
看護実習は、理論と実践を結びつける重要な学習機会です。
その学びを効果的に記録し、深い考察へとつなげる実習レポートの作成は、看護学生にとって大きな課題となっています。
本記事では、評価点数の大幅な向上を実現した具体的な記述例と共に、効果的なレポート作成の方法をご紹介します。
また、分野別の特徴や記載方法の違いについても詳しく説明し、実習記録の質を高めるため、基本から応用まで実践的なアプローチでお伝えしていきます。
そして、実際の評価向上事例から、効果的な記述方法と改善のポイントを学んでいただけます。
この記事で分かること
- 看護実習レポートの論理的な構成方法と具体的な記述例
- 評価者視点から見た高評価のポイントと改善方法
- 分野別実習における効果的な記録方法とSOAP記載例
- 文献活用から考察まで、評価を上げる実践テクニック
- 実例から学ぶ看護過程展開の具体的な記述方法
この記事を読んでほしい人
- 看護実習レポートの作成に不安を感じている看護学生の方
- より良い評価を目指している看護学生の方
- 考察の深め方に課題を感じている看護学生の方
- 文献の効果的な活用方法を知りたい看護学生の方
- レポートの論理的な構成に悩んでいる看護学生の方
看護実習レポートの基本構成

実習レポートは看護学生の学びを体系的にまとめる重要な成果物です。
このセクションでは、評価の高いレポートに共通する基本構成と、各要素の効果的な記述方法について解説します。
レポートの全体像を理解する
レポート作成の第一歩は、求められている全体像を正確に把握することです。
看護実習レポートは、実習目標、実習内容の記録、看護過程の展開、考察、そして総括という要素で構成されます。
これらの要素が有機的につながり、一貫した論理展開を示すことが重要です。
実習目標の明確な設定
実習目標は具体的かつ測定可能な形で記述することが求められます。
たとえば「患者さんとの良好なコミュニケーションを図る」という漠然とした目標ではなく、「患者さんの気持ちや考えを傾聴し、それを看護計画に反映させる」というように、具体的な行動レベルで記述します。
実習内容の客観的な記録
日々の実習内容は、具体的な事実に基づいて客観的に記録します。
実施した看護ケアの内容、患者さんの反応、自己の気づきなどを、時系列に沿って明確に記述していきます。
構成要素の詳細解説
各構成要素には、それぞれ重要な役割があります。
以下、各要素について詳しく見ていきましょう。
実習目標の立て方
実習目標は、実習要項に示された一般目標と個人目標の両方を含める必要があります。
一般目標は、実習施設や実習分野に応じた基本的な目標であり、個人目標はそれらを踏まえた上で、自己の課題に焦点を当てた具体的な目標となります。
日々の記録の重要性
日々の実習記録は、実習での体験や学びを確実に積み重ねていくための基礎となります。
その日に経験した看護場面、指導者からのアドバイス、自己の気づきなどを、できるだけ具体的に記録していきます。
看護過程展開の基本
看護過程の展開では、アセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価という一連のプロセスを論理的に記述します。
各段階での思考過程を明確に示すことが重要です。
考察の深め方
考察では、実習での体験を理論や文献と結びつけて分析します。
単なる感想や振り返りではなく、専門的な視点からの分析と、今後の課題や改善点の提示が求められます。
総括のポイント
総括では、実習全体を通しての学びと成長を、実習目標に照らし合わせて整理します。
達成できた点、課題として残った点を明確にし、今後の学習につながる展望を示します。
効果的な文章構成のテクニック
レポート全体を通して、論理的で読みやすい文章を心がけます。
一つの段落には一つの主題を設定し、段落間のつながりを意識した構成にします。
また、専門用語と一般的な表現のバランスを取り、読み手に伝わりやすい文章を目指します。
このように、看護実習レポートの基本構成を理解し、各要素の役割を意識して記述することで、より質の高いレポートを作成することができます。
次のセクションでは、具体的なSOAP記録の方法について詳しく解説していきます。
SOAP記録の実践

看護実習における SOAP記録は、患者さんの状態を客観的に評価し、適切な看護計画を立案するための重要なツールです。
