
臨地実習での学びを確実な力にするために欠かせない振り返りと記録の方法について、具体例を交えながら詳しく解説します。
この記事では、実習記録の書き方から深い考察の展開方法まで、実践的なノウハウをお伝えします。
この記事を読んでほしい人
- 看護学生で実習記録の書き方に悩んでいる方
- 実習での経験を深い学びにつなげたい方
- 考察の展開方法を具体的に知りたい方
- 効率的な記録の方法を身につけたい方
- 指導者からの評価を上げたい方
この記事で分かること
- 実習記録の基本的な構成と効果的な書き方
- 経験を深い学びに変換するための具体的な考察方法
- 実習指導者が評価するポイントと記録の改善方法
- 時間管理を含めた効率的な記録の進め方
- 実践で活かせる振り返りのテクニック
実習振り返りの基本的な考え方

実習での振り返りは、単なる経験の記録ではなく、看護実践を深く理解し、自己の成長につなげるための重要なプロセスです。
このセクションでは、効果的な振り返りの本質と基本的な考え方について解説します。
振り返りの意義と目的
看護実習における振り返りには、三つの重要な意義があります。
一つ目は経験の言語化による学びの定着です。実践で得た気づきや発見を言葉にすることで、暗黙知を形式知へと変換することができます。
二つ目は理論と実践の統合です。教科書で学んだ知識と実際の臨床現場での経験を結びつけることで、より深い理解が得られます。
三つ目は看護観の形成です。様々な経験を振り返り、考察を重ねることで、自己の看護観が徐々に確立されていきます。
効果的な振り返りのための基本姿勢
振り返りを効果的に行うためには、まず観察力を養うことが大切です。患者さんの様子や反応、場の雰囲気、自己の感情など、できるだけ多くの情報を意識的に捉えるよう心がけましょう。
また、批判的思考力も重要です。なぜそのような状況が起きたのか、どのような対応が可能だったのかを多角的に検討します。
さらに、謙虚な姿勢で自己を振り返ることも欠かせません。成功体験からも失敗体験からも、等しく学びを見出す態度が求められます。
記録の重要性と基本原則
実習での学びを確実なものにするためには、適切な記録が不可欠です。記録には三つの基本原則があります。
一つ目は客観性です。事実と考察を明確に区別して記述します。二つ目は具体性です。抽象的な表現を避け、具体的な状況や行動を記述します。三つ目は論理性です。考察の過程が読み手に伝わるよう、論理的な文章構成を心がけます。
これらの原則に基づいて記録することで、より質の高い振り返りが可能となります。
効果的な振り返りの5つのステップ

看護実習での経験を深い学びへと変換するためには、体系的な振り返りのプロセスが重要です。
このセクションでは、効果的な振り返りを行うための5つのステップについて、具体的な方法とともに解説していきます。
ステップ1:経験の客観的な記録
基本情報の整理
実習での出来事を時系列で整理することから始めます。実施したケアの内容、患者さんの反応、その場の状況など、できるだけ具体的に記述します。
この際、主観的な解釈を加えず、まずは事実のみを記録することが重要です。たとえば、バイタルサイン測定を行った際は、測定値だけでなく、測定時の患者さんの様子や環境要因なども含めて記録します。
観察内容の詳細化
患者さんの言動や表情の変化、身体状態など、気づいた点をできるだけ詳しく記述します。
このとき、五感を使って観察した内容を具体的に言語化することで、後の考察に活かせる豊富な情報を残すことができます。
ステップ2:感情と思考の整理
自己の感情の振り返り
その場面で感じた感情や直感的な思考を素直に書き出します。不安や戸惑い、達成感など、どのような感情が生じたのかを具体的に記述します。この過程で自己の傾向や課題に気づくことができます。
思考プロセスの明確化
なぜそのような判断や行動をとったのか、その時点での考えを整理します。これは後の考察を深める上で重要な材料となります。
ステップ3:理論的考察の展開
知識との関連付け
実践で経験したことと既習の知識を結びつけます。教科書や参考文献の内容と照らし合わせながら、理論的な裏付けを行います。
たとえば、患者さんの症状と病態生理の関連性や、提供したケアの根拠について考察します。
多角的な分析
一つの出来事を様々な視点から分析します。患者さんの立場、看護師の立場、チーム医療の視点など、多面的に考察を深めることで、より豊かな学びが得られます。
ステップ4:改善点の明確化
