
人々の命と向き合う看護師にとって、確固たる看護観を持つことは専門職として不可欠な要素です。
本記事では、看護学生の皆さんが自身の看護観を深め、それを効果的にレポートとして表現するための具体的な方法をお伝えします。
実習での経験や日々の学びを活かしながら、あなたらしい看護観を形作っていきましょう。
この記事で分かること
- 看護観レポートの作成手順と評価のポイント
- 自己分析から導く確かな看護観の見つけ方
- 実習での経験を効果的に活用する方法
- 説得力のある文章構成と表現技術
- よくある失敗例と具体的な改善策
この記事を読んでほしい人
- 看護観レポートの課題に取り組む看護学生
- 実習経験を看護観に結びつけたい方
- レポートの構成や表現に悩んでいる方
- 自分らしい看護観を見つけたい方
- 看護師として大切にしたい価値観を明確にしたい方
看護観レポート作成の基本

看護観レポートの作成は、単なる課題としてではなく、看護師を目指す皆さんが自身の価値観や信念を明確にする貴重な機会です。
このセクションでは、効果的なレポート作成の土台となる基本的な考え方と方法をご紹介します。
看護観レポートの定義と重要性
看護観とは何か
看護観とは、看護という行為に対する個人の考え方や価値観を意味します。
それは単なる理想や抽象的な概念ではなく、日々の実践の中で培われ、成長していく生きた指針となるものです。
看護観を言語化する意義
自身の看護観を言語化することで、漠然とした考えが明確になり、実践の方向性が定まります。
また、他者と看護観を共有することで、チーム医療における相互理解も深まります。
レポート作成の目的と意義
思考の整理と深化
看護観レポートを作成することは、自身の経験や学びを体系的に整理し、より深い理解へと導く過程です。
実習での出来事や講義で学んだ理論を結びつけ、独自の視点を見出すことができます。
専門職としての成長
看護観を明文化する過程は、専門職としての自己認識を高め、将来の実践における判断基準を形成します。これは継続的な成長の基盤となります。
効果的なレポート評価のポイント
個性的な視点の展開
教科書的な記述ではなく、自身の経験に基づいた独自の視点を展開することが重要です。
実習での具体的な場面や、そこから得た気づきを丁寧に描写していきましょう。
論理的な構成
感想文ではなく、論理的な文章構成を心がけます。
主張とその根拠を明確に示し、実践例や理論的裏付けを効果的に配置することで、説得力のある内容となります。
一般的な失敗例と具体的な対策
抽象的な表現にとどまる
「患者さんに寄り添う看護」といった抽象的な表現だけでは不十分です。
どのような場面で、具体的にどのような行動で寄り添うのかを明確に示す必要があります。
経験の浅い分析
実習での出来事を単なるエピソードとして終わらせず、そこから何を学び、どのように自身の看護観に影響したのかまで掘り下げて考察することが大切です。
効果的な自己分析の方法

看護観を深めるためには、まず自己を見つめ直すことから始まります。
このセクションでは、あなたの経験や価値観を効果的に分析し、独自の看護観へと発展させる具体的な方法をお伝えします。
看護観形成プロセスの理解
原点への振り返り
看護師を志したきっかけは、あなたの看護観の重要な起点となります。
医療や看護との出会い、影響を受けた出来事や人物との関わりを丁寧に振り返っていきましょう。
成長の軌跡を辿る
入学後から現在まで、講義や実習を通じてどのように考えが変化してきたのかを時系列で整理します。
特に価値観が大きく変化した転換点に注目することで、自身の成長プロセスが見えてきます。
価値観と信念の掘り下げ
看護実践における重要事項
患者さんとの関わりの中で、あなたが特に大切にしている要素は何でしょうか。
それは安全性かもしれませんし、その人らしさの尊重かもしれません。自身が重視する要素を具体的に言語化していきます。
理想の看護師像
目標とする看護師像には、あなたの価値観が色濃く反映されています。
なぜその姿に憧れるのか、どのような要素に魅力を感じるのか、具体的に考えていきましょう。
経験の意味づけと分析
印象的な実習場面の分析
実習で強く印象に残った場面には、必ず重要な学びが含まれています。
その時の状況、あなたの感情、そこから得られた気づきを細かく分析することで、看護観の核となる要素が見えてきます。
日常生活での気づき
看護の学びは実習場面だけではありません。日常生活での人との関わりや、医療を受ける立場での経験なども、看護観を形成する重要な要素となります。
具体的な分析実践例
