看護師として働く中で、「もっと条件の良い職場で働きたい」「スキルアップしたい」と思ったことはありませんか?
転職は新たなキャリアへの第一歩。しかし、そのタイミングは慎重に選ぶ必要があります。本記事では、看護師の転職に最適な時期を、キャリア別、月別、そして希望の施設別に詳しく解説します。
さらに、ボーナスの影響や家庭状況など、個人の事情に合わせたベストタイミングの見つけ方も紹介。転職を成功させるポイントや、在職中と退職後の転職のメリット・デメリットまで、幅広くカバーしています。あなたの理想の転職を実現するための、実践的なガイドをお届けします。
転職を考えているすべての看護師の方々に、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。
看護師キャリア別のおすすめ転職時期は?

それではまず、キャリア別の転職時期です。自分が看護師として、どのくらいのキャリアを積んでいるかによって、転職時期として最適かどうかが変わってきます。
1~2年目の新人
新人看護師としての最初の1〜2年は、医療現場での経験を積む重要な時期です。新しい環境に慣れることや臨床スキルの向上が優先されるため、急な転職は慎重に考えるべきです。
また、あまりにも早い段階での転職は、相手にも「またすぐに辞めてしまう可能性がある」と思われてしまいがちです。そのため、新人のうちの転職は慎重になるべきです。ただし、どうしても転職したい場合は、卒業後3年以内の人材を指す「第二新卒」を募集している職場を選ぶのがいいでしょう。
3~5年目
3〜5年目には、臨床スキルの磨き上げとともに、自身のキャリアパスを見つめ直す重要な段階です。他の医療機関での経験を積むことで、広い視野を持ち、新たな知識やアプローチを学ぶチャンスとなります。
またある程度の英検と知識があるため、どの職場でも即戦力として考えてくれます。時期を問わずに採用されやすく、看護師としての転職を考えている方にとっては最適な時期といえるでしょう。
6~10年目
看護師としての経験を6〜10年積んだ段階では、マネジメントポジションの求人が増えてきます。この時期の看護師は、実績や経験が豊富で、即戦力として評価されます。また、リーダーシップやチームマネジメントの経験を積むことで、キャリアをさらに発展させることが可能です。
このような人材は、職場でも必要なため求人も多く、転職時期として最適な時期といえるでしょう。ただし、この時期になると、結婚や出産といった私生活の変化が出てくる時期でもあるので、それらの兼ね合いを見定めて慎重に転職をするのが必要です。
11年目以上
11年目以上となると、看護師としてベテランの域に達してきます。そのため、転職を迷われる方も多いでしょう。実際のところ、このくらいのキャリアのある看護師は、間違いなく管理者の即戦力として期待されます。
実績やスキルがある人材は重宝されるので、多くの医療機関から重宝されるのは間違いありません。もちろん求人数も多く、これまでの経験と知識を活かし、部門やプロジェクトの責任者として活躍することが期待されます。組織全体の運営に関わる重要なポジションを目指す際には、経営戦略や人材管理などのスキルを磨くことが重要です。
1年で看護師が転職しやすい時期は?
