管理職への道

【看護師の魅力8選】感動エピソードと診療科別の魅力を徹底解説

看護師という職業、あなたはどんなイメージを持っていますか?過酷で大変な仕事というイメージが先行しがちですが、実は多くの看護師が「やりがいがある」「魅力的な仕事だ」と感じています。

本記事では、看護師の仕事の8つの魅力を詳しく解説します。患者さんからの感謝の言葉、チーム医療の中心として活躍する喜び、高収入や安定した雇用など、看護師ならではの魅力を余すところなくお伝えします。

さらに、現役看護師の感動エピソードや、診療科別の魅力も紹介。看護師を目指す方はもちろん、現役の看護師の方にも、自分の仕事の価値を再確認していただける内容です。もし今、仕事に魅力を感じられていないという方にも、新たな視点を提供します。看護師という職業の奥深さと魅力を、ぜひこの記事で感じてください。

看護師という仕事の魅力8選

 

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それではさっそく、看護師の魅力についてご紹介していきます。患者の命を預かる仕事であるため過酷なことも多い仕事ですが、それ以上に魅力や達成感を感じる瞬間が多くあるのも看護師です。今回ご紹介する以外にも多くの魅力がある仕事ですが、ここでは一般的に共通している魅力を8つご紹介します。

患者やその家族から感謝される

看護師としてもっとも嬉しい瞬間の一つは、患者やその家族からの感謝の言葉です。患者の苦痛や不安を和らげ、温かなケアを提供することで、信頼と「ありがとう」の感謝の声が寄せられることがあります。

その瞬間は、自分の仕事が誰かの役に立っている実感が強く、看護師の仕事に魅力を感じることができます。

患者が元気になる姿を見られる

看護師の中でも多くの人が共感する魅力に、患者が元気になって退院する姿を見る瞬間があります。病気やケガによって落ち込んでいた患者が、過酷な治療を乗り越え、笑顔を取り戻す姿は、看護師として嬉しい瞬間でもあります。

看護師はいち早くその変化に気づくことができ、その瞬間に、自分の仕事が本当に意味を持っていると感じることができるという看護師も多くいます。

チームプレーで患者を救うことができる

医療現場では、様々な職種が連携して患者を支えるチームプレーが求められます。看護師はその中心的な役割を果たし、医師や薬剤師、放射線技師などと協力して患者を救う使命感を味わえます。

患者の健康と命を守るために、自分の専門知識やスキルを最大限に発揮し、絶え間ない努力を重ねることができるのも大きな魅力といえるでしょう。

高収入

看護師としての給料は、多くの場合、他の職業と比較して高めです。大変な仕事でも、その頑張りが給料として帰ってくることに大きな魅力を感じる方も多くいます。

また、医療現場での需要は年々増加傾向にあり、安定したキャリアを築くことができます。この安定感は、経済的な安心感だけでなく、仕事へのモチベーションを高める要素となります。

資格を活かして長く仕事ができる

看護師の資格は、年齢や経験に関係なく長く活かすことができる特徴があります。臨床現場だけでなく、教育や管理、リサーチなど幅広い分野で活躍することができます。

これにより、自分の興味やキャリア目標に合わせた選択肢を追求し、多様なキャリアパスを築くことができます。

ブランクがあっても復職しやすい

結婚・出産や育児といった家庭の事情や、個人的な理由でブランクが生じることもありますが、看護師としての経験を活かして復職することは比較的容易です。また、女性が多い職場なので、急な子供や家族の体調不良も理解してもらいやすいケースも多いです。

医療業界は常に人手不足であり、資格を持つ看護師のニーズは高いです。そのため、ブランクがあっても求人の機会が豊富であり、自分のスキルや知識を迅速に復活させることができます。

ライフスタイルに合わせて働ける

看護師の仕事は、ライフスタイルに合わせて働き方を選択できる柔軟性があります。フルタイムやパートタイム、日勤のみ・夜勤のみなど、自分の希望や家庭の状況に合わせて勤務スケジュールを組むことができます。仕事とプライベートのバランスを取りながら、充実した日々を送ることができるでしょう。

また、病院やクリニックだけでなく、医薬品メーカーや一般企業、学校や福祉施設など、様々な職場で活躍できる職業です。働く先の選択肢が多いというのも、魅力の一つとなっています。