基礎看護学実習での学び
例えば、初めての実習で患者さんの食事介助を担当した際の経験を見てみましょう。
単なる援助技術の習得だけでなく、その方の生活リズムや好みを知り、その人らしさを支える看護の本質に触れた瞬間かもしれません。
領域別実習からの発見
各専門領域の実習では、それぞれの特性に応じた看護の専門性に触れることができます。
小児看護では成長発達支援の重要性を、精神看護では治療的コミュニケーションの深さを学ぶなど、多角的な視点が養われていきます。
他者との対話を通じた深化
指導者や先輩看護師との対話、同級生との意見交換は、自身の考えを客観視する貴重な機会です。
それぞれの立場や経験に基づく多様な視点に触れることで、看護観はさらに豊かなものとなっていきます。
経験を活かした個性的な表現

実習や演習での経験を看護観レポートに効果的に活かすことで、説得力のある独自の内容を作り上げることができます。
このセクションでは、あなたの経験を魅力的な文章へと昇華させる具体的な方法をご紹介します。
エピソード選定の重要性
印象深い場面の見極め方
看護実践の中で、あなたの価値観や信念が最も表れている場面を選びます。
患者さんとの何気ない会話や、困難な状況での判断など、その時の感情や思考を鮮明に思い出せる出来事が適切です。
看護観を表現できる事例
選んだエピソードが、あなたの看護観のどの側面を表現できるのか、丁寧に検討していきます。
技術的な側面だけでなく、患者さんへの想いや専門職としての判断過程なども含めて考えていきましょう。
理論との結びつけ方
実践と理論の架け橋
経験を単なるエピソードで終わらせないために、看護理論や概念モデルとの関連性を見出します。
例えば、ヘンダーソンの基本的ニーズやペプロウの人間関係理論など、自身の経験に最も適した理論を選択します。
概念の具体化
抽象的な理論を、実際の看護場面と結びつけて説明します。
「その人らしさの尊重」という概念を、実際の患者さんとの関わりの中でどのように実現したのか、具体的に描写していきます。
具体的なケーススタディの展開
ケース1:急性期看護での学び
手術後の患者さんとの関わりを通じて、心身の回復を支える看護の本質を学んだ経験を紹介します。
バイタルサインの観察だけでなく、患者さんの不安に寄り添う心理的支援の重要性にも触れていきます。
ケース2:終末期看護からの気づき
終末期患者さんとの関わりから、生命の尊厳や看護師の役割について深く考えさせられた経験を記述します。
その方の最期の願いに向き合い、できる限りの支援を行った過程を丁寧に描写します。
ケース3:地域看護での発見
在宅看護実習での経験から、生活の場における看護の特徴と重要性について考察します。
医療機関とは異なる環境での看護実践から得られた新たな視点を展開します。
効果的な表現技法
感情の描写
その時感じた戸惑いや喜び、深い学びの瞬間など、感情の機微を丁寧に表現します。
ただし、感情的な表現に終始せず、専門職としての考察も加えていきます。
場面設定の工夫
読み手が状況を明確にイメージできるよう、環境や状況を具体的に描写します。
ただし、患者さんのプライバシーには十分配慮し、個人が特定されない表現を心がけます。
思考を深める技法

看護観をより深く、説得力のあるものにするためには、体系的な思考法が必要です。
このセクションでは、あなたの看護観を更に発展させるための具体的な思考法をご紹介します。
クリティカルシンキングの実践
経験を分析的に見る
実習での出来事を多角的な視点で捉え直します。
例えば患者さんの症状に対する判断一つをとっても、なぜその判断に至ったのか、他の可能性はなかったのか、より良い方法はなかったのかなど、深く掘り下げて考えていきます。
思考の枠組みづくり
看護実践を「アセスメント」「計画」「実施」「評価」の枠組みで整理します。
各段階で何を考え、どのように判断したのか、その根拠は何かを明確にしていきましょう。
リフレクション手法の活用
経験の振り返り方
デューイの反省的思考やショーンの反省的実践者モデルを参考に、実践を振り返ります。
その際、単なる事実の羅列ではなく、その時の判断や行動の意味を深く考察していきます。
気づきの言語化
漠然とした印象や感覚を、具体的な言葉として表現します。
例えば「なんとなく上手くいかなかった」という感覚を、どのような点で、なぜ上手くいかなかったのか、具体的に言語化していきます。
理論的裏付けの探求
看護理論との照合
自身の経験や考えを、既存の看護理論と照らし合わせます。
ナイチンゲール、ヘンダーソン、オレムなど、様々な理論家の考えと自身の看護観を比較検討することで、より深い理解が得られます。
