需要が増えていくことが予想されており、求人も比例して増加していくはずです。

 

健診・検診センター

 

看護師として健診・検診センターに転職するという道もあります。同じ看護師職とはいえ、すでに病気や怪我がある人への看護をするわけではなく、健康診断や病気の早期発見を行うための検査を行うため、プレッシャーが少ない傾向にあります。

 

健診・検診センターにおける看護師の業務としては、一般的な健康診断のための検査対応や採血、結果のチェック、データ入力、精密検査の予約などとなります。

 

夜勤は当然なく、ルーティンワークを行っていくため、プライベートと仕事を両立していきやすい一方で、高い採血スキルが求められることを覚えておきましょう。

 

献血看護師

 

献血看護師は、その名の通り献血ルームや献血バスなどで献血希望者の検査と採血を行い、アフターフォローや血液を保存する機械管理をする看護師のことです。

 

献血看護師も夜勤がないだけでなく、ほとんど残業もない上、プレッシャーも少ない傾向にあります。

 

特に必要な資格もなく、看護師資格があれば転職しやすい職種といえるでしょう。

 

CRC(治験コーディネーター)

 

CRC(治験コーディネーター)とは、治験実施医療機関で治験責任医師あるいは治験分担医師のもとに治験に関わる業務をサポートする看護師や薬剤師、その他の医療関係者のことです。

 

医療機関の治験事務局あるいは民間企業SMO(治験施設支援機関)のどちらかで働くことになります。

 

CRC(治験コーディネーター)になるためには、絶対に資格が必要というわけではないとはいえ、深い医療知識を持っている必要があるため必然的に看護師などの資格を持つ人が優遇して採用される傾向にあります。

 

CRA(臨床開発モニター)

 

CRA(臨床開発モニター)は、新薬の臨床開発試験の進行をサポートするため、患者に投薬する治験において症例データを収集したり、進捗状況を管理したりする職種です。

 

CRA(臨床開発モニター)になるための必須資格はありませんが、医療や薬学に関する知識が必要となるため、結果的に看護師や薬剤師、臨床検査技師などの資格を持つ人が優遇して採用されます。

 

患者と直接接することはなくなるので、今までのようなやりがいはあまり感じなくなるかもしれませんが、夜勤がなくなるだけでなく、土日祝日などに休めるため、プライベートも重視したい人におすすめといえるでしょう。

 

病児保育士

 

病児保育士とは病気あるいは病後の子どもを一時的に預かり保育する保育士のことであり、看護師として働く中でも接したことがある人も多いかもしれません。

 

子どもに対して基本的に医療行為を行うことはないとはいえ、子どもの体調管理を行いながら、体調が急変した際には医師に連絡したり、子どもを病院に連れて行って診察させたりすることになります。

 

病児保育士として働くためには、看護師あるいは保育士資格を持っている必要があるので、看護師資格を持っていれば転職しやすい傾向にあるでしょう。

 

美容クリニック

 

美容クリニックとは整形手術や脱毛など、美容医療を専門とする機関であり、主に自由診療を提供しています。

 

一般的な病気や怪我を煩う患者に対する医療ケアを行う病院やクリニックとは異なり、見た目をより美しくするために受診する人が多いため、患者に接するというよりは客に接するような印象で看護師として働いてもプレッシャーは少ない傾向にあります。

 

美容皮膚科の場合には看護師自身がレーザーを照射したり、美容注射を行ったり、美容外科の場合にはオペを補助したりする業務がメインとなるでしょう。

 

フィールドナース

 

フィールドナースとは、医療機器メーカーなどにおいて、自社製品の営業やサービスのサポートを行う産業看護師のことです。

 

看護師資格さえ持っていれば他の資格は必要ありませんが、看護師とはまた違ったコミュニケーション能力や営業力、マナー、英語力など様々なビジネススキルが求められるので注意が必要です。

 

それでも基本的には土日祝日休みで日勤となるので、ライフワークバランスが取りやすい傾向にあります。

 

行政保健師

 

行政保健師とは、保健所をはじめ、保健センターや地域包括支援センターなどといった公的機関において公務員として働く保健師のことです。

 

保健師になるには看護師資格の他に保健師資格を保有している必要がありますが、看護師と違って行政保健師は病気になったり、怪我をしたりしないような予防医療を中心に取り扱うため、看護師よりも心理的プレッシャーが少ない上、カレンダー通りに働くことができるので、プライベートと仕事を両立させやすい傾向にあります。

 

産業保健師

 

産業保健師とは、前述した行政保健師とは異なり民間企業および団体に所属する保健師のことです。看護師資格と保育士資格どちらも保有していなければなることができません。

 

産業保健師は産業医や人事部門のスタッフと協力しながら、企業や団体で働く人々の健康維持を目的に健診データを分析したり、メンタルヘルス対策を行ったり、休職者と面談したり、セミナーを開催したりします。

 

産業保健師の多くは定時勤務となる上、残業も少ない傾向にある上、予防医療の提供が主となるので身体的精神的負担も少なく働くことができるでしょう。

 

保育園

 

意外かもしれませんが、保育園でも看護師の需要があります。中でも私立保育園の場合には、厚生労働省によって看護師の常駐が義務付けられているためです。

 

保育園に所属する看護師は、子どもの体調管理をはじめ、健康診断や歯科検診などのサポートを行ったり、保育園内の衛生環境を管理したり、子どもたちに手洗いうがいを促したり、アレルギー対応をしたり、他のスタッフたちの健康管理を行ったりします。

 

病院やクリニックに勤務する一般的な看護師とは異なり、医療行為そのものを行う機会は少ないので、プレッシャーは少ない傾向にあるといえるでしょう。

 

学校の養護教諭

 

看護師資格を持っていれば、学校の養護教諭いわゆる保健室の先生になることも夢ではありません。

 

看護師資格を持っていれば、文部科学大臣が指定する大学などに1年以上在籍し、なおかつ所定単位を修得することで養護教諭一種免許状を取得できるからです。

 

ただし、養護教諭一種免許状を取得したからといって、養護教諭としてすぐ働けるかというとそうではないので注意してください。あくまでも教員採用試験に合格する必要があります。

 

コールセンター

 

看護師資格があれば医療関係のコールセンターに転職することもできます。

 

例えば、健康に関する相談窓口をはじめ、自宅療養者の健康観察やワクチン接種後の相談窓口、医薬品メーカー・医療機器メーカーの問い合わせ窓口、保険会社が設置しているメディカルサービスなどが挙げられます。

 

多くのコールセンターは受付時間が決まっているため、残業の発生頻度が少ないだけでなく、直接の医療行為を行うこともないので、ライフワークバランスを保ちつつプレッシャーの少ない環境で働けるでしょう。

 

健康相談員

 

健康相談員とは、健康保険組合や共済組合加入の団体をはじめ、被保険者や扶養家族などに対し健康に関する相談にアドバイスを行う職種です。

 

電話対応する場合と、面談や訪問をして対応する場合があります。

 

基本的に夜勤はありませんが、面談の場合には団体事務所や個人宅を訪問するためビジネスマナーが求められ、看護師とはまた違った緊張感があるかもしれません。ただし、直接の医療行為をすることはないのでブランクがあっても安心して働けるはずです。

 

衛生管理者

 

衛生管理者とは、労働条件および労働環境の衛生的な改善をはかりながら、病気予防を行い事業所の衛生を管理する職種です。業種問わず事業主には従業員人数に応じて衛生管理者を選任する義務があります。

 

高卒で看護師あるいは准看護師としての実務経験が3年以上、もしくは大卒または高等専門学校卒で看護師あるいは准看護師としての実務経験が1年以上あれば、第一種・第二種衛生管理者試験を受験できます。

 

衛生管理者として転職した場合、看護師と異なり夜勤はなく、身体的に負荷をかけずに働けるでしょう。

 

産業看護師

 

産業看護師とは、民間企業に設置された医務室や健康管理部門で働く看護師のことです。医療行為自体を行うことはあまりなく、デスクワークや従業員の予防医療、保健指導などが中心業務となります。

 

また、近年各企業が力を入れているメンタルヘルスケアに関わるなど、医療現場とは異なる様々な業務に携わることができるでしょう。

 

ツアーナース

 

ツアーナースとは、旅行会社が主催するツアーをはじめ、修学旅行、宿泊を伴う研修などに帯同し、万が一体調不良者や怪我人が発生した際に応急処置や看護、医療機関との連携を行う看護師のことです。