具体的な行動計画
考察を通じて見出された課題について、具体的な改善策を検討します。次回の実習でどのように実践するか、行動レベルで計画を立てます。
学習課題の設定
不足している知識や技術を明確にし、学習計画を立てます。この過程で自己の成長に必要な課題が明確になります。
ステップ5:学びの統合
経験の一般化
個別の経験から得られた学びを、他の場面にも応用できる知見として整理します。これにより、実践知として蓄積することができます。
看護観の形成
一連の振り返りを通じて、自己の看護観がどのように変化したかを考察します。これは専門職者としての成長において重要なプロセスとなります。
継続的な学びの確保
振り返りを通じて得られた気づきや学びを、次の実習や将来の看護実践にどのように活かすか、具体的な展望を持ちます。これにより、学びの連続性が確保されます。
実践的な記録例の詳細解説

看護実習の記録では、理論と実践を結びつけながら、具体的な状況と考察を適切に表現することが求められます。
このセクションでは、実際の記録例を通して、効果的な記録の書き方について詳しく解説していきます。
基本的な記録の構造
時系列での記録方法
実習での出来事は、時間の流れに沿って記録していきます。朝の申し送りから始まり、日中のケア提供、カンファレンスまでの流れを、時間とともに記述します。
たとえば、「9:30 バイタルサイン測定。患者さんは覚醒しており、声かけにはっきりと返答される。体温36.8℃、脈拍72回/分、血圧126/82mmHg、SpO2 98%」というように、具体的な数値とともに患者さんの状態も記録します。
観察内容の記述方法
患者さんの状態や反応を記録する際は、主観的データと客観的データを区別して記述します。
たとえば、「患者さんより左肩の痛みの訴えあり(NRS:6/10)。安静時痛なし、体動時に増強。肩関節周囲に発赤、腫脹なし」というように、具体的な症状と観察結果を明確に記録します。
具体的な記録例と解説
成功例:清潔ケアの場面
午前10時からの清拭場面での記録例を見てみましょう。
「全身の清拭を実施。実施前にバイタルサイン測定し、体調を確認。患者さんの疲労度に配慮し、上半身と下半身に分けて実施。声かけを行いながら、患者さんのペースに合わせて進める。特に右半身麻痺側の観察を丁寧に行い、発赤や褥瘡の有無を確認。清拭後、患者さんから『さっぱりした』との発言あり」。
このように具体的な手順と患者さんの反応を記録することで、ケアの質を振り返ることができます。
改善が必要な例と修正方法
不適切な記録例として「清拭を行った。患者さんは気持ち良さそうだった」というものがあります。これでは具体的な状況や観察内容が不明確です。
改善例としては「10:00より全身清拭実施。実施前の体温36.7℃、血圧132/78mmHg。患者さんの表情は穏やかで、『今日は体を拭いてもらえるのを楽しみにしていた』との発言あり。清拭中、皮膚の乾燥が気になる部分について保湿クリームを塗布。
終了後、『体が温まって気持ちよかった』との感想を得る」というように、具体的な観察事項と患者さんの反応を含めて記録します。
効果的な考察の記録方法
理論的裏付けの記述
実施したケアの根拠を、既習の知識と結びつけて記録します。たとえば、「清拭時の湯温を41℃に設定したのは、末梢血管の拡張を促し、循環を改善する効果を期待したため。
また、麻痺側から実施することで、体温低下を最小限に抑える配慮を行った」というように、理論的な説明を加えます。
自己の気づきと成長
ケアを通じて得られた気づきや学びを具体的に記録します。「今回の清拭を通じて、患者さんとのコミュニケーションの重要性を実感した。
声かけのタイミングや表情の観察により、患者さんの小さな変化に気づくことができ、より安全で快適なケアの提供につながることを学んだ」というように、経験からの学びを明確に示します。
記録の評価ポイント
記録の具体性と客観性
記録内容が具体的で客観的な観察事実に基づいているかを確認します。数値データや具体的な言動を含めることで、記録の信頼性が高まります。
考察の深さと論理性
実施したケアや観察した内容について、なぜそうしたのか、どのような意味があったのかを論理的に考察することが重要です。表面的な記述に留まらず、看護理論や既習の知識と結びつけた深い考察を心がけます。
考察力を高めるための具体的テクニック

実習記録における考察は、単なる感想や表面的な振り返りではなく、経験を通じた深い学びを導き出すプロセスです。