看護師の仕事に魅力を感じたエピソード

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看護師としての仕事には、日々のケアやサポートを通じて感じる魅力が数多く存在します。その中でも特に印象的だったというエピソードをいくつかご紹介していきます。


患者からの感謝の言葉と手紙のエピソード

ある日、私は長期入院中の患者さんの担当を任されました。その患者さんは病気による身体の不自由さと心の不安から、元気をなくしているようでした。私はできるだけのケアと思いやりを込めて接し、会話を通じて彼女の心を支えました。

数ヶ月後、その患者さんは退院しました。その後、私のもとに手紙が届きました。手紙には彼女の心からの感謝の気持ちと、私の存在が彼女に勇気を与えたことが綴られていました。その手紙を読んだ瞬間、私は看護師としての存在が人々の生活に影響を与える素晴らしい仕事であることを実感しました。(20代女性)


患者の状態が持ち直したエピソード

ある男性患者さんが、危険な状態で緊急入院されました。治療が始まる最初の日々は苦しみに満ちていましたが、チーム全体でその患者さんのケアに取り組みました。日々の経過観察とケアによって、彼の状態は次第に持ち直していきました。

数週間後、その男性患者さんは歩行が可能な状態になり、「ありがとう」という言葉と笑顔をいただきました。その瞬間は、私にとってこれまでの看護師生活の中でも最高の瞬間となりました。(30代女性)


職場の雰囲気の良さエピソード

私が勤務している病院は、チームワークを重視し、職場の雰囲気がとても明るいところです。ある日、緊急の手術が必要な患者さんが運び込まれました。その時、患者さんを迎えるだけでなく、スムーズな手術の準備を全スタッフが協力して行いました。

手術が無事成功し、患者さんの状態が安定した時、チーム全体が安堵と喜びに包まれました。職場のメンバー同士が連携し、困難な状況に立ち向かう姿勢を共有することで、私たちは仕事の中での絆と支えを感じることができました。(30代女性)


今回ご紹介したのはごく一部ですが、このような魅力を感じる瞬間が、看護師には多くあるようですね。大変な仕事と感じる看護師ですが、多くの感動的で魅力あふれる瞬間があることがお分かりいただけたと思います。

これらのエピソードを通じて、看護師が人々の健康と幸福を支える素晴らしい使命を果たしていることが伝わるのではないでしょうか。

職場別の魅力をご紹介

看護師としての魅力は、診療科別によっても異なります。これから看護師になられる方や、魅力のある科をお探しの方は、どういった魅力があるのか確かめてみてください。

 

病棟看護師の魅力

病棟看護師は、入院患者の健康と安全を守る役割を担います。患者の24時間ケアを通じて、病状の変化や治療効果を見守り、必要なケアを提供します。

その魅力は、深い絆を築くことができること。入院中の患者と長い時間を共に過ごすため、信頼関係を構築し、患者の健康回復を支えることができ、感謝の気持ちを伝えられることも多い診療科といえるでしょう。

外来看護師の魅力

外来看護師は、外来診療に訪れる患者のケアや指導を担当します。患者の病状や治療計画の説明、健康相談などを通じて、患者の理解を深め、日常生活での健康管理をサポートします。

その魅力は、患者とのコミュニケーションを通じて、健康への意識を高め、予防にも貢献できることです。名前も覚えてもらいやすく、業務内でも大きな喜びを感じる瞬間があります。定期通院の患者さんが元気になっていく姿を見られるのも魅力の一つです。

手術室看護師の魅力

手術室看護師は、手術の準備から手術中のケア、術後の経過観察までを担当します。手術の成功に欠かせない専門スキルと専門知識を持ち、手術チームの一員として患者の命を救うサポートをします。

その魅力は、高度な技術と連携が求められる環境で、患者の健康と生命を守る使命感を味わえることです。

透析看護師の魅力

透析看護師は、腎臓機能が低下した患者の透析治療を支えます。透析セッションの前後のケアや透析機器の操作、患者の健康状態のモニタリングを担当します。

その魅力は、専門知識とコミュニケーション力が求められる診療科であること。透析は、一人の患者に4時間前後携わるので、より信頼関係を築くことができます。また、患者の生活の質を向上させる役割を果たせることで、患者のためになっているという達成感を味わうこともできるでしょう。