 

帯同する期間は毎回異なる上、24時間拘束され、緊急時には真夜中でも時間問わず対応することになりますが、有事の際以外は給料をもらいながら依頼主負担で旅行を楽しめるというメリットもあり、ルーティンワークが苦手な人におすすめできます。

 

イベントナース

 

イベントナースとは、野外コンサートをはじめ、お祭りやスポーツ大会など特定のイベントの際に会場に待機し、来場者の中に怪我人や急病人が発生した際に応急処置を行う看護師のことです。

 

何も起きなければ1日平和に過ごせますが、多くの来場者が見込まれるイベントだったり、真夏で気温が高かったりするなどした場合には、急病人の対応に追われることになります。

 

単発の職種となるため、自分の都合に合わせて働くことができるだけでなく、毎回異なる場所・イベントなので新鮮な気持ちで働けるでしょう。

 

看護大学・看護学校の教員

 

後進の育成にも携われる看護大学・看護学校の教員は、看護師の資格を最大限に活かすことができる職種の1つです。

 

看護師経験5年以上で専任教員課程を修了するか、看護師として厚生労働省が定める指定規則 別表三*に掲載されている教育内容のうちどれか1つの業務を3年以上経験しなおかつ大学か大学院で教育科目単位を取得すると看護教員になれます。

 

夜勤がなく、土日祝日休みであるため、ライフワークバランスが取りやすいだけでなく、看護師を目指す人達を育成するというやりがいにも満ち溢れている職種です。

 

*厚生労働省「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vb6s-att/2r9852000001vbj5.pdf

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師からどんな職種に転職した?

 

看護師におすすめの資格

看護師の経験を活かせる職種・勤務先をご紹介した中で、新たに資格を取得しなければならないものも多数ありました。

 

ここでは特に看護師におすすめの資格を3つピックアップしてご紹介していきます。

 

  • 助産師
  • 保健師
  • 介護福祉士

 

助産師

 

助産師として働くには、看護師資格と助産師資格の両方を取得しなければなりませんので、助産師資格は看護師資格と親和性の高い資格といえます。

 

大学生の際に助産師科目もあわせて修了して、大卒の時点で2つの資格を取得するか、大学・短期大学・看護専門学校・5年一貫看護高等学校で看護資格取得後に助産師養成学校に1年通って助産師資格の国家試験に受験するのが一般的な資格取得への道筋となります。

 

また、すでに看護師として実務経験のある社会人の場合でも、助産師の養成学校に1年通ったり、大卒で看護師として実務経験があるなら大学で1年あるいは大学院の修士課程で2年間助産学専攻を受講することで助産師国家試験を受けることが可能です。

 

保健師

 

保健師として働くのも助産師と同様に、看護師資格と保健師資格両方の取得が必須であり、保健師資格は看護師資格と親和性の高い資格です。

 

保健師国家試験を受験するには、4年生大学で看護師と保健師両方の勉強をするというのが最も多いパターンですが、すでに看護師としての実務経験がある人でも十分狙える資格となります。

 

ただし、1年間保健師養成学校に通学し、専門科目を履修しなければ受験資格は得られないので注意が必要です。

 

介護福祉士

 

介護福祉士も助産師や保健師と同じく、国家資格の1つです。看護師資格を持っていなければいけないという決まりはありませんが、どちらの資格も持っていると介護現場においてどうしても必要な医療行為を行える存在となれるため、転職しやすい傾向にあります。

 

養成施設に通って国家試験合格を目指す方法と、介護現場で実務経験を3年積んでから介護職員実務者研修を受講したのち国家試験合格を目指す方法を選ぶことができるので、未経験でも十分取得を狙える資格です。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師から他の職種に転職するためにどんな資格を取った?

 

看護師以外の職種に転職するべき人

これまで看護師資格を活かせる様々な職種・勤務先・資格をご紹介してきましたが、そもそも看護師以外の職種に転職するべき人には次の3つの特徴があります。

 

  • 将来のキャリアが明確な人
  • 経済的な問題がない人
  • 看護師として続けられそうにないほど心身にダメージがある人

 

将来のキャリアが明確な人

 

看護師をやめた後の将来のキャリアが明確でなければ、看護師以外の職種に転職しても長続きしません。それどころかそもそも転職活動の際、どの職種になぜ希望するのかということを明確に話すことができず、面接にも受かりにくい傾向にあります。

 

そのため、将来はこの職種でこんな働き方や夢を叶えたいという明確な展望がある人が看護師以外の職種に転職するべきといえるでしょう。

 

経済的な問題がない人

 

看護師として働いているとあまり自覚がないかもしれませんが、国家資格である上、夜勤などの勤務も多い看護師の給与水準は高い傾向にあります。

 

そのため、看護師以外の職種・勤務先に転職すると給与が下がってしまうことがあるので注意が必要です。

 

よって、貯金があったり、パートナーがいたりして給与が下がってしまっても問題ないという人に、看護師以外の職種への転職をおすすめします。

 

看護師として続けられそうにないほど心身にダメージがある人

 

看護師は患者の容体によっては緊急対応が必要な上、常に生死と隣り合わせのため非常にプレッシャーの大きい職種です。

 

その上、夜勤があったり、残業が多かったりして、プライベートの時間がなく、睡眠時間もろくに取れないことが多い傾向にあります。

 

そのため、心身にダメージが蓄積され、看護師として体力的にも精神的にも続けられそうにないという人は、夜勤がなく土日祝日にしっかりと休みをとれるような看護師以外の職種へ転職することをおすすめします。

 

看護師以外の職種に転職しない方が良い人

看護師以外の職種に憧れを抱いていたとしても、実は看護師以外の職種に転職しないほうが良い人というのも存在するので注意してください。

 

ここでは看護師以外の職種に転職しない方が良い人の特徴を2つご紹介していきます。

 

  • 勤務先の人間関係に悩んでいるだけの人
  • 経済的に問題がある人

 

勤務先の人間関係に悩んでいるだけの人

 

看護師として働く中で、勤務先の人間関係に悩みがあり、辛いから看護師を辞めて別の職種に転職したいという人は、安易に他職種へ転職しない方が良いでしょう。

 

なぜなら、看護師の仕事自体が嫌いということではないことが多い傾向にあるためです。

 

人間関係が辛いという理由だけなら、看護師として別の事業所に転職し給与水準や仕事内容などをそのままスライドすることをおすすめします。

 

経済的に問題がある人

 

比較的給与水準の高い傾向にある看護師として働きながらも、貯金がなく日々の生活がギリギリという人も、他職種への転職はおすすめできません。

 

大抵の場合、他職種への転職後は、看護師の時よりも年収が下がってしまう傾向があるためです。

 

そのため、今の仕事を続けながら別の資格を取って、他職種で確実に年収アップが狙えるような状況でもない限りは安易に転職しないようにしてください。

 

看護師以外の職種への転職を成功させるためのポイント

最後に看護師以外の職種への転職を成功させるためのポイントを4つ解説していきます。

 

  • 将来のキャリアを明確にする
  • 希望条件を明確にする
  • 未経験でも活躍できる求人を探す
  • 転職サイト・転職エージェントを複数活用する

 

将来のキャリアを明確にする

 

看護師以外の職種へ転職したいと思ったら、将来のキャリアプランを明確にするところから始めましょう。

 

他職種でどのようにキャリアアップしていきたいのか、面接の際に明確に伝えられれば、好印象を与えられるだけでなく、転職後に後悔することは少なくなります。

 

よって、看護師が辛いから漠然と別の職種に転職したいという気持ちで転職活動を行わないことが大切です。

 

希望条件を明確にする

 

どれくらいの年収を希望するのか、プライベートと仕事のバランスはどうとっていきたいのかなど、様々な視点から他職種での希望条件を明確にしておくことも重要です。

 

夜勤が辛くて他職種へ転職するなら、もちろん夜勤のない勤務先を選ぶべきですし、カレンダー通りに休みがある子どもやパートナーと休みを合わせたいなら、土日祝日が休みの職種や勤務先を選ぶことになります。

 

これだけはゆずれないという希望条件を明確にしておかなければ、看護師以外の職種に転職できても、辛く感じてしまうことがあるので注意が必要です。

 

未経験でも活躍できる求人を探す

 

看護師から他職種へ転職したいなら、看護師の経験を活かすことができ、なおかつ未経験でも活躍できるような求人を探すと良いでしょう。

 

未経験歓迎職種の場合、研修制度やフォロー体制がしっかりしていることが多く、慣れない業界であっても安心して働けるからです。

 

転職サイト・転職エージェントを複数活用する

 

看護師から他職種へ転職しようと思ったら、様々な転職サイトや転職エージェントに登録し、併用して活用してください。

 

転職サイトや転職エージェントにはそれぞれ異なる特徴があり、1つだけ登録していても希望にマッチする求人が見つかるとは限りません。

 

複数登録して自分に合った求人を効率的に探していくと、後悔しない転職が実現するでしょう。

 

<看護師・ナースのリアルな声>看護師以外の職種に転職する際のアドバイスは?

