
医療現場において、正確な看護記録の作成は患者ケアの質を大きく左右する重要なスキルです。しかし、多くの看護学生が記録作成に不安を感じ、特に実習時の記録には苦心しているのが現状です。
本記事では、基礎から実践まで、看護記録作成に必要な知識とスキルを体系的に解説します。
観察力の向上から効果的な情報整理方法まで、現場ですぐに活用できる実践的な技術を、具体例を交えながら詳しく説明していきます。
2025年の最新の記録作成指針に対応し、電子カルテ時代における効率的な記録方法についても触れていきます。
この記事で分かること
- 看護記録作成の基本的な考え方と具体的な手順
- 患者観察における重要ポイントと効果的な観察技術
- 看護記録に必要な情報の整理方法とアセスメントの実践手法
- 電子カルテを活用した効率的な記録作成の方法
- 実習現場で即活用できる記録作成のテクニック
この記事を読んでほしい人
- 看護学生および看護実習生
- 記録作成に不安や課題を感じている方
- 観察力と記録力を向上させたい方
- 効率的な記録方法を身につけたい方
- 実習指導者として学生指導にあたる方
看護記録作成の基本

看護記録は患者ケアの質を確保し、医療チーム間での適切な情報共有を実現するための重要なツールです。
このセクションでは、看護記録作成の基本的な考え方から、実践的なテクニックまでを詳しく解説していきます。
記録作成の3つの柱
看護記録を作成する上で最も重要な3つの要素について、それぞれの意義と具体的な実践方法を説明します。
記録作成の3つの柱
医療現場における看護記録は「観察」「記録」「評価」という3つの重要な要素で構成されています。
1. 正確な観察
患者さんの状態を正確に観察することは、質の高い看護ケアの第一歩となります。
バイタルサインの測定から始まり、全身状態の観察、そして患者さんとのコミュニケーションを通じて得られる情報まで、あらゆる観察結果を漏れなく収集することが重要です。
観察の際は、視覚、聴覚、触覚などの五感を総動員して情報を集めることを心がけましょう。
2. 適切な記録
観察した内容を正確に記録することで、医療チーム内での情報共有が可能になります。記録する際は、客観的事実と主観的情報を明確に区別し、時系列に沿って整理することが大切です。
また、医療用語の使用は適切に行い、略語の使用は施設の規定に従うようにしましょう。
3. 継続的な評価
記録した情報を定期的に評価し、看護計画の修正や改善に活かすことが必要です。
記録作成の目的
看護記録は、単なる業務の記録ではなく、患者ケアの質を向上させるための重要なツールです。
医療チームでの情報共有
多職種が関わる医療現場において、看護記録は情報共有の要となります。医師、理学療法士、栄養士など、様々な職種が記録を参照することを意識して作成することが大切です。
法的な記録としての役割
看護記録は医療行為の証明として、法的な意味も持つ重要な文書です。
そのため、記載内容の正確性と客観性を常に意識する必要があります。
ケアの継続性確保
看護記録によって、勤務交代時の引き継ぎがスムーズになり、継続的なケアの提供が可能になります。
基本的な記載ルール
看護記録を作成する際は、いくつかの基本的なルールを守ることが重要です。
記載時の基本原則
事実と推測を明確に区別し、客観的な表現を心がけましょう。
また、記載もれや誤記載があった場合の訂正方法についても、施設のルールに従って適切に対応する必要があります。
時間の記載
処置や観察を行った時刻は、できるだけ正確に記載することが求められます。
特に、急変時の対応や重要な処置については、時系列での記録が重要になります。
署名・捺印
記録者の責任の所在を明確にするため、署名や捺印のルールを必ず守りましょう。電子カルテの場合は、ログイン情報による認証が署名の代わりとなります。
まとめ
看護記録作成の基本を理解し、実践することで、より質の高い看護ケアの提供が可能になります。
次のセクションでは、より具体的な観察方法について解説していきます。
効果的な観察方法

患者さんの状態を正確に把握するためには、系統的な観察技術が不可欠です。