救急外来看護師の魅力

救急外来看護師は、緊急事態や急病患者のケアを担当します。診断や処置、急患の受け入れなどを迅速に行い、安定した状態に導く役割を果たします。

その魅力は、危機的な状況で的確な判断とサポートが求められるため、看護師としてのスキルと冷静な対応力を発揮できることです。どの科よりも、患者さんの生死に大きく関わるポジションのため、プレッシャーも大きいですが強くやりがいを感じられる仕事でもあります。

訪問看護師の魅力

訪問看護師は、患者の自宅を訪れてケアを提供する役割を担います。患者の日常生活の中での健康管理や治療サポートを行い、地域での健康促進に貢献します。

その魅力は、患者と直接関わりながら、生活をより良くするための支援を行えることです。一人の患者さんに対して使える時間が格段に長い傾向にあり、一人ひとりに寄り添って、要望を満たしてあげることに喜びを感じる方も多いです。

美容クリニック看護師の魅力

美容クリニック看護師は、美容施術や皮膚ケアを担当します。美容治療の安全性と効果を確保するため、患者のカウンセリングやアフターケアを行います。

その魅力は、美の向上を通じて患者の自信と笑顔をサポートし、新たな人生のスタートを共に迎えることができることです。患者の悩みが改善し、満足してもらえた時には大きな喜びを感じるようです。

看護師の仕事に魅力を感じていないあなたへ

 

ここまでご紹介したように、看護師の仕事は魅力とやりがいに満ちていますが、中には魅力を感じないと感じる看護師の方もいると思います。しかし、そのような状況を自己嫌悪する必要はありません。ここでは、看護師の仕事に魅力を感じていない方へのアドバイスをご紹介します。

魅力を感じないことに自己嫌悪する必要はない

「忙しい毎日についていけない」「頑張っているのに感謝の言葉をもらえない」など、仕事に追われる毎日に、魅力を感じる暇がないという方も多いです。

誰にでも、仕事に対して魅力を感じない瞬間や時期が存在します。看護師の仕事も例外ではありません。そのような感情を抱くこと自体は自然なことであり、自己嫌悪する必要はありません。重要なのは、その状況から前向きな方向へ向かう方法を見つけることです。

また、時には立ち止まって見るのもいいでしょう。魅力を感じないという看護師の多くは、その責任感から、働き過ぎてしまっているという方も多くいます。自己嫌悪を感じる時は、「働き過ぎているのでは」「プライベートの時間は確保できているか」など、自分の状況を振り返ってみるのも解決法です。

看護師になったきっかけを思い出す

魅力を感じない時には、看護師になるきっかけを振り返ってみることが大切です。なぜ看護師を目指したのか、どのような夢や目標を抱いていたのかを思い出すことで、初めての気持ちや意義を再確認できるかもしれません。

看護師になるために、長いプロセスを経てたどり着いたはずです。看護師の資格を取得するために一生懸命勉強をし「こんな看護師になりたい」と将来を夢見ていたはず。看護師になったきっかけを思い出すことで、自分自身を再びモチベーションを高めるための一歩となるでしょう。

転職を考えるのも一つの手段

魅力を感じない状況が続く場合、転職を考えることも一つの選択肢です。看護師としてのキャリアは多様で、様々な分野や職場で活躍することができます。

自分の興味や得意分野に合った職場や診療科を見つけることで、新たなやりがいを見つける可能性が広がります。

先輩や友人に相談する

魅力を感じないと感じる時には、まわりの人々に相談することも重要です。同じような経験をした先輩看護師や仲間たちの意見やアドバイスを聞くことで、自分が考えている以外の意見を聞くことができるかもしれません。

もし同じ職場の人に相談しづらければ、違う業種で働いている友人や家族に相談するのもいいでしょう。他の人との交流を通じて、自分自身の状況を客観的に見つめることができるでしょう。

まとめ

この記事では、看護師の魅力について、仕事に魅力を感じた瞬間や職場別の魅力、看護師が体験したエピソードなどを交えてご紹介してきました。

看護師の仕事には、人々の健康をサポートする使命感や急患患者の回復、患者との信頼関係を築く喜びなど、多くの魅力が詰まっています。病院やクリニック、訪問看護など、様々な職場で活躍する看護師たちは、医療現場の中心的存在であることは間違いありません。

もし魅力を感じられない時は、今回ご紹介した対処法を参考に、一度自分自身を見直してみることをおすすめします。

【看護師の必要資格と国家試験攻略法 完全ガイド】キャリアアップに繋がる10の追加資格も解説

「看護師になりたい」その夢を実現するために、どんな資格が必要か知っていますか?また、看護師としてのキャリアをさらに発展させる方法をお探しですか?