このセクションでは、効果的なSOAP記録の方法と、具体的な記入例をご紹介します。
基本的な書き方のポイント
SOAP記録の基本は、主観的情報(S)、客観的情報(O)、アセスメント(A)、計画(P)を明確に区別して記述することです。
それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。
主観的情報(S)の記録方法
患者さんから直接聞き取った情報や、表出された訴えを正確に記録します。
「痛みがある」「眠れない」といった患者さんの言葉をそのまま記載することが重要です。
また、家族から得られた情報も、誰からの情報かを明記した上で記録します。
客観的情報(O)の記録方法
バイタルサインや検査データ、観察により得られた情報を数値や具体的な状態として記録します。
「顔色が悪い」といった曖昧な表現ではなく、「顔面蒼白、SpO2 95%」のように、具体的な数値や状態として記述します。
具体的な記入例の解説
実際の看護場面を想定した具体的な記入例を見ていきましょう。
慢性期患者の記録例
70代男性の高血圧症患者さんの場合、Sデータとして「朝から頭が重い感じがする」という訴えを記録し、Oデータでは「血圧164/92mmHg、脈拍72回/分、整」といった具体的な数値を記録します。
アセスメントでは、これらのデータから考えられる病態や要因を分析し、計画では具体的な看護介入を立案します。
急性期患者の記録例
術後1日目の患者さんの場合、Sデータとして「創部が引っ張られる感じがする」という訴えを記録し、Oデータでは「創部の発赤なし、浸出液少量、清潔」などの観察結果を具体的に記述します。
よくある間違いと対策
SOAP記録において、よく見られる間違いとその対策について説明します。
主観と客観の混同を避ける
「患者さんは不安そうだ」という記述は、観察者の主観が含まれています。
代わりに、Sデータとして患者さんの言葉を、Oデータとして「表情は硬く、落ち着きなく体動あり」といった具体的な観察事項を記録します。
アセスメントの深化
単なる情報の羅列ではなく、収集したS・Oデータの関連性を分析し、なぜそのような状態になっているのかを考察します。
既存の知識や文献を活用し、根拠に基づいたアセスメントを行います。
計画の具体化
「様子観察」といった抽象的な計画ではなく、「15分ごとにバイタルサインをチェックし、SBP160mmHg以上の場合は主治医に報告する」といった具体的な計画を立案します。
記録の質を高めるテクニック
より質の高いSOAP記録を作成するためのテクニックをご紹介します。
時系列での記録
患者さんの状態の変化を時系列で追えるように記録することで、状態の推移が明確になります。
特に、急性期の患者さんの場合、時間経過による変化を詳細に記録することが重要です。
継続的な観察点の明確化
次の勤務者に引き継ぐべき観察点を明確にし、計画(P)に記載します。
これにより、継続的な看護care提供が可能となります。
このように、SOAP記録は単なる情報の記録ではなく、看護実践の基盤となる重要なツールです。
正確な記録を心がけ、患者さんのcare向上につなげていきましょう。
看護過程展開の詳細

看護過程は、患者さんに最適な看護を提供するための系統的なアプローチ方法です。
このセクションでは、実習記録における看護過程の展開方法について、具体的な記述例を交えながら解説していきます。
アセスメントの方法
看護過程における最初のステップであるアセスメントは、収集した情報を分析し、患者さんの健康上の課題を明確にする重要な過程です。
情報収集の体系化
情報収集では、ゴードンの機能的健康パターンや基本的ニード論などの理論的枠組みを活用します。
たとえば、呼吸・循環、栄養・代謝、排泄、活動・休息などの項目ごとに、必要な情報を漏れなく収集していきます。
情報の分類と解釈
収集した情報は、正常な状態からの逸脱や健康上の課題という視点で分析します。
「右片麻痺により、自力での食事摂取が困難」といった具体的な記述で、患者さんの状態を明確に示します。
計画立案のプロセス
アセスメントに基づいて、具体的な看護計画を立案していきます。
この過程では、優先順位の設定が特に重要となります。
看護診断の明確化
NANDA-Iの看護診断を活用し、「セルフケア不足(食事)」「転倒リスク状態」などのように、患者さんの問題を専門的な視点で明確にします。