このセクションでは、効果的な観察方法とその記録の仕方について、実践的な手順とともに解説していきます。
系統的な観察のポイント
患者さんの状態を漏れなく観察するためには、明確な手順に従って実施することが重要です。
基本的な観察の流れ
まず初めに、バイタルサインの測定から始めることで、患者さんの全体的な状態を把握します。体温、脈拍、血圧、呼吸数、意識レベルなど、生命徴候を示す重要な指標を正確に測定しましょう。
具体的な数値とともに、測定時の患者さんの様子も併せて記録することで、より詳細な状態把握が可能になります。
重点的な観察項目
診療科や病態によって、特に注意して観察すべき項目が変わってきます。
例えば、循環器系の患者さんであれば、末梢循環や浮腫の有無、呼吸音の性状などに特に注意を払います。消化器系の患者さんでは、腹部の状態や食事摂取量、排泄状況などが重要な観察ポイントとなります。
観察時の注意点
効果的な観察を行うためには、いくつかの重要な注意点があります。
五感の活用
視覚による観察だけでなく、聴覚、触覚、嗅覚なども積極的に活用することで、より詳細な情報収集が可能になります。
例えば、呼吸音の聴取では聴覚を、皮膚の状態確認では触覚を使うなど、状況に応じて適切な感覚を活用しましょう。
コミュニケーションの重要性
患者さんとの会話を通じて、数値では表れない体調の変化や不安感なども把握することができます。
観察中は患者さんの表情や声のトーン、身振り手振りにも注意を払い、心理的な側面も含めた総合的な観察を心がけましょう。
観察結果の記録方法
観察した内容を正確に記録することで、その情報が医療チーム内で共有され、より良いケアにつながります。
客観的な記述
観察結果は、できるだけ客観的な表現を用いて記録します。「やや」「少し」といった曖昧な表現は避け、具体的な数値や状態を記載するように心がけましょう。
経時的な変化の記録
患者さんの状態の変化を時系列で追えるよう、定期的な観察と記録を行います。
特に、症状の変化や新たな症状の出現があった場合は、その時刻と状況を詳細に記録することが重要です。
デジタルツールの活用
最新の電子カルテシステムでは、テンプレート機能やチェックリストなどを活用することで、より効率的な記録が可能です。
ただし、機械的な入力に頼りすぎず、患者さん一人一人の個別性に配慮した記録を心がけましょう。
まとめ
効果的な観察と正確な記録は、質の高い看護ケアの基盤となります。系統的な観察手順を身につけ、得られた情報を適切に記録することで、より良い患者ケアの実現につながります。
次のセクションでは、観察で得られた情報を整理し、活用するための具体的な方法について解説していきます。
情報整理の実践

観察によって得られた情報を効果的に整理し、適切なケアにつなげることが看護記録の重要な役割です。
このセクションでは、情報整理の具体的な方法と、実践的な活用方法について解説していきます。
SOAPフォーマットの活用
SOAPフォーマットは、患者情報を体系的に整理するための効果的な手法です。
主観的情報(S:Subjective)の記録
患者さんから直接聞き取った症状や訴え、感情表現などを記録します。この際、患者さんの言葉をそのまま記録することで、より正確な情報伝達が可能になります。
患者さんの表情や声のトーンなども、状況に応じて記録に含めると良いでしょう。
客観的情報(O:Objective)の記録
バイタルサインや検査結果、視診・触診による観察結果など、測定可能な客観的データを記録します。
数値データは単位を明確にし、基準値からの変動がある場合は、その程度も記載しましょう。医療機器からのデータも、測定時の状況とともに記録することが重要です。
アセスメント(A:Assessment)の記述
収集した主観的・客観的情報を分析し、患者さんの状態を総合的に評価します。
根拠となるデータを明確にしながら、専門的な視点での判断を記載していきましょう。複数の情報を関連付けて考察することで、より深いアセスメントが可能になります。
計画(P:Plan)の立案
アセスメントに基づいて、具体的な看護計画を立案します。短期目標と長期目標を設定し、それぞれの達成に向けた具体的な介入方法を記載します。