本記事では、看護師になるための必須資格から、国家試験の攻略法、さらにはキャリアアップに役立つ10の追加資格まで、詳しく解説します。准看護師との違いや、最新の合格率データも掲載。あなたの看護師としての未来を切り開くための、確かな情報が満載です。

看護の世界でさらなる高みを目指す方、看護師として働くために必要な資格についてフォーカスし、看護師国家試験の概要やキャリアアップに繋がる資格などを徹底解説していきます。

看護師として働くために必要な資格

看護師として働くためには、看護師あるいは准看護師の資格を取得しなければなりません。

一般的に想像する看護師の資格は国家資格であり、取得することで医師の診療に基づき様々な医療の補助や患者の症状に応じた看護を自らの判断で行えます。

詳しくは後述しますが、看護師資格を取得するためには指定の学校を卒業した上で国家試験に合格しなければなりません。

看護師と准看護師の違い

看護師資格は厚生労働省により付与される一方で、准看護師は各都道府県知事によって付与される資格となっています。よって、あくまでも国家資格ではないことを覚えておきましょう。

また、准看護師の場合、仕事内容自体は看護師と変わらないのにもかかわらず、自らの判断では患者に対する看護業務ができないという特徴があります。

つまり、医師あるいは看護師からの指示を仰いだ上で業務に当たらなければならないため、医療現場において裁量の低い立場であることがネックとなっており、制度創設当時から日本看護協会が准看護師養成の停止に取り組んでいるのが現状です。

看護師国家試験の概要

看護師国家試験は前述した通り、厚生労働省により付与される看護師国家資格を取得するための試験です。

国家試験を受験するためには、文部科学大臣や都道府県知事が定める各種学校を修了していることなど、いくつかの受験資格のいずれかに該当する必要があります。

ここでは看護師国家資格について掘り下げていきます。

看護師国家試験を受験するには

看護師国家資格を受験するには、主に次のいずれかの受験資格を有していなければなりません。

  • 看護大学を卒業
  • 看護短期大学を卒業
  • 看護師養成所を卒業
  • 5年一貫看護師養成課程校を卒業
  • 准看護師資格を持っている

看護大学を卒業

高等学校を卒業後に4年制の看護大学を受験し、看護師養成カリキュラムをはじめとする様々な看護知識を身につけた上で卒業すると、看護師国家試験の受験が可能となります。

また、看護大学では、看護師だけでなく保健師や助産師などに関わる授業も受けられることがあるので、将来的に様々なキャリアを考えているなら看護大学でしっかりと勉強しておくと良いでしょう。

看護短期大学を卒業

高等学校卒業後、3年制の看護短期大学で学び卒業することでも看護師国家試験の受験が可能となります。

4年制看護大学よりも1年早く看護師国家資格を受験できるだけでなく、学費も抑えられ、実技実習を中心に受講できるというメリットがある一方、国家試験に向けての勉強期間が短くなるというデメリットがあることを覚えておいてください。

看護師養成所を卒業

同じく、高等学校卒業後に3年間看護師養成所に通い卒業すれば、看護師国家試験の受験ができます。

看護師養成所の多くは看護専門学校となっていて全カリキュラムのうち約3分の1程度は実習なため、実際に看護師となってから即戦力となれるような教育を受けられます。

ただし、看護大学や看護短期大学のカリキュラムにあるような一般教養を学ぶ機会はほとんどないので頭に入れておきましょう。

5年一貫看護師養成課程校を卒業

高等学校を卒業していなくても、義務教育である中学校を卒業していれば、5年一貫看護師養成課程校を卒業することで看護師国家試験を受験可能です。

一般的な5年一貫看護師養成課程校においては、3年間は准看護師資格を取得するための看護科の勉強、残りの2年間は看護師国家試験を受験するための専攻科での勉強を行います。

准看護師資格を持っている

前述した特定の学校を卒業する以外に、准看護師資格を持っていて3年以上看護業務に従事あるいは、中学校及び高等学校を卒業している准看護師で、指定の大学や学校、養成所などで2年以上修業していれば、看護師国家試験を受験できることも覚えておきましょう。

※ここに記載した受験資格は、あくまでも簡単な概要だけを抜粋しています。他にも受験資格があるので詳しくは厚生労働省のホームページを参照し最新の情報を取得してください。