 

まとめ

 

看護師が看護師以外に転職することについて、この記事では、看護師の経験を活かせる23の看護師以外の職種・勤務先をはじめ、看護師から他の職種に転職するメリットやデメリット、転職を成功するためのポイントなどをあわせて解説してきました。

 

看護師資格を持っていると、医療業界に限らず様々な職種に看護師の経験を活かして転職することができます。

 

キャリアプランを明確にして、今とは違う様々な職種にチャレンジしてみてください。

【転職失敗を防ぐ完全ガイド】5つの失敗事例と7つの成功戦略!現役看護師の体験談から学ぶ

看護師として働く中で、「もっと良い環境で働きたい」「キャリアアップしたい」と転職を考えたことはありませんか?しかし、「転職して失敗したら…」という不安から踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

実は、日本医療労働組合連合会の調査によると、約8割の看護師が「今の職場を辞めたい」と思っているにもかかわらず、実際に転職する人は少ないのが現状です。その背景には、転職失敗への恐れがあるのかもしれません。

本記事では、看護師の転職失敗事例を詳しく分析し、どうすれば後悔しない転職ができるのかを徹底的に解説します。現役看護師の生の声を交えながら、転職成功への道筋を明確に示していきます。

転職を考えているあなたに、この記事が自信を持って一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。失敗を恐れずに、よりよいキャリアを築くための具体的な方法を、一緒に探っていきましょう。

看護師が転職したくても二の足を踏む理由とは?

 

日本医療労働組合連合会が、毎年看護師を対象に行っている「看護職員の労働実態調査」というアンケートがあります。

 

2023年5月に発表された最新の調査で、今の職場を辞めたいと思っている看護師は、「いつも思う」が24%、「ときどき思う」55.2%となっており、実に約8割の看護師が辞めたいと思っているという調査結果になっています。

 

参考元:日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査

 

しかし、日本看護協会が行っている「病院における看護職員需給状況調査」によると、最新の調査で看護師の離職率は11.6%となっています。

 

参考元:日本看護協会「2022年日本看護協会調査研究報告

 

つまり、今の職場を辞めたいと思っている看護師のうち、約7割が辞めれずにいるということが分かります。これは、「転職しても失敗しそう」「今の職場を辞めたら後悔しそう」といった感情があるからではないでしょうか。

 

看護師の転職に関しては、実際に後悔してしまう方も多いようです。このようなイメージが、看護師が転職したくても二の足を踏む理由になっているのかもしれません。まずは、そのようなイメージを払拭するために、看護師が転職して後悔する理由について見ていきましょう。

 

看護師が転職して後悔する理由

 

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看護師は、過酷な労働や人間関係など、様々な理由から転職をしたいと考えています。そのような環境を変えたいと転職をするわけですが、実際は後悔してしまうことも多いようです。ここでは、転職して後悔する理由についてご紹介していきます。

 

人間関係が悪くなった

 

新しい職場では、同僚や上司との人間関係が円滑でなかったり、コミュニケーションが取りにくかったりすることがあります。仕事のストレスだけでなく、職場の雰囲気や人間関係がうまくいかない状況では、日々の業務に対するモチベーションが低下し、転職を後悔する要因となることがあります。

 

転職あるあるですが、給与面や勤務体制にばかり目が行きがちになってしまい、職場の環境を見落としがちになってしまいます。どのような職場でも、人間関係に悩みがちな方は多いですが、結局我慢して働き続けるという方も多いです。

 

情報収集が足りていなかった

 

転職を決意する際、新しい職場や職場環境に関する情報収集が不足している場合、実際の業務内容や労働環境が予想と異なることがあります。特に現職を続けながらの転職活動によくあるケースで、忙しいスケジュールの中で転職先を決めるとなると、情報収集をしっかり行わないまま、転職先を決めてしまいがちになってしまいます。

 

例えば、家庭との両立を考えて転職を決めた、自分のキャリアアップのための転職などの理由で転職した結果、実際の労働環境にギャップがあったという声も多くあります。

 

そのため、時間はかかりますが転職先のホームページや口コミ、評判のチェック、もし時間があれば実際の職場の見学に行くのもいいかもしれません。また、希望通りの職場かどうか、面接でしっかり確認しておくことも必要になります。

 

給料が下がった

 

これもよくある後悔の一つです。給料面の改善を求めて転職する看護師も多いですが、その際に求人の基本給のみで転職先を決めてしまう方がいます。

 

確かに基本給は上がったけどボーナスが少なく、結局年収が下がってしまった、夜勤がないので手当がつかず、基本給はいいけど手取りは夜勤のあった前の職場の方がよかったなど、給料にまつわる後悔は多々あります。

 

また、離職してからの就職活動でよくあるのが、適当に勤務先を決めてしまったという後悔です。貯蓄の少ない看護師の場合、転職活動がうまくいかず経済的に追い詰められてしまい、とりあえず働く場所を決めたということもよくあります。そのため、大幅に給与が下がる職場で就職してしまったということもあるようです。

 

自己分析ができていなかった

 

転職の際に自分自身のスキルや価値観、キャリア目標を正しく理解せずに転職を決断すると、新しい職場に馴染むことが難しくなる可能性があります。自己分析を怠ると、転職後に自身の適性と職場のミスマッチを感じ、後悔することがあります。

 

そのため転職前には、「自分はどんな仕事をしたいのか」「逆に何ができないのか、またはやりたくないのか」「どんな職場を望むのか」「そもそもなぜ転職したいのか」など、自分をしっかり見つめ直すようにしてください。

 

そうすることで、理想の転職先を見つけることができるでしょう。

 

応募条件と違っていた

 

転職先の求人情報と、実際の職場環境や業務内容が違ったということもあるようです。働き始めて、しばらくして人員が足りない部署に回されたり、プレッシャーのかからない職場を希望していたのに、実際は即戦力として期待されたなどあるようです。

 

対処するのは難しいかもしれませんが、希望転職先にはそのようなことがないかどうかをできるだけ情報収集をすることが必要かもしれません。

 

業務内容が自分と合わなかった

 

新しい職場の業務内容や責任が、自分のスキルや興味と合わない場合、業務に対する達成感や満足感が得られないことがあります。これにより、やりがいを感じられずに転職後に後悔することがあります。

 

これは特にキャリアアップを目指すために転職する看護師に多く、「自分は仕事ができるほう」と思って心機一転転職しても、「新しい職場で自分のスキルでは通用しなかった」「自分よりも凄い看護師がいて自分の居場所がない」など、転職しなければよかったと後悔する人もいます。

 

転職を後悔した実例紹介

 

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ここからは、看護師の転職で実際に合った事例をご紹介していきます。

 

希望とは違う配属先だった 30代女性

 

「前職の病院での忙しい日々から抜け出すため、新しい職場への転職を決意しました。心臓疾患の仕事に専念したかったため、心臓内科への配属を希望していました。しかし、実際は外科医療部門に配属されてしまいました。希望とは全く異なる部門での業務に戸惑っており、今は退職しようか考えているところです」

 

一般的には、求人通りの配属先になりますが、病院の都合で配属先が変わってしまったということがあります。求人の内容と相違がないかどうか、面接時にしっかりと確認するようにしましょう。

 

現場の雰囲気が悪い 20代女性

 

「人間関係の悪さに嫌気がさし、チームワークを大切にする職場に転職したかったのですが、新しい職場での現場の雰囲気は思っていた以上に悪く、同僚間のコミュニケーションがほぼありません。転職後も人間関係の問題は解決せず、むしろ悪化している感じで、転職したことというよりもしっかり転職先をリサーチしなかったことに後悔しています」

 