効果的な情報の分類方法
収集した情報を適切に分類することで、より効率的な記録と情報活用が可能になります。
身体的側面の整理
フィジカルアセスメントの結果や、各種測定値を系統的に整理します。呼吸器系、循環器系、消化器系など、機能別に情報を整理することで、状態の把握が容易になります。
心理社会的側面の整理
患者さんの心理状態や社会的背景に関する情報を体系的に整理します。家族関係や生活環境、経済状況なども含めて、総合的な視点で情報を整理しましょう。
情報整理の実践演習
実際の臨床場面を想定しながら、情報整理の演習を行っていきます。
情報の優先順位付け
緊急性の高い情報と定期的な観察情報を区別し、適切な優先順位をつけます。生命に関わる重要な情報は、特に注意して記録と共有を行う必要があります。
記録の時系列管理
情報を時系列で整理することで、状態の変化を把握しやすくなります。
特に、急性期の患者さんの場合、時間経過に沿った細かな記録が重要になってきます。
まとめ
効果的な情報整理は、質の高い看護ケアを提供するための基盤となります。SOAPフォーマットを活用しながら、収集した情報を系統的に整理し、適切なケアプランの立案につなげていきましょう。
次のセクションでは、具体的なケーススタディを通じて、これまでの学びを実践的に活用する方法を解説していきます。
ケーススタディ

実際の臨床場面を想定したケーススタディを通じて、これまで学んだ記録作成の手法を実践的に学んでいきます。
様々な状況における記録の実例を見ながら、効果的な観察と記録の方法について理解を深めましょう。
Case A:術後患者の観察記録
患者背景
78歳女性の胃がん術後1日目の患者さんです。全身麻酔下で幽門側胃切除術を受けられ、術後経過は安定しています。
観察記録の実際
術後の観察ポイントを意識しながら、系統的な記録を行います。
主観的情報(S)
「お腹が張って痛みます。痛みは動いたときに特に強くなります」という訴えがありました。痛みの程度はNRS(疼痛スケール)で5/10程度とのことです。
客観的情報(O)
バイタルサインは安定しており、体温37.2℃、脈拍78回/分、血圧132/85mmHg、SpO2 98%(室内気)です。腹部は軽度膨満していますが、軟らかく、創部の発赤や浸出液は認められません。
アセスメント(A)
術後の創部痛により、体動が制限されている状態です。
しかし、バイタルサインは安定しており、創部の状態も良好です。
プラン(P)
疼痛管理を継続しながら、早期離床に向けた支援を行っていきます。
Case B:慢性期患者の経過記録
患者背景
65歳男性の糖尿病性腎症による透析患者さんです。週3回の血液透析を2年間継続しています。
観察記録の実際
長期的な経過観察における重要ポイントを押さえた記録を行います。
主観的情報(S)
「最近、透析の後の疲れが強くなってきました。帰宅後はすぐに休むようにしています」との訴えがありました。
客観的情報(O)
透析前の体重が62.8kg(ドライウェイト+3.2kg)です。血圧は透析前168/92mmHg、透析後142/85mmHgです。
アセスメント(A)
体重増加が多く、透析後の疲労感が増強している状態です。塩分・水分制限の遵守が十分でない可能性があります。
プラン(P)
食事・水分管理の見直しと、生活指導の強化を計画します。
Case C:急性期患者の緊急時記録
患者背景
45歳男性の急性心筋梗塞で入院中の患者さんです。発症後3日目で、CCUでの管理中です。
観察記録の実際
緊急時の正確かつ迅速な記録方法について学びます。
主観的情報(S)
「突然胸が苦しくなった。前回の発作の時と同じような感じです」との訴えがありました。
客観的情報(O)
胸痛発作時、血圧185/95mmHg、脈拍120回/分、SpO2 94%(酸素3L投与中)です。心電図モニター上でST上昇を認めました。
アセスメント(A)
再梗塞の可能性が考えられる状態です。バイタルサインの変動が大きく、早急な対応が必要です。
プラン(P)
医師への報告と緊急対応の準備を行います。
Case D:退院支援の記録
患者背景