診断には、それを支持する症状や徴候を具体的に記述します。
目標設定の具体化
「ADLが改善する」といった抽象的な目標ではなく、「3日後までに自力で食事摂取が可能となる」というように、具体的で評価可能な目標を設定します。
実施・評価の記録
計画に基づいて実施した看護介入とその結果を、具体的に記録していきます。
看護介入の具体的記述
実施した看護介入を、「右手の機能訓練を実施」ではなく、「箸の使用訓練を15分間実施、スプーンの使用へ変更」というように、具体的な方法や時間を含めて記述します。
評価指標の設定
目標の達成度を評価するための具体的な指標を設定します。
「食事摂取量が7割以上」「こぼさずに食事が摂取できる」など、客観的に評価可能な指標を用います。
記録上の留意点
看護過程の展開を記録する際の重要なポイントをご紹介します。
患者の反応の記録
実施した看護介入に対する患者さんの反応を具体的に記録します。
「訓練後、本人より『少し疲れたが、自分で食べられるようになりたい』との発言あり」というように、言動や表情の変化を含めて記述します。
修正・追加の根拠
計画の修正や追加が必要な場合は、その根拠を明確に記録します。
「嚥下機能の低下が見られたため、食事形態を常食から軟菜食へ変更」というように、変更の理由を具体的に示します。
このように、看護過程の展開では、アセスメントから評価まで、一連のプロセスを論理的かつ具体的に記録することが求められます。
次のセクションでは、各専門分野における特徴的な記録方法について解説していきます。
分野別特徴とポイント
看護実習は分野によって観察のポイントや記録の重点が大きく異なります。
このセクションでは、各専門分野における実習記録の特徴と、効果的な記述方法について詳しく解説していきます。
成人看護学実習の特徴
成人看護学実習では、急性期から慢性期まで幅広い状態の患者さんを受け持つことになります。
そのため、状況に応じた観察力と記録の柔軟性が求められます。
急性期看護の記録
手術後の患者さんを受け持つ場合、バイタルサインの変化や疼痛の程度、創部の状態などを詳細に記録します。
「術後2時間、創部からの出血なし、背部痛の訴えあり(NRSスケール6/10)、血圧126/82mmHg、脈拍78回/分」というように、時間経過に沿って具体的な数値を含めた記録が重要です。
慢性期看護の記録
生活習慣病など、長期的な管理が必要な患者さんの場合、日々の生活パターンや自己管理の状況を中心に記録します。
「毎日30分の散歩を継続できており、血糖値は食前で100-130mg/dL台を維持している」といった具体的な行動と数値の記録が求められます。
小児看護学実習の特徴
小児看護では、年齢や発達段階に応じた観察と記録が重要となります。
また、家族を含めた看護の視点が必須です。
発達段階の記録
患児の発達段階に応じた観察点を記録します。
「3歳児、言語発達は2語文を使用可能、階段は手すりを使って1段ずつ昇降可能」といった具体的な発達状況の記述が求められます。
家族支援の記録
家族の状況や支援内容も重要な記録項目です。
「母親は育児不安を表出されており、特に夜間の発熱時の対応に不安を感じている様子。具体的な対処方法について説明を行う」というように、家族への支援内容も具体的に記録します。
母性看護学実習の特徴
母性看護では、妊娠期から産褥期までの母子の健康管理と、家族を含めたケアの記録が中心となります。
周産期看護の記録
分娩経過や産褥経過の観察点を詳細に記録します。
「産褥1日目、子宮底長さ臍下2横指、悪露量中等量、性状暗赤色」といった具体的な観察結果の記録が重要です。
新生児看護の記録
新生児の状態を詳細に観察し記録します。
「出生時体重3,200g、全身チアノーゼなし、啼泣力強く、原始反射良好」というように、具体的な観察結果を記録します。
精神看護学実習の特徴
精神看護では、患者さんの言動や感情表現、対人関係などの観察が重要となります。
精神状態の記録
患者さんの精神状態を客観的に記録します。
「幻聴による不安の訴えあり、『誰かが後ろで話しているような気がする』との発言。表情は硬く、落ち着きのない様子」というように、具体的な言動や表情の変化を記録します。
対人関係の記録
患者さんと他者との関わりの様子を観察し記録します。