転職する際は、転職先のリサーチをすることは大事です。もしチームワークやコミュニケーションのしっかりした、雰囲気の良い職場を見つけたい場合は、実際に職場見学してみるのが一番かもしれませんね。

 

教育体制がしっかりしていない 30代女性

 

「新しい職場でスキルアップと専門知識の向上を目指し、今まで勤めていた外科病棟から呼吸・心臓専門の病院に転職しました。「専門未経験OK」ということでしたが、実際は人手不足で業務に対する適切な指導がありませんでした。今は独自で学習しており、常に業務に対する不安やストレスを抱えています」

 

「未経験OK」「復職OK」という募集はとても魅力的な一方、この女性のように、現場の人手不足だったり教育制度が整っていないため、しっかりとした教育を受けられないということがあります。

 

もしキャリアアップを目指した転職の場合、「研修体制」が整っているかどうか、または先輩看護師がマンツーマンで指導してくれる「プリセプター制度」があるかどうかなどを、事前に確認するのがいいでしょう。

 

悩みが解消しない 20代女性

 

「仕事が重労働で、身体を壊しがちになってしまったので、ワークライフバランスを重視するために転職しました。しかし、新しい職場でも同じような長時間労働が求められ、結局前の職場と変わらないと感じています」

 

仕事がきついと感じる看護師は多くいます。そのために、少しでも楽な環境で仕事をしたいと考える看護師もいるはずです。しかし、面接の段階で働き方に対する病院側との合意を交わさなければこのような状況に陥るので、給与面も含め労働環境については、書面などで病院側と確認し合うのがおすすめです。

 

医療や医師の質が低い 30代女性

 

「最先端医療に興味があり、医療の質の高さを求めて総合病院へ転職をしましたが、新しい職場での医師の専門性や対応があまりにもお粗末だと感じています。患者さんのケアにおいて適切な指導が行われず、院内のあらゆる制度が整っていないためか、専門的な知識不足も感じられました。これなら前の職場にいた方がよかったと後悔しています」

 

このような病院は怖いですね。一般的には総合病院などでは最先端医療制度はしっかりしているものです。事前にしっかりチェックして確かめるようにしましょう。仕事のできない医師がいる医療機関では、医療の質も下がってしまいます。長年培われてきた風土というのは、なかなか変わらないものです。

 

転職に後悔する看護師に多い特徴

 

転職に後悔する看護師に多い特徴には、以下の4つがあげられます。

 

転職に踏み切る勇気がない

 

転職は新たなスタートを意味し、不確定要素も多く含まれています。このため、安定感や現状の状況にとどまりがちな看護師も多くいます。変化に対する不安や、新しい環境への適応が難しいとの恐れから、転職に踏み切ることができずに後悔するケースがあります。

 

確かに、転職は人生において大きなターニングポイントになります。そのため、悩む気持ちも分かりますが、一歩踏み出さなければ、ストレスを持ったまま仕事をすることになり、体調を崩してしまう可能性もあります。

 

よりよい職場で仕事をするためにも、思い切った決断をすることも必要です。

 

転職先に何を求めるかはっきりしない

 

転職を考える際、自分が求める条件や理想的な職場環境がはっきりと定まっていない場合、転職後に期待外れの結果になる可能性が高まります。具体的な希望や目標を持たずに転職すると、後に転職したことを後悔してしまいます。

 

転職したいと思う理由が「給与」なのか「人間関係」なのか、「仕事内容」なのか「働き方」なのか、「自分のスキルを活かせる職場」なのか、それにより転職先でやりがいをもって仕事ができるかどうかが変わってきます。

 

自分が何を重視して転職したいのかを、一度冷静になって考えてみましょう。

 

情報収集が足りていない

 

新しい職場の詳細な情報収集が不足していると、業務内容や労働環境の実際の様子が分からず、適切な判断ができません。現実とのギャップによって転職後に不満やストレスを感じる可能性が高まります。

 

転職は時間をかけて行うのが鉄則、最低でも3ヶ月前から準備を進めるのがおすすめです。転職前には、気になった職場のホームページや口コミ、実際の見学など、十分な情報収集をしたうえで、納得して決めるようにしましょう。

 

給料だけで転職先を決めてしまう

 

給与は転職の際の重要な要因の一つですが、給料だけを重視して転職先を選ぶと、他の要因が見過ごされる可能性があります。

 

そのため給与だけでなく、職場環境や業務内容、今後の自分のキャリアなど、総合的な観点から転職先を選ぶことが重要です。

 

後悔しないための転職準備

 

後悔しない転職を果たすには、事前準備が大事です。後悔してしまう看護師の大半は、「急いで転職先を決めてしまった」といいます。あらかじめ、転職に対して準備をしておくことで、後悔する転職を避けることができます。

 

労働条件をしっかり確認する

 

新しい職場での労働条件は、日々の働き方や生活に大きな影響を及ぼします。勤務時間、休暇制度、残業の有無、福利厚生など、求人募集の具体的な労働条件をよく確認しましょう。自分のライフスタイルに合った条件を選ぶことで、仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなります。

 

条件の優先順位を決める

 

転職に際しては、求める条件や希望を整理し、その中で優先順位を付けることが重要です。特に女性の場合、結婚や出産など生活環境が変わりやすいため、家庭と仕事を両立しやすい職場や、産後復帰のしやすい職場を選ぶのが理想です。

 

もちろん、その他にも様々な条件があるので、どの条件がもっとも重要かを明確にし、その条件に合致するかどうかを求人募集要項と比較して判断しましょう。優先順位を持っていれば、選択肢を狭める際に役立ちます。

 

情報収集を怠らない

 

転職先の情報収集は、後悔しないために欠かせません。求人情報や職場のウェブサイトだけでなく、社員の声や口コミ、業界の動向なども確認しましょう。面接時には具体的な質問を用意し、自分の疑問や不安を解消するための情報を収集することが大切です。

 

もし自分だけで解決できないと感じるのであれば、転職エージェントを利用するのも一つの手段です。自分に合った職場を見つけてくれるだけでなく、様々な情報を後悔してくれるので、時間がない方にはおすすめです。

 

看護師が転職を成功させるためコツ

 

無料の医師看護師の写真と画像

 

転職に対して悩みを抱える看護師は多いですが、転職に踏み切って成功するのであれば、ぜひ一歩を踏み出してみたいと考える看護師も多くいます。そこで、最後に転職を成功させるためのコツについてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

口コミや評判をチェックする

 

看護師仲間や先輩の経験談、インターネット上の口コミや評判を調べることで、特定の職場の実態や雰囲気を知ることができます。他の人の経験から学び、良い評判が多い職場を選ぶことが重要です。

 

情報収集を徹底的に行う

 

こちらは何度もご紹介してきましたが、転職先の詳細な情報を収集することは、後悔しない転職をするためにはとても重要です。求人情報だけでなく、職場のウェブサイトや社員の声、業界のトレンドなどを確認することで、より良い判断を下すことができます。

 

面接対策を行う

 

面接は自分をアピールする重要な場面です。自己紹介や志望動機、過去の経験などを準備し、自分の強みや意欲を伝える準備を行いましょう。また、自分からの質問も用意し、職場の詳細を把握するためのチャンスとして活用しましょう。

 

基本的なコミュニケーションや最低限のマナーなど、社会人としての当たり前の行動をとるように意識してください。

 

職場見学をする

 

求人情報だけでは伝わらない実際の職場の雰囲気や環境を知るために、職場見学を行うことが有効です。一般的には面接後に職場見学が行われますが、午前は忙しいため午後に設定されることが多いです。職場内を見学し、スタッフの様子や設備を確認して、自分に合った職場かどうかを判断しましょう。

 

もし午前中の忙しさを見てみたいという方は、患者として午前中に病院に行き、どのような感じなのかを確認してみるのもいいでしょう。

 

複数の求人を比較する

 

一つの求人だけでなく、複数の求人を比較検討することで、それぞれの職場の特徴や条件を把握しやすくなります。複数の選択肢を検討し、自分に最適な転職先を見つけましょう。

 

自己分析を徹底的に行う

 

自分のスキルや強み、キャリア目標を明確にし、それを踏まえて求人選びや面接でのアピールを行うことが重要です。自己分析を通じて、自分に合った職場はどのような職場なのかを見つけることができるはずです。

 

今の職場の環境改善をする

 