82歳女性の大腿骨頸部骨折術後の患者さんです。独居で、退院後の生活に不安を感じています。
観察記録の実際
退院支援における多職種連携を意識した記録を行います。
主観的情報(S)
「一人暮らしなので、家に帰ってからの生活が心配です。特にお風呂が不安です」との訴えがありました。
客観的情報(O)
歩行器での歩行は安定してきていますが、階段昇降にはまだ不安が残ります。入浴動作の自立度はB1レベルです。
アセスメント(A)
基本的なADLは改善していますが、入浴動作と階段昇降に課題が残ります。在宅での生活に向けて、環境調整と支援体制の確立が必要です。
プラン(P)
ケアマネージャーと連携し、在宅サービスの調整を進めます。
まとめ
実際の臨床場面では、患者さんの状態や状況に応じて、適切な観察と記録が求められます。これらのケーススタディを参考に、それぞれの場面に応じた効果的な記録方法を身につけていきましょう。
次のセクションでは、実践的なワークシートを用いて、記録作成の演習を行っていきます。
実践的なワークシート

記録作成の技術を向上させるためには、実際の演習を通じた練習が効果的です。
このセクションでは、実践で活用できる具体的なワークシートと、その活用方法について解説していきます。
観察項目チェックリスト
基本的な観察項目
日常的な観察において、確認すべき基本項目を系統的に整理したチェックリストを作成します。
バイタルサインの測定値や一般状態の観察項目など、基本的な確認事項を漏れなく記録できるよう工夫しましょう。
全身状態の観察ポイント
意識レベル、体温、脈拍、血圧、呼吸数などの基本的な観察項目を記録します。皮膚の色調や浮腫の有無なども、定期的な観察項目として含めていきます。
症状別観察ポイント
疾患や症状に応じた特異的な観察項目を設定します。
循環器疾患であれば心音や浮腫、呼吸器疾患であれば呼吸音や喀痰の性状など、重要な観察ポイントを整理します。
記録テンプレート
SOAPに基づく記録フォーマット
実際の記録作成に活用できる、具体的なテンプレートを用意します。主観的情報から計画立案まで、必要な項目を効率的に記録できる様式を作成しましょう。
情報収集の項目設定
患者さんの基本情報から、現在の症状、既往歴まで、必要な情報を漏れなく収集できる項目を設定します。家族背景や生活環境なども、必要に応じて記録項目に含めていきます。
評価基準の明確化
観察結果や介入効果を評価する際の基準を明確にしておきます。数値化できる項目については、具体的な評価スケールを設定しましょう。
自己評価シート
記録内容の振り返り
作成した記録を自己評価するためのチェックポイントを設定します。記録の正確性や情報の網羅性など、重要な評価項目を整理しましょう。
評価のポイント
客観的な事実と主観的な判断が適切に区別されているかを確認します。必要な情報が漏れなく記載されているか、時系列が適切に整理されているかなども評価します。
改善点の明確化
自己評価を通じて見つかった課題について、具体的な改善策を検討します。定期的な振り返りを行うことで、記録作成の技術向上につなげていきましょう。
演習の活用方法
段階的な練習方法
基本的な記録作成から始めて、徐々に複雑な事例に取り組んでいきます。実際の臨床場面を想定しながら、時間を意識した記録作成の練習も行いましょう。
グループ学習の活用
複数の学生で記録内容を共有し、互いの視点や気付きを学び合うことも効果的です。実習グループでの振り返りの際にも、これらのワークシートを活用してみましょう。
まとめ
実践的なワークシートを活用することで、記録作成の技術を効果的に向上させることができます。定期的な演習と振り返りを通じて、より質の高い看護記録が作成できるよう、スキルアップを図っていきましょう。
次のセクションでは、電子カルテ時代における効率的な記録方法について解説していきます。
電子カルテ時代の記録作成

現代の医療現場では、電子カルテシステムの導入が進み、記録作成の方法も大きく変化しています。
このセクションでは、電子カルテを活用した効率的な記録方法と、注意すべきポイントについて解説していきます。
システムの特徴と注意点