看護師国家試験の日程・会場

看護師国家試験は毎年2月中旬頃に日本各地の会場で実施されます。

ちなみに2024年度の試験日程は下記の通りです。

<試験期日*>

2024年2月11日

<試験実施地域*>

  • 北海道
  • 青森県
  • 宮城県
  • 新潟県
  • 東京都
  • 愛知県
  • 石川県
  • 大阪府
  • 広島県
  • 香川県
  • 福岡県及び沖縄県

*厚生労働省ホームページ「看護師国家試験の試行」参照(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/

年に1回しか実施されないため、一度落ちてしまうとまた1年間勉強しなければならないので注意が必要です。

ただし、大きな災害などが発生した際には試験の時間などが変更となる場合があります。その際には厚生労働省のホームページに掲載されるのでチェックしてください。

看護師国家試験を受験する際に提出する書類

看護師国家試験を受験する際には、全員が下記の書類を不備なく用意する必要があります。

  • 願書
  • 証明写真(縦6cm×横4cmのサイズで出願前6ヶ月以内に正面から撮影し、裏面に撮影年月日と指名を記載した上で指定台紙に貼り付ける)
  • 返信用封筒(縦23.5cm×横12cmのサイズで表面に宛先と宛名を記載、さらに定形郵便94円と一般書留480円の切手を貼り付け書留表示必要)

また、看護大学をはじめ、看護短期大学や看護指定養成所を卒業した人など一部の人は、次の書類の提出も必要になります。

  • 学校の修業証明書あるいは看護師になるために必要な学科を3年以上修めたことを証明する修業判定証明書

そして、准看護師免許取得後3年以上業務に従事している人や、中学校あるいは高等学校を卒業している准看護師で指定の大学や学校、養成所で2年以上修業、5年一貫看護師養成課程校を卒業して准看護師免許を持つ人などは下記の書類も準備しましょう。

  • 指定の大学あるいは学校の修業証明書もしくは2年以上修業したことが証明される書面、または修業見込み証明書や指定養成所の卒業証明書など

※ここに記載した提出書類については、あくまでも簡単な概要だけを抜粋しているので、詳しくは厚生労働省のホームページを参照し最新の情報を取得してください。

看護師国家試験の受験手数料

看護師国家試験を受験するには、提出書類だけでなく受験手数料の支払いも必要です。

ちなみに2024年度の受験手数料は5,400円*となっており、相当する収入印紙を願書に貼付して納付しなければなりません。

看護師国家試験の試験科目

次の10の科目が看護師国家試験の試験科目となっています。

  • 人体の構造と機能
  • 疾病の成り立ちと回復の促進
  • 健康支援と社会保障制度
  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 老年看護学
  • 小児看護学
  • 母性看護学
  • 精神看護学
  • 在宅看護論及び看護の総合と実践

どの科目もまんべんなく知識を深めておかなければ合格はできないので注意しましょう。

人体の構造と機能

人体の構造と機能では、その名の通り正常な人体の構造と機能についての基本的な理解が問われます。

疾病の成り立ちと回復の促進

疾病の成り立ちと回復の促進では、疾病がなぜ発生するのかという原因や回復に至る課程、疾病による身体内部の変化、疾病の特性についての基本的な理解が問われます。

健康支援と社会保障制度

健康支援と社会保障制度では、人間の社会的側面をはじめ、社会保障の理念と制度及び法律に基づく社会福祉の方法と課題や公衆衛生及び保健活動の進め方、人々の健康を守るためのサービス提供機関及びサービス提供機関従事者の役割や機能に関する法律についての基本的な理解が問われます。

基礎看護学

基礎看護学では、看護の基礎となる概念をはじめ、看護技術の基礎、保険・医療・福祉分野の中で看護の果たす役割についての基本的理解が問われます。

成人看護学

成人看護学では、成人各期の健康保持や疾病予防をはじめ、成人の健康問題に応じた看護や機能障害を持つ成人への看護についての基本的な理解が問われます。

老年看護学

老年看護学では、高齢者自身や家族の生活及び健康をはじめ、健康レベルや療養形態に応じた高齢者と家族に対する看護、保険医療福祉制度における看護の役割についての基本的な理解が問われます。

小児看護学

小児看護学では、小児の成長や発達、そして健康増進のための小児と家族への看護をはじめ、健康障害を持つ小児と家族が生活及び療養するための看護についての基本的な理解が問われます。