実践知の構築
実習での経験と理論的知識を結びつけ、独自の実践知として昇華させます。
教科書的な知識を単に当てはめるのではなく、実際の状況に応じた応用や発展を考えていきます。
文献活用の実践
効果的な文献検索
自身の看護観に関連する文献を探す際は、キーワードを工夫します。
例えば「看護観」「実習体験」「専門職発達」などの組み合わせで、より適切な文献にたどり着くことができます。
文献の批判的検討
見つけた文献を鵜呑みにせず、その内容を批判的に検討します。
研究方法は適切か、結論は妥当か、自身の経験とどのように重なるかなど、多角的に分析します。
思考の発展プロセス
視野の拡大
一つの事例や経験に固執せず、様々な場面や状況を想定します。
急性期、慢性期、終末期など、異なる状況下での看護のあり方を考察することで、より包括的な看護観が形成されます。
価値観の深化
表面的な「べき論」を超えて、なぜそれが重要なのか、どのような意味があるのかを掘り下げます。
「患者中心」という理念一つとっても、その真の意味を深く考察していきます。
説得力のある文章構成

看護観をいかに深く考察できたとしても、それを効果的に表現できなければ読み手に伝わりません。
このセクションでは、あなたの看護観を説得力のある文章として構成するための具体的な方法をお伝えします。
論理的な構成づくり
序論の重要性
冒頭で読み手の関心を引きつつ、レポート全体の方向性を示します。
なぜその看護観に至ったのか、どのような経験が基盤となっているのか、簡潔に提示していきます。
本論の展開方法
主張とその根拠を明確に示しながら、段階的に議論を発展させていきます。
例えば「患者さんの自己決定を支える看護」という主張があれば、その重要性、実践例、理論的裏付けという順で展開します。
効果的な展開例の提示
経時的な構成
看護観の形成過程を時系列で示す方法です。入学時の想い、基礎実習での学び、領域別実習での深化というように、成長のプロセスに沿って展開していきます。
テーマ別の構成
看護観の核となる要素ごとに章立てする方法です。
例えば「生命の尊重」「その人らしさの支援」「専門職としての責任」など、重要なテーマごとに考察を深めていきます。
引用の活用と工夫
文献引用の基本
適切な箇所で関連文献を引用することで、主張の信頼性が高まります。
ただし引用が多すぎると自身の考えが埋もれてしまうため、バランスを考えて使用します。
実践例の引用
実習での具体的な場面を引用する際は、その場面の選択理由と、そこから得られた学びを明確に示します。
プライバシーに配慮しながら、状況が具体的にイメージできるよう工夫します。
推敲のポイント
文章の一貫性
パラグラフごとに主題が明確で、前後のつながりが自然であるかを確認します。
唐突な話題の転換や論理の飛躍がないよう、丁寧に見直します。
表現の適切性
専門用語と一般的な表現のバランスを整えます。難解な用語を使用する場合は、必要に応じて説明を加えます。
また、同じ表現の繰り返しを避け、文章に変化をつけることで読みやすさを高めます。
文章力向上のコツ
推敲の手順
まず全体の構成を確認し、次に段落ごとの論理性、最後に文章表現の細部を見直すという順序で推敲を行います。
一度に全てを完璧にしようとせず、段階的に改善を重ねていきます。
客観的な視点
一度書き上げた文章は時間を置いてから読み返すことで、新たな気づきが得られます。
可能であれば他者に読んでもらい、フィードバックを得ることも効果的です。
ケーススタディ:実践的な看護観の展開例

ケース1:終末期がん患者Aさんとの関わり
私は終末期がん病棟での実習で、50代のAさんを担当させていただきました。
Aさんは進行性の膵臓がんで、残された時間を家族と過ごしたいという強い希望をお持ちでした。痛みのコントロールが難しく、家族との時間も十分に取れない状況に、私は大きなジレンマを感じました。
この経験から、私は「その人らしく生きることを支える看護」の本質を学びました。医療者として症状コントロールに努めるだけでなく、Aさんの「家族と穏やかに過ごしたい」という願いに寄り添い、家族との時間を確保できるよう環境を整えました。また、Aさんの趣味だった読書を続けられるよう、ベッドの位置や照明を工夫するなど、細やかな配慮を心がけました。
ケース2:リハビリ期の脳梗塞患者Bさんのケア
回復期リハビリ病棟での実習で担当した70代のBさんは、右片麻痺により日常生活動作に介助を要する状態でした。当初、Bさんは「もう何もできない」と悲観的な発言が多く、リハビリにも消極的でした。
