転職を目指す看護師の中には、「転職をしたいけどタイミングが分からない」という方も多いのではないでしょうか。看護師の転職は大変といいますが、実際何が大変なのでしょう。それは、看護師の仕事が忙しいため、転職活動と仕事を両立するのが難しいといわれています。
そのため、仕事を辞めた後に転職活動を行う方もいますが、もし可能であれば、転職先が決まった後に退職するのがおすすめです。
そこで本記事では、転職先が決まってから退職した方がいい理由や仕事を続けながら転職を行う方法について詳しく解説していきます。
看護師の退職は転職先が決まってからにしよう！
まずは、なぜ看護師の退職は転職先が決まってからの方がいいのか解説していきましょう。
大きな要因は収入面です。転職先が確定していない状態で退職すると、一時的に収入が途絶えることになります。家計に余裕がない場合、無収入期間は経済的なプレッシャーをかけることになり精神的にも余裕がなくなり、転職先を妥協して選びがちになってしまいます。
金銭的にも精神的にも余裕を持って転職するためには、まず転職先を決めておき、その後、退職へ向けた手続きを行うことをおすすめします。
＜看護師・ナースのリアルな声＞あなたは新しい転職先を見つけてから退職しましたか？
＜看護師・ナースのリアルな声＞退職前に転職先を決めておいて良かったと感じたことは何？
退職届を提出する時期
退職届は退職が決まった後に提出するものです。よくドラマなどで、退職届を提出しながら「今日付けで退職させていただきます」というセリフを聞きますが、それで「はい、わかりました」とはいかないのが現実です。
退職届を提出する前に、しっかり退職の旨を伝え、受理されたうえで転職数日前に提出するのが基本です。退職をしたいという意思は、最低でも1ヶ月前までに上司に伝えるようにしましょう。
転職を決意してから退職するまでの流れ
看護師の転職を決意してから退職するまでのステップを詳しく説明します。順序良く計画を立てることでスムーズな転職を行うことができます。
転職の時期を決める
転職を検討する際、転職の時期を計画的に決めることが重要です。現職での契約期間や給与やボーナスの支給サイクルなどを考慮して、退職のタイミングを決定しましょう。
1週間後や1ヶ月後ではなく、長いスパンで考える方がいいでしょう。3ヶ月～6ヶ月程度先を見据えた転職で計画を立てていくのがベストです。
転職先を探す
転職する時期を決めたら、転職先を決めていきます。仕事を続けながらの転職活動になるため、仕事が終わり帰宅した後、余裕のある時間や休日などを使い、自分に合った職場を見つけていきます。転職先を見つける方法としては以下の通りです。
求人サイトを活用
インターネット上には多くの求人情報が掲載されています。看護師向けの専門的な求人サイトも多く、希望条件に合った求人を検索し、興味を持った職場に応募しましょう。
看護師同士のネットワークを活用
同僚、友人、または他で働いている全国の看護師とつながることができるプラットフォームを利用するのも一つの手段です。口コミや人脈を活用し情報を共有することで、求人情報では知ることができない情報を手に入れることもできます。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用するのもいいでしょう。毎回通わなくても、自分の希望を伝えることで、その希望に合った求人をいくつかピックアップしてくれます。看護職に特化した求人エージェントもあるので、それらを利用するのもいいでしょう。
直属上司に相談
転職先が決まった後に、転職を検討していることを直属の上司に相談しましょう。「相談しても多分引き止められる」と思われる看護師がほとんどでしょうが、まさしくその通り。すんなり「ハイ分かりました」とはいきません。
とはいえ、会社側は退職を不当に止めることはできないため、強い意思をもって伝えるのが大事です。引き留められにくい退職理由は後ほど解説します。
退職願（退職届）の提出
上司へ報告して退職が決まったら退職届を提出します。退職届は通常、所定の期間前に提出する必要があります。多くの場合、2週間から1か月前の通知が一般的です。退職願には退職日と退職理由を明記します。退職届の記載方法には、会社の規定があることもあるので確認してください。
仕事の引き継ぎ
退職願提出後、仕事の引き継ぎを進めます。これは、現在の仕事を新たな看護師やチームメンバーにスムーズに引き継ぐための作業です。患者の情報、プロトコル、診療カルテの整理、指示書の伝達など、様々なタスクが含まれます。引き継ぎを丁寧に行い、患者の安全を確保するようにしましょう。