このセクションでは、考察力を効果的に高めるための具体的な方法について解説していきます。
クリティカルシンキングの実践
状況分析の手法
実習で遭遇した場面について、まず状況を多角的に分析します。患者さんの身体的状態、心理的側面、社会的背景などを包括的に捉えます。
たとえば、術後患者さんの離床援助場面では、術式や経過、バイタルサインの変化、患者さんの不安の程度、家族のサポート状況など、様々な要素を考慮に入れて分析を行います。
根拠に基づく思考
提供したケアや観察した内容について、なぜそうしたのか、どのような根拠があったのかを明確にします。
「なぜこの方法を選択したのか」「他の選択肢はなかったのか」「どのような効果を期待したのか」といった視点で掘り下げていきます。
看護理論の活用方法
理論的フレームワークの適用
ヘンダーソンの基本的ニーズやロイの適応理論など、既習の看護理論を用いて状況を分析します。理論的な枠組みを活用することで、より体系的な考察が可能になります。
たとえば、患者さんの症状や反応をロイの適応モードに照らし合わせて分析することで、包括的な理解が深まります。
実践と理論の統合
臨床での経験と理論知識を結びつけることで、より深い考察が可能になります。実践で観察された現象を理論的に説明し、その意味を解釈していきます。
エビデンスの活用と探索
文献活用の実践
考察を深めるために、関連する研究論文や文献を活用します。たとえば、実施したケアの効果について、過去の研究結果と照らし合わせることで、より客観的な考察が可能になります。
最新知見との照合
看護実践のガイドラインや最新の研究成果を参照し、自己の実践を評価します。これにより、より質の高い看護ケアについての考察が可能となります。
考察の展開方法
構造化された思考プロセス
考察を展開する際は、「事実の確認」「分析」「解釈」「評価」という段階を意識します。まず観察された事実を明確にし、それを分析し、その意味を解釈し、最後に実践の評価を行います。
多面的な視点の導入
一つの事象について、患者さん、家族、医療者、社会的な視点など、様々な角度から考察します。
たとえば、退院指導の場面では、患者さんの生活背景、家族の介護力、地域の医療資源など、多角的な視点で検討します。
考察を深めるための問いかけ
自己への問いかけ
効果的な考察を行うために、以下のような問いを自己に投げかけます。
「この状況で最も重要だった点は何か」
「なぜそのような判断をしたのか」
「別の方法は考えられなかったか」
「この経験から何を学んだか」
実践の意味づけ
経験した出来事の意味を、より広い文脈の中で捉えます。その場面が患者さんの回復過程においてどのような意味を持つのか、自己の看護観の形成にどのように影響したのかなど、深い次元での考察を心がけます。
考察力向上のためのトレーニング
振り返りの習慣化
日々の実習終了後に、その日の経験を振り返り、簡単なメモを取る習慣をつけます。これにより、考察の質が徐々に向上していきます。
指導者からのフィードバック活用
実習指導者からのアドバイスや指摘を、考察を深めるための重要な機会として捉えます。指摘された点について、さらに掘り下げて考えることで、考察の視野が広がります。
ケーススタディ

実習での学びをより具体的に理解するため、実際の症例を基にした考察例を紹介します。
これらのケーススタディを通じて、効果的な振り返りと記録の方法について学んでいきましょう。
ケース1:急性期看護実習での学び
状況設定
手術後2日目の胃がん患者Aさん(65歳、男性)の離床援助場面での記録と考察です。
実践内容と観察
術後の回復段階に応じた離床援助を実施しました。バイタルサインの確認、痛みの評価、患者さんの意欲確認など、段階的なアプローチを行いました。離床時の患者さんの表情や反応、身体状態の変化を詳細に観察し、記録しています。
考察のポイント
この場面では、術後の離床における安全性の確保と患者さんの不安への対応が重要でした。術後の病態生理学的な変化を踏まえながら、段階的な離床プログラムの意義について考察を深めています。
ケース2:慢性期看護実習での経験
状況設定
糖尿病で教育入院中のBさん(50歳、女性)への生活指導場面を取り上げます。
実践内容と観察
食事療法と運動療法の必要性について説明を行い、患者さんの生活習慣の振り返りと改善点の検討を行いました。仕事と療養の両立に対する不安や家族の協力体制についても確認しています。
考察のポイント