転職を検討する前に、現在の職場で改善すべき点があるかを見極めることも、働きやすい環境にするための一つの手段です。確かに、転職をすることで解決することもありますが、新しい職場で新たな悩みが出る可能性もあります。

 

働きなれた職場の環境が改善されればストレスなく仕事もできます。一度、上司や責任者などに相談し、環境改善の提案をしてみてもいいかもしれませんね。転職を選ぶ前に問題点を解決することで、転職が必要なのかどうかを客観的に判断できます。

 

もし改善されないのであれば、転職するのがベストな選択です。

 

まとめ

 

この記事では、看護師が転職して後悔したことを中心に、転職を成功させるためのコツについても解説してきました。

 

冒頭にご紹介したように、看護師の多くは「辞めたい」「転職したい」と考えています。その一方で、実際に退職している看護師の割合は低いです。これには、転職することで後悔してしまうというデメリット面を考えてしまうためです。

 

後悔しない転職ができるのであれば、もっと多くの看護師が転職に踏み切るでしょう。ストレスを抱えたままの勤務は、肉体的にも精神的にも病みがちになってしまいます。そのような環境を改善するためにも、思い切って決断するのも必要かもしれませんね。

 

転職を考えている看護師の方は、今回の記事を参考に、看護師を志したきっかけや目標を果たすために、今よりも働きやすい環境で、看護師としての素晴らしいキャリアを築いてください。

【退職までの流れ完全ガイド】5つのステップと9つの注意点を徹底解説!看護師の円満退職を実現する方法

看護師として働く中で、退職を考えたことはありませんか?実は、厚生労働省の調査によると、看護職員の約60%が退職経験を持っています。しかし、多くの人が「どのように退職すればいいのか」「円満に退職できるだろうか」という不安を抱えています。

本記事では、看護師の退職までの流れを5つのステップで詳しく解説します。さらに、退職時の9つの注意点や、上司からの引き止めへの対処法まで、あなたの退職をスムーズに進めるために必要な情報を網羅しています。

看護師の退職理由トップ10の分析や、退職が通りやすい時期の情報など、実践的なアドバイスも満載です。この記事を読めば、あなたも自信を持って退職のプロセスを進められるはずです。円満退職を実現し、次のキャリアステップへ踏み出すための道筋をご案内します。

看護師の退職の実態

 

どれくらいの看護師が退職を経験しているかについては、2010年8月から2011年1月の間に厚生労働省が行った看護師及び准看護師、保健師、助産師の免許を持つ39,134名もの看護職員へのアンケート結果を見るとわかります。

 

これまでに勤務先を退職した回数としては、一度も退職していない0回が最も多く39.4%となっていながらも、1回退職した割合は26.5%、2回退職した割合は16.0%、その後は3回、4回、5回以上と割合は減少していきながらも少なからず退職した人は多数存在しています。

 

ちなみに無回答の割合は1.7%であるため、退職した経験のない割合39.4%と合算すると41.1%となり、結果的に残りの58.9%は1回以上退職経験があるということになります。

 

つまり、過半数以上の看護職員に退職経験があるのです。

 

参考資料:厚生労働省公式ホームページ「看護職員就業状況等実態調査結果p1、p7」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh-att/2r98520000017cnt.pdf

 

看護師が退職する理由トップ10

 

せっかく苦労して看護師になっても、退職せざるを得ない人がたくさんいることがわかりました。

 

多くの看護師が退職する理由としては、どのようなものが挙げられるのか気になるのではないでしょうか。

 

同じく厚生労働省のアンケートを元にトップ10をみていきましょう。

 

1位:出産・育児

 

2位:結婚

 

3位:他の施設への興味が強くなった

 

4位:人間関係がよくない

 

5位:超過勤務が多い

 

6位:通勤が困難

 

7位:休みが取れない

 

8位:夜勤が大変

 

9位:責任が重い・医療事故への不安がある

 

10位:健康問題

 

1位:出産・育児

 

看護師の退職理由として最も多いのは出産及び育児であり、その割合は22.1%となっています。

 

この回答をした人の性別のほとんどは女性であることが予想され、子育てとハードな看護師の仕事を両立することが難しい環境の人や、子育てに集中したいといった人が看護師を退職する選択をしているものと思われます。

 

2位:結婚

 

出産・育児に次いで看護師の退職理由として多く挙げられているのは結婚であり、17.7%もの人が結婚を機に退職しています。

 

アンケートが取られたのは2010年8月から2011年1月であり、2023年現在の社会情勢とは少し異なるとは思いますが、寿退社として専業主婦になるため、あるいはポジティブな結婚にかこつけてあまりよくない環境の職場から退職した人が多いのではないでしょうか。

 

3位:他の施設への興味が強くなった

 

他の施設への興味というのも15.1%もの人が挙げている看護師の退職理由です。働いている事業所よりも魅力的な施設を知り、転職したいと思った人が挙げている理由ではないかと推測されます。

 

もちろん今の職場環境がよくないという人もいるかもしれませんが、他の施設で働きたいという気持ちが垣間見えるのでポジティブな退職理由の1つとも捉えられるでしょう。

 

4位:人間関係がよくない

 

看護師の退職理由に限らず、どのような職種でも人間関係がよくないから退職するというのはよくあるケースです。看護師の退職理由としても12.8%の割合を占めることから、多くの看護師が人間関係を重視していることがわかります。

 

特に責任やプレッシャーの大きい医療現場で神経を尖らせて働く看護師は、人間関係までよくないとなると体力も精神力もすり減ってしまい、仕事を続けることが困難になることも多い傾向にあるのです。

 

5位:超過勤務が多い

 

超過勤務が多いという退職理由は10.5%の人が回答しています。クリニックや診療所など小さな規模の事業所ならともかく、入院施設を構えるような大きな病院の場合、夜勤シフトも多いはずです。

 

その上、人員が不足していたりする環境だと、どうしても残業が増えてしまい、プライベートの時間がほとんどなくなってしまうという悩みが生じ、ライフバランスを考慮して退職というパターンが多いでしょう。

 

6位:通勤が困難

 

看護師の退職理由で6番目に多いのは、通勤が困難であるということです。

 

アンケート内でさらに掘り下げられてはいませんが、おそらく配偶者の転勤や親の介護などで引越しをする必要があり、仕事は続けたいけど物理的に通勤することが難しく、やむを得ず退職するということかと思われます。

 

7位:休みが取れない

 

看護師はやりがいのある仕事ではありますが、人員が不足していることなどから、職場で思うように休みを取れない場合があり、退職理由としても10.3%の人が挙げるほどです。

 

特に看護師の勤務体制としては、シフト制かつ4週8休制が敷かれていることが多いため、かろうじて4週間で8休み取れたとしても、GWをはじめ、夏期・冬期などの長期休暇は取得しにくい傾向にあります。

 

「趣味や家族との時間を大切にしたい」「旅行が好き」「ライブに行きたい」「実家に定期的に帰省したい」などといった希望がある場合、ライフスタイルと合わずどうしても退職せざるを得ないこともあるでしょう。

 

8位:夜勤が大変

 

入院施設があるなど、夜勤がシフトに組み込まれている事業所で働いている看護師の場合、夜勤が大変なことが退職理由になることがあります。

 

実際にアンケートでは、9.7%もの人が夜勤が大変と回答していて、夜勤は生活リズムが取りにくかったり、ホルモンバランスが崩れたり、自律神経が乱れたりと体に良いことが少なく、年を重ねれば重ねるほど負担になることが多い傾向にあります。

 

給与が割り増しになることを加味しても、体力の限界を感じた時に退職せざるを得ないのかもしれません。

 

9位:責任が重い・医療事故への不安がある

 

看護師は患者の生死に関わる重要な仕事を担うため、出世していくにつれ、一般企業とは異なる責任の重さを痛感することになります。

 

アンケートでは実に9.6%もの人が退職理由として掲げており、看護師という仕事に就く前から理解していても、背負いきれない責任や医療事故の不安を感じてしまい、退職に至ってしまうことがあるのです。

 

10位:健康問題

 

患者の健康をケアする看護師の立場でも、自分自身が健康を損ない、働き続けることが難しいと感じてしまう場合にも退職という道を選択することがあります。

 

健康問題は8.6%の人が退職理由として挙げており、身体的な病気や怪我はもちろん、ストレスによってメンタルを病んでしまうなどして退職しているはずです。

 