「デイルームでは他患者との交流を避ける様子が見られ、隅の席で一人で過ごすことが多い」といった社会性に関する観察結果を記録します。
在宅看護論実習の特徴
在宅看護では、生活環境を含めた包括的な観察と記録が求められます。
生活環境の記録
住環境や介護環境を具体的に記録します。
「2階建て一戸建て、階段に手すりなし、浴室は段差あり」というように、生活環境の具体的な状況を記録します。
社会資源の活用記録
利用している社会資源やサービスについても記録します。
「週3回のデイサービス利用、福祉用具としてベッド、車いすをレンタル中」といった具体的なサービス利用状況を記録します。
このように、各分野の特徴を理解し、それぞれに適した記録方法を選択することで、より質の高い実習記録を作成することができます。
次のセクションでは、実際の評価向上事例を基に、具体的な改善方法を解説していきます。
ケーススタディ

実習レポートの評価向上には、具体的な改善事例から学ぶことが効果的です。
このセクションでは、実際に評価が大きく向上した3つのケースについて、改善前後の比較と具体的な工夫のポイントを解説していきます。
Case A:評価向上例(75点から140点へ)
本ケースは、成人看護学実習における慢性期患者の看護過程展開の記録です。
理論的根拠の明確化と具体的な観察データの充実により、大幅な評価向上を実現しました。
改善前の記録の特徴
患者さんの状態を「食欲不振がある」「活動量が少ない」といった一般的な表現で記述していました。
また、アセスメントも「栄養状態が悪い」といった曖昧な表現に留まっていました。
改善後の記録のポイント
観察データを「食事摂取量が常食の3割程度」「6分間歩行テストでは180メートル」といった具体的な数値で示し、オレムのセルフケア理論を用いて分析を行いました。
さらに、文献を効果的に引用し、アセスメントの妥当性を高めています。
Case B:論理展開の改善例(80点から145点へ)
精神看護学実習における統合失調症患者の看護過程展開の記録です。
論理的な文章構成と丁寧な考察により、評価が大きく向上しました。
改善前の問題点
看護問題の抽出が表面的で、「不安が強い」といった現象面の記述に留まっていました。
また、看護計画も「傾聴する」「様子を見守る」といった一般的な内容でした。
改善後の特徴
ペプロウの対人関係理論を活用し、患者さんとの信頼関係構築のプロセスを段階的に分析しています。
看護計画も「10分間の定期的な面談を実施し、患者の気持ちの変化を確認する」といった具体的な内容に改善されています。
Case C:文献活用例(85点から150点へ)
小児看護学実習における発達障害児の看護過程展開の記録です。
適切な文献活用と具体的な観察データの記録により、評価が向上しました。
効果的な文献引用
発達障害に関する最新の研究論文を引用し、観察データの解釈に科学的根拠を持たせています。
「自閉スペクトラム症児の言語発達に関する研究(山田, 2024)によれば…」といった形で、具体的な研究知見を活用しています。
客観的データの充実
行動観察の記録を「パズル遊びでは2ピースの組み合わせが可能」「視線は合わせることができるが、持続時間は2-3秒程度」といった具体的な数値を含む形で記述しています。
改善のための実践的アプローチ
これらのケースから学べる共通の改善ポイントをまとめてみましょう。
理論的フレームワークの活用
看護理論を効果的に活用することで、観察データの解釈や看護計画の立案に論理的な一貫性を持たせることができます。
具体的なデータの記録
主観的な表現を避け、可能な限り具体的な数値や観察事実を記録することで、アセスメントの信頼性が高まります。
文献活用の工夫
関連する研究論文や専門書を適切に引用することで、アセスメントや看護計画の妥当性を高めることができます。
このように、実習レポートの評価向上には、理論的根拠の明確化、具体的なデータの記録、適切な文献活用が重要です。
次のセクションでは、文献活用の具体的な方法について詳しく解説していきます。
文献活用の実践ガイド

実習レポートの質を高める上で、文献の適切な活用は非常に重要です。
このセクションでは、文献の検索方法から効果的な引用方法まで、実践的なガイドラインをご紹介します。
文献検索の効果的な方法
信頼性の高い文献を効率的に見つけることは、レポート作成の基礎となります。