患者教育における個別性の重要性と、行動変容を促すためのアプローチ方法について考察しています。
特に、患者さんの生活背景や価値観を考慮した指導の在り方について深く検討しています。
ケース3:終末期看護実習での体験
状況設定
末期がんのCさん(78歳、女性)とその家族への精神的支援場面です。
実践内容と観察
患者さんの痛みの緩和とともに、不安や苦悩に寄り添う看護を実践しました。家族の心理状態にも配慮しながら、コミュニケーションを図っています。
考察のポイント
終末期看護における全人的アプローチの重要性について考察しています。特に、患者さんと家族の心理的・スピリチュアルな側面への支援について、深い洞察を行っています。
ケーススタディからの学び
実践的な記録の重要性
各ケースから、具体的な観察事項と介入内容を明確に記録することの重要性が分かります。時系列での記録と、患者さんの反応の詳細な描写が、後の考察を深める基礎となっています。
理論的考察の展開
それぞれのケースで、関連する看護理論や医学的知識を活用しながら考察を展開しています。実践と理論を結びつけることで、より深い学びが得られています。
個別性への着目
各ケースにおいて、患者さんの個別性に応じたケアの重要性が強調されています。画一的なケアではなく、その人らしさを尊重した看護実践の意義について考察しています。
おしえてカンゴさん!Q&A

実習記録や振り返りについて、よくある疑問や悩みにベテラン看護師のカンゴさんが答えます。
実践的なアドバイスを通じて、より効果的な学びにつなげていきましょう。
記録の基本について
Q1:「記録と考察の区別が難しいです。観察した事実と考察をどのように分けて書けばよいでしょうか」
カンゴさん:事実の記録は「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」という5W1Hで書きます。
たとえば「10時、病室でAさんのバイタルサイン測定を実施。体温36.8℃」といった具体的な記述です。一方、考察は「なぜそうしたのか」「どのような意味があったのか」という解釈や分析を書きます。
事実を箇条書きにするのではなく、文章として記述することで、より充実した記録になりますよ。
考察の深め方
Q2:「考察が浅くなってしまいます。どうすれば考察を深められますか」
カンゴさん:考察を深めるためには、まず「なぜ」という問いを重ねることが大切です。
たとえば、患者さんの反応に対して「なぜそのような反応が見られたのか」「それはどのような意味を持つのか」と掘り下げていきます。
また、教科書の知識や看護理論と結びつけることで、より深い考察が可能になります。実践で観察したことと既習の知識を意識的に結びつける習慣をつけましょう。
時間管理について
Q3:「記録に時間がかかりすぎます。効率的な記録の方法を教えてください」
カンゴさん:まず、実習中にメモを取る習慣をつけることをお勧めします。ケアの合間や休憩時間を利用して、重要なポイントを簡単にメモしておきます。
そして、その日の実習が終わったら、まずは事実の記録から始めて、考察は一度整理してから書き始めるとよいでしょう。
また、記録用紙の各項目に記入する内容を事前に整理しておくと、より効率的に記録を進めることができます。
評価と改善
Q4:「自己評価の方法が分かりません。どのように自分の実践を評価すればよいでしょうか」
カンゴさん:自己評価には三つのポイントがあります。
一つ目は目標達成度の評価です。実習目標に照らして、どこまで達成できたかを具体的に確認します。二つ目は患者さんの反応や変化の評価です。提供したケアによって、どのような変化が見られたかを観察します。三つ目は自己の成長の評価です。
知識、技術、態度面でどのような進歩があったかを振り返ります。
実習指導者との関係
Q5:「指導者からの指摘をどう活かせばよいですか。指摘された内容を今後の学びにつなげるコツを教えてください」
カンゴさん:指導者からの指摘は、成長のための貴重な機会です。指摘された内容をただ書き留めるだけでなく、「なぜそのような指摘を受けたのか」「どのように改善できるか」を具体的に考えることが大切です。
また、次の実習では必ずその点を意識して実践することで、確実な学びにつながります。
実習記録の評価ポイント

実習記録は単なる経験の記録ではなく、学びの質を評価する重要な材料となります。
このセクションでは、実習記録の評価基準と改善方法について詳しく解説していきます。
教員による評価のポイント
記録内容の充実度