基本的な操作方法
電子カルテシステムでは、テンプレート機能や入力支援機能を活用することで、効率的な記録作成が可能です。基本的な操作方法を確実に習得し、システムの特徴を理解することが重要です。
テンプレートの活用
よく使用する文章やフレーズをテンプレートとして登録することで、入力時間を短縮できます。
ただし、テンプレートの過度な使用は個別性の欠如につながる可能性があるため、適切な使用を心がけましょう。
入力支援機能の理解
医療用語の変換機能や、定型文の入力支援機能を効果的に活用します。入力ミスを防ぐため、変換候補の確認は慎重に行う必要があります。
効率的な入力方法
キーボード入力のスキル
タッチタイピングの習得は、効率的な記録作成の基本となります。練習用のソフトウェアなどを活用して、入力スピードの向上を図りましょう。
ショートカットキーの活用
頻繁に使用する機能は、ショートカットキーを覚えることで操作が効率化されます。
コピー&ペースト、アンドゥなどの基本的な操作から、システム固有の機能まで、必要なショートカットキーを習得しましょう。
よくある入力ミスと防止策
誤入力の種類
医療用語の誤変換や、患者情報の入力ミスは重大な問題につながる可能性があります。
特に注意が必要な項目について、具体的な事例とともに解説します。
確認手順の徹底
入力後の確認作業を習慣化することで、ミスを未然に防ぐことができます。
特に、数値データや投薬情報などの重要項目は、複数回の確認が必要です。
データの保護と管理
電子カルテに記録されたデータは適切に保護・管理する必要があります。個人情報の取り扱いには特に注意を払い、セキュリティ意識を持って操作を行いましょう。
システムトラブル時の対応
バックアップ体制
システム障害に備えて、紙媒体での記録方法も把握しておく必要があります。定期的な訓練を通じて、緊急時の対応手順を確認しておきましょう。
データの復旧方法
入力途中のデータが消失した場合の復旧方法について、基本的な手順を理解しておきます。定期的な自動保存機能の設定なども、事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
電子カルテシステムを効果的に活用することで、より正確で効率的な記録作成が可能になります。基本的な操作方法を確実に習得し、システムの特徴を理解した上で、適切な記録作成を心がけていきましょう。
次のセクションでは、よくある質問とその回答について、Q&A形式で解説していきます。
「おしえてカンゴさん!」Q&A
看護記録の作成において、多くの看護学生が共通して抱える疑問や課題があります。
このセクションでは、実際によく寄せられる質問とその回答を、現場での実例を交えながら詳しく解説していきます。
基本的な記録作成について
Q1:看護記録を書く際の最も重要なポイントは何ですか?
記録作成で最も重要なのは、客観的な事実と主観的な判断を明確に区別して記載することです。
例えば、「患者さんは痛みがある様子」という表現ではなく、「眉間にしわを寄せ、右下腹部を押さえている」というように、実際に観察した事実を具体的に記載することが大切です。
これにより、他のスタッフが読んでも同じ状況をイメージできる記録となります。
Q2:時間配分に悩んでいます。効率的な記録作成のコツはありますか?
効率的な記録作成には、観察時のメモ取りが重要です。
ポケットサイズのメモ帳を活用し、観察した内容をキーワードで素早くメモしておくことで、後での記録作成がスムーズになります。
また、電子カルテのテンプレート機能を活用することも、時間短縮に効果的です。
観察と記録の実践について
Q3:観察のタイミングはどのように決めればよいでしょうか?
観察のタイミングは、患者さんの状態や治療計画に応じて優先順位をつけて決定します。
例えば、術後の患者さんであれば、帰室直後は15分おき、その後は30分おき、状態が安定してきたら1時間おきというように、状態に応じて観察間隔を調整していきます。
また、処置の前後や、症状の変化が予測される時間帯には、特に注意深い観察が必要です。
Q4:医療用語の使用について、どの程度まで使用すべきですか?