医中誌Webや CiNii Articles などの文献データベースを活用し、系統的な検索を行います。
データベースの選び方
医学中央雑誌(医中誌Web)では、国内の医学・看護学関連の文献を広く検索することができます。
「看護研究」「日本看護科学会誌」などの専門誌に掲載された論文を中心に、信頼性の高い文献を探すことができます。
キーワードの設定方法
検索キーワードは、シソーラス用語(統制語)を使用することで、より精度の高い検索が可能となります。
例えば、「褥瘡」というキーワードなら、「圧迫創傷」「床ずれ」といった関連語も含めて検索します。
効果的な引用方法
文献を引用する際は、適切な形式で記載することが重要です。
文献の種類によって引用形式が異なることにも注意が必要です。
学術論文の引用
著者名、発行年、論文タイトル、掲載誌名、巻号、ページ数を明記します。「鈴木一郎(2024)は、術後患者の早期離床における看護師の役割について…」というように、文章中で自然な形で引用を行います。
専門書の引用
書籍からの引用の場合は、著者名、発行年、書籍名、出版社、引用ページを記載します。
「看護過程の展開について、田中(2024)は『患者の個別性を重視した計画立案が重要である』と述べています」といった形で引用します。
参考文献リストの作成
文末の参考文献リストは、統一された形式で作成することが重要です。
アルファベット順または五十音順で整理し、必要な情報を漏れなく記載します。
文献リストの形式
和文献の場合は、「著者名(発行年):論文タイトル,雑誌名,巻(号),ページ.」という形式で記載します。
欧文献の場合も、同様の形式で統一して記載します。
引用文献と参考文献の区別
本文中で直接引用した文献は「引用文献」として、背景知識として参照した文献は「参考文献」として区別して記載することもあります。
文献クリティークの方法
単に文献を引用するだけでなく、その内容を批判的に読み解き、自身の考察に活かすことが重要です。
研究デザインの評価
研究の種類(量的研究・質的研究)や対象者数、研究方法の妥当性などを確認します。
これにより、その研究結果をどの程度一般化できるかを判断します。
研究結果の解釈
研究結果が自身の実習体験とどのように関連するかを考察し、理論的な裏付けとして活用します。
「先行研究の結果は、実習で経験した事例にも合致しており…」といった形で、体験と理論を結びつけます。
このように、文献を効果的に活用することで、実習レポートの質を大きく向上させることができます。
次のセクションでは、よくある質問とその回答について解説していきます。
Q&Aセクション「おしえてカンゴさん!」
看護実習レポートの作成において、多くの学生が共通して抱える疑問や課題があります。
このセクションでは、実習指導者の立場から、よくある質問とその解決方法についてお答えしていきます。
基本的な記録方法に関する質問
実習レポートの基本的な記録方法について、多くの質問が寄せられています。
一つ一つ丁寧に解説していきましょう。
Q1:レポートの適切な文字数はどのくらいですか?
基本的な実習レポートの文字数は、2000字から3000字程度が標準的です。
ただし、これは実習の内容や課題によって変動することがあります。
重要なのは、必要な情報を過不足なく記述することです。記録の種類によって、日々の記録であれば1000字程度、週間サマリーで2000字程度、実習総括で3000字程度を目安にするとよいでしょう。
Q2:文献の引用は何件程度が適切でしょうか?
実習レポートにおいては、最低でも3~5件の文献を活用することをお勧めします。
ただし、単に数を増やすのではなく、自身の考察を深めるために必要な質の高い文献を選択することが重要です。
特に、看護専門誌や学会誌から引用することで、レポートの信頼性が高まります。
記述内容に関する質問
レポートの具体的な記述内容について、様々な疑問が寄せられています。
それぞれの疑問に対する解決策を見ていきましょう。
Q3:考察の書き方のコツを教えてください
考察を深めるためには、実習での具体的な経験と、関連する看護理論や研究を結びつけて分析することがポイントです。
例えば、患者さんとのコミュニケーション場面を振り返る際には、ペプロウの対人関係理論を活用して分析するなど、理論的な裏付けを持たせることが重要です。
Q4:受け持ち患者さんの個人情報はどこまで記載してよいですか?