次に1年間の中でもっともおすすめの転職時期についてご紹介します。月によって転職状況が変わってくるので、転職を成功させたいという方はぜひ参考にしてください。
1月(おすすめ)
新年を迎える1月は、求人情報が多く更新される時期です。多くの医療機関が新たなスタッフを募集するため、転職のチャンスが豊富です。また年始ということでそこまで求職活動が活発ではありません。年明け早々に転職活動を開始し、新しい職場でのスタートを切るのも良いでしょう。
2月(おすすめ)
2月も求人情報が充実しており、転職の選択肢が広がる時期です。年度の変わり目に向けて、医療機関がスタッフの補充を行うため、積極的な転職活動がおすすめです。
3月
新年度の準備が進む3月は、転職にはやや落ち着いた時期です。ただし、前年度の終了に伴い、一部の職場で人員補充が行われることもあります。求人情報をチェックし、積極的に情報収集を行いましょう。
4月(おすすめしない)
新年度のスタートとともに、多くの看護師が新たな職場での業務に就くため、中途採用の求人が減少する傾向があります。そのため、数少ない求人で競争が激しくなり、転職活動には難しい月と言えるでしょう。
5月
5月は求人情報の数が増える傾向にありますが、まだ新年度が始まったばかりという時期です。新人看護師への研修などで医療機関も忙しく、大型連休なども重なるため積極的な採用活動を行わない医療機関がほとんどです。
6月(おすすめ)
6月はボーナスの支給付きということもあり、このタイミングで離職する看護師も多いです。新卒の研修期間も終わり、業界全体もだいぶ落ち着いてくるため、求人情報が増加する傾向があります。積極的な転職希望者にとってチャンスの多い月と言えるでしょう。
7月
ボーナス後の7月は、人員不足を解消するために募集を行う医療機関も多くあるため、転職を検討している方にとってはおすすめの時期といえるでしょう。しかし、夏季休暇に入る時期でもあるため、動きがない医療機関もあります。転職を検討している方は情報収集を怠らないようにしましょう。
8月
8月は夏季休暇やお盆などの大型連休があるため、転職に関する活動が一時的に停滞する可能性があります。ただし、秋に向けた求人情報が出始めるため、情報収集や準備を進めるのが良いでしょう。
9月(おすすめ)
夏が終わり、秋に向けて求人情報が増える9月は、転職に適した時期と言えます。特に即戦力を求める求人が多く、新しい環境でのスタートを考えている方にとって、とてもおすすめな時期といえるでしょう。
10月
10月は9月の反動により、求人が少なくなる時期です。しかし、年末の離職者に備えて下旬から求人は増える傾向にあるので、転職を希望する方は、こまめに求人チェックをするのがいいでしょう。
11月(おすすめ)
年末の離職者分の看護師を補充するために、求人情報が一気に増える11月は、転職に適したベストタイミングの一つです。うまくいけば新しい年を迎える前に、新しい職場でのスタートを切ることができるかもしれません。
12月(おすすめしない)
年末は業員自体が忙しく、医療機関側の採用活動がほぼ停止します。さらに、求人情報が減少することが多いため、転職活動には不利な月と言えます。新しい年に向けて準備を整えつつ、来年の転職に向けた計画を立てるのが良いでしょう。
月の中でおすすめの転職時期は?
1年のうちに、何月が転職時期として適しているのかご紹介してきましたが、もう一つは月の中での転職時期のタイミングです。月は上旬・中旬・下旬に分かれますが、この中でもっとも最適なのが中旬です。
一般的な医療機関は、上旬と下旬とは採用担当者が忙しいことが多いです。中旬であれば、比較的時間の都合がつきやすく、スムーズな面接を行うことができるでしょう。
ただし何月に求人活動を行うかによって異なるため、あくまでも目安としてとどめておいてください。
希望の施設別転職時期は?