この事例を通じて、「患者さんの可能性を信じ、支える看護」の重要性を実感しました。私はBさんができることに着目し、小さな成功体験を積み重ねていけるよう支援しました。
例えば、左手でお茶を飲めるようになったことを一緒に喜び、次の目標を共に考えていきました。
ケース3:新生児室での双子の看護経験
NICU実習では、低出生体重で生まれた双子の看護を経験しました。両親は初めての育児に不安を抱えており、特に母親は自責の念を強く感じていました。
この経験は「家族を含めた包括的な看護」の重要性を教えてくれました。赤ちゃんのケアはもちろん、両親の心理的サポートも重要な看護の役割だと学びました。
母親が赤ちゃんに触れる機会を少しずつ増やし、育児に自信が持てるよう支援していく過程で、看護師の教育的役割の大切さも実感しました。
ケース4:認知症を抱える高齢患者Cさんとの関わり
老年看護学実習で出会った80代のCさんは、重度の認知症があり、夜間の徘徊や興奮状態が頻繁にみられました。特に夕方になると「家に帰らなければ」と不穏になり、ベッドから立ち上がろうとする行動が増えていました。
この事例から、私は「その人の世界を理解し、寄り添う看護」の重要性を学びました。Cさんの「帰宅願望」を単なる問題行動として捉えるのではなく、なぜそのような行動が起こるのかを深く考察しました。実習指導者の助言を得ながら、Cさんの生活歴を詳しく調べ、元々は毎日夕方に孫の送迎をされていたことがわかりました。
その理解を基に、夕方の時間帯にCさんと一緒に写真アルバムを見たり、穏やかな会話を持つ時間を作ることで、不安な気持ちに寄り添うケアを実践しました。この経験は、認知症患者さんの言動の背景にある意味を理解することの大切さを教えてくれました。
ケース5:緊急手術後のDさんの急性期看護
外科病棟実習では、急性虫垂炎で緊急手術となった40代のDさんを担当しました。Dさんは一人親で中学生の子どもがおり、仕事と育児の両立で疲弊している様子でした。術後の痛みに加え、入院による仕事や育児への影響を強く心配されていました。
この事例を通じて、「生活者としての患者を支える看護」の本質を学びました。術後の疼痛管理や創部のケアといった直接的なケアだけでなく、Dさんの社会的役割や生活環境にも目を向けることの重要性を実感しました。
医療ソーシャルワーカーと連携し、利用可能な社会資源の情報提供を行うとともに、子どもの見守り体制についても地域の支援システムを活用できるよう支援しました。
ケース6:化学療法を受けるEさんの継続看護
外来化学療法室での実習で、乳がん治療中の30代のEさんと関わる機会がありました。Eさんは副作用による脱毛や倦怠感に強い不安を抱えており、「このまま治療を続けられるだろうか」と悩んでいました。
この経験から、「治療と生活の調和を支える看護」の重要性を学びました。Eさんの気持ちに寄り添いながら、脱毛ケアの方法や倦怠感への対処法について、実習指導者と共に具体的な情報提供を行いました。また、同じような経験をされている患者さん同士の交流の場を紹介することで、精神的なサポート体制も整えることができました。
これらのケーススタディから、私は以下の看護観を導き出しました:
1. その人らしさを大切にする看護
2. 可能性を信じ、支える看護
3. 家族を含めた包括的な看護
各ケースを通じて、看護は単なる技術や知識の提供ではなく、患者さんの人生に寄り添い、その方らしい生活を支える専門職であることを実感しました。
Q&A「おしえてカンゴさん!」

看護観レポート作成に関して、多くの看護学生から寄せられる疑問にベテラン看護師がお答えします。
実践的なアドバイスを通じて、よりよいレポート作成を目指しましょう。
基本的な疑問への回答
Q1:看護観はどのように見つければよいですか
看護観は一朝一夕に形成されるものではありません。日々の実習や学習での気づきを大切にし、それらを丁寧に振り返ることで徐々に形作られていきます。
特に印象に残った場面や心が動いた経験を書き留めておくことをお勧めします。
Q2:理論と実践をどう結びつければよいですか
まずは実習での具体的な経験を細かく振り返ってみましょう。
その中で実践した看護の意味を考え、それが既存の看護理論とどのように重なるのか、照らし合わせていくことで結びつきが見えてきます。
実践的な課題への対応
Q3:文章の構成で悩んでいます
序論では自身の看護観の核となる考えを簡潔に示し、本論でその具体的な内容と根拠を展開し、結論で全体を統合するという基本構造を意識してください。
各パートの割合は序論2割、本論6割、結論2割を目安にします。