母性看護学

母性看護学では、母性看護の概念及び人間の性と生殖や、女性のライフライフサイクルにおける各期の看護についての基本的な理解が問われます。

精神看護学

精神看護学では、精神の健康と保持及び増進に向けた看護をはじめ、精神看護の基盤となるサポートや精神疾患を持つ人の生物・心理・社会的側面への看護、そして精神疾患を持つ人の人権と安全を守りつつ回復をサポートする看護についての基本的な理解が問われます。

在宅看護論及び看護の総合と実践

在宅看護論及び看護の総合と実践では、在宅看護の特徴や在宅療養者及び家族をはじめ、看護におけるマネジメントや災害看護、国際社会における看護についての基本的な理解が問われます。

看護師国家試験の受験者数と合格率

2022年度に実施された第112回看護師国家試験の受験者数と合格率は下記表**の通りです。

 

 受験者数合格者数合格率
合計64,051人58,152人90.8%
新卒者のみ59,290人58,911人95.5%

 

表を見るとわかる通り、新卒者の合格率は高い水準であることがわかります。

ちなみに2022年度第112回の看護師国家試験の合格基準は、必修問題を40点以上なおかつ一般問題及び状況設定問題を152点以上獲得しなければなりませんでした。

**厚生労働省ホームページ「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験及び第112回看護師国家試験の合格発表」参照(https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2023/siken03_04_05/about.html

看護師国家試験の合格発表の確認方法

看護師国家試験の合格発表を確認する際には、厚生労働省ホームページにある資格・試験情報のページを参照しましょう。受験地及び受験番号が掲載されます。

ちなみに2024年度の合格発表は2024年3月22日の14時予定です。

看護師免許申請の方法

看護師国家試験に合格した後は、免許の申請をしなければなりません。看護師の有資格者として業務に携わるためには、厚生労働省が管理する籍簿に登録されないといけないからです。

看護師免許の申請をせず、なおかつ厚生労働省の籍簿に登録される前に業務に携わった場合には行政処分の対象となるので注意してください。

ちなみに免許申請の時期は随時となっており、9,000円の収入印紙による手数料がかかります。

看護師資格と併せて持っておくとキャリアアップに繋がる資格

ここまで看護師資格について解説してきましたが、看護師資格と併せて持っておくとキャリアアップに繋がる資格が多数あることをご存知でしょうか。

色々な資格を組み合わせて保持することで、看護師以外の職種にも就くことが可能です。

ここでは10の資格をご紹介していきますので、看護師以外の将来のキャリアの可能性についても考えてみてください。

  • 認定看護師資格
  • 専門看護師資格
  • 認定看護管理者資格
  • 3学会合同呼吸療法認定士資格
  • 消化器内視鏡技師資格
  • 循環器専門ナース資格
  • 精神科認定看護師資格
  • 保健師資格
  • 助産師資格
  • 介護支援専門員資格

認定看護師資格

認定看護師資格は、看護師としての実践経験を5年以上有し、日本看護協会が定めている600時間以上の認定看護師教育を修めた上で、認定看護師認定審査に合格すれば取得できる資格です。

認定看護師は、患者及び家族に対しより良い看護を提供するために実践・指導・相談を果たすことで看護の質の向上に努めることになります。

認定看護師は、病院やクリニック以外に、訪問看護ステーション、介護保険施設などで活動の場があり、他の看護師に対して指導を行うこともできます。

専門看護師資格

専門看護師資格は、看護師としての実務経験が5年以上でなおかつ看護系の大学院において修士課程を修了し必要な単位を取得した後、専門看護師認定審査に合格することで取得可能な資格です。

資格を取得して終わりではなく、5年ごとに資格を更新しなければならず、常に自己研鑽が求められるものとなっています。

専門看護師は、患者及び家族に起きている問題について総合的に捉えて実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究という役割を果たしながら、従事する施設全体だけでなく地域における看護の質の向上に努めることになります。

専門看護師になると、病院やクリニック、訪問看護ステーションなどで患者に寄り添うだけでなく、大学などの教育現場でも活動できるので、後進を育てていきたいと考える人にもおすすめといえるでしょう。

認定看護管理者資格

認定看護管理者資格は、看護師としての実務経験を5年以上持っており、なおかつ通算3年以上看護師長相当以上の管理経験を有していることを前提に、認定看護管理者教育課程サードレベルを修了あるいは看護管理に関連する学問領域において修士以上の学位を取得した上で、認定審査に合格することで取得できる資格です。