看護師の転職は、病院だけにとどまりません。クリニックや診療所、訪問看護師に転職を考えている方もいるでしょう。そこで、希望の施設別に最適な転職時期をご紹介していきます。
大手病院
大手病院は多くのスタッフを抱え、複雑な医療体制が敷かれています。転職の際には、病院の年間スケジュールや人員補充のタイミングを把握することが重要です。
先ほどもご紹介したように、春は多くの病院が新卒看護師を採用するシーズンのため、転職には不向きかもしれません、一方秋になると、人員補充が行われるため、経験豊富な看護師は即戦力として活躍できるでしょう。
ただし大手病院は、前もって手続きを行わなければ面接までに長い期間が必要になることがあります。そのため、転職時期を何月にするか決めているのであれば、最低でも3ヶ月前から準備を進めるのがいいでしょう。
クリニック・診療所
クリニックや診療所は一年を通じて患者の来院があるため、基本的には通年で転職が可能です。ただし、年末年始や夏季休暇の前後など、患者数が多い時期を避けることがおすすめです。4〜5月や9〜10月は募集が多い傾向にあるので、おすすめの時期となります。
訪問看護師
近年は高齢化の影響や在宅医療を希望する患者も多く、訪問看護師の需要は非常に高くなっています。他の施設と違い、1年通した募集を見ることができます。育成体制も整っているので安心して転職することができるでしょう。
看護師の現状によって転職時期は変わる
転職を希望する看護師には、それぞれ置かれている状況は違います。それぞれ、どのような転職時期が適しているのか解説していきます。
子育て中の看護師の場合
お子様がいる看護師の方は、転職に適した時期に転職するというよりは、お子様に合わせた転職をするのがいいでしょう。
お子様が学校に入りたての時期は、新しい環境でトラブルが出ることもあります。そのため、その時期を避けるのがおすすめです。
子供の夏休みに合わせて、新しい職場でのスタートを切ることで、仕事と家庭のバランスを調整しやすくなる6〜7月、子供の学校が再開し、家庭の時間が確保しやすくなる9~11月の秋頃が転職時期としておすすめです。
新人・ブランクのある看護師の場合
新人やブランクのある看護師の場合は4月がおすすめです。新卒看護師やブランク明けの看護師を募集する医療機関が増えるシーズンで「ブランクOK」「未経験OK」という求人を多く目にします。
そのため、新しいスタートを切りやすく高度なスキルも必要としないため、スキルを身に着けたり勘を取り戻すためには、最適な求人が多いです。
派遣・パート看護師の場合
派遣やパートの看護師は、通年で求人情報があります。自身のスケジュールに合わせて働くことができるため、転職のタイミングは比較的柔軟です。2〜3ヶ月前からしっかり準備して転職を行ってください。
ベテランの場合
ベテラン看護師の場合も、年間通して求人情報があり即戦力としてすぐに働くことができます。看護師の中でも歓迎されやすいため、時期を気にせず転職活動を行っても問題ありません。スムーズな転職をするために、時間に余裕をもって活動をするようにしましょう。
ボーナス支給時期によっても転職時期は変わる
ボーナスを受け取った後に転職を考えることで、経済的に余裕を持って新しい職場にスムーズに移ることができます。もしボーナス対象者であれば、ボーナス支給後に転職を考えるのもいいでしょう。
しかし、その後の転職を考えている場合は、引き継ぎなどしっかり行い、今の職場に迷惑のかからないように努めてください。
看護師が転職を上手に行うポイントとは?

ここでは、看護師転職を有利に進めるためのポイントについてご紹介します。希望の転職を実現するためにも、必ずチェックしておきましょう。
転職理由を明確にする
転職を検討する際、なぜ転職を考えるのかを明確にすることが大切です。自身のキャリアゴールや成長を考え、現在の状況とのギャップを整理しましょう。転職理由を具体的に示すことで、面接や履歴書の際に説得力を持たせることができます。
もし理由があいまいな場合、病院側からいい印象をもたれることはありません。今の職場からなぜ転職したいのかを明確にし、滞りなく転職活動をしてください。
情報収集をする
転職を成功させるためには、豊富な情報収集が不可欠です。転職先の施設や職場の特徴、雰囲気、評判などを調査し、自身の希望に合った環境かどうかを確認しましょう。また、転職サイトや求人情報、専門のキャリア相談を利用して、最新の情報を収集することが重要です。
面接での答え方を準備しておく
面接では自己PRや志望動機を的確に伝えることが求められます。転職理由やなぜその職場を選ぶのか、自身の強みやスキルをどのように活かしていくかなど、予め準備をしておくことが大切です。具体的な事例や経験を挙げ、自分のアピールポイントを引き立てましょう。
転職サイトを活用する
転職サイトは、求人情報を簡単に収集し、自身の条件に合った求人を見つけるための有用なツールです。複数の転職サイトを比較し、求人情報の正確性や充実度をチェックすることで、効果的な情報収集が可能です。また、転職サイトのアドバイスやコンテンツを活用して、転職活動のステップを支援してもらうこともおすすめです。
看護師が職場を円満に退社するためには?