個人情報の取り扱いは非常に重要です。
年齢や性別、主な症状など、看護計画の立案に必要な情報は記載しますが、個人が特定される可能性のある情報(氏名、住所、具体的な職業など)は記載を避けます。
必要に応じてアルファベット(A氏、B氏)での表記を使用しましょう。
実践的なスキルに関する質問
実習記録の実践的なスキルについて、具体的なアドバイスを提供します。
Q5:時間管理のコツを教えてください
実習中の記録は、その日のうちに書くことが基本です。
特に、SOAP記録は観察直後に記入することで、より正確な情報を残すことができます。
休憩時間を利用してメモを整理する、帰宅後すぐに記録時間を確保するなど、個人の生活リズムに合わせた時間管理が重要です。
Q6:記録の添削を受けた後の修正方法は?
指導者からの添削を受けた際は、単に指摘された箇所を修正するだけでなく、なぜその修正が必要なのかを理解することが重要です。
同じような間違いを繰り返さないよう、修正のポイントをノートにまとめておくことをお勧めします。
このように、実習レポート作成には様々な疑問や課題が生じますが、一つ一つ丁寧に対応することで、より質の高い記録を作成することができます。
次のセクションでは、評価基準について詳しく解説していきます。
評価基準の解説
看護実習レポートの評価は、複数の観点から総合的に行われます。
このセクションでは、評価のポイントと、より高い評価を得るためのテクニックについて解説していきます。
評価の基本的な観点
実習レポートの評価は、内容の充実度、論理的な構成、具体的な考察など、多面的な視点から行われます。
これらの要素を意識して記録を作成することで、より高い評価を得ることができます。
記録の正確性と具体性
実習での観察事項や実施した看護ケアについて、具体的な数値や事実に基づいて記録することが求められます。
「バイタルサイン測定では、体温36.8℃、脈拍72回/分、血圧124/78mmHg」というように、具体的なデータを用いた記述が高評価につながります。
論理的な文章構成
序論、本論、結論という基本的な構成を守り、各段落が論理的につながるように記述することが重要です。
「なぜなら」「したがって」などの接続詞を適切に用いて、文章の流れを明確にします。
加点要因となる要素
より高い評価を得るためには、基本的な要件に加えて、さらなる工夫が必要です。
以下に主な加点要因を解説します。
文献の効果的な活用
適切な文献を引用し、自身の考察を深めることは、大きな加点要因となります。
特に、最新の研究成果を踏まえた考察は、高く評価されます。
個別性への着目
患者さんの個別性を考慮した看護計画の立案と実施について、具体的に記述することで評価が高まります。
「患者さんの生活習慣や価値観を考慮し、運動療法では散歩を取り入れた」といった記述が効果的です。
減点を避けるためのポイント
減点を回避するためには、以下のような点に注意が必要です。
まずは、基本的なミスを防ぐことから始めましょう。
誤字脱字の防止
提出前に必ず見直しを行い、誤字脱字がないかを確認します。
特に、医学用語や専門用語は正確な表記を心がけます。
提出期限の厳守
提出期限を守ることは、評価の基本となります。余裕を持って記録を作成し、期限内に提出できるよう計画的に進めることが重要です。
このように、評価基準を理解し、それに沿った記録を心がけることで、より高い評価を得ることができます。
次のセクションでは、これまでの内容を総括し、実践に向けたアドバイスをまとめていきます。
まとめ
看護実習レポートの作成には、基本的な記録方法の理解から、理論的な考察力の向上まで、様々なスキルが必要です。
SOAPや看護過程の展開では具体的なデータと客観的な観察事実を丁寧に記録し、看護理論や先行研究を効果的に活用することで、より質の高いレポートを作成することができます。
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