参考資料:厚生労働省公式ホームページ「看護職員就業状況等実態調査結果p28」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh-att/2r98520000017cnt.pdf

 

看護師を退職するまでの流れ

 

世の中の看護師の退職事情及び退職理由を理解したところで、ここでは肝心の看護師を退職するまでの流れについて解説していきます。

 

1.就業規則や奨学金の規約を確認

 

2.就業規則に則り退職希望日と上司に伝える日を決める

 

3.退職希望であることを直属の上司に伝える

 

4.上司などと相談しながら退職日を決定

 

5.退職届を提出

 

1.就業規則や奨学金の規約を確認

 

様々な理由で退職する意思をかためたら、何よりも先に勤務先の就業規則を確認してください。

 

雇用期間の定めない従業員、つまり無期雇用の看護師の場合、労働基準法によれば退職の14日前に口頭や文書で退職の意思を申し出れば退職できるとされていますが、就業規則で退職に関わるルールが定められている場合があるからです。

 

就業規則によっては「1ヶ月前まで」「2ヶ月前まで」などと明記されていることもあるので、隅々までチェックしましょう。

 

また、看護学生時代に病院(看護)奨学金を利用していたという場合には、奨学金制度の規約にも目を通し、退職後の奨学金の返済についての見通しも立てておかなければなりません。

 

2.就業規則に則り退職希望日と上司に伝える日を決める

 

就業規則を確認した後は、就業規則に反しないように退職希望日と、退職の意思や希望日を直属の上司に伝える日を決めましょう。

 

ただし、就業規則で退職の申し出の時期に特に定めがなかったとしても、2週間前にいきなり退職の意思を伝えることは推奨されません。自分が退職した後のシフトや、退職するまでの引き継ぎなど様々な部分に配慮した上で、どんなに遅くとも1ヶ月前には直属の上司に申し出るようにしましょう。

 

もちろん早めに申し出る分には問題ありません。3ヶ月前などに申告できれば、勤務先も人員補充や配置転換などをどうするかなどを考える時間が多く取れるため、より円満退職となるはずです。

 

3.退職希望であることを直属の上司に伝える

 

次に退職の意思があること、そして退職希望はいつなのかについて、直属の上司に口頭で伝えます。この際、間違っても直属の上司を飛び越えて伝えたり、いきなり退職届を出したりすることのないようにしてください。

 

また、上司に伝える際にも忙しい時間帯を避けるなどして、業務に支障のないように配慮することが大切です。

 

4.上司などと相談しながら退職日を決定

 

直属の上司に退職の意思を伝えてから数日後、一般的に看護部長や事務長などと退職についての面談の場が設けられることが多い傾向にあります。この面談では引き止めに合うかもしれませんが、退職の意思がかたいことを一貫して伝えます。

 

退職希望日や残っている有給休暇の消化、奨学金などについて話し合い、自分の希望を主張しつつも勤務先の状況に配慮しながら協力的な姿勢であることもアピールしておいてください。

 

5.退職届を提出

 

退職届については、事業所によって指定のフォーマットがあるかどうかを確認した上で作成し、直属の上司に直接手渡しで提出してください。

 

もしフォーマットがないという場合には、郵便番号枠のない白無地の二重封筒や便箋などを自分で用意し、退職届を作成しましょう。

 

ちなみに退職届は手書きでなくともパソコンで作成しても問題ないことを覚えておいてください。

 

また、直属の上司に退職届を提出するからといって、宛先が直属の上司ではない点にも注意しましょう。

 

看護師が退職する際の注意点

看護師の退職までの流れを一通り見てきました。しかし、実際には様々な点に注意する必要があり、注意を怠ると円満退職が実現できない可能性があります。

 

ここでは看護師が退職する際の9つの注意点をピックアップしましたので、無用なトラブルを避けるためにも、それぞれしっかりと目を通しておきましょう。

 

  • 退職希望日は職場の状況に配慮する
  • 最初に退職の意思を伝える相手を間違えない
  • 忙しい時間帯に退職の話し合いをしない
  • 退職に関わる決め事は書面に残す
  • ネガティブな退職理由を伝えないようにする
  • 退職の意思は相談ではなく報告として伝える
  • 後任者へもれなく引き継ぐ
  • 備品は全て返却する
  • 退職に関わる書類の受け取り方法を確認する

 

退職希望日は職場の状況に配慮する

 

退職希望日については、多少前後しても問題ないように余裕を持って設定しておくと安心です。

 

看護部長や事務長などとの面談時には、こちらの退職希望日を伝えても人員体制などによって希望日をずらせないかといった打診を受ける場合があるからです。

 

その際、頑なにずらせないとなると勤務先としても困ってしまうため、この日でも大丈夫という日の候補を事前に持っておくと、勤務先の状況も考慮してくれていると思ってもらえます。

 

最初に退職の意思を伝える相手を間違えない

 

看護師だけに当てはまることではありませんが、退職の意思を伝える相手は原則直属の上司です。直属の上司を飛び越えて看護部長や事務長などにいきなり伝えてしまうと、直属の上司の面目が丸潰れになるだけでなく、退職までの期間引き継ぎなどの業務に支障を与えかねないからです。

 

直属の上司からひどいハラスメントを受けているなど、どうしても直属の上司に伝えることができないといった特別な理由がない限り、円満退職を実現するためにも報告順序は守りましょう。

 

忙しい時間帯に退職の話し合いをしない

 

自分の中でもう退職するからと心が決まっているからといって、今の仕事をおざなりにしてはいけません。退職の意思を伝える際など、自分や相手の業務の忙しい時間帯を避けるように配慮しましょう。

 

落ち着いて話すことのできる時間を見計らって声をかけ、忙しい中私事で時間を取ってもらったことに感謝をしつつ話し合いしてください。

 

退職に関わる決め事は書面に残す

 

退職するまでは、退職に関する決め事(退職日や最終出社日、有休消化日数)などは書面に残しておくことが大切です。言った言わないと勤務先とトラブルが発生しないように、証拠を残しておき、何か食い違いが起きそうな時には、書面を見せながら話し合うようにしてください。

 

ネガティブな退職理由を伝えないようにする

 

退職理由の中には、「人間関係が悪い」などといったネガティブな理由も含まれるかもしれません。しかし、直属の上司はもちろんのこと、仲の良い同僚などに退職する理由を聞かれた際にはこのようなネガティブな理由は言わないようにした方が懸命です。

 

ネガティブな退職理由を正直に伝えてしまうと、退職までの残り僅かな時間の中でも上司や同僚との関係がギクシャクするなどしてストレスがたまりやすくなってしまうためです。

 

医療業界のネットワークは非常に強固なので、最悪の場合には、次の転職先にもネガティブな情報が伝わってしまうかもしれませんので、特に注意することをおすすめします。

 

退職の意思は相談ではなく報告として伝える

 

退職の意思を直属の上司や看護部長、事務長に伝えると、引き止めに合う場合があります。特に曖昧な言い回しで相談のような切り出し方で伝えると、まだ引き止めれば残ってくれるのではないかと勤務先も思ってしまいがちです。

 

そのため、退職の意思を伝える際には「絶対に退職する」という強い意思を持って、退職することが前提での報告ベースで伝えるようにしましょう。

 

後任者へもれなく引き継ぐ

 

当たり前のことですが、最終出勤日まで、あるいは退職日までは自分の業務を引き継いでくれる後任者に必ず引き継ぐ必要があります。

 

ただし、日々の忙しい業務の中では、なかなか引き継ぎが思うように進まないことがあるかもしれません。そのため、自分の連絡先を伝えておいてやむを得ない時には連絡をもらって答えたり、用紙に引き継ぎ内容を細かく記載するなどしたりすることが大切です。

 

備品は全て返却する

 

最終出勤日には基本的に勤務先から貸与されていた備品は全て返却することになります。

 

  • 健康保険証
  • 社員証などの身分証明書
  • ネームバッジ
  • 名刺
  • 通勤定期券
  • 制服
  • ロッカーの鍵

 

もちろん上記以外にも経費で購入した文房具など、色々な備品の返却が必要になります。返却し忘れると、最終出勤日以降また勤務先に足を運ぶ必要があったり、郵送で送ったりする手間が出てくるので、漏れないようにしましょう。

 

退職に関わる書類の受け取り方法を確認する

 