専門看護師資格と同様に認定看護管理者資格も5年ごとに更新が必要となります。

認定看護管理者は、高品質な組織的看護サービスを提供するため、看護管理者の資質及び看護水準の維持や向上に寄与して保健医療福祉に貢献する存在です。

3学会合同呼吸療法認定士資格

3学会合同呼吸療法認定士資格は、患者の高齢化が進む医療現場において呼吸管理を行える人材のレベル向上及び維持を目的としている資格です。

看護師としての実務経験を2年以上有し、なおかつ認定委員会が認めている学会及び講習会などに出席し、申請書類提出日までの5年以内に12.5点以上を取得した上で、2日間にわたる認定講習会に出席し、認定試験に合格すると取得できます。

もちろん資格の更新も必要で5年ごとに学会及び講習会などに出席し、論文発表などで50点以上を取得して常に研鑽をつむ必要があります。

消化器内視鏡技師資格

消化器内視鏡技師資格を取得するためには、試験に合格しなければなりませんが、試験受験には次の条件を満たしている必要があります。

  • 看護師資格を持っている
  • 過去5年以内に日本消化器内視鏡学会認定の専門医が従事する事業所において、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上
  • 日本消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の消化器内視鏡技師学会あるいは消化器内視鏡技師研究会に2回以上出席
  • 日本消化器内視鏡学会支部長が承認した消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の「機器取扱い講習会基礎編」に1回以上出席
  • 申請する年から遡り5年以内に日本消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の医学講習会に参加あるいは勤務先の日本消化器内視鏡学会認定専門医による医学講義を20時間以上受講
  • 上部消化管・下部消化管・胆・膵における消化器内視鏡介助症例数合計が原則直近1年間100件以上なおかつ認定専門医より証明及び推薦が得られること

消化器内視鏡技師であれば、内視鏡を使用する医師の補助を専門的に行う立場として医療業務に従事できます。

循環器専門ナース資格

循環器専門ナース資格は、循環器専門ナース研修web講義を受講し、認定試験に合格すると取得できる資格です。

認定期間は5年であるため、必要に応じて更新しなければなりません。

循環器専門ナースとして認められると、心筋梗塞や心不全などといった心臓循環器疾患についての実践的な知識を有する看護師であることが証明でき、循環器分野で活躍できます。

精神科認定看護師資格

精神科認定看護師資格は、看護師資格をもちなおかつ通算5年以上うち通算3年以上の精神科看護実務に従事しているだけでなく、臨床での実務を行っているかつ臨床で実践する場として1ヶ月28時間以上あり証明できる人で、精神科認定看護師教育課程を修了した上で、認定審査に合格すると取得できる資格です。

精神科認定看護師資格取得後には5年ごとに更新する必要があります。

精神科認定看護師資格を持っていると、精神科における看護領域で優れた看護能力及び知識を有していると認められます。

保健師資格

保健師資格は、看護師資格を持ちなおかつ1年以上の保健師養成課程を修了し保健師国家試験に合格することで取得できる資格です。

看護師の場合患者の病気や怪我などの治療を行うことになりますが、保健師の場合には病気や怪我を防ぐための予防医療がメインとなります。

よって、保健師になると病院に限らず、保健所をはじめ、健康保険組合や学校、企業などといった様々な場で活躍できます。

助産師資格

助産師資格は、看護師資格を持ちなおかつ助産師養成学校において1年以上学び、実習で技術を身につけた人だけが受験できる助産師国家試験に合格すると取得できる資格です。

助産師になると妊婦の健康管理から生活指導、分娩、出産、育児指導などを幅広く行う業務に就くことができます。

介護支援専門員資格

介護支援専門員資格は、看護師としての実務経験を5年以上有し、介護支援専門員実務研修受講試験に合格すると取得できる資格です。

介護支援専門員資格を持っていると、ケアマネジャーとして介護サービス事業所と連携し介護サービス利用者に高い品質のケアを提供できるようになります。

まとめ

看護師の必要資格について、この記事では看護師国家試験の概要やキャリアアップに繋がる資格などを徹底解説してきました。

看護師になるためには国家試験に合格し、免許を取得しなければなりませんが、看護師免許取得がゴールではありません。

看護師資格取得後も日々自己研鑽を怠らず経験を積んでいき、必要に応じてキャリアアップできる資格を取得するなどしてさらなる高みを目指していきましょう。