医療用語は、正確な情報伝達のために必要な範囲で使用します。
例えば、「浮腫」「チアノーゼ」などの一般的な医療用語は積極的に使用しますが、略語については施設のルールに従って使用するようにしましょう。
また、患者さんの訴えをそのまま記載する場合は、一般的な表現をそのまま記録することが適切です。
アセスメントについて
Q5:アセスメントの記載で悩むことが多いのですが、どのようにまとめればよいでしょうか?
アセスメントは、収集した情報を関連付けながら、論理的に考察を進めていきます。
例えば、発熱、頻脈、血圧低下という情報があれば、「感染徴候の可能性がある」というように、根拠となる情報とアセスメントを関連付けて記載します。
また、アセスメントに基づいて必要な観察項目を追加することも重要です。
電子カルテの活用について
Q6:電子カルテの入力に時間がかかってしまいます。どうすれば効率的に入力できますか?
電子カルテの効率的な入力には、タッチタイピングの習得が基本となります。日々の練習を通じて、キーボード入力のスピードを向上させることが重要です。
また、よく使用する文章やフレーズをテンプレートとして登録しておくことで、入力時間を短縮することができます。
まとめ
看護記録の作成には、様々な課題や疑問が生じることがあります。
しかし、基本的な原則を理解し、日々の実践を通じて技術を磨いていくことで、より効果的な記録作成が可能になります。
これらのQ&Aを参考に、自分の記録作成技術の向上に取り組んでいきましょう。
次のセクションでは、まとめと実習指導者からのアドバイスについて解説していきます。
実習指導者からのアドバイス
これまで学んできた看護記録作成の技術を実践的に活用し、より良い患者ケアにつなげていくことが重要です。
このセクションでは、記録作成の重要ポイントを振り返るとともに、実習指導者からの具体的なアドバイスをご紹介します。
記録作成の重要ポイント
正確な観察と記録
患者さんの状態を正確に観察し、客観的な事実を適切に記録することが基本となります。
観察時には五感を活用し、得られた情報を漏れなく記録することを心がけましょう。具体的な数値やデータとともに、患者さんの表情や言動なども重要な情報として記録します。
情報の適切な整理
収集した情報は、SOAPフォーマットなどを活用して体系的に整理します。主観的情報と客観的情報を明確に区別し、論理的なアセスメントにつなげていきましょう。
継続的な改善
日々の記録作成を通じて、自己の課題を見つけ、改善に取り組むことが大切です。定期的な振り返りを行い、記録の質の向上に努めましょう。
実習指導者からのアドバイス
基本的な心構え
実習指導者のA看護師は、記録作成における基本的な心構えについて次のようにアドバイスします。
「記録は単なる書類作成ではなく、患者さんのケアの質を向上させるための重要なツールです。常に患者さんのことを考えながら、丁寧な記録作成を心がけてください」。
時間管理のコツ
B看護師からは、効率的な時間管理についてのアドバイスをいただきました。
「観察時のメモ取りを習慣化し、記録作成はできるだけその日のうちに完成させることが重要です。翌日に持ち越すと、細かな観察結果を忘れてしまう可能性があります」。
成長のプロセス
C看護師は、記録作成技術の向上について次のように述べています。
「記録作成の技術は、日々の実践を通じて徐々に向上していきます。最初は時間がかかっても、基本的な部分を丁寧に押さえることを大切にしてください」。
今後の課題と目標
個人の課題設定
自己の記録作成技術を振り返り、具体的な改善目標を設定することが重要です。
例えば、観察力の向上や、アセスメント能力の強化など、具体的な目標を立てましょう。
継続的な学習
看護記録に関する知識や技術は、医療の進歩とともに常に更新されています。最新の情報にアクセスし、継続的な学習を心がけることが大切です。
まとめ
看護記録は、患者ケアの質を左右する重要なスキルです。基本的な観察技術と記録の方法を身につけ、日々の実践を通じて継続的に向上させていくことが大切です。
SOAPフォーマットの活用や電子カルテの効率的な操作方法など、この記事で学んだ技術を実践に活かしながら、より良い看護ケアを目指していきましょう。
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【はたらく看護師さん】でさらに学べること
実際の現場で活躍する先輩看護師による記録作成のコツや、電子カルテの効率的な活用方法など、より実践的な情報が満載です。
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