退職すると勤務先から重要な各種書類を受け取ることになります。最終出勤日に手渡しで受け取れるのか、それとも自宅に郵送されるのかなど、事前に受け取り方法を確認しておくのも忘れないでください。

 

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

 

これらの重要書類は転職先での提出が必要となるため、いつ確実に受け取れるのかを確認しておかないと、後で困る場合があります。

 

退職希望が通りやすい傾向にある時期

スムーズに退職したければ、ある程度退職希望が通りやすい傾向にある時期を選ぶのもポイントです。

 

例えば、年度末をはじめ、ボーナス支給後や勤務先の大きな役割がひと段落するタイミングなどといった時期は、そもそも看護師の退職が多い時期であるため勤務先も見越して人員計画を立てている場合が多いためです。

 

ただし、こうしたキリの良いタイミングで退職しようと考えるのは自分だけではなく、複数人の退職希望者が同時に集中することがあるので、なるべく早く申し出ておくと安心でしょう。

 

看護師が退職の意思を伝えて直属の上司から引き止めにあった際の対処法

最後に、看護師が退職の意思を伝えて直属の上司から引き止めにあった際の対処法を3つご紹介します。

 

  • 一旦時間をおく
  • 直属の上司よりも上長に相談
  • 退職届を内容証明郵便で送付

 

一旦時間をおく

 

勤務先の人員体制によっては、直属の上司から強く引き止めにあい、退職についての話し合いが進まなくなってしまうことがあります。人手不足だったり、直属の上司が自分の評価を気にしていたりと理由は様々です。

 

その際には、一旦引き止めについて考えてみるとしてから、後日やはり色々考えてみたが退職の意思は変わらないという切り出し方にしてみましょう。

 

直属の上司よりも上長に相談

 

一旦時間をおいてから直属の上司に話しても埒が開かないという場合には、直属の上司のさらに上の立場の上長に相談してみるという手段もあります。

 

もちろんこれは奥の手であり、直属の上司との関係性が悪くなってしまうかもしれませんが、どうしても退職しないといけない理由があるというならなりふり構っていられないので、看護部長や事務長に退職する意思があること、直属の上司が聞き入れてくれないことを報告しましょう。

 

退職届を内容証明郵便で送付

 

直属の上司だけでなく、看護部長や事務長などに退職の意思を伝えても引き止めにあい、話が進まないという場合、こちらに非がないのであれば、最終手段として退職届を内容証明郵便で送付するという手段を取ることもできます。

 

勤務先は退職届を受理せざるを得ないため、退職することはできますが、この方法でも円満退職は実現しないので覚悟が必要です。

 

まとめ

 

看護師の退職ガイド・退職までの流れと注意点について、この記事では看護師が退職する際の注意点とポイントをはじめ、引き止めにあった際の対処法について解説してきました。

 

医療現場という人の命を預かる過酷な条件下で看護師が退職する際には、退職の意思を伝える時期はもちろん、退職時期なども配慮する必要があります。

 

円満退職を実現するためにも、要点を抑えて確実に退職までの道筋に沿って進んでいってください。

【教えてカンゴさん!!現役看護師が語る】看護師の転職悩み解決ガイド|転職前後の不安と対処法20選

看護師として働く中で、転職を考えたことはありませんか?人間関係、給与、キャリアアップ…転職の理由は人それぞれ。でも、その一歩を踏み出すのは勇気がいりますよね。

本記事では、現役看護師の声をもとに、転職前後の悩みと20の対処法を徹底解説します。さらに、転職を成功させるための5つのポイントも紹介。あなたの転職への不安を解消し、新しいキャリアへの扉を開くヒントが見つかるはずです。

看護師としての夢と理想を叶える、そんな転職を一緒に考えてみませんか?

看護師は悩みの多い職業

看護師は間違いなく悩みの多い職業です。日常的に高い負荷とストレスにさらされ、長時間の勤務や急なシフト変更などの影響で、仕事とプライベートのバランスを取るのが難しいことがあります。

また、感情的な負担も大きく、患者の痛みや苦しみを目の当たりにすることが珍しくありません。責任とプレッシャーも看護師の心理的負担を増大させる要因であり、誤った判断が患者に影響を及ぼす可能性があるため、常に高い緊張感が求められます。

さらに、医療施設での人材不足により、少ないスタッフで多くの患者をケアする必要があるため、忙しさと仕事量の圧倒感が常に付きまといます。このような状況下での働きが続くと、職業的な成長と個人的な健康のバランスを維持することが難しく、転職を考える看護師も多くいるんです。

看護師によくある転職理由とは?

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看護師は患者の健康状態を管理し、治療をサポートする重要な役割を果たしています。しかし、その一方で看護師の仕事には多くの悩みが存在し、その悩みが転職を考える理由となることもあります。ここでは、看護師が転職を検討する際の一般的な転職理由についてご紹介していきます。

人間関係が悪い

看護師は医療現場で多くの人々と協力しながら患者のケアを行いますが、職場内での人間関係の悪さは大きなストレス要因となることがあります。医師、同僚看護師、他職種のスタッフとのコミュニケーションが円滑でない場合、誤解や摩擦が生じ、業務の円滑さが損なわれることがあります。

また、看護師は女性の多い職場です。男性には理解できないかもしれませんが、女性には女性特有の世界があり、人間関係でぎくしゃくすることが多くあります。そのような理由から転職を考える看護師も多いようです。

労働環境が悪い

看護師が働く医療現場は、24時間体制で患者のケアが求められ、急なシフト変更や過重な業務負担があるため、労働環境が厳しいといわれています。

シフト制勤務による生活リズムの乱れや疲労感、過労による体調不良などが見られ、これらの問題により看護師の仕事に辛さを感じるようになり、転職の理由となることがあります。

給料や賞与が低い

業務負担が重く残業も多いのに、給料が低いと感じる看護師も多くいます。特に夜勤手当などが不十分であると、労働への対価が十分に感じられないことがあります。

給料やボーナスはまわりと比較しやすいため、他の地域の相場や、友人の給料などと比べることができ、それにより不満を感じ転職へと気持ちが揺らぐ看護師もいるようですね。

仕事とプライベートの両立が難しい

看護師の仕事は不規則なシフト勤務が多く、プライベートな時間の確保が難しい場合があります。家庭や趣味、社会活動との両立が難しい状況になると、仕事とプライベートのバランスを保つことが困難となり、転職を検討する要因となるでしょう。

特に、結婚または子どもが出来たりすると、独身時代よりも家庭に時間を使いたいと考える看護師も多いです。もし、家事に支障をきたすような勤務状況の場合、転職を考えることが多くなるようです。

責任やプレッシャーが重すぎる

看護師は患者の命を預かる重要なポジションにあり、その責任は非常に大きいです。医療ミスや予期せぬ事態に対するプレッシャーは他の職業よりも高く、これが心身の健康に影響を及ぼすことがあります。

特に急患や緊急手術の際には、その責任感とプレッシャーは増大し、ストレスが蓄積されることがあるため、体はどんどん疲弊してしまい、転職を検討する看護師もとても多くなっています。

夜勤がキツい

医療機関では24時間体制で患者のケアを行うため、夜勤勤務が欠かせません。夜勤は生活リズムや健康に影響を及ぼすことがあり、睡眠不足や体調不良を引き起こす場合もあります。

特に夜勤の連続勤務や頻繁な夜勤が続くと、身体的な負担が増大してしまいます。また、夜勤では一人の看護師が担当する患者数も多くなり、情報収集や記録をおこなうため、さらに残業になってしまうこともあり、体力的な疲労により転職を考える要因となっています。

スキルアップが難しい

医療業界は技術や知識の進歩が速く、看護師も常に最新の情報や技術を学び続ける必要があります。しかし、職場環境や業務の忙しさによってスキルアップが難しい場合、専門性を高めることが難しくなり、新たなチャレンジを求めて転職を検討することもあります。

看護師の転職理由は個人によって異なりますが、上記のような要因が影響し、転職を検討するケースが多く見られます。自身の状況や目標をよく考え、将来のキャリアを見据えて転職を検討することが重要です。

転職するうえでよくある悩み(転職前)

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看護師の転職は新たなステップへのチャレンジとなる一方で、様々な悩みや不安も抱えることがあります。ここでは、転職を考える際によくある悩みとその解決方法について解説していきます。