Q4:個性的な表現とはどういうものですか
教科書的な表現や一般論を避け、あなたならではの経験や気づきを具体的に描写することです。
例えば「患者さんに寄り添う」という抽象的な表現ではなく、実際の場面でどのように寄り添ったのか、具体的に記述してみましょう。
発展的な内容について
Q5:看護観の深め方を教えてください
一つの経験を多角的な視点で見つめ直すことが重要です。
患者さんの視点、家族の視点、他職種の視点など、様々な立場から考察を加えることで、より深い理解が得られます。
Q6:説得力のある文章にするコツは
具体的な経験と理論的な裏付けをバランスよく組み合わせることです。
実践例を示しながら、なぜそのような判断や行動をしたのか、理論的な根拠も含めて説明することで説得力が増します。
Q7:推敲の際に気をつけることは
まず文章の論理性を確認し、主張とその根拠が明確に示されているか確認します。
次に専門用語の使用が適切か、文章の流れは自然か、誤字脱字はないかなど、細部にも注意を払います。
Q8:提出前の最終チェックポイントは
看護観の核となる考えが一貫して示されているか、具体例は適切か、文献引用は正確か、という点を最終確認します。
また、読み手に伝わりやすい文章になっているか、客観的な視点での見直しも大切です。
実践演習とチェックリスト

看護観レポートの質を高めるために、具体的な評価項目に基づいて確認を行います。
このセクションでは、実践的なチェックポイントをご紹介します。
内容の確認事項
基本要素の確認
看護観の核となる考えが明確に示されているか、実習での具体的な経験が効果的に活用されているか、理論的な裏付けは十分かなどを確認します。
論理展開の確認
主張とその根拠が明確で、段階的な展開になっているか、結論まで一貫性のある内容になっているかを見直します。
表現の評価
文章表現の適切性
専門用語と一般的な表現のバランス、文章の読みやすさ、誤字脱字の有無などを確認します。
形式要件の遵守
指定された文字数、形式、引用方法などの要件を満たしているかを確認します。
自己評価シート
看護観の深さを評価する指標
レベル1:基礎的な理解
- 看護の基本概念について述べている
- 実習体験を記述している
- 基本的な看護理論に触れている
レベル2:考察の深まり
- 経験と理論を結びつけている
- 具体的な事例分析がある
- 自己の価値観が表現されている
レベル3:実践への応用
- 将来の看護実践への展望がある
- 独自の視点が確立されている
- 多角的な考察がなされている
改善のためのワークシート
経験の整理シート
印象に残った実習場面
- 日時と場所
- 状況の概要
- 自分の感情と行動
- 患者さんの反応
- 得られた学び
理論との結びつき
- 関連する看護理論
- 理論の具体的適用
- 新たな気づき
- 実践への示唆
推敲のための具体的手順
第一段階:内容の確認
1. 主張の明確さ
2. 根拠の十分さ
3. 事例の適切性
4. 理論的裏付け
第二段階:構成の確認
1. 導入の効果
2. 展開の論理性
3. 結論の妥当性
4. 全体の一貫性
第三段階:表現の推敲
1. 文章の簡潔さ
2. 用語の適切性
3. 表現の統一性
4. 読みやすさ
レポート提出前の最終確認リスト
基本事項
- 提出期限は確認したか
- 指定された形式に従っているか
- ページ番号は入れたか
- 名前・学籍番号の記入は適切か
内容の充実度
- 序論で問題提起ができているか
- 本論で十分な考察ができているか
- 結論は説得力があるか
- オリジナリティは表現できているか
引用・参考文献
- 引用は適切に行われているか
- 参考文献リストは完備しているか
- 文献の書式は統一されているか
- 最新の文献も含まれているか
改善のためのアドバイス
より良い表現のために
- 抽象的な表現を具体的に
- 感想文調を避ける
- 客観的な記述を心がける
- エビデンスを示す
説得力を高めるために
- 具体例を効果的に使用
- 多角的な視点を取り入れる
- 理論的な裏付けを示す
- 実践との結びつきを明確に
まとめ
看護観レポートは、あなたの看護師としての価値観や信念を表現する重要な機会です。
実習での経験を丁寧に振り返り、理論的な学びと結びつけることで、独自の看護観を形成していくことができます。
このプロセスを通じて、専門職としての成長を実感できるはずです。今回学んだ方法を活かし、あなたらしい看護観を見つけ、表現していってください。
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