＜看護師・ナースのリアルな声＞退職するまでの間で一番大変だと感じたことは？
看護師が退職を伝えるときのポイント
看護師が退職を伝える際、コミュニケーションのポイントや注意すべき事項があります。ここでは、看護師が退職を伝える際のポイントについて解説していきます。
はっきり意思表示する
看護師が退職を伝える際には、はっきりと意思表示することが大切です。言葉遣いや態度は明確で、誤解を招かないように心掛けましょう。退職の意図を曖昧にせず、自信をもって伝えることが大切です。
職場に対しての不満
不満や不満要因がある場合、その理由を冷静かつ建設的に伝えることも重要です。ただし、感情的にならず、具体的な改善提案を持ち出すことが望ましいです。これは、職場が将来の改善に取り組む際に役立つ情報を提供することになります。
ちなみに退職までのあいだ、少なくても1ヶ月以上は業務を行う必要があるため、仕事がしづらい状況になるのを避けたければ、もし退職理由が職場に対しての不満であったとしても、違う理由を伝えて退職するのがいいかもしれません。
ヘッドハンティングされていること
ヘッドハンティングという言葉を退職理由に使うのもいけません。もしかしたら、職場同士のトラブルに発展する恐れがあります。大きなトラブルを避けるためにも、気を付けるようにしましょう。
転職先でしか実現できない退職理由にする
転職の理由を説明する際、転職先でしか実現できない目標やキャリアの発展を強調することが有効です。新しい職場での成長や挑戦に焦点を当て、それがなぜ看護師としてのキャリアにプラスに働くかを説明しましょう。これは、退職理由が前向きであることを示すのに役立ちます。
＜看護師・ナースのリアルな声＞すんなり退職できましたか？
退職を言いにくいと感じる看護師のにおすすめの退職理由
看護師が退職理由を伝える際には、引き止められにくい退職理由を選ぶことがおすすめです。その中でも一般的な退職理由のいくつかをご紹介します。例文もご紹介していきますので、退職はしたいけど職場の雰囲気的に言いにくいと感じる看護師は、ぜひ参考にしてください。
スキルアップのため
看護師がスキルアップや専門知識の獲得を目指すために退職する理由は、一般的で理解されやすいものです。新しい経験やスキルを身につけるために転職することは、看護師としての成長を追求する自然なステップと見なされます。
またこの理由は、職場に感謝の気持ちを伝えつつ、自分のキャリア目標に向けて前進することができる退職理由になります。病院側も応援したい気持ちになりますし、快く快諾してくれる職場が多いです。
例文
「これまで多くの経験をさせていただき感謝しています。今後は、自身のスキルや知識を更に向上させ、より専門的な看護ケアを提供したいと思い、転職することを決意しました。新しい職場での経験が私の成長に大いに貢献すると信じており、この決断は私のキャリアの発展に向けた重要なステップと考えています。」
「転職先でのスキルアップと専門知識の獲得を目指して、今回の転職を決断しました。看護師としてより高度なケアを提供するために新たな挑戦をしてみたいと思っています。現職での経験と教えていただいたことに感謝し、これからのキャリアで新しい高みを目指して頑張りたいと思います。」
体調不良・怪我のため
体調不良や怪我が退職の理由となることも理解されやすいです。看護師の仕事は体力的にも精神的にも疲弊することが多い職業のため、健康上の問題がある場合、休養や治療が必要なことを正直に伝えましょう。同僚や上司もあなたの健康を最優先に考えるでしょう。
ただし、中には病休の取得を勧めてくるケースがあります。この時も冷静に、「病休を取っても辞めるつもりです」ということを毅然と伝えるようにしましょう。
例文
「健康上の理由から転職を決意しました。体調面での課題が私の職務遂行に影響を及ぼす可能性が高まっており、安全な看護ケアを提供するためには一時的な休養と治療が必要です。これまでの支援と理解に感謝し、将来の再起を目指します。」
「最近体調が思わしくなく、自身の健康を最優先に考え、十分な休養と治療を受けることが今の状況で必要だと感じました。職場でのサポートには大変感謝しています。将来の健康と復帰をまずは目指していくため退職させていただきます。」
家庭の事情のため