看護師として職場を円満に退社するためには、適切なコミュニケーションと手続きが重要です。社会人としての最低限のマナーとして、まわりに迷惑をかけないように転職するようにしましょう。
直属の上司に退職の旨を伝える
退職を検討している場合、まずは直属の上司に退職の意思を伝えることが大切です。直接話すことで、理由や思いをしっかり伝えることができ、円満な退社への第一歩となります。上司との対話を通じて、適切な退職のスケジュールや引継ぎの方法を相談しましょう。
直属の上司というのは一般的には病棟の看護師長になります。退職にむけた準備を一緒に行ってくれるはずです。退職を報告するタイミングは、就業規則を確認し行うようにしましょう。
引き止めにくい転職理由を伝える
転職をする理由は様々ですが、円満な退職のためには引き止めにくい理由を明確に伝えることが大切です。引き止められにくい理由としては「前向きな理由」もしくは「引き止めにくい理由」です。
スキルアップや資格取得、家庭の事情や健康の理由など、相手が納得しやすい理由を提示することで、円満な退職をすることができます。
退職届を書類で出す
退職することが確定したら、正式に退職届を提出する必要があります。退職届は書類として提出し、所定の手続きを行うことで、職場との関係をしっかり整理することができます。退職届の提出期限や手続き方法については、事前に確認しておきましょう。
ちなみに、退職の旨をメールや電話などで伝えるのは、ルール違反なので気を付けてください。
退職できなさそうなときは退職代行を利用する
一部の職場では、退職が難しい状況に直面することがあります。このような場合には、退職代行サービスを利用することで円満な退社を支援する方法もあります。専門のコンサルタントが介入し、円滑な退職手続きをサポートしてくれます。
転職の準備は早めに行う
退職を検討している場合、転職先の探索や準備は早めに始めることがおすすめです。求人情報の収集や面接の準備を進めることで、スムーズな転職活動が可能となります。
看護師の状況に合わせて、転職時期には適している時期やそうでない時期があります。そこから逆算して、3ヶ月前には行動をするようにしましょう。
在職中と退職後の転職はどっちがいいの?
看護師が転職を検討する際、在職中に転職するか、それとも退職後に転職するかは検討すべきポイントです。そこで最後に、在職中と退職後の転職それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
在職中に転職するメリット・デメリット
在職中に転職するメリット
在職中の転職は、収入を保ちながら新しい職場を探すことができます。安定感を保ちながら転職活動を進められるため、経済的なリスクを軽減でき、精神的にもゆとりをもつことができます。
また、新たな職場でのスタートをすぐにきることができます。そのため、仕事をしないという機関がないため、収入を途絶えさせることがありません。
在職中に転職するデメリット
在職中の転職活動は、仕事との両立が必要です。忙しさが増すことで、ストレスや疲労が蓄積される可能性があります。かなりタイトな生活になるので、しっかりスケジュール管理を行う必要があります。
退職後に転職するメリット・デメリット
退職後に転職するメリット
退職後に転職活動を行うことで、時間を転職活動一つに費やすことができます。またスケジュールに余裕があるため、転職先の都合に合わせてスケジュール調整をすることができます。
退職後に転職するデメリット
退職後の転職は、一時的に収入が途絶える可能性があります。経済的な不安が生じることがあります。そのため、経済的余裕がない場合、現職を退職した後、新しい職場までの期間をどのように過ごすかを計画する必要があります。
また新しい転職先が決まらない場合、経済的な焦りから大きなプレッシャーとストレスがかかります。そのため、退職後に転職する場合はある程度の貯蓄をもって行うのがいいでしょう。
まとめ
この記事では、看護師が転職する際のベストタイミングやポイントについて、様々な角度から解説してきました。
転職したいという看護師の中には、今すぐ転職をしたいという方も多くいるでしょうが、転職時期を間違えてしまうと、その気持ちとは裏腹にうまくいかないことも考えられます。そのため、最低でも3ヶ月間の準備期間を設けて、ゆとりをもって転職活動をするようにしましょう。
転職を成功させるためには、タイミングは重要です。自分にとって最適な転職時期を意識し、後悔のない転職を叶えてください。