教員は記録の量だけでなく、その質を重視して評価します。観察内容の具体性、考察の深さ、理論との結びつきなどが主な評価ポイントとなります。
たとえば、バイタルサインの記録一つをとっても、数値の羅列だけでなく、その値が持つ意味や患者さんの状態との関連性まで記述されているかを見ています。
論理的な展開
考察における論理の展開も重要な評価ポイントです。観察事実から適切な解釈を導き出し、それを既習の知識と結びつけて分析できているかを確認します。思考のプロセスが明確に示されていることが求められます。
自己評価の方法
客観的な評価基準
自己の記録を評価する際は、以下の点に着目します。まず、事実と考察が明確に区別されているか、次に、観察内容が具体的に記述されているか、そして、考察が十分な深さを持っているかです。
これらの点を意識的にチェックすることで、記録の質を高めることができます。
改善のためのチェックリスト
日々の記録を振り返る際には、構造化されたチェックリストを活用します。観察の具体性、考察の深さ、理論との結びつき、文章の論理性などの項目について、段階的に評価を行います。
評価を次の学びにつなげる方法
フィードバックの活用
教員や指導者からのフィードバックは、記録の質を向上させる重要な機会です。指摘された点について、なぜそのような評価を受けたのか、どのように改善できるのかを具体的に検討します。
継続的な改善プロセス
記録の質を高めていくためには、PDCAサイクルを意識した改善が効果的です。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクルを意識的に回すことで、記録の質が徐々に向上していきます。
記録の発展的活用
学びの共有と深化
実習グループ内での記録の共有は、新たな気づきや学びを得る機会となります。他者の記録から学ぶことで、自己の記録の改善点も見えてきます。
ポートフォリオとしての活用
実習記録は、自己の成長を示す重要なポートフォリオとなります。定期的に過去の記録を振り返ることで、自己の成長過程を確認し、さらなる学びの動機づけとすることができます。
効果的な学びの共有方法

実習での学びを深めるためには、個人の振り返りだけでなく、他者との共有や意見交換が重要です。
このセクションでは、効果的な学びの共有方法について解説します。
カンファレンスでの発表方法
効果的なプレゼンテーション
カンファレンスでは、自己の経験と学びを簡潔かつ分かりやすく伝えることが重要です。発表の構成は「状況説明」「実践内容」「考察」「今後の課題」という流れで組み立てます。
例えば、患者さんの状態や介入の意図を明確に説明し、そこから得られた気づきを共有することで、参加者との意見交換が活発になります。
建設的な討議の進め方
グループでの討議では、一人ひとりの経験を尊重しながら、より良いケアの方法を探求していきます。質問や意見を積極的に出し合い、多角的な視点から事例を検討することで、新たな気づきが生まれます。
グループディスカッションの活用
効果的な意見交換
グループメンバーとの日常的な意見交換も、学びを深める重要な機会です。実習中の気づきや疑問点を共有し、それぞれの視点から検討することで、理解が深まります。
相互学習の促進
メンバー間で知識や技術を教え合うことで、より確実な学びにつながります。また、互いの強みを活かし、弱みを補完し合える関係を築くことが大切です。
実習指導者からのフィードバック活用
建設的な質問と対話
指導者からのフィードバックを受ける際は、単に指摘を受けるだけでなく、その意図を理解するための質問を積極的に行います。
「なぜそのような方法が効果的なのか」「どのような点に注意が必要か」など、具体的な質問を通じて理解を深めます。
学びの定着
指導者からの助言や指摘は、必ずメモを取り、後で振り返られるようにします。そして、次の実習では必ずその点を意識して実践することで、確実な学びとして定着させます。
まとめ
看護実習における振り返りと記録は、専門職としての成長に欠かせない重要なプロセスです。効果的な振り返りのためには、客観的な事実の記録、深い考察の展開、そして学びの共有が重要となります。
経験を単なる記録に留めず、理論と結びつけながら考察を深め、次の実践に活かしていくことで、確かな成長につながります。この記事で学んだ方法を実践に取り入れ、より充実した実習体験を重ねていってください。
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