家庭の事情が退職の理由として選ばれることも一般的です。子育てや家族の介護、転居など、家庭の状況が看護師の働き方に影響を与える場合、これを理由にすることは、病院側としては退職してほしくなくても、個人的な理由で改善することができないため、理解されやすい理由といえます。
家庭の事情を優先することが、家庭と仕事のバランスを取る重要な決断であることを伝えましょう。また、結婚で退職する場合は、引き止められることもなく、逆に円満退社になりやすい理由です。
例文
「家庭の状況が変化し、家族のサポートと介護が必要になりました。この状況では、仕事と家庭のバランスをとるのが難しくなると考え、転職を決断しました。看護師としての仕事への情熱は変わりませんが、家族も同様に大切です。現職での経験に感謝し、家庭を支えるために専念します。」
「嬉しいことに、結婚を控えており、新たな家庭を築くことになりました。彼との話し合いの中で、まずは家庭に専念することになったため退職することを決めました。看護師としての経験は私にとって非常に貴重であり、職場での学びと成長に感謝しています。これからは家庭に専念し、幸せな日々を追求したいと思います。」
これらの退職理由は、看護師が転職を決意する際に、同僚や上司に対しても理解されやすく、共感を呼び起こしやすいものです。しかし、どの理由を選んだとしても、退職を伝える際には感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。それが円満退社の秘訣といえるでしょう。
＜看護師・ナースのリアルな声＞あなたが伝えた退職理由を教えてください
転職先が決まってから退職する場合の注意点
転職先が決まってから退職する場合、スムーズに次の仕事に挑めるよう、注意すべきポイントがいくつかあります。
退職スケジュールをしっかり決める
転職先が決まってからの退職には、退職スケジュールをしっかりと計画することが不可欠です。そのためには以下のポイントに注意しましょう。
・退職通知について：現職の雇用契約に従い、退職する場合にはどのくらい前までに通知するかを調べ、それを厳守するようにしましょう。一般的には、2週間から1ヶ月前の通知になっています。
・転職先の入社日：転職先の入社日を確認し、現職の退職日をその入社日に合わせるように計画します。これにより、無収入期間を最小限に抑えることができます。
・休暇残日数の活用：未消化の有給休暇や休暇残日数がある場合、これを活用して退職日を調整することも考慮しましょう。
転職先への入社日を優先して進める
転職先が確定している場合、入社日を優先して進めることが重要です。転職先が決まった段階で、雇用契約や必要書類の手続きを迅速に進め、入社日に適切に準備を整えることが求められます。新しい職場でのスタートがスムーズであるほど、好印象を与えることができます。
引き留められないよう注意して退職願を出す
退職願を提出する際には、上司や人事部からの引き留めに注意しましょう。一般的に、組織は価値ある従業員を失いたくないため、引き留めの試みがあるかもしれません。しかし、転職先が決まっている場合は、引き留めに応じることなく、決意を貫きましょう。しっかりと理由を伝え、退職の意思を表明すると同時に、感謝の意を示すことは重要です。
転職を決めたら強い意志が必要
転職には強い意志が必要です。特に、仕事にまじめな人であればあるほど、職場に対しての罪悪感が湧き出て、転職に踏み出せない、もしくは転職をしようと思ったけど結局引き止められてしまったということになります。
転職は決して引け目を感じるものではありません。「より良い職場に移りたい」「今よりも更なるキャリアアップを目指したい」「自分が本当にしたいことをしたい」「科獄都の時間を大切にしたい」など、前向きなものがほとんどです。
自分の目標を明確にし、困難に立ち向かい、新しいキャリアの道を自信を持って歩んでいきましょう。
まとめ
この記事では、転職先が決まってから退職した方がいい理由について解説してきました。
看護師の退職は慎重に計画し、スムーズな転職を実現するためにいくつかのポイントを考慮する必要があります。転職を決意した際には、スキルアップや健康上の理由、家庭の事情など、適切な退職理由を選びましょう。退職の際には、はっきりと意思を伝え、感謝の意を示すことが大切です。
転職先が決まってからの退職は、スケジュールの計画、新しい職場への準備、引き留めの注意が必要です。そして、退職を決意したら強い意志を持ち、新たなキャリアの成功に向けて前進しましょう。
計画的なアプローチとコミュニケーションを大切にし、看護師としてのキャリアを着実に築いてください。