人が足りないので辞めづらい

現場では看護師不足が深刻な問題となっています。そのため、人手不足を解消するために自身が担っている役割や職務を離れることに罪悪感や不安を感じることがあります。

このような場合は、円満に転職できるよう取り計らってみましょう。一般的には、「退職日の1〜3カ月前」に伝えるのが良しとされています。最悪2週間以上前に退職届を送れば、法律的に問題はありません。

転職の方法が分からない

転職する際の方法や手順がわからず、行動に移せないというのはよくある悩みです。看護師という職業柄、いろいろな職場を見た経験がないため、自分がどのような職場があっているか判断することができないということも多くあり、転職自体に二の足を踏んでしまいがちです。

そんな時は、まずインターネットや専門の転職サイトを活用して、転職に関する情報を収集しましょう。求人情報や転職成功事例を通じて、転職の方法やプロセスを理解することができます。また、転職サイトなどでは無料で相談を受けてくれるところもあるので、まずは相談からしてみるのもいいでしょう。

後悔しない転職ができるか不安

転職後に後悔することがないか、新しい環境で適応できるかという不安は、誰でも抱える可能性があります。特に、異なる職場でうまく適応できるかどうか、満足度を得ることができるかどうかなどに不安を感じることもあるでしょう。

そのような場合は、まず自分を見つめなおしてみましょう。自分のスキルや価値観を客観的に見つめなおし、どのような環境や職場が自分に合うかを考えましょう。自分の強みを活かせる場所を選ぶことが後悔を減らす一歩です。

また、転職先の情報や評判を十分に調べることで、働くイメージを持つことができます。職場訪問や社員の声を聞くことも、実際の雰囲気を把握する手段となるのでおすすめです。

まわりに転職を考えている人やしている人がいない

転職を考えている人が周りに少ない場合、孤独感や不安を感じることがあります。他の人の経験やアドバイスを聞けないことから、転職に対しての不安が高まることもあります。

そのような方は、ソーシャルメディアや専門のオンラインコミュニティで、他の看護師と交流し、転職に関するアドバイスや経験談を共有しましょう。様々な意見が聞けるので、とても有意義に感じるはずです。

また、転職サイトや転職エージェントが行っている、転職に関するセミナーやワークショップに参加することも一つの手段です。同じ考えを持つ人々と交流し、アドバイスやヒントを得ることができるでしょう。

転職するうえでよくある悩み(転職後)

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看護師の転職は新たな職場や環境で新しいスタートを切る大きなチャレンジですが、その一方で転職後には様々な悩みが生じることもあります。ここでは、看護師が転職後によく抱える悩みについて詳しく解説していきます。

募集要項通りでなかった

転職先の募集要項と実際の職場環境が合致しなかったというケースは少なくありません。面接や求人情報だけではつかみきれない現実の職場事情や雰囲気、仕事内容が異なる場合、看護師は戸惑うことがあります。

また、給与面や勤務地に意識が向いてしまい、それ以外の条件(福利厚生・休暇など)について、しっかり確認せずに転職してしまうと、このような悩みに直面してしまいます。

そうならないためにも、しっかりと募集内容を確認するようにしましょう。また、自分がおこなうべき看護業務についても、面接等でしっかり確認しておくことが必要になるでしょう。

人間関係が良くない

新しい職場での人間関係は、やはり大きな悩みの一つとなることがあります。チーム内でのコミュニケーションや連携がうまくいかないと、ストレスや不満がたまりやすくなります。しかし、人間関係の改善は時間をかけてじっくり取り組むことが必要です。あせらず、ゆっくりと自分を理解してもらい、相手を理解することも大事です。

転職後に人間関係で悩みたくないという場合、事前に施設見学をしてスタッフの雰囲気などを把握するのも一つの方法です。「しっかり挨拶してくれるか」「笑顔のある職場か」「円滑に業務をおこなえているか」など、事前にチェックすることで、ある程度の情報を持って転職することができます。

研修やサポート体制が不十分

新しい職場では、病院や施設のルールや患者へのアプローチなどが異なる場合があります。そのため、研修やサポート体制の不十分さによる悩みも出てくることがあります。新人研修が十分に行われないと常に不安がつきまとい、大きなミスを生んでしまうことに繋がります。

特に、人手不足の病院では、研修が十分に受けられないケースがザラにあるため、そのような場合、仕事に対して常に不安と悩みを持ったままで仕事をしなければいけません。

このような不安を抱える場合、自分から積極的に学ぶ姿勢を持つことが重要です。同僚や上司からのアドバイスを受け入れ、自分の技量では難しいことはできないとしっかり伝え、スキルアップに努めることで、新しい環境に適応しやすくなるでしょう。

再度転職を考えてしまう

転職後に「また違う職場に転職したい」と感じることは決して珍しくありません。不満やストレス、適応困難さからくるものかもしれません。

しかし、転職を繰り返すことはキャリアに対する一貫性を損ねる可能性があるため、慎重な判断が求められます。もし再転職を考える場合は、その前に今の職場での課題や悩みをしっかりと整理し、転職先の情報収集をしっかりおこない、次のステップを計画的に進めることが大切です。

転職を失敗しないためのポイント5選

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一般的に、看護師の転職活動は1〜3ヶ月程度が目安といわれています。特に仕事を続けながらの転職活動は、どちらか一方に集中することができないため、とても難しいですよね。看護師の転職は新たなチャレンジとなる一方で、失敗することもあるかもしれません。そのため、転職を成功させるためには計画的なアプローチが欠かせません。

この記事では、看護師の転職を失敗しないための5つのポイントについて詳しくご紹介します。

転職のスケジュールを管理する

転職活動はタイミングが重要です。まず、自身のスケジュールを立ててみましょう。現職の業務に差し支えないよう、転職活動の時間を確保することが大切です。また、求人情報の更新スケジュールや面接の予定をカレンダーに入れ、分かりやすくしておくのも大事です。

例えば、一ヶ月目から三ヶ月目までこのように計画を立てるのがおすすめです。

 おもなスケジュール転職に向けておこなうこと
1ヶ月目転職準備・求人サイトへの登録・転職先の希望条件を選ぶ・希望条件に合った職場に応募する
2ヶ月目面接・履歴書・職務経歴書の作成、提出・実際に面接を受ける
3ヶ月目転職・退職手続き・現職場に退職の旨を伝える・退職日を調整する・業務の引き継ぎ・退職と転職に必要な書類を揃える

職場を見学してみる

求人情報だけではわからない職場の雰囲気や実際の様子を知るために、見学を行うことをおすすめします。実際に職場に足を運び、医療チームや患者との関わり、設備の充実度などを確認することで、自分に合った環境かどうかを判断でき、転職後の仕事のイメージを持つことができます。

求人やホームページをよくチェックする

転職活動においては、求人情報や医療機関の公式ホームページをこまめにチェックすることが大切です。新たな求人情報や募集要項が掲載される可能性があり、労働条件だけでなく福利厚生が変更されている場合もあります。

また、職場の特徴や価値観を知るために、ホームページの情報を詳しく読み込みましょう。職場の理念なども掲載されているので、自分に合った職場かしっかりチェックし、それでも疑問がある場合は面接の際に質問するのがいいでしょう。

まわりに相談する

転職活動は一人で行うものではありません。周囲の人々に相談し、アドバイスを受けることで、新たな視点を得ることができます。同僚や友人、先輩看護師など本当に信頼できる人に話を聞いてみると、自分の希望や不安を整理しやすくなるでしょう。

現職を続けるメリットを考える

転職を考える際には、現職を続けるメリットも念頭に置いておきましょう。キャリアの積み重ねや人間関係の構築など、現職にも価値があります。転職する際には、そのメリットとデメリットを比較し、自分の将来像に合った選択をすることが重要です。

転職を考えているときというのは、どうしてもネガティブな気持ちが上回っているので、冷静な判断ができないこともあります。

一度冷静になって、現職を続けるメリットとデメリットを必要に応じて紙に書き出してみるといいでしょう。もし、魅力や留まるメリットがあると判断できたら、無理に転職を進める必要はないでしょう。

まとめ

この記事では、看護師の転職にまつわる悩みと解決方法についても解説してきました。

看護師の転職後には様々な悩みが生じるかもしれません。しかし適切な解決方法を試すことやコミュニケーションを通じて、これらの悩みを乗り越えることができます。転職には、多くの悩みが生じることは仕方のないことです。今回の記事を参考に、自身の成長とキャリアを大切にしつつ、新しい環境でのチャレンジを